“お下劣”極まる安倍晋三

うんざりな報道が連日つづき、新たな“疑惑”が次々と指摘される。
バカボンのパパではないが「忘れたいのに、思い出せない」というような焦燥を毎日感じる日々が続いている。
“疑惑”が疑惑のまま積みあがって、そこから新たな疑惑が湧いてくる。

「お下劣な首相」と言えば、今までは宇野宗助(1989・6・3~8・10・第75代内閣総理大臣)が筆頭だが、彼は人間として「お下劣」な人物だった。しかし、安倍晋三は、政治家として「お下劣」な人間として筆頭だ。



「桜を見る会」名簿あった
1956年、57年開催分、国立公文書館に
費用は約50万円 主賓は各国大使
2019年12月3日:東京新聞・こちら特報部

 首相主催の「桜を見る会」の招待者名簿が国立公文書館に保管されていた。今から60年余り前の1956(昭和31年)、57(唱和32)年分だ。今と比べてこぢんまりした会合で首相と自民党との近さでなく役職や功績の有無で招待客を選んでいることがうかがわれる。文書から今と昔の「桜を見る会」の違いを探った。                               (石井紀代美、中沢佳子)

 国立公文書館のホームページ。昔の表記「桜を観る会」で検索すると13件がヒットした。隣に閲覧ボタンががある文書はネット上で見ることができる。そのうちの一つ、大臣官房総務課長が宮内庁管理部長宛てに出した1952(昭和27)年4月5日付の文書では、会の開催に必要な物品を貸してほしいとお願いしている。テーブルを意味する「卓子80脚 灰皿160個 ティスプン600個」などと具体的だ。
 最近の名簿はないのに、当時の「『桜を観る会』の招待者について」は、56年と57年の2年分あった。

市川房江、浅沼稲次郎の名も

 57年分はまず、与野党の関係なく国会議員が五十音順に並んでいる。最後までざっと確認したがお笑い芸人や反社会的勢力をうかがわせる名前はない。
 最初に目に留まったのは、社会党委員長を務めた浅沼稲次郎。60年に日比谷公会堂の壇上で右翼活動家から刺殺される3年前になる。
 女性の政治参加を促した市川房江の名前もあった。53年の参院選で東京選挙区2位の得票で初当選した若手議員だった。出席したかどうか、公益財団法人「市川房江記念会」の久保公子理事長に尋ねると、市川ののこした手帳などを当たってくれた。「この年の手帳がなかった。前日の16日は国会の運輸委員会で質問しているんですけどね」。久保氏も残念そうだ。
 共産党は首相と仲良し、ということはないはず。だが、77年まで通算5期参院議員を務めた岩間正男の名前があった。折しも、岸信介政権に切り替わったばかり。57年1月、群馬県内で農家の主婦が米兵に射殺される「ジラード事件」で、裁判管轄権が日本側にないという日米同盟の不平等さが露呈し、共産党も厳しく追及していた時期だ。
 党本部の植木俊雄広報部長は若いころ、岩間氏と面識があった。植木氏は「もはや確認のしようもない。だが、時代状況からみて出席したと考えにくい。招待状は現在も所属議員に来る。出席はしていない」と語る。

06年分も存在「要審査」で閲覧できず

 過去の新聞記事からは、会の雰囲気がうかがえる。56年4月18日の東京新聞夕刊社会面に「外国使臣招き、首相が観桜会」の記事。午前10時ごろから米、英など各国大使が続々到着。「野外テーブルを囲で花びらの雨をあび、紅茶とケーキと日本酒で談笑の中に風流を楽しんだ」とある。
 ところで、国立文書館のサイトで「観る」を「見る」に変えて検索すると、2006年の招待者名簿がヒットする。「要審査」で閲覧はできない。同館業務課の杉生守夫課長補佐は「公文書は中身をチェクし、どこまで公開するべきかを判断している。『要審査』はまだチェックできていないもの」と説明する。果たして、きちんと公開されるだろうか。

内容変質 隠したい文書に
源流は不平等条約解消向け「観桜会」
当時の資料 保存期間は「永久」

 招待者はどういう意図で選ばれていたのか。
 1956年の資料では「招待範囲」の欄のトップに「外交団」が挙がり、次いで「皇族、元皇族」「各大臣」「最高裁判所長官」「衆、参両院議長、副議長及び議員」と続く、最後が「各界代表」だ。
 どうやら、各国の大使らが主賓扱い。新聞記事も首相と大使が談笑する写真を扱っている。
 50年代は、まさに日本が国際社会への復帰を進めていた時代。サンフランシスコ平和条約を結び、日ソ国交回復に伴って56年に国際連合加盟もはたしていた。
 ところが国際社会復帰の59年になると「皇族、元皇族」がトップで、次に「外交団」と順位が変わっていた。
 開催要領には人数や費用の大枠も記載されている。招待者数は約3600人だったのが、54年からは約4400人に増加した。56年の各府省の割り当てをみると、旧通産省が最多の65人、次に旧総理府と旧文部省60人、旧厚生省45人など。実際に招く人数は割当より少なくなっていることが多い。
 声がかかっている人は、関係団体の人びとが主だった。法務省なら日弁連や法制審議会、旧大蔵省だと東京証券取引所理事会や全国銀行協会連合会、旧文部省は大学学長や日本博物館協会の関係者など。旧厚生省には民生委員もいる。服装は「平服」と示されている。
 費用は50万円が中心で30万円だたことも。50万円の時は、だいたい茶菓子35万円と見込んでいる。「茶菓」というが、当時の報道では酒も出ていたようだ。
 ちなみに、50年代後半の大卒初任給が10000円前後。今は20万円程度になっていることを参考にすると、開催費用は現在の価値で1000万円ほど。米価の推移で計算すると、だいたい4倍の200万円となる。
 会について取材しようと内閣府に電話すると、交換台の女性が「(担当課に)つないだが、担当者が外出中で対応できない。戻り時間もわからない」。どうやら、あまり説明する気はないようだ。
 資料をたどるだけでも戦後間もない時代の空気が感じられる。ちなみに、この資料の保存期間は「永久」。「人選にあたっては同一人が連続して招待を受けることのないように」とただし書きがある。重複を避けるのに保存は欠かせない。

個人情報保護理由に廃棄は筋違い

 なぜ最近の名簿は廃棄されるのか、公文書管理に詳しい成城大の瀬畑源(はじめ)非常勤講師(日本現代史)は「会の内容が変質し、名簿さえも表に出せない代物になって、公開すれば大きな問題になると官僚たちは考えたのだろう」と語る。
 会への招待は名誉なことなはずだ。ならば氏名を伏せたり、個人情保護を理由に破棄したりするのは筋違い。実際、天皇皇后両陛下が主催する園遊会は名簿を公表している。瀬畑氏は、この園遊会が一因となり、「首相応援団」が集うようになったと推測する。
 「会の源流は、明治期に不平等条約解消に向けて外交官の接遇として催した観桜会。戦後、外交を復活させるに当たり、外交官を接遇する必要があり、首相主催で再開した。ところが、同時期の春の園遊会と招待者が重なるようになった。そこで首相や与党に貢献した人をねぎらう場へと徐々に変わっていったのでは」
 さらに、瀬畑氏は「会の変質を示す隠したい文書だからこそ、情報公開請求を恐れた。公文書管理を巡る制度の抜け道をよく理解した上で、合法的に破棄したのだろう」と、名簿破棄の狙いは証拠隠滅という見方を示した。

デスクメモ
 「記事全文を見せろ」の新宿御苑に続いて今度は内閣府だ。多忙はさすがにウソとは思わない。だが、担当課に電話を回しもせず、交換台で門前払いは異例だ。説明責任を声高に言いながら正式な会見も開かない。そんな首相にならっているのか、何か忖度しているのか。      (裕)


(社説)
桜を見る会 公文書管理 教訓どこへ
2019年11月30日:朝日新聞

 森友・加計問題や自衛隊の日報隠しを受け、安倍政権は公文書管理の徹底を誓ったはずではなかったのか。行政機関の活動を記録に残し、後から検証できるようにするという公文書の意義が、政府内でいまだに共有されていないというほかない。
 首相主催の「桜を見る会」をめぐり、さまざまな問題が指摘される中、実態解明がなかなか進まないのは、安倍首相が説明責任を十分果たしていないことに加え、「招待者名簿」という根幹の公文書が廃棄されて存在しないことに主な理由がある。
 首相や与党、各省などからの推薦者をとりまとめる内閣府・内閣官房は、名簿の保存期間を1年未満と定め、会の終了後、直ちに処分しているという。しかし、翌年の招待者を決める参考に保存しておくのが自然である。大量の個人情報を保有し続けるのはリスクがあるからという説明は納得しがたい。
 内閣府・内閣官房に各省が提出した「推薦者名簿」の方は、1年以上保存されている例が相次いで確認された。また、「招待者名簿」が「1年未満」に分類されたのは昨年からだという。理屈をつけて、名簿を早く処分できるようにしたのではないかと疑われるゆえんだ。
 しかも、今年の名簿を大型シュレッダーにかけたのは、共産党議員が国会質問のために資料を求めた約1時間後だったという。政府は、名簿を廃棄した職員は資料要求のことは知らず、この日にシュレッダーを使うことは以前から決まっていたというが、「偶然の一致」というには出来過ぎている。
 この会をめぐっては、オーナー商法で多くの被害者を出したジャパンライフの元会長が、消費者庁から行政指導を受けた翌年に首相の推薦枠で招待状を受け取っていた可能性が指摘されているほか、反社会的勢力が実際に参加していたとも言われている。政府は名簿を廃棄済みなので事実関係を確認できないというが、だからこそ記録を残す必要があったのではないか。
 多くが残されていた「推薦者名簿」の中で、処分されていたのが、政党や政治家から寄せられたものだ。政治家が絡むと記録がなくなるケースは、これまで何度も明らかになっている。官邸では、首相が省庁幹部と面談した際の記録をとっていない。NPO法人情報公開クリアリングハウスの調査では、多くの省庁が大臣の日程表を作成当日などに廃棄しているという。
 一連の制度改革で、政策決定における政治主導が強まった。政治家の言動をきちんと記録しておくことは、行政の透明性や後の検証の実効性を高めるのに不可欠である。



