早く散ってくれ、ABE桜…

多くの国民の気分は「あ~あやんなちゃった」(牧伸二)というところか?
ABEくんは「気楽な稼業ときたもんだぁ」(植木等・1962「どんと節」)と晩節を汚しつつ、末期を迎えようとしている。引導を渡すのはボクたち国民だ。
来年の「桜を見る会」は中止されたが、桜が咲く前に、ABE政権にはお引き取りいただくことが、日本と国民を救う、極右のABEくんの最後の御奉公というものだ。


首相 桜を見る会「証拠隠し」で批判
支出「なし」主張 根拠示さず
ぶら下がり・集中審議拒否…幕引き図る?
2019年11月21日:東京新聞・こちら特報部

 首相主催の「桜を見る会」を巡る問題が後を絶たない。安倍晋三首相は異例の「ぶら下がり」会見を行ったが、明確な根拠を示さない情報発信により、早期収拾どころか、かえって火に油を注いでいる格好だ。招待者名簿を廃棄した根拠の「1年未満」という保存期間など文書管理への疑念も噴出している。繰り返される「証拠隠し」に批判が収まらない。               (片山夏子、石井紀代美)

 連日世間を騒がす「桜を見る会」問題で、安倍首相は20日の参院本会議でも対応に追われた。「事務所から相談を受ければ、推薦者についても意見を言うこともあった」と招待客推薦への関与を認めたが、はっきりした根拠を示すことはなかった。
 首相官邸のホームページによると、「桜を見る会」を巡る首相の記者対応は、先週は13日に1回、15日に2回、今週も18日と20日に1回ずつと、計5回開催。特に15日は同じテーマで1日に2度取材に応じたことや、夜の説明が21分に及んだことで、異例の対応と報じられた。
 ただ、前夜祭について「すべての費用は参加者の自己負担だ。安倍事務所や後援会の支出は一切ない」などと強調したが、根拠となる資料などは出さずじまい。全て立ったまま取材を受ける「ぶら下がり」対応で、改めて記者会見するよう求められても「今、質問してほしい」と応じなかった。企業の危機管理広報会社「エイレックス」の江良俊郎社長は「国会審議は避けたいが、説明していると見せることは必要。それで戦略的にぶら下がりという形を取ったのだろう」とみる。
 首相側は、事務所による領収書や会費の明細書はないと説明。内閣府は招待客の名簿は保存期間「1年未満」のため「遅滞なく廃棄」したとした。しかし、その後、推薦者名簿を保管している省庁もあることなど、報道や国会審議で次々に新事実が判明。江良氏は「証拠も示さず、説明責任も果たさなければ、世間は何かあるのかと勘繰る。さらに後から名簿が出てくるなど、隠せば隠すほど騒がれる。危機管理としてはまずい対応。疑念が疑念を呼んでいる」と述べる。
 安倍首相の国会答弁などを分析し、信号の色で判定するブログで注目される会社員犬飼淳さんは、15日の首相の記者対応について「これまで20分も記者のぶら下がりに応じたことはない。また首相はウソをついたり後ろめたいときに苦笑いをすることが多いが、それが厳しい質問の時に見られた。早く幕引きをしたいという焦りを感じる」と指摘する。
 とくに、首相の地元の人など招待された参加者が偏っているのではないかとの質問に「昭和27年以来、ずっと続けてこられた」と桜を見る会の歴史を説明した部分は、論点のすり替えがあったとして「赤信号」と判定。質問内容に答えている「青信号」もあるものの「意味不明な言葉や無関係な答えの赤信号もあり、相変わらず赤でも止まらず話し続ける『信号無視話法』を繰り返している」とする。
 ただ、野党が求める予算員会の集中審議に与党が応じないのは、信号無視話法でも乗り切れないとみているからではと、犬飼氏は推測する。
 「今回の話は内容が分かりやすいうえ、連日報道されて世間の関心が高い。国会審議の答弁が報道されれば、首相が質問にまったく答えていないことが分かってしまうこともあり、応じないのでは」

デスクメモ
 「論より証拠」というけれど、物事の証明がそんなに簡単でないことも確か。でも、ここまで大規模なイベントなのに、出てくる資料があまりに少ないと国民は感じているのではないか。主張だけでなく、証拠がそろって議論の土俵が整う。今からでも、可能な限り開示すべきだ。       (本)

