安倍晋三“おとりまき”内閣改造でウヤムヤ…。

「安倍晋三“おとりまき”内閣」改造で上書きされてしまったが、国会議員の二度の「戦争発言」は看過できない。その発言が問題なのはもちろんだが、このような発言を許容するような空気が世間に広がっているようで気持ちが悪い。京急踏切事故、千葉県の台風被害など、直接は関係ないが、この国のシステムの劣化が透けて見えるような出来事が多い。
丸山議員や安倍晋三は一人ではなく、社会のあちこちに、ミニ丸山やミニ安倍がいる。

(社説)
戦争発言再び 議員居座りは許されぬ
2019年9月3日:朝日新聞

 衆院で全会一致の「糾弾決議」を受けながら、戦争による領土問題の解決を肯定するかのような発言を繰り返す。院の意思を冒涜(ぼうとく)する振る舞いであり、これ以上、議員への居座りを許してはならない。
 NHKから国民を守る党(N国)の丸山穂高衆院議員(大阪19区)が先月末、韓国の国会議員団の竹島上陸に関連して、自身のツイッターに「戦争で取り返すしかないんじゃないですか?」と投稿した。
 日本政府は竹島を固有の領土と主張しているが、1950年代から韓国が実効支配を続けている。丸山氏は外務省の韓国への抗議を「遺憾砲」と揶揄(やゆ)し、「朝鮮半島有事時を含め、自衛隊が出動し、不法占拠者を追い出すことを含めたあらゆる選択肢を排除すべきではないのでは?」とつぶやいた。
 憲法9条も国連憲章も、武力による国際紛争の解決を認めていない。この極めて重要な原則を、一顧だにしない発信を重ねることは、国会議員としてあるまじきことだ。
 丸山氏は今年5月、北方領土へのビザなし交流の訪問団に同行した際、元島民の団長に対し「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」「戦争しないとどうしようもなくないですか」と詰め寄った。
 問題が発覚すると、「誤解を与える不適切な発言」として謝罪・撤回したが、所属していた日本維新の会から除名された。
 その後、衆院は与野党一致で「院として国会議員としての資格はないと断ぜざるを得ない」と、実質的に議員辞職を促す糾弾決議を可決した。だが丸山氏はこれを拒み、衆院議院運営委員会の理事会による聴取も体調不良を理由に応じなかった。
 日韓関係はいま、徴用工問題などを契機に、国交正常化以来最も厳しい状況にあるといわれる。両政権による応酬が、経済関係や市民交流にまで悪影響を及ぼす深刻な事態だ。
 そのとき両国の政治家に求められるのは、対立感情をあおることではない。これ以上の関係悪化を防ぐために知恵を絞ることだ。韓国に批判的な世論の受けを狙うかのような言説は、その妨げにしかならない。
 「議員失格」を衆院から宣告された丸山氏を、それと知って招き入れたN国の責任は極めて重い。立花孝志党首はきのう「表現の自由。問題提起の範疇(はんちゅう)」と述べたが、丸山氏の発言は言論の名に値しない。無責任な言いっ放しでもある。
 糾弾決議を足蹴にされた格好の衆院は、この事態を見過ごしてはならない。与野党が一致して、議員辞職を迫る意思を明確に示すべきである。

社説
また「戦争で奪取」発言
 常軌逸する丸山氏とN国
2019年9月5日:毎日新聞
 これ以上、傍若無人の振る舞いを許してはならない。
 丸山穂高衆院議員が再び、戦争により領土を奪取する趣旨の発言をした。さらに驚くのは丸山氏が入党したNHKから国民を守る党の立花孝志党首がかばったことだ。
 N国は先の参院選で政党要件を満たす票を得た。立花氏は曲がりなりにも公党の代表である。そんな自らの立場に無自覚だとしか思えない。
 丸山氏が韓国国会議員の竹島上陸に関連して自身のツイッターに投稿したのは「(竹島は)戦争で取り返すしかないんじゃないですか?」などとする内容だ。
 日本政府は竹島は固有の領土だと主張している。ただし、言うまでもなく武力による解決は憲法も国連憲章も認めていない。
 丸山氏は、戦争で北方領土を奪い返すという発言をして所属していた日本維新の会を除名された。今年6月には衆院で事実上の辞職勧告決議(糾弾決議)を可決されている。決議には丸山氏の発言は「憲法の平和主義に反する」とも明記された。
 にもかかわらず繰り返すのは、自分は間違っていないとでも言いたいのだろうか。あるいは過激な発言で物議をかもさないと国民から忘れ去られると考えているのだろうか。いずれにせよ決議の意味を理解せず、反省もなかったのは明らかだ。
 ところが立花氏は「表現の自由だ。国会議員として問題提起をしている」と丸山氏を擁護している。
 発言は問題提起の域をはるかに超えている。国会議員には節度と常識が必要だ。本来なら今や立花氏は丸山氏に議員辞職を説得すべき立場にあると言っていい。
 立花氏はタレントのマツコ・デラックスさんがテレビ番組でN国を批判したことに反発し、マツコさんが出演する番組の生放送中にテレビ局に再三押しかけて抗議行動をする騒ぎも起こしている。
 話題になりさえすればいいとの発想かもしれないが、常識を逸脱している。そもそもNHK問題に関心があったと思えない丸山氏を党に誘い、副党首に据えた点を含め、政党とは何か、考え直した方がいい。
 丸山、立花両氏の言動はいずれも国会をおとしめるものだ。与野党は改めて厳しく対処すべきである。