安倍首相が政治資金収支報告書に
規則破りパーティで“7千万円荒稼ぎ”を
堂々記載! 一方、「桜を見る会」前夜祭は…
2019年11月29日:LITERA

「桜を見る会」問題追及によって、安倍首相が税金を使った公的イベントを地元有権者の接待の場にし、安倍自民党全体で選挙活動のため利用していたことが明るみに出た。一体、国民の血税を何だと思っているのかという話だが、さらに安倍首相をはじめとする安倍政権の大臣たちの舐めた態度が浮き彫りになった。
 本日、2018年分の政治資金収支報告書が公表されたのだが、そこに記されていたのは、規則破りのパーティ開催の数々だったからだ。
 まず、最初に挙げなければならないのは、安倍首相の政治資金パーティにおける“ボロ儲け”ぶりである。
 安倍首相の資金管理団体「晋和会」の政治資金収支報告書によると、安倍首相は2018年に「安倍晋三後援会朝食会」と題した政治資金パーティを東京の高級ホテル・ANAインターコンチネンタルホテル東京で計3回開催。5月28日に2537万9784円、11月2日に2424万円、12月20日に2018万円を集め、たった3回でじつに6979万9784円も集金している。
 他方、支出に目を移すと、会場費郵便料金など3回の朝食会にかかった費用は548万3375円で、経費は収入の10分の1も満たない。つまり、安倍首相は朝食会だけで6431万6409円を収入として得ているのである。
 安倍首相に対しては例年、「よりにもよって総理大臣が大臣規範を破るとは」と批判の声が上がっている。大臣規範とは2001年に閣議決定された「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範」のことで、国務大臣や副大臣、大臣政務官といった職務に就く者は「国民の疑惑を招きかねないような大規模な政治資金パーティーを自粛する」と規定している。
 だが、この規定など完全無視。安倍首相は総理大臣でありながら、収入が1回で1000万円を超える大規模パーティを開催しつづけ、この大臣規範を毎年、平気で破っている。ようするに、襟を正す気などまったくないのだ。
 しかも、これは安倍首相に限った話ではない。現在の閣僚で、今回収支報告書が公開された2018年時も大臣や大臣政務官だった人物でいうと、麻生太郎副総理兼財務相の資金管理団体「素淮会」の報告書によると、たった1回のパーティ開催で6165万5244円。河野太郎防衛相(当時は外相)の資金管理団体「河野太郎事務所」の報告書では1回のパーティ開催で3432万円。茂木敏充外相(当時は経済再生担当相)の資金管理団体「茂木敏充政策研究会」の報告書では収入がすべて1500万円以上のパーティを計4回開いて計8467万16円。加藤勝信厚労相(2017年8月〜2018年10月まで厚労相)が代表を務める政党支部「自由民主党岡山第五選挙区支部」の報告書では1回のパーティで1937万9474円、資金管理団体「勝会」の報告書では1回約1800万円の収入を得たパーティをはじめ計5回のパーティで5150万円。梶山弘志経産相(2017年8月〜2018年10月まで地方創生担当相)の資金管理団体「益習会」の報告書では1回2769万円の収入を得たパーティを含む計2回のパーティで3717万円の収入を得ている。
 また、菅義偉官房長官も、菅氏が代表を務める「自由民主党神奈川県第二選挙区支部」の報告書によると、1回1000万円近い収入のパーティを4回開催して3872万円、さらに菅氏の資金管理団体「横浜政経懇談会」の報告書でも5回のパーティで3772万円。西村康稔経済再生担当相(当時は官房副長官)の資金管理団体「総合政経研究会」の報告書でも1回1000万円近いパーティを含む17回のパーティで1億177万2136円もの収入を計上している。
 大臣規範を破りまくりの大臣が、現役閣僚として在任している──。これだけでも唖然とさせられるが、政治資金パーティが問題なのは、その不透明性だ。というのも、パーティ券の購入が事実上の献金になっているにもかかわらず、購入額が20万円を超えなければ購入者の情報は報告書へ記載する必要はない。
 実際、政治資金パーティの“闇”の一端があきらかになったこともある。昨年11月に公表された2017年の政治資金報告書では、稲田朋美・元防衛相が政治資金パーティの開催を中止したことから、パーティ券を購入した団体・個人に返金をおこない、その内訳が記載されていた。前述のとおりパーティ券の場合は購入額が20万円を超えなければ名前などを記載する必要はないが、返金したために1万円以上の購入者の名前などが政治資金収支報告書に記載される結果になったのだ。そして、それによって電力会社8社をはじめ、日本原子力発電や電気事業連合会、関西電力のグループ会社や全額出資子会社などから計112万円もパーティ券を購入してもらっていたことが判明。期せずして“原発マネー”の流れが浮かび上がったのだ。電力会社は「地域独占で公共性が強いのに献金はおかしい」といった批判が高まったことから、1974年以降、会社としての政治献金を中止しているにもかかわらず、だ。
「政治とカネ」という重要な問題にかかわるのに、国民の監視の目が届かない──。当然、仕組み自体をさらにオープンにすべきだが、しかし、大臣規範を平気で破り、政治資金パーティを隠れ献金の温床にしている安倍政権の面々には、モラルもへったくれもない。それを象徴する出来事が、いま問題となっている安倍首相の「桜を見る会」の「前夜祭」であることは、言うまでもない。

やはりなかった「前夜祭」の記述!
 安倍事務所は公選法、政治資金規正法違反を自覚していたのか

 やはり本日公開された「山口県報」に掲載された「政治団体の収支に関する報告書の要旨[平成30年分]」を確認しても、安倍首相の政治団体「安倍晋三後援会」に「前夜祭」にかんする収支の報告はなされていない模様だ(ちなみに、山口県は政治資金収支報告書をネット上で公開していない数少ない都道府県のひとつで、情報公開が進まない理由に安倍首相への“配慮”があると見られても仕方がないだろう)。
 だが、これまで何度も言及してきたように、「前夜祭」の収支報告がないことは、あきらかにおかしい。安倍首相が強弁しても、当日欠席した人の存在や実費計算と参加者による1人5000円の会費=ホテル側への支払いとはならないはずだからだ。
 たとえば、いくら前もって参加者を募っていても、これほど大規模なパーティなら事情があってドタキャンする人は必ず出てくるものだ。その当日キャンセル分の補填は誰がおこなったというのだろうか。あるいは万が一多すぎた場合の余剰分は誰の懐に入るのか。さらに言うと、食事代や会場設営・音響費用などは当日変更さえなければ事前に金額を確定できるが、飲み物代はそうではない。本サイトがホテルニューオータニに問い合わせをした際にも、飲み物代はおおよそ1人4000円程度としながらも、基本的には「実数計上」になると説明を受けている。つまり、事前に飲み物代は確定することはできず、通常でいえば宴会終了後に精算作業がおこなわれるはずなのだ。そして、その精算主体は「安倍晋三後援会」であり、何らかの収支が発生していると考えるのが当然だ。
 にもかかわらず、収支報告書に「前夜祭」の記載はない。つまり、パー券で儲ける政治資金パーティとは違い、「前夜祭」は地元後援会関係者をもてなす会であり、その差額を補填していたとしたら供応接待の事実がバレてしまう。だから記載していないのではないか。
 しかも、実際にホテルニューオータニが5000円で引き受けていたとしても、本来は参加者1人につき1万1000円以上の費用にもかかわらず大幅な値引きをおこなっていたことになれば、それは「安倍晋三後援会」への寄附にあたり、政治資金規正法で禁じられた政治団体への企業献金となる可能性がある。
 つまり、「前夜祭」の収支報告がないことは、政治資金収支報告書への未記載にとどまらない違法行為が隠されている可能性が濃厚だ。しかし、安倍首相はいまだにシラを切り、まともな説明をおこなっていない。
 開催を自粛すべきと規定されているのに大規模政治資金パーティを平然と開き、都合の悪いパーティの存在は国民の監視から覆い隠す──。大臣規範を平然と破りつづけていることと、今回の「前夜祭」問題の根幹は、安倍首相にはモラルなどまるでなしという意味で、まったく同じなのである。
(編集部)



安倍政権がジャパンライフへの
立入検査を潰していた!
検査取りやめを「本件の特異性」
「政治的背景」と説明する消費者庁の内部文書
2019年11月30日:LITERA

 悪徳マルチ商法のジャパンライフ会長が「桜を見る会」に「総理枠」で招待されていた問題で、爆弾級の事実が明らかになった。「桜を見る会」招待の約半年前、消費者庁が政治圧力で立入検査などを取りやめていたというのだ。しかも、消費者庁には、そのことを裏付ける森友学園問題のときとそっくりな文面の内部文書が存在していた。
 まず、簡単にジャパンライフと「桜を見る会」の問題点をおさらいしよう。本サイトではたびたび言及してきたが、ジャパンライフは磁気ネックレスの預託商法などを展開、悪徳マルチ商法として社会問題になってきた会社であり、1985年には国会で「ジャパンライフ問題」として集中審議がおこなわれたことまである。そして、2014年9月には消費者庁から文書で行政指導を受けていた。
 にもかかわらず、このジャパンライフの創業者で当時会長である山口隆祥氏が、2015年4月の「桜を見る会」に招待される。そして、ジャパンライフはこの招待状と安倍首相の顔写真を宣伝チラシに載せ、〈安倍晋三内閣総理大臣から山口会長に「桜を見る会」のご招待状が届きました〉と大々的にアピール。ジャパンライフはセミナーでこのチラシをスライドに大写しにし、勧誘に使っていたという。
 ジャパンライフの被害者の多くは高齢者であり、安倍首相と山口会長の関係を証明するこの招待状の存在はジャパンライフに対する信頼材料になった。実際、定期預金などを解約して家族とともに約2100万円を投じた60代女性は、「すごい政治家と付き合っているんだなと、誰も疑わなかった。まんまと口車に乗せられた」と証言している(朝日新聞デジタル28日付)。
 しかもここにきて、この宣伝チラシに掲載されている山口会長の招待状に記された「60」という番号が、「総理・昭恵枠」であることを示す招待区分の数字ではないかということが内閣府作成の2015年の仕様書から発覚。つまり、安倍首相あるいは昭恵氏が山口会長を招待していたとみられているのだ。
 悪徳マルチ商法の会長を、安倍首相あるいは昭恵氏が直接招待していた──。これは非常に大きな問題だが、しかし、昨晩放送の『報道ステーション』(テレビ朝日)では、金曜コメンテーターの野村修也弁護士が「『桜を見る会』に呼ばれたときは2015年の春で、まだ行政処分を受けていなかったんですね」「消費者問題における行政指導というのは、かなり多くの会社に対して頻繁におこなわれてます」「招待を総理枠でおこなったとした場合のその責任について、あの時点でどういう対応をとるべきだったのか」などと発言。本サイトでも既報で紹介したように28日放送の『スッキリ』(日本テレビ)でも、司会の加藤浩次が「4年前にそういう人を入れていたということもアウトなのか、4年前は普通にマルチの商売をしている会長が来たということで、結果そういうことになったという考え方をするのか」などとコメントしていた。
ようするに、「桜を見る会」に招待した時点では行政指導がおこなわれていたにすぎず、「普通にマルチの商売をしている会長」を呼んだだけで、それを問題にするのはどうなのか。そう主張したいらしい。
 だが、昨日29日におこなわれた参院・地方創生及び消費者問題に関する特別委員会で、こうした安倍首相擁護の詐術を完全にくつがえす事実が指摘された。いや、そればかりか、逆に安倍政権がジャパンライフの被害を拡大させていたことを裏付ける決定的証拠が明らかになった。