森友・財務相交渉記録 自衛隊南スーダン日報
隠蔽助長する 保存「1年未満」規定
公文書の適正管理→「健全な政治の指標」

 内閣府が桜を見る会の招待者名簿廃棄の根拠とした保存期間「1年未満」とは何なのか。内閣府など各府省庁は、それぞれ保管する公文書について、保存期間を1年、3年、10年などと決めた一覧表「保存期間表」を作っている。
 ただ、招待者名簿が「1年未満」になったのはつい最近で、かつては3年に設定されていた。その後、いつからか判然としないが、2018年3月まで「1年」で運用され、同年4月から「1年未満」となっている。変遷の理由を内閣府大臣官房総務課に訪ねるが、「担当者が会議で不在」と断られた。
 今年の招待者名簿が廃棄された日付はいつだったのか。14日の野党合同ヒアリングで、内閣府の担当者は「5月9日」と明かした。桜を見る会の実施から約1カ月後のことだ。
 実は同じ日に共産党の宮本徹議員が、桜を見る会に関する資料を内閣府に要求している。年々、開催経費が増加していることを指摘した4月16日付「こちら特報部」の記事を読んだ宮本氏が、数日後の国会で質問するため、核燃の招待者数の推移や選考基準、支出額などをファックスで問い合わせた。
 宮本氏は「普通は『資料の準備にこれぐらいかかるから、少々お待ちください』などと反応があるが、それが全くなかった。資料を出そうとする姿勢が感じられなかった」と振り返る。内閣府の担当者は「桜を見る会終了後、遅滞なく廃棄することになっているが、シュレッダーが空いておらず、たまたまこの日に廃棄した」としているという。名簿の電子データについても、同じころに削除したと説明しているそうだ。
 「日付の奇妙な一致は、本当に偶然だろうか。追及を免れるための証拠隠しで廃棄していたとしたら、非常に悪質だ」。宮本氏は怪訝な表情を浮かべる。
 そもそも、内閣府が今回の名簿を廃棄した根拠にも曖昧さが残る。
 野党合同ヒアリングで、内閣府の担当者は、1年未満で廃棄できる文書として、「関係行政機関等に協力して行う行事等の案内の発送等」という規定があると説明。「招待者名簿は、各省庁から集めた推薦名簿を取りまとめて発送する。まさにこの規定に該当する」とし、適正な手続きを踏んだと主張する。
 しかし、NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子氏は「『―発送等』は今年の10月末に新しくできた規定。5月の廃棄時にこの規定はなかった。根拠にならない規定を根拠として説明するのはおかしい」と指摘する。
 三木氏は、「保存期間1年未満」は昔からあるが、最近は政府にとって都合の悪い文書を隠蔽する言い訳に使われてきたと分析する。事実、森友学園と財務省の交渉記録や自衛隊南スーダン派遣の日報は、政府が当初「1年未満」を理由に廃棄したと説明。だが、後に公表された。
 三木氏によれば、基本的に「1年未満」の文書は廃棄した事実を記録する仕組みがない。たとえ文書があったとしても、行政側が「廃棄した」と言えば、ばれない。
 公文書を軽視し、隠蔽するようなことが続けば、計り知れない弊害が社会にもたらされる。三木氏は「政治に対する信頼が低下し、選挙に行く人が減る。政府はますます一部の人のための政治になる。公文書がきちんと残され、適切に管理されているかどうは、政治の健全さを測るバロメーターなんです」と訴える。



長期の理由は国民洗脳
安倍政権の“桂太郎超え”2887日
2019年11月20日:日刊ゲンダイ

 安倍首相の通算在職日数が20日で2887日となり、戦前の桂太郎を抜いて、106年ぶりに歴代最長記録を塗り替えた。

 2006年9月からの第1次政権は約1年でブン投げ、再起不能だったはずの安倍が、12年12月の衆院選に勝利して返り咲くと、第2次政権では7年もの長期にわたって首相の椅子に居座り続けている。

 大メディアは「野党が弱すぎる」「国政選挙6連勝の求心力」「党内に有力な対抗馬がいない」などと長期政権の理由を解説。菅官房長官も「経済最優先を掲げ、成長戦略を次々と実行してきたことが大きい」と偉そうに分析していたが、冗談ではない。

「全国津々浦々にあまねく届ける」と豪語していたアベノミクスの恩恵は、当初の任期を超えた現在も一向に届く気配がない。「道半ば」どころか、2度の増税で消費税は10%に上がり、公的な負担は増える一方。実質賃金は減り続け、国民生活は窮乏化が著しい。そのうえ、社会保障削減で将来の年金不安も高まる。

 社会の格差是正や公教育の充実、少子化対策も待ったなしの状況なのに、全く手を打ってこなかった。国内の課題は全て先送りで、外交も八方塞がり。これだけの長期政権を築いておきながら、誇るべき功績が何ひとつ見当たらない首相というのも珍しい。
「長期政権には功罪あるものですが、この政権には罪しかない。憲法を無視し、議会を軽視して、民主主義を徹底的に破壊してしまった。そのうえ、首相に疑惑の目が向けられれば、証拠の文書を廃棄し、公文書の改ざんまでして隠蔽してしまう。追及を逃れるため、国会も開かずに逃げ回り、説明責任を果たそうとしない。ようやく国会に出てきたと思ったら、平気でウソの答弁をし、閣僚席でヤジを飛ばしてニタニタしている。数の力におごり、力ずくで悪事にフタをしてきた結果の“桂太郎超え”は虚像のようなもので、醜悪な実体とあまりにかけ離れています」(政治評論家・本澤二郎氏)