<社説>
「戦争」語る国会議員
 不問に付してはならない
2019年9月5日:沖縄タイムス

 NHKから国民を守る党の丸山穂高衆院議員が韓国の国会議員団が上陸した島根県・竹島について「戦争で取り返すしかないんじゃないですか」とツイッターに投稿した。
 丸山氏は5月に北方領土を戦争で取り返すことの是非を元島民に質問し、発言を撤回、謝罪している。わびたのは口先だけだったのか。全く反省した形跡が見られない。
 衆院は、日本維新の会を除名された丸山氏に対し、自ら進退を判断するよう促す糾弾決議を6月に全会一致で可決している。だが同氏は辞職する考えなど毛頭ない。
 参院選の後、NHKから国民を守る党の立花孝志党首に請われ、N国に入党した。本来なら、北方領土を巡る言動の責任を取って辞職すべきところだが、居座っている。
 今回のツイッターでの発言は、日本と韓国の関係が悪化している中、自ら「炎上」を誘うことで存在感を示す狙いがあったのだろう。
 相次ぐ丸山氏の不適切な発言を、非常識な一国会議員の妄言として片付けるわけにはいかない。
 現行の憲法は悲惨な戦争を二度と起こしてはならないという深い反省の上に生まれた。9条は戦争の放棄を定め、武力行使をほのめかして威嚇することも禁じる。
 さらに99条は天皇、国務大臣、国会議員、裁判官、全ての公務員に、憲法を尊重し擁護する義務を課している。
 丸山氏は竹島を巡る発言への批判に、「問題提起であって憲法上も法律上もなんら問題ない。言論封殺の圧力には屈しない」と反論した。
 再び戦争の惨禍が起きることのないように全力を尽くすのは、国政に関わる全ての政治家の務めだ。たとえ問題提起であっても、領土問題を解決する手段として「戦争」を持ち出すなど、論外である。
 発言が不問に付されるのなら、今後、武力行使を公然と主張する国会議員が次々と現れる恐れがある。その結果、憲法の平和主義の理念がなし崩しにされ、戦前、戦中のような軍国主義体制へと逆戻りしかねない。
 日中戦争から敗戦までの日本人の戦没者は310万人。沖縄では全国で唯一、おびただしい数の住民を巻き込んだ地上戦が繰り広げられ、住民の4人に1人が亡くなった。
 人々に地獄の苦しみをもたらす戦争の実相に思いを巡らせるなら、「戦争で領土を取り返すしかない」などと軽々しく口にできるものではない。
 N国の立花党首は「問題提起という意味では、何も発言しない国会議員よりいいと思う」と丸山氏を擁護した。「戦争」への言及に拒否感を抱かないのか。見識が問われる。
 怖いのは、戦争を容認するような国会議員の発言に、国民が鈍感になってしまうことだ。国権の最高機関である国会が事態を傍観することは許されない。丸山氏の発言に対し、国会としての意思を明確に示すべきだ。

N国・立花党首、丸山ツイート
「表現の自由」 「がんがん発信」求める
2019年9月2日:毎日新聞

会談後、握手するNHKから国民を守る党の立花孝志代表(左)と丸山穂高衆院議員
=国会内で2019年7月29日午後1時46分、川田雅浩撮影

 NHKから国民を守る党の立花孝志党首は2日、国会内で開いた支持者との会合で、同党の丸山穂高衆院議員が韓国国会議員の竹島への上陸を巡り、自身のツイッターで「竹島も本当に交渉で返ってくるんですかね? 戦争で取り返すしかないんじゃないですか?」などと投稿したことについて、「表現の自由だ。国会議員として問題提起をしている」と述べ、問題ないとの認識を示した。
 丸山氏のツイッターについては、共産党の小池晃書記局長が2日の記者会見で「論外だ。こういう人物を党に抱えたN国の責任も当然問われてくる」と述べるなど、批判が出ている。
 立花氏は、丸山氏に対し「信念に基づいてがんがん発信してください」とメールしたことを紹介。「国会議員の仕事は、問題提起をして国民に関心を持ってもらい、真剣に議論することだ。武力行使という最悪の事態を回避するためにも話し合いをたくさんすればいい」と述べた。
 丸山氏は北方領土を戦争で奪還する趣旨の発言などをしたとして、衆院本会議が6月、全会一致で糾弾決議を可決した。丸山氏は日本維新の会を除名されて無所属となり、その後、N国に入党した。【野原大輔、浜中慎哉】

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