担当課長が代わった途端、
消費者庁がジャパンライフへの検査取りやめ

 この事実を明らかにしたのは、共産党の大門実紀史議員。ジャパンライフの被害が国民生活センターなどに届きはじめたのは、「桜を見る会」招待の2年近く前、2013年からだが、大門議員によると、消費者庁はこの当時から悪質性を把握し、「本格調査」を検討していたという。
 2013年10月、消費者庁の取引対策課担当職員から山下隆也・取引対策課長(当時)に予備調査報告書が出されているのだが、そこには、被害が甚大になる可能性があり、本調査に移行すべきだという提案が記載されているのだ。
 しかも、2014年5月になると、ジャパンライフの経営が悪化したことなどから、山下取引対策課長は“いま見逃すと大変なことになる、つまり被害者にお金を返せなくなる”として、同課の法令班に対して、被害が広がらないよう立入検査をやるべきだと姿勢を示していたという。
 だが、消費者庁のこうした検査への積極姿勢は2014年7月に一転する。7月4日の人事異動で山下氏が経産省鉄鋼課長となり、経産省大臣官房付だった山田正人氏が取引対策課長になったのだが、そのとたんに立入検査の方針をとりやめてしまったのだ。
 大門議員によると、消費者庁の担当会議で配られた7月31日の「処理方針の確認文書」には、「消費者庁の杉田弁護士」(おそらく弁護士資格をもつ、取引対策課課長補佐だった杉田育子氏のことだと思われる)が立入検査をすべきだと主張したのに対して、山田取引対策課長が“立入検査をおこなうほどの違法事実はない。召喚(呼び出して注意)でいい”と発言したというような、あからさまな調査潰しを物語る記述があるという。
 経営が悪化し、このままではさらに被害を生んでしまう可能性が高いことを把握していたのに、なぜ、新任の山田課長はジャパンライフへの立入検査を見送ったのか──。しかも、重要なのはここからだ。
 大門議員は7月31日の会議で配られたという「要回収」とされた「もうひとつの文書」に言及したのだが、この文書では、ジャパンライフに立入検査はしなくていいということと同時に、こういった文言まで書かれていたことを指摘した。
「本件の特異性」「政治的背景による余波を懸念する」「この問題は政務三役へ上げる必要がある」
 ここで誰もが、あの文言を思い出したことだろう。そう。森友学園に絡む決裁文書に書かれていた「本件の特殊性」という文言だ。改ざんによって消されたこの文言が、政治家の関与、いや首相夫人である昭恵氏の関与を示す文言であることは論を俟たないが、これとジャパンライフの問題の構図はまったく一緒だったのだ。
 本サイトでは以前から指摘してきたように、ジャパンライフは安倍政権の政治家たちに食い込んでいた。実際、2014年12月には当時の文科相である下村博文にジャパンライフから10万円の政治献金がなされており、さらに、大門議員が入手したジャパンライフの「お中元発送先リスト」には安倍首相や麻生太郎財務相、菅義偉官房長官らの名前が記載されていたという。
 つまり、「本件の特異性」「政治的背景による余波懸念」という文言からも明白なように、被害拡大の懸念がありながら消費者庁がジャパンライフへの立入検査を見送ったのは、ジャパンライフが“政治家案件”であると認識した上での判断だったのである。
 こうしたことにより、ジャパンライフへの立入検査はなされず、2014年9月と10月におこなわれたのは文書による行政指導にとどまったのだ。

ジャパンライフ立入検査を潰した課長は
経産省出身で今井首相秘書官の部下だった時期も

 しかも、大門議員は「桜を見る会」招待をめぐる新たな問題点も指摘していた。ジャパンライフには2016年12月にようやく最初の行政処分(3カ月の一部業務停止命令)が出るが、大門議員によると、この行政処分につながった違法事実の認定で「もっともひどい被害事例が出たのは、2015年1〜3月」だった。一方、山口会長に「桜を見る会」の招待状が送付されたのは、2015年2月のことだ。
 この事実が何を示すか。つまり、「本件の特異性」「政治的背景による余波懸念」によって立入検査を見送った上、2015年に「桜を見る会」に会長を招待した結果、ジャパンライフに信用を与え、ほんとうならもっと早く食い止められたかもしれない被害をさらに拡大させてしまったのではないか、ということだ。
 大門議員も、このように厳しく追及をおこなった。
「ようするに、ジャパンライフ問題は最初から政官の関与、影響力が延命させてきたわけですけれども、もっともジャパンライフが厳しいときに、最後の荒稼ぎをやろうとしたときに手を貸したのが、この総理の招待状だということになる。これは被害者にとって許せない話だと、私にとっても、これは本当に怒りを感じる話。これは本当に、あとは総理に聞くしかありません」
 一体、なぜ安倍首相は山口会長をどんな付き合いがあって「桜を見る会」に招待したのか。しかも気になるのは、被害拡大の危険性が認識されていた悪徳マルチへの立入検査を見送るという“政治的判断”を打ち出した山田課長の存在だ。山田課長は2009年に短期間ながら経産省大臣官房総務課企画官を務めているが、このとき大臣官房総務課長を務めていたのは安倍首相の懐刀である今井尚哉首相秘書官兼補佐官である。果たして消費者庁の人事に、安倍官邸は関与してはいないのか──。
「桜を見る会」を端緒に、またも新たに飛び出した重大疑惑。言っておくが、ジャパンライフ問題は、被害者は約7000人、被害総額は約2000億円で豊田商事事件を上回る巨額の消費者被害といわれる重大事だ。安倍首相をはじめ、広告塔となってきた加藤勝信厚労相や二階俊博・自民党幹事長など、徹底した追及が必要なのは言うまでもない。
(編集部)



【私説・論説室から】招待名簿の廃棄に憤る
2019年12月2日:東京新聞

 「桜を見る会」に国民が怒っている。首相が地元後援会の人々を特別に招待したら「選挙運動と同じだ」と映る。何しろ税金を使う公的行事だからだ。だが、誰を招いたのか。招待客名簿は内閣府が廃棄していた。
 怪しいのは野党議員が「委員会質問を念頭に置いた勉強用」として内閣府に資料要求した当日、しかも直後に廃棄していることだ。五月の出来事だった。調査妨害とも質問封じとも誰もが感じるであろう。
 名簿の保存期間は「一年未満」だというが、その根拠を問われると、十月末に改定された規則だという。はあ? この時系列の矛盾はいったい何か。しかも、「政治家枠」などの名簿情報のみ、しっかりデータ丸ごと廃棄するとは。
 モリカケ問題でも自衛隊の日報問題でも、公文書の扱いはでたらめ。何か怪しいことが起こると、この政権ではとたんに文書が消える。廃棄や改ざん…。開示されても黒く塗りつぶされた「ノリ弁」だったり…。せっせと役所が証拠隠滅している感じだ。
 今回も「セキュリティー」だの「個人情報」だの情けない言い訳が続く。今は超高機能のシュレッダーが注目を集める。隠滅装置として…。共同通信の世論調査では約70%の国民が首相発言を「信頼できない」と答えた。怪しいどころか、ウソまみれだと見抜いている証しだ。 (桐山桂一)



桜を見る会と揺れ動いた首相
 番記者が見た誤算と焦り
2019年12月1日:朝日新聞

 桜を見る会をめぐり安倍晋三首相の取材対応は揺れ動いた。記者団の前に1日に2度立ち止まり、長時間の質疑に応じたと思ったら、ぱたりと質問を受け付けなくなった。首相と記者団の攻防を、首相番記者が報告する。
 11月29日朝、首相が官邸に入る際、記者団から「桜を見る会」にオーナー商法で行政指導を受けたジャパンライフ元会長が招待されていた疑惑について説明する考えがあるかを問いかけた。しかし、首相は答えなかった。
 この日朝、記者団は首相秘書官を通じて、首相を記者が囲んで質問する「ぶら下がり取材」を要請した。秘書官の答えは「官房長官などが既に回答しており、応じられない」だった。
 ぶら下がり取材に応じないと回答があった場合でも、首相が官邸に出入りする際、質問を投げかける「声かけ」をすると首相が一言答えることもある。
 11月29日も首相が官邸に入った際、記者が「桜を見る会にいわゆる首相枠でジャパンライフの元会長が招待された疑惑があるが、説明する考えはあるか」と問いかけた。しかし、首相は「おはよう」とだけ述べ、執務室へのエレベーターに入っていった。
 桜を見る会をめぐって、記者団は来年度の中止が決まった11月13日以降、29日までの計10回、首相秘書官を通じて首相にぶら下がり取材を要請した。
 このうち、首相が応じたのは11月13日夕、15日昼、15日夕、18日朝、20日朝の5回。菅義偉官房長官が来年度の中止を発表した直後の11月13日夕には「私の判断で中止をすることにいたしました」と述べ、自身の決断だとアピールした。
 この時点では、首相は自身が説明すれば、わかってもらえると考えていたようだ。
 11月15日は金曜日だった。週末を前にしたこの日夕、首相は想定問答を記したとみられる紙に目を落としながら、21分間にわたって取材に応じた。普段は1、2分程度しか応じないため、異例の長さと言える。時には笑顔も見せて準備を尽くしてきた余裕すら見え、「何かご質問、どうぞ」と自ら質問を促す場面も目立った。
 この日午前には周囲が「記者が声をかけてきたら無視しないでください」と首相に助言し、「無視して立ち去っていく映像を撮られないようにした」(首相周辺)という。週末には、政治ニュースを扱うテレビ番組を目にする人も多くいる。質問が出尽くすまで答え、説明責任を果たしたことを世間にアピールするという官邸側の狙いがにじんだ。
 ただ、夕食会の会費5千円は「ホテル側が設定」し、「すべて参加者の自己負担」などとする首相の説明は、具体的な証拠を伴うものではなく、問題が沈静化することはなかった。週明け以降も断続的に続く記者団からの取材要請に、官邸内からは「いつまで聞くんだ」といらだつ声があがった。
 その後も桜を見る会をめぐり、首相の地元の市議が安倍事務所の申込書を使って知人を会に招待していたことや、妻昭恵氏の関与など新たな問題が次々と発覚した。
 11月18日夕以降、首相は「お疲れさま」などと答えるだけで、記者団の前を通り過ぎていく。首相の背中に「説明する考えは」と言葉を投げかけても、振り返ることはない。一つひとつ説明して新たな疑問点を指摘されるくらいなら、黙っていた方が得策ということか。
 少しだけ違ったのは、11月20日の朝。首相の通算在職日数が歴代1位になった日だった。
 首相は歴代1位になった感想は口にしたが、桜を見る会については「この後国会においてご指摘に答えたい」などと答えるのみだった。この日はテレビ各局で「歴代1位」の首相の言葉が放送される。首相が桜を見る会について釈明しても、質問を無視しても、映像は使われやすい。最小限の答えのみ口にし、記者団の質問に応じた姿は見せたということなのかもしれない。
 このときぶら下がりに答えた首相の表情に歴代1位となった達成感や充実感はなく、終始神妙な面持ちだった。そこにあったのは、「歩みを始めた初心を忘れずに」と述べたような緊張感ではなく、初心を忘れたからこそ招いた疑惑を突きつけられ続ける焦り、のように見えた。(吉川真布)



政権象徴する公私混同と文書廃棄
 疑念膨らむ桜を見る会
2019年12月1日:朝日新聞

 国の税金を使って首相が開く「桜を見る会」の問題をめぐり、安倍晋三首相は2日の参院本会議で答弁に立つ。首相が地元有権者ら「身内」を多数招待した公私混同ぶりが指摘されるほか、政府側が招待者名簿などの公文書は廃棄したとして詳細な説明を避けている点もこの政権を象徴する。
 桜を見る会が始まったのは1952年のこと。招かれるのは皇族や各国大使、国会議員や都道府県知事などのほか、各界で功績功労があった人とされてきた。
 一部野党は今年春ごろから、安倍政権で参加者や費用が年々膨張することに疑念を持ち、追及を始める。「開催要領」には計約1万人とあるが、2014年に約1万3700人だった参加者が、19年は約1万8200人まで増えていた。
 11月8日の参院予算委員会で、共産党の田村智子氏が独自調査をもとに「首相らの後援会関係者が多数参加していたのではないか」と質問。首相は「招待者の取りまとめなどには関与していない」と言い切った。田村氏が地元有権者らが多数参加していたことを指摘すると、首相は地元の自治会、PTA役員など功績や功労のある人がいると強調した上で、「そういう方と後援会の方が重複することも当然ある」と答えた。菅義偉官房長官も選定過程の不透明さについて記者会見で連日問われたが、「内閣官房および内閣府で最終的にとりまとめている」との説明を繰り返した。
 ところが13日、桜を見る会を日程に含んだ観光ツアーを地元有権者に案内する首相の事務所名義の文書が明らかに。首相事務所による地元有権者への「優遇」を強く疑わせる内容で、首相は同日夜、会の来春の開催中止を急きょ発表した。
 批判の高まりを受け、首相は20日の参院本会議で、「私自身も事務所から相談を受ければ、意見を言うこともあった」と答弁の修正に追い込まれた。国会質疑などを通じ、妻の昭恵氏も関わっていたほか、今春の招待者約1万5千人のうち、首相夫妻の推薦が約1千人、自民党関係者の推薦が約6千人など半数以上が官邸幹部と自民党による推薦だったことも判明。当初の説明とは異なり、公的行事である会が首相らによって「私物化」されていた実態が浮き彫りになった。
 さらに、野党側は「反社会的勢力」とみられる人物が出席していたことや、オーナー商法で消費者庁から行政指導を受けるなどしたジャパンライフの元会長に招待状が送られていたことなども追及する構えだ。(菊地直己)

疑問視される会計処理

 会計処理も焦点だ。
 安倍首相の地元事務所が支援者を案内した観光ツアーの費用は、コースごとに設定されて1人7万円前後。前日の夕食会は「安倍晋三後援会」の主催で、別途5千円の会費制だったとされている。
 政治資金規正法は、政治団体に収入や支出があった場合、政治資金収支報告書への記載を義務づけている。安倍事務所が集金や支払いをしていれば記載義務が生じるが、安倍首相関連の政治団体の収支報告書にはツアーに関するものは見当たらない。
 安倍首相は、ツアーの旅費や宿泊費は各参加者が旅行会社に直接支払ったと説明。夕食会は事務所のスタッフが受付で会費を集めたが、そのままホテル側に渡したため「後援会としての収入、支出は一切ない」とし、いずれも収支報告書への記載は不要との認識を示している。
 だが、特に夕食会の会計処理は疑問視されている。
 安倍首相の説明では、参加者は会費の支払いと引き換えに、安倍事務所のスタッフからホテル名義の領収書を受け取っていた。領収書があらかじめ用意されていたことから、野党は「(首相側が)事前に費用を支払っていたのではないか」と追及。収入と支出があった可能性を指摘する。
 開催場所だった都内のホテルは、ホームページで立食パーティーの料金を「1人1万1千円から」とうたっており、野党側は「5千円は安すぎる」とみる。参加人数分の会費の合計と、ホテル側の請求額がちょうど一致していたかどうかも疑問だ。集めた会費ではまかなえず、首相側が差額を穴埋めしていれば、公職選挙法が禁じる有権者への寄付にあたる可能性がある。
 首相は料金について、ホテル側が800人という参加者の規模や、大多数が宿泊客であることを踏まえて設定したと反論する一方、料金の明細書は「なかった」と主張している。(久保田一道)

説明しない政府

 首相夫妻による推薦はどのくらいあったのか、それはどのような人たちか。様々な疑問について、政府は「名簿をすでに廃棄しているため、確認ができない」(菅義偉官房長官)との答弁を繰り返し、詳細を説明しようとしない。
 内閣府は今年の招待者名簿について、共産党の宮本徹氏から資料要求を受けた5月9日に大型シュレッダーで廃棄。政府が野党に提出したシュレッダーの「使用者記録表」によると、廃棄を始めたのは資料要求の約1時間後だったという。
 政府は「会の終了後、遅滞なく廃棄した」(菅長官)とするが、4月13日の開催から1カ月近くたっていた。内閣府は4月22日にシュレッダー使用の予約をし「各局の使用が重なって調整した結果、連休明けになった」と説明。しかし、「記録表」を見た野党側は、連休前にも使っていない「隙間」があったと指摘。野党議員が11月26日の視察でシュレッダーを使うと、34秒で800枚の紙を細断できた。「資料要求を受けて証拠隠滅した疑惑が深まった」と批判する。
 政府は名簿の電子データについても「紙媒体の削除の前後で、同じような形で削除した」と答弁。野党が電子データの復元を要求しているのに対し、菅長官は「復元できないと聞いている」と繰り返す。理由は技術的なものか、ルールに基づくものか問われても、あいまいな答えに終始している。
 首相やその周辺の関与が指摘される問題で、資料やデータが「廃棄」されるという事態は安倍政権下ではこれまでも繰り返されてきた。首相や妻の関与が疑われた森友学園問題では、公文書が官僚によって廃棄されたことが明らかになった。獣医学部の認可に関連し、首相の友人への優遇が疑われた加計学園問題では、野党などから首相官邸への訪問者の確認を求められた官邸側が、記録は「遅滞なく廃棄」し、「保存されていない」と主張。真相解明は進まぬままだ。(鶴岡正寛)



桜を見る会 名簿廃棄後に保存基準変更
 内閣府、対象狭める
2019年11月24日:東京新聞


 政府が四月の「桜を見る会」の招待者名簿を五月に廃棄した約五カ月後、文書保存基準に関する内規を変更していたことが二十三日、分かった。内閣府は曖昧だった基準を明確にしたと説明するが、野党は「追及をかわすため、後付けで規定を変えた」と反発している。
 内閣府が野党に示した公文書管理に関する資料で判明した。
 今年の桜を見る会は、四月十三日に開催。共産党議員が国会質問のため関連資料の提出を要求した当日の五月九日、今年分の名簿をシュレッダーで廃棄した。
 野党が追及の動きを強めたのと同時期の十月二十八日、内規で定めた文書保存対象を「行事等の案内の発送等」に狭め、保存期間を一年未満とした。野党幹部は「招待者名簿の廃棄を正当化できるよう後で内規を変更したのではないか」と批判している。
 二〇一八年三月以前は「行事等の名簿」が対象とされ、保存期間は一年。一八年四月に一年未満へと変わった。
 内閣府は、対象を具体的にしたとした上で「変更前の基準でも保存期間は一年未満とされており、今年分の廃棄に問題はない」と説明している。
 公文書管理に詳しい東京大の牧原出教授(政治学)は「廃棄のタイミングを含めて不適切だ。事後検証できない態勢になっているのが現政権の一番の問題。電子データはどこかにあるはずで、調査を尽くすべきだ」と指摘した。
◆野党、追及態勢強化 与党、予算委応じず
 臨時国会は会期末の12月9日まで2週間余りとなった。野党は首相主催の「桜を見る会」を巡り、追及態勢を増強。安倍晋三首相が公的行事を私物化して自らの後援会を優遇したとの批判を強め、首相が出席する衆参両院の予算委員会を重ねて要求する。与党は応じずに幕引きを図りたい意向で、日米貿易協定の承認に注力する。終盤国会の攻防は激しくなりそうだ。
 野党は25日、追及チームを格上げした「追及本部」の初会合を開く。立憲民主、国民民主、社民3党などの会派と共産党に加え、れいわ新選組も参加し、実態解明を進める。参院では、22日の予算委理事懇談会で参院規則に基づき集中審議の開催を要求。回答期限を26日とした。
 与党は首相が20日の参院本会議で、招待者推薦に関与したと認めた点などを踏まえ「首相は十分に説明している」として収束を狙う。集中審議の開催には応じる気配を見せない。



桜を見る会、反社勢力招待
「明らかにすべきだ」64% 毎日新聞世論調査
2019年12月1日:毎日新聞

「桜を見る会」で招待者に囲まれ、笑顔を見せる安倍晋三首相(中央左)と妻昭恵氏(同右)
=東京都新宿区の新宿御苑で2017年4月15日、竹内紀臣撮影

 毎日新聞は11月30日と12月1日、全国世論調査を実施した。安倍内閣を「支持する」は42%で、10月に行った前回調査の48%から6ポイント減った。「支持しない」は35%で前回調査(30%)から5ポイント増加した。「関心がない」は21%だった。安倍晋三首相が主催する「桜を見る会」をめぐり、野党が反社会的勢力の関係者が参加していたと指摘している問題については、誰の推薦でどのような人物が会に招待されていたのか、政府は「明らかにすべきだ」は64%で、「明らかにする必要はない」の21%を上回った。

資料要求した日にシュレッダーで廃棄「納得できない」72%

 内閣支持層でも「明らかにすべきだ」は53%と半数を超え、無党派層では71%に上った。4月の「桜を見る会」の安倍首相や与党議員ら政治家による推薦者名簿について、内閣府は、野党議員が質問のため資料要求したその日にシュレッダーで廃棄していた。各府省庁が作成した推薦者名簿は、開示された際は大半が黒塗りの状態だった。
 政府は廃棄と資料要求は一切関係ないとしているが、この説明に「納得できる」は13%にとどまり、「納得できない」の72%が大勢だった。公文書管理のあり方に多くの国民の不信感が表れた形だ。また、国の税金を使って開く「桜を見る会」に安倍首相の地元後援会関係者らが多数、招待されていたことについては「問題だと思う」が65%、「問題だとは思わない」が22%だった。安倍内閣の支持率の低下の背景には、「桜を見る会」をめぐる一連の政府対応が影響した可能性があるとみられる。【平林由梨】



ジャパンライフへの検査
消費者庁が急きょ取りやめていた
2019年12月2日:日刊ゲンダイ

 悪徳マルチ商法のジャパンライフ元会長が2015年の「桜を見る会」に招待されていた問題で、驚きの事実が明らかになった。招待の約半年前、消費者庁が立ち入り検査を急に取りやめていたというのだ。当時の内部文書には「本件の特異性」「政治的背景による余波」などの文字が――。モリカケ問題とまるで同じ構図だ。

 内部文書の存在は、先月29日の参院消費者問題特別委で、共産党の大門実紀史議員が暴露した。

 消費者庁は13年ごろからジャパンライフの悪質性を把握し、調査を進めていたという。14年5月には、当時の取引対策課長が「いま見逃すと大変なことになる」と、法令班に対処を指示。被害が広がる前に、急いで立ち入り検査に入る方針を示していた。ところがその直後、7月の人事異動で山田正人取引対策課長に交代した途端、立ち入り検査の方針は取りやめになる。
 ちなみに、山田課長が09年に経産省大臣官房総務課に在籍していた時の上司は今井尚哉首相秘書官だ。

 大門によると、消費者庁の会議で配られた7月31日の「処理方針の確認文書」には、消費者庁の弁護士が検査に入るべきだと主張したのに、山田課長が「立ち入り検査を行うほどの違法事実はない。召喚(呼び出して注意)でいい」と発言したという記述がある。

モリカケそっくりの政権とズブズブ

 この時、会議ではもうひとつ「要回収」の文書も配られていた。会議後に回収する内部文書だ。そこには「本件の特異性」「政務三役へ上げる必要がある」などの記述があり、最後にコメ印付きで「政治的背景による余波を懸念」と書かれていた。ここでいやでも思い出すのが、森友問題で改ざんされた決裁文書に書かれていた「本件の特殊性」という文言だ。

 政治的な事情によって、予定されていたジャパンライフへの立ち入り検査が見送られ、文書による注意で済ませた結果、被害が拡大。特に、15年1月から3月には被害事例が急増している。その最中に桜を見る会の招待状が送付されたわけだ。ジャパンライフはこの招待状で客を信用させ、破綻前の“最後の荒稼ぎ”に利用したのである。

「しかも、その招待状は“首相枠”だったことが分かっています。大門氏が入手したジャパンライフのお中元リストにも、安倍首相や菅官房長官らの名前があった。たまたま桜を見る会に招待されたのではなく、政権とズブズブだった疑いもあるのです。『本件の特異性』など内部文書の記載を見れば、少なくとも14年7月の時点で、役所側はジャパンライフはマル政(政治家案件)だと認識していた。政治の影響で被害が拡大したとすれば、安倍首相の説明責任は免れません」(ジャーナリスト・横田一氏)
 ジャパンライフによる被害者は約7000人、総額2000億円に上る。これだけの疑惑がありながら、今週末で国会を閉じて逃げ切りなんて、世論が許すはずがない。


特集ワイド
ともに元文科官僚 寺脇研氏×前川喜平氏
/上 桜を見る会 安倍政治のゆがみ問う
2019年12月2日:毎日新聞

寺脇研・京都造形芸術大教授=内藤絵美撮影


前川喜平・元文科事務次官=内藤絵美撮影

 長く教育行政に携わってきた、ともに元文部科学官僚の寺脇研氏(67)と前川喜平氏(64)が共同企画し、現在のこの国の少年少女たちを取り巻く悲惨な実態を描いた映画「子どもたちをよろしく」(来年2月末公開)が早くも話題を呼んでいる。現職の文科相による「身の丈」発言に象徴される「大人社会」のゆがみが、子どもたちを追い詰めているのではないか。そんな思いを抱く2人に、毎日新聞の与良正男専門編集委員が今の政治や教育の問題について聞いた。2回に分けて紹介する。【構成・宇田川恵、対談写真は内藤絵美】

寺脇氏、ショー化して選挙運動に 前川氏、首相「万能感」持つ?
 ――安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡る騒動が収まりません。この問題には7年にわたる安倍政権の有りようが凝縮されているように感じます。
 寺脇 会そのものが悪いわけじゃない。でも芸能人を招き、与党議員の後援会の人を喜ばせるためのものになっているのは明らかです。いつの間にか「政治ショー」になってしまった。旧民主党政権時代にも、議員が招待者を推薦する「議員枠」はあったと聞きますが、一議員が3~4人程度呼ぶなら理解できなくはない。それが数百人とか1000人とかいう規模になれば、それはもうマス(大衆)が対象なんだから、選挙運動ととられても仕方がない。
 前川 「行政の私物化」という非常に分かりやすい事例ですよね。職権乱用と言ってもいい。功績や功労のある人を呼ぶ会なら、多彩な政治的立場の人が来なくてはおかしいのに、首相は会場で「おかげさまでもう一度花を咲かせることができました」なんて支援者向けのあいさつをしている。首相自身、私物だと思っているからでしょう。
 ――安倍首相には元々、公私の区別がないんじゃないかと思う。「桜を見る会」だって外から指摘されるまで公私混同だと気づかなかったのではないか。そこで知りたいのは、役人は気づいていたのかどうか。内閣府は野党議員から提出を求められたその日に招待者名簿を廃棄したというが、その理由について担当者は「シュレッダーがその日しか空いていなかった」と説明した。この「珍回答」に納得する人はいない。
 寺脇 役人っていうのは基本、前例主義です。今回の場合、前年に誰を呼んだか分からなければ、翌年は困ることになる。つまり名簿を廃棄しなければいけない理由なんて全くない。個人情報だというなら、表に出さなければいいだけの話だ。
 そもそも森友学園問題が起きた時のように「とっておくとやばいぞ」という文書なら、書き直すとか、捨てるとかいう選択はあったかもしれない。でも今回のは招待者の名前だけですよ。それを慌てて廃棄したっていうのは、役人自身が首相の私物化は問題だと気づいていて、「これはまずい」と思ったからに他なりません。
 前川 本当は、内閣府はまだ名簿をとっていると思いますよ。なければ後で困るんだから。役人の習性として、危ない不発弾みたいなものがあっても、自分が担当ポストに就いている間に爆発しなければいいと思う。でも今回は野党議員につつかれてしまった。それで「捨てたこと」にした。表に出ればまずいという認識があり、提出しないためには「ない」と言うしかないからです。モリ・カケ(森友学園・加計学園)問題が起きた時も同じことがずっと行われていた。
 ――前川さんは加計学園による獣医学部新設問題で記者会見を開き「行政がゆがめられた」と証言しました。当事者の一人として、「桜を見る会」の構図が当時と同じだと思いませんか。
 前川 加計学園問題に関しては初めから門前払いにすべき案件であり、政権中枢からの圧力に対し、文科省内部では「こんな筋の通らないことはできない」とみんなで一生懸命押し返そうとしたんです。でも最終的には押し切られてしまった。文科省の関係者は行政がゆがめられたと分かっているから、「この問題が表沙汰になったら困る」という意識は確かにありました。
 安倍政権が今、大きな権力を維持できているのは、首相一人の力ではなく、菅義偉官房長官がいるからです。そして知恵の回る「官邸官僚」たちが周りを固め、菅氏は内閣人事局を通じて省庁の人事を握っている。一方、政治の世界では安倍氏は自民党総裁として小選挙区制をフル活用し、党の公認権と組織票の配分を手にしている。党には二階俊博幹事長という強い存在がいる。この「安倍―菅―二階」というトライアングル体制がしっかり出来上がっているから、公私混同が可能になっているのでしょう。安倍首相は何でも自由にどんどん動かせるようになり、次第に「万能感」を持って、「専制君主化」しつつあるようにさえ見える。

主催した「桜を見る会」であいさつする安倍晋三首相(中央)
=東京都新宿区の新宿御苑で2019年4月13日、代表撮影

 ――私は歴代の首相をずっと取材してきましたが、政権批判の記事を書いても、「それがあなたたちの仕事だからね」と認める寛容さがありました。今は全くなくなっている。メディアは分断され、安倍首相のすることなら何でも許してしまう報道機関が結果的に出てきてしまった。

 前川 テレビでは安倍政権の擁護ばかりするコメンテーターがあちこちに出演し、新聞も半分ぐらいは政権の広報紙のようだ。私は約2年半前、実際に大手新聞にとんでもないことを書かれました。首相官邸発の情報であることは間違いなかった。メディアはここまで落ちたのかと思った。
 ――加計問題に関する前川さんの記者会見の直前を狙って、読売新聞が「出会い系バー」に出入りしていた、と報じた件ですね。

与良正男専門編集委員=内藤絵美撮影

 前川 メディアが一つの政治勢力に支配されるというのは非常に危ないことで、民主主義が成り立たなくなる。主権者である国民に対し、政府が何をしているか知らせるのが仕事ではないですか。政権に都合のよい情報しか流さず、悪い情報を遮断してしまえば、国民は正しい判断ができなくなる。今の安倍長期政権を支えている理由の一つがメディアだと思う。
 寺脇 私もかつて「ゆとり教育」を推進しようとした際、読売新聞や産経新聞などから批判されました。でも、それはそれでよかった。各社がそれぞれの社論に立って、自主的にやっていたことだからです。しかし最近の一部メディアの政権擁護の動きは自主性を失っていないか。そして、その姿勢に若い世代が疑いを持ち始め、裏もとっていないようなネットの情報を信じるという恐ろしい状況に陥っている。マスコミが自ら崩壊し、フェイクニュースだらけの世界をつくっているような気がする。
 また意図的な情報操作の問題も大きい。最近一番驚いたのは、安倍首相と親密とされる政治ジャーナリストのテレビ番組での発言です。萩生田光一文科相が来年度から始まる大学入学共通テストで、英語民間検定試験の導入を延期したことについて「萩生田大臣の英断」のように持ち上げた。「萩生田さんは以前から導入に反対していたんだ」と。本当にそうなら「身の丈に合わせて勝負してもらえば」なんて言うはずないじゃないですか。

 ■人物略歴
寺脇研(てらわき・けん)さん
 1952年福岡県生まれ。75年文部省(現文部科学省)入省。文化庁文化部長などを歴任し、2006年退官。現在は映画プロデューサーや評論家として活動し、京都造形芸術大客員教授(芸術論)も務める。

 ■人物略歴
前川喜平(まえかわ・きへい)さん
 1955年奈良県生まれ。79年文部省入省。初等中等教育局長などを歴任し、事務次官だった2017年、文科省の天下り問題の責任をとって退官。現在は自主夜間中学のスタッフなどとして活動。



安倍首相が「桜を見る会」
国会で下劣答弁連発!
名簿を慌てて破棄したことも
「障がい者雇用職員の勤務時間」のせいに
2019年12月2日:LITERA

 恥知らずとはまさにこのことだ。本日、参院本会議で決算報告と質疑がおこなわれ、そこで「桜を見る会」問題の追及を受けた安倍首相だったが、積み上がった疑惑に何ひとつ答えないばかりか、違法行為さえ開き直ってみせたのだ。
 まず、いまもっとも注目されているのが、悪徳マルチ商法のジャパンライフ創業者である山口隆祥会長(当時)を2015年の「桜を見る会」に「総理・昭恵枠」で招待していたという問題だ。本サイトでもお伝えしたように、山口会長はこの「桜を見る会」招待状を勧誘に利用し、被害を拡大させる要因になったことが事実として判明している。
 なぜ、悪徳マルチを展開していると以前から指摘されていたジャパンライフ の山口会長を「総理・昭恵枠」で招待したのか。多くの被害者を生み出した重大な疑問が投げかけられているというのに、対して安倍首相は自己保身丸出しの、こんな答弁をおこなったのだ。
「個々の招待者やその推薦元については、個人にかんする情報であるため、招待されたかどうかも含めて従来から回答を控えさせていただいている」
「ご指摘の山口会長については、過去において私が招待された多人数の会合等の場で同席していた可能性までは否定しませんが、山口氏と一対一のようなかたちでお会いしたことはなく、個人的な関係は一切ありません。また、私の妻は山口氏との面識はありません」

「一対一では会っていない」「個人的関係はない」と言うのならば、ではなぜ「総理・昭恵枠」として山口会長は招待されていたというのか。その上、被害者が実際に「桜を見る会」に山口会長に招待されたことを信用材料にしたと証言しているのに、「個人にかんする情報」だとして回答を拒否するとは……。
 しかも、質疑をおこなった社民党の吉田忠智参院議員は「被害者に対してどう説明できるのか。総理の肉声で被害者の方々に一言、お願いします」と要求していたのだが、安倍首相は被害者に対する言葉を一言も発さず、代わりにこう言い放ったのだ。
「なお、一般論として申し上げれば、『桜を見る会』が企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは、けっして容認できません」
 自分が招待していたことの責任は棚にあげて、「利用されたことは容認できない」と被害者ヅラする──。重要なことなので繰り返すが、これは「一般論」の話などではなく、安倍首相主催の「桜を見る会」に招待していたということが被害を拡大させ、結果としてジャパンライフ被害は豊田商事事件以上の消費者被害となっている。つまり、安倍首相は片棒担ぎをした張本人なのだ。さらに、本サイトでも既報のとおり、2014年に消費者庁はジャパンライフへの立入検査実施を進めようとしていたにもかかわらず、「本件の特異性」「政治的背景」を理由に一転して立入検査をストップさせていたことも内部文書によって発覚している。にもかかわらず、「個人的関係はない」「容認できない」などという答弁が通用するはずがないだろう。
 だが、まるで「他人の話」であるかのように偽装する安倍首相の答弁は「前夜祭」問題でも同じだった。
ご存知のとおり「前夜祭」をめぐっては、政治資金収支報告書への未記載をはじめ、会費の差額分を安倍首相側が負担した供応接待の疑いも浮上しているが、安倍首相は“安倍事務所が受付で参加者から会費を徴収し、それをそのままホテルに渡したから「安倍晋三後援会」に収支は発生していない”“パーティは5000円でも開催可能”と主張。このあまりにも常識はずれな主張に対しては、「そんなに言うなら明細書を発行してもらって国民に提示し、身の潔白を証明すればいい」という声が上がってきた。
 しかし、安倍首相はきょうの答弁で、こんな言い訳をしれっと語ったのだ。
「ホテル側との相談過程において、ホテル側から明細書等の発行はなく、加えてホテル側としては営業の秘密にかかわることから、公開を前提とした資料提供には応じるかねることであったと報告を受けております」

前夜祭の資料提供について
「営業の秘密にかかわる」とホテルを代弁した安倍首相

 安倍首相はまるでホテルの代弁者のように「営業の秘密にかかわる」などと主張したのである。以前から指摘してきたように、安倍官邸とホテルニューオータニ側との間で口裏合わせができてしまっているというわけだが、しかし、「営業の秘密」などが公開拒否の理由になるはずがない。いや、むしろ「営業の秘密」がそこにあるのなら、ニューオータニには公開する必要がある。
 というのも、もし実際は1人1万1000円以上の費用がかかるところを、安倍首相には特別にはからって1人5000円にサービスしていたとしたら、それはニューオータニから「安倍晋三後援会」への寄附にあたり、政治資金規正法で禁じられている企業献金をおこなったことになる。さらには政治家に対する利益供与、贈収賄の疑いも出てくるからだ。それを「営業の秘密」などと言っているのなら、これだけで早急に捜査のメスを入れるべき理由になるだろう。
 このようにホテルに責任をなすりつけようという姿勢も見苦しいものだが、しかし、安倍首相はもっと信じられない責任転嫁をおこなった。
 それは、「桜を見る会」招待者名簿を、野党から資料要求があった5月9日に、しかも資料要求の約1時間後に破棄していた問題での答弁だ。
 すでに野党の追及によって、内閣府が文書破棄のために大型シュレッダーを予約したという4月22日から5月9日までのあいだには、ゴールデンウィークの連休日以外でシュレッダーには空き時間が大量にあったことがわかっているのだが、安倍首相はきょうの答弁でこう述べたのだ。
「本年の招待者名簿についても、廃棄をおこなうための大型シュレッダーの予約を4月22日におこない、その際、シュレッダーの空き状況や、担当である障がい者雇用の短時間勤務職員の勤務時間等との調整をおこなった結果、使用予定日が5月9日となったことから、その予定どおり廃棄したものであり、野党議員からの資料要求とはまったく無関係であるとの報告を受けております」
 シュレッダー担当が障がい者雇用で短時間勤務だから空き時間に使用できたわけではない──。野党から資料要求があった約1時間後に破棄されるというのは天文学的な確率の偶然であり、どう考えても情報隠蔽をしたとしか考えられないのに、安倍首相はその言い訳に障がい者雇用の職員の勤務事情を持ち出したのである。まったく下劣にもほどがあるだろう。
 しかし、「招待者名簿は破棄された。招待者の詳細はわからない」で言い逃れできるはずがない。安倍首相はきょうの答弁で、内閣府が採用しているシステムが「シンクライアント方式」だとした上で、「サーバーのデータを破棄後、バックアップデータの保管期間を終えたあとは復元は不可能であるとの報告を受けている」と述べたが、ネット上では「本当に破棄したのか」「復元できないはずがない」といった声が高まっている。
 きょうの答弁をもって安倍首相は臨時国会での追及を逃げ切り、国会閉会後は外遊という名の高飛びをする予定でいるらしいが、ジャパンライフの被害者に対する説明責任を放棄し、障がい者雇用の職員にまで責任転嫁するという“人でなし答弁”で幕引きさせるわけにはいかない。メディア、野党は今後も徹底追及すべきだ。
(編集部)



桜を見る会 安倍政権、ご都合主義論法
「悪夢」と否定→「民主もやっていた」
 黒塗り、過去に批判→今回は実施
2019年12月3日:毎日新聞

 首相主催の「桜を見る会」について、野党の追及が続いている。疑惑の多さに加え、問題なのは安倍晋三政権の言い分だ。民主党政権を「悪夢」と全否定しながら、安倍首相の支援者らを「首相枠」として会に招いたことが判明すると「民主党もやっていた」と主張する。民主党政権の「文書黒塗り」を批判しながら、自分たちは「黒塗り」にする。「ご都合主義」とも言える論法を分析した。【吉井理記】

 会に本来、招待されるのは「各界で功績、功労のあった方々」(11月8日、参院予算委で安倍首相)のはずだが、「首相枠」の存在が明らかになると「民主党政権も各議員10~15人の推薦枠があった」「安倍政権もそうした慣例の中においてやってきた」(11月22日、記者会見で菅義偉官房長官)と反論した。
 同様の事例は公文書を巡る問題でも。旧民主党政権時代の2010年。右派月刊誌「WiLL」(10年7月号)に国会議員5人の座談会が掲載された。女性議員が遺棄化学兵器に関する公文書の提出を求めたが、政府が出した文書は「黒塗り」ばかり。それを聞いたベテラン男性議員が「それはひど過ぎる。国会軽視もはなはだしい」と激怒。女性議員も「国会をばかにしている」と責め立てた。怒りの主は先月22日に「桜を見る会」招待者の推薦者名簿を「黒塗り」だらけで国会に出した政府のトップ、安倍晋三首相だ。ちなみに女性議員は、後に南スーダン派遣自衛隊の「日報隠し」問題で引責辞任する稲田朋美元防衛相。政府は2日、新たに13~18年の推薦者名簿を出したが、また大半が黒塗りだった。
 安倍首相は旧民主党政権について「まさに悪夢だった」(今年2月25日、衆院予算委での答弁)などと繰り返し批判し、安倍首相を慕う三原じゅん子参院議員も「安倍内閣は全く違います」(6月24日、参院本会議で)と全否定してきた。
 しかし、政権や政策が批判されると、その「民主党政権」を引き合いに出すのが安倍政権の特徴だ。自衛隊が導入を予定する戦闘機F35など、装備の調達手法が疑問視されると「民主党政権時代も含め、こうした手法が取られてきた」(5月16日の衆院本会議での答弁)。
 文部科学省の天下り問題を巡り、旧民主党政権時に官僚の再就職を監視する「再就職等監視委員会」の人事案の採決が自民党の反対で実現しなかった点に触れられると、「御党、御党も3度にわたって否決している。これファクトですからね」(17年1月30日、参院予算委)と反論した。官僚の天下り問題への旧民進党の批判に対しても「安倍政権ができて起こったことではなくて、これは民主党政権も含めてずっとあったかもしれない」(同日、参院予算委)。

トランプ政権類似

 安倍首相の学生時代に「政治学史」を教えていた成蹊大名誉教授の加藤節さんは、安倍首相の発言の問題点を2点指摘する。1点目は「政権に都合の悪いことが露呈されると、説明責任を果たさないまま、『そうした事実はない』と断定的で空疎な言葉で逃げる態度」を挙げ、「『フェイクニュース』と独断するトランプ米政権と類似する」と話す。
 2点目は「批判が生じると『民主党時代も同じだった』との言説で自分たちの失政を相対化して希釈し、なかったことにしようとする態度」と指摘する。そのうえで、加藤さんは「政権には、他者による批判と同じ原理に立ち、自分たちの政策や姿勢を吟味する政治倫理や道義性が欠かせない」としている。



<社説>
桜を見る会と首相 疑惑晴らせぬなら辞任を
2019年12月3日:琉球新報

 疑惑のオンパレードだ。公的行事の私物化や法律違反、反社会的勢力が出席した疑い、マルチ商法企業が招待を利用し被害者の拡大につながった可能性にまで問題は広がっている。
 安倍晋三首相が自身主催の「桜を見る会」に、預託商法を展開して破綻した「ジャパンライフ」元会長を首相推薦枠で招待した疑惑が新たに浮上した。同社のチラシには招待状の写真が掲載されていた。政府のお墨付きを得たかのように招待状が宣伝に悪用され消費者の被害が拡大したのなら、大問題だ。
 反社会的勢力の出席も、事実なら、税金で接待したことになる。反社勢力の排除に先頭に立って取り組むべき首相が「功労者」と同等にもてなしたとなれば、知らぬ存ぜぬで済まされる話ではない。
 吉本興業の芸人が振り込め詐欺集団の会合で「闇営業」をしていたことが発覚した際には、大きな社会問題になった。明るみに出ている数々の新たな疑惑は、首相の進退を左右する問題と言える。
 さらに、首相の事務所スタッフがツアーに参加する地元支援者らに同行して上京する旅費を政治資金で支払っていた。事務所や後援会に「収支、支出は一切ない」と説明してきた首相の説明と矛盾する。政治資金規正法に違反する疑いが強まってきた。
 推薦名簿の破棄も、首相枠など招待者を隠蔽(いんぺい)するためと考える方が自然だ。共同通信の取材に各省庁は推薦名簿の保存期間を3~10年と答えたが、首相推薦名簿を破棄した内閣官房は1年未満とした。共産党国会議員が名簿を資料要求したその日に破棄したことへの後付けではないか。
 過去には選挙区の有権者にうちわを配ったケース、観劇会に招いたケース、秘書が香典を渡すなどしたケースで閣僚が辞任した。
 多数の後援者を国費を使って接待したり、一流ホテルの飲食を格安で提供したりする行為が許されるとは思えない。「前夜祭」の収支を含め多くの疑惑に対し、首相は身の証しを立て、疑念を払拭(ふっしょく)する責任がある。それを果たせないのなら辞任すべきだ。
 国会は法律を作るところだ。ルールを定める国会議員には高度な規範意識と倫理観、清廉さが求められる。首相であればなおさらだ。
 先月23、24日に共同通信が実施した世論調査では、「桜を見る会」に関する首相の発言を「信頼できない」とした回答は69・2%に上り、「信頼できる」は21・4%にとどまった。政権はこの結果を重く受け止めるべきだ。
 首相は破棄した名簿データの復元について「不可能であると報告を受けている」と参院本会議で述べた。根拠を示さない釈明に説得力はない。本当に復元できないなら、調査を指示して名簿を作り直すべきだ。国会で予算委の集中審議に応じて、説明責任を果たすことは首相の責務だ。



[木村草太の憲法の新手](117)
桜を見る会 功労なく招待すれば違憲
 「知る権利」侵害も深刻
2019年12月2日:沖縄タイムス

 内閣総理大臣主催の「桜を見る会」に注目が集まっている。政府によれば、この会は、「各界において功績、功労のあった方々」を招待・慰労するパーティーだ。1952年以来の伝統があり、他の政権下でも開催されてきた。
 ただ、現在の安倍政権下では招待客が増え、支出額も2014年に3005万円だったのが、19年には5519万円にまで右肩上がりで膨れ上がった。今年の通常国会でも、支出実績が予算を大きく上回る放漫財政や、招待基準の不透明さが批判されている。
 この点、今年10月、共産党の機関紙『赤旗』が、この会が安倍首相の後援会旅行に利用されていると指摘した。11月8日、田村智子議員が、参議院予算委員会で、参加者のブログ記事などを示して質問している。
 また、「桜を見る会」とは別に、安倍後援会主催の高級ホテルでの前夜祭についても、政治資金収支報告書への収支未記載や、会費と実際の経費との差額については買収、ホテルからの利益供与等の疑いが指摘されている。こちらは、安倍事務所が明細書を提示しないため、疑惑が晴れない状態が続いている。
 前夜祭も問題だが、憲法との関係では、「桜を見る会」本体に注目したい。
 この点、「桜を見る会」は、政府主催なのだから、首相らが、後援会関係者を優先して大量に招待しても、違法性はないのではないか、という解説も目につく。
 しかし、憲法14条1項は、平等原則を定めており、行政機関が、合理的理由なしに、国民を区別することを禁じている。各界の功績・功労者をねぎらう目的で、実際に功労ある者を招待していたのなら、合理的理由があると言えよう。しかし、「首相の後援会関係者」だからといって、「各界の功績・功労者」とは言えない。後援会関係者だというだけで招待したのが事実なら、憲法違反は明白だ。
 では、本当に功績・功労にかかわらず、後援会関係者であることだけを理由に招待したのだろうか。こうした、会の運営の合憲性や合法性・妥当性を判断するには、招待者リスト・招待基準の詳細・招待者を選ぶ手続きの議事録などの公開が必要だ。しかし、政府はこれらをほとんど公開せず、招待者リストは5月に破棄したという。招待者リストは、「個人情報」だというのがその理由だ。
 しかし、「桜を見る会」への招待は、政府が功績・功労を認め、参加者がそれを受け入れた証のはずだ。個人情報として公開を拒むのは不当だろう。憲法は、国民の知る権利を保障している。誰が、どのような功績・功労を評価されたのか、それを税金によってねぎらうことに正当性があるのか。国民にはそうした点について知る権利がある。政府の対応は、「知る権利の侵害」としても深刻だ。
 おかしなことが起こっていても、権力者に強弁されると、国民は、見てみぬふりをしがちになる。しかし、憲法は、平等原則や知る権利を保障している。国民は、自信をもって、「おかしいことはおかしい」と批判してよい。担当大臣は説明責任を果たすべきで、現段階で、「『桜を見る会』に違法性は何もない」と断言するのは、正しい法の理解ではない。
(首都大学東京教授、憲法学者)



(社説)桜を見る会 これで責任は果たせぬ
2019年12月3日:朝日新聞

 安倍首相はなぜ、一問一答形式の委員会質疑に応じないのか。「桜を見る会」をめぐる一連の疑問について、一方通行の答弁で済む本会議への出席にしか応じないということ自体、説明責任を軽んじる行為と言わざるを得ない。
 首相がきのう参院本会議で答弁にたった。野党は参院規則に基づいて予算委員会の開催を要求している。委員の3分の1以上の求めがあれば、委員長は委員会を開かねばならないと定められているにもかかわらず、与党が応じないのはルール無視もはなはだしい。答弁の矛盾やごまかしを突かれるのが嫌だと見られても仕方あるまい。
 招待者名簿の廃棄をめぐる首相の説明は、野党議員の資料請求とは全く無関係という、政府の従来の立場をなぞるだけだった。一方、電子データの復元はシステム上、不可能と明言した。菅官房長官は先週まで「復元はできない」と言いながら、その根拠は示していなかった。相変わらずの説明の小出しは、不誠実きわまる。
 多くの消費者被害を出したジャパンライフの元会長が、桜の会の招待状を宣伝に使い、首相の推薦枠だった可能性も指摘されている問題については、招待者も推薦元も個人情報だとして「回答を控える」の一点張り。一般論として「会が企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは容認できない」と語ったものの、首相との関係を信じて契約した被害者の証言も明らかになるなか、人ごとのような反応ではないか。
 毎年、会の前夜に開いていた後援会の懇親会の会計処理についても、納得のいく新たな説明はなかった。ホテル側と相談した際、費用などの明細書は示されなかったというが、にわかには信じがたい。ホテル側が「営業の秘密」を理由に資料提供に応じないとも語った。政治資金規正法や公職選挙法違反の可能性まで指摘されているというのに、本気で疑念を払拭(ふっしょく)するつもりがあるのだろうか。
 今国会は残り1週間。与党は会期の延長はせず、首相の説明もきのうの参院本会議で区切りとしたい考えだという。首相の保身を優先した幕引きなど、決して許されない。
 首相は桜を見る会の運用について「私自身の責任において全般的な見直しを行う」と繰り返し、招待者名簿の保存期間の見直しにも言及した。しかし、政治の公平・公正に関わる重大な問題である。小手先の対応では、信頼回復はおぼつかない。まず、何よりも、さまざまな疑問について、首相が真摯(しんし)に説明を尽くすことが出発点にならなければいけない。



「桜を見る会」と首相
 逃げるほど疑惑が深まる
2019年12月4日:毎日新聞

 このまま説明を尽くさずに、臨時国会を終えるつもりなのか。
 2日の参院本会議は「桜を見る会」をめぐり、次々と浮かぶ疑問に安倍晋三首相がどう答えるかが注目された。しかし、首相は内閣府が招待者の名簿を廃棄したことを理由に追及をかわす答弁に終始した。
 悪質なマルチ商法で知られるジャパンライフの元会長が2015年に招待されたのは首相の推薦枠だった疑いが強まっている。
 首相は元会長と「個人的な関係は一切ない。妻も面識はない」と明言した。では、誰がどのようにして首相の推薦枠を使ったのかが問題になる。しかし、首相は個人情報だとして確認を拒んだ。
 元会長側が同社の宣伝チラシで招待状を公開しているのだから「個人情報」は理由にならないはずだ。
 元会長への招待状が同社に信用を与え、結果としてマルチ商法の被害拡大に加担した形にもなっている。
 首相夫妻の関与を否定するのなら進んで招待の経緯を解明すべきだ。名簿が残っていなくても、自身の事務所や内閣府などに調べさせることはできる。なぜ首相は疑惑を晴らす努力をしないのか。
 今年の桜を見る会にも反社会的勢力の関係者が参加した疑惑がある。事実確認には名簿データの復元が近道だ。ところが首相は「復元は不可能」と断定的に答弁した。
 データは外部のサーバーで管理していたという。そのような場合、削除の仕方によっては履歴をたどって復元できる可能性もあるとされる。
 復元を試みる姿勢が首相に見えないのでは、不都合な事実を隠すために廃棄を急いだのではないかとの疑念に拍車をかけてしまう。
 首相の後援会が高級ホテルで開いた前夜祭の経費についても不透明さが残ったままだ。「後援会としての収入・支出は一切ない」との説明を立証する書類は示されていない。会費5000円で何人が参加したのか、首相からホテル側に明細書の発行を求めないのは解せない。
 公金で催される政府行事が首相ら政権党の支持者をもてなす事実上の選挙活動に利用されていた疑惑だ。
 首相がその気になれば真相解明が進むのに、説明から逃げるから、さらに疑惑が深まる。



だまされた方が悪い?
衛藤消費者担当相の発言に
ネットで批判相次ぐ
2019年12月2日:毎日新聞

ジャパンライフ元役員らに損害賠償を求めて提訴するため名古屋地裁に入る被害者の弁護団
=名古屋市中区の名古屋地裁前で2018年4月26日午前9時57分、竹田直人撮影

 悪質なマルチ商法を展開していた「ジャパンライフ」の元会長が、首相主催の「桜を見る会」の招待状を勧誘に利用していたとの指摘について、衛藤晟一消費者担当相が「私はそういう方は要注意だと思って接する」などと述べた。インターネット上では「だまされた人が悪いと言っているようだ」「消費者担当相なのに消費者保護の意識が感じられない」などと批判が多数上がっている。【吉田卓矢/統合デジタル取材センター】

消費者被害を防ぐ省庁のトップ

 消費者担当相は、消費者問題への対応を一元的に担う役所として2009年に設置された消費者庁のトップだ。消費者庁のホームページには、主な仕事として「消費者への財産被害の発生や拡大を防ぐため、必要な措置を採ります」「悪質商法などに対応して、特定商取引法などの法律を厳正に執行します」などと記されている。
 実際、同庁は問題のある事業者に対して、関連法に基づき立ち入り検査や命令、勧告などを行うことができる。ジャパンライフにも16~17年に行政処分を行った。

「消費者ではなく安倍首相を守るのが仕事なのか」


衛藤晟一消費者担当相=東京都千代田区で2019年10月1日、小川昌宏撮影

 批判されているのは、先月29日にあった閣議後の記者会見での発言だ。ジャパンライフの元会長が「桜を見る会」の招待状を宣伝に利用していた問題について、記者から「消費者庁として、どのような調査を行っているのか」との質問が出た。
 衛藤担当相は「(宣伝に利用された招待状から)信用した方もおられたようだが、私は個人的に言えば、誰と誰とに会いましたよと名刺を出すような方は、何かちょっとおかしいところがある(と思う)」「私としては最初からそういう方は要注意だと思って普段から接する」などと、宣伝を信じた被害者に落ち度があるかのような発言をした。


特定商取引法違反容疑でジャパンライフの代理店に家宅捜索に入る捜査員ら
=愛知県西尾市で2019年4月25日午前9時9分、兵藤公治撮影

 こうした発言が報道された直後から、ツイッターなどでは「被害者をバカにするって許せない」「だまされる方が悪い的な印象操作だ」「消費者庁は消費者ではなく、安倍首相を守るのが仕事なのか」「被害者を責めたり、落ち度を非難したりすることは、被害者が声を上げにくくして、泣き寝入りを選択させ、詐欺師、悪徳業者を利するだけだ」などと批判する声が相次いだ。

専門家「政府の責任を押しつけている」

 衛藤担当相の発言について、消費者問題に詳しい紀藤正樹弁護士は「消費者目線の発言ではない。各界の功績・功労のある人を招くという本来の桜を見る会のあり方からすれば、消費者が(ジャパンライフの宣伝を)信じるのはやむを得ない。発言は、本来の会のあり方と、推薦すれば誰でも入れたという事実を混同しており、政府の責任を国民に押しつけている」と批判する。
 全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会代表の石戸谷豊弁護士も「(桜を見る会の招待状は)ジャパンライフに勝手に使われたわけではなく、(安倍政権が)招待したから使われた可能性が高い。一般の人が『疑え』と言われても、無理がある」と述べた。


衆院消費者問題特別委員会で安倍首相主催の「桜を見る会」に
ジャパンライフの幹部が招待されていたとされる問題について答える衛藤晟一消費者担当相
=国会内で2019年11月26日、川田雅浩撮影



「桜を見る会」問題を攻めきれない
左派野党 専門家「野党は探偵ごっこやめよ。
メディアも『ジャパンライフ』との
関係を公表せよ」
2019年12月3日:夕刊フジ

 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」をめぐり、左派野党やメディアは追及姿勢を崩していない。2日の参院本会議では、首相から「反省の弁」を引き出したが、新たな事実を掘り起こすことはできなかった。こうしたなか、2015年の同会に元会長が招待され、悪質なマルチ商法で経営破綻した磁気治療器販売会社「ジャパンライフ」の広告を、同社が「行政指導」を受けた14年以降も、新聞やテレビが流していたとの指摘があり、問題視されている。
 「桜を見る会のこれまでの運用は大いに反省すべきであり、今後、私自身の責任で招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討する」「一般論として桜を見る会が企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは決して容認できない」
 安倍首相は2日の参院本会議で、こう語った。この日の答弁で8回も「大いに反省」と口にした。
 本会議では、焦点の1つ、ジャパンライフの元会長との関係も問いただされた。
 安倍首相は「過去に私が招待された多人数の会合で同席した可能性までは否定しないが、一対一のような形で会ったことはなく、個人的関係は一切ない。妻は元会長との面識はない」と答弁した。
 野党議員が招待者名簿などの資料を要求した日に、名簿をシュレッダーで廃棄した内閣府の対応についても追及された。
 安倍首相は「シュレッダーの空き状況や、担当である障害者雇用の短時間勤務職員の勤務時間を調整した結果だ。野党議員の資料要求とは無関係だ」と説明した。事実であれば野党の追及は根拠を失うことになる。
 左派野党やメディアが攻めきれないなか、消費者庁が14年、ジャパンライフに「行政指導」をした後も、新聞やテレビが広告を出していた証拠画像などがネットなどで拡散している。
 政治評論家の伊藤達美氏は「野党側は、安倍首相の地元に乗り込むパフォーマンスまでしたが、大した成果は出ず、手詰まり感がある。選挙を見据えて存在感を出そうとしても『探偵ごっこ』ばかりでは国民は支持しない。メディア側も安倍政権を追及する前に、ジャパンライフとの関係について公表すべきだ」と語っている。

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