 希代のペテン政権が続いたせいで、隠蔽されてきた悪事はオリのようにたまるばかりだ。

その大罪に目を瞑り、今なお安倍ヨイショ報道の国民洗脳

 こんなロクでもない首相が、憲政史上最長の座にふんぞり返っていられるのは、その大罪に目を瞑り、守ってきた大メディアのおかげでもある。

「この政権は、『地方創生』だ『女性活躍』だと、毎年のように新しいスローガンを掲げ、やってるフリをしてきただけですが、大メディアはそれを垂れ流し、政府の宣伝の片棒を担いできた。外遊に明け暮れて首脳会談を繰り返すだけのパフォーマンス外交も無批判に報じ、“やってる感”の演出に協力している。この政権の本質はウソと隠蔽とゴマカシなのに、メディアは本当の姿を伝えてこなかった。首相が『悪事を隠していること』が隠されてきたのです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 安倍は民主党政権時代を「悪夢」とさげすむが、現状はもっとひどい。検察はどんな悪事でも見逃し、メディアも政権にへつらう暗黒社会。国民から富を収奪して特権階級の宴が続く。悪夢を超越して、悪魔的だ。
「後世の研究者は、憲政史上、メディアと検察が最も仕事をしなかった時代と評価するのではないか。権力の監視というジャーナリズムの基本を捨て去った大メディアは、情報操作の手先となって大本営報道を繰り返す。それで国民は『他に首相の適任者がいない』と思わされているのです」(本澤二郎氏=前出)

 最長記録更新でもヨイショ報道。魂を売ったメディアによって、悪辣政権が生き延びている。

選挙に強いと言うが、国民ダマしの解散権乱用

 安倍が「桂太郎超え」に至った最大要因は、“野党時代からの国政選挙6連勝による求心力”と大マスコミは分析するが、連勝に加担してきた張本人がどの口で言うのか。
 テレビは選挙のたびに関連報道を減らし続け、国民の関心をそらして安倍自民の勝利に貢献。今年の参院選でも「れいわ旋風」をちっとも伝えず、芸人の闇営業問題やジャニー喜多川氏の死去に明け暮れていた。

 大体、就任後2度の衆院選はともに安倍の自己都合解散だ。14年は消費増税先送りの「増税やらない解散」で、野党の準備不足で勝てるうちに仕掛けた。17年は「モリカケ逃れ解散」で、北朝鮮情勢と少子化を「国難」と称して総選挙を強行。希望の党を率いた小池都知事の「排除」発言の自滅にも助けられた。

 大マスコミは安倍の身勝手解散を「首相の専権事項」とかばう。だが、そもそも憲法に首相の解散権の規定はない。
「安倍首相の国民ダマシの解散権乱用は本来、憲法違反」と、政治評論家の森田実氏が言う。

「天皇の国事行為を定めた7条の3号に『衆議院の解散』とあるのを根拠に、天皇は内閣の助言によって解散できるとの建前ですが、同時に憲法4条には天皇は国政に関する機能を有しないとある。つまり『7条解散』は違憲にあたるのですが、最高裁が明確な判断を避けたのをいいことに、7条解散が常態化してしまった。しかし最高裁の違憲判断がないとはいえ、即、合憲とは言えない。解散権乱用は、解散を決めるのは議会と定めた憲法69条に反する議会制民主主義の否定です。だから、過去の歴代首相は権力の乱用を控え、それなりの大義を掲げましたが、安倍首相は意に介さず解散権まで私物化したのです」

 憲法無視の身勝手首相が政治的レガシーづくりを目指すなんて狂気だ。

アベノミクスの本当の正体と結末


 菅は19日「今日まで貫いてきたのが経済最優先。実際に経済状況は大幅に改善している」と胸を張ったが、アベノミクスは完全に破綻している。

 武器爆買いなど無駄遣いの一方、GDP成長率は伸びず、財政はメタメタ。もともと20年目標だったプライマリーバランスの黒字化は、甘く見ても27年度の見通しだ。6年超の日銀の異次元金融緩和も資金需要は一向に盛り上がらない。出口戦略を探ることなく、円安にしがみつく日銀の国際的信用は失墜。成長戦略の目玉だった原発輸出は見事に全敗した。そんな失政をごまかすために、日銀やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に大量の株を購入させ、株価をつり上げ、“成果”を取り繕っているだけなのだ。

 それでいて、庶民からはトコトン搾り取る。実質賃金は今年8月まで8カ月連続のマイナスなのに、10月に消費税率を10%に上げた。国民健康保険料や介護保険料などを引き上げ、さらには、後期高齢者の医療費2割負担をもくろんでいる。年寄りは病院に来るなと言わんばかりだ。
「安倍政権の経済優先は、国民ではなく、大企業のためです。消費増税など庶民から吸い上げる一方、法人税減税や非正規雇用拡大など大企業が喜ぶ政策を進めてきた。大企業は儲けても使い道がないので、内部留保が膨れ上がるという悪循環がアベノミクスの正体です。しかし、メディアは安倍政権が喧伝する『景気拡大』をそのまま垂れ流し、国民にうまくいっているというムードづくりに手を貸してきた。今さらメディアがアベノミクスの悲惨な結末を検証しても後の祭り。負の遺産は容易に解消できるものではありません」(経済評論家・斎藤満氏)

 日本経済はひとり、世界から取り残されているのである。

売国政策で築き上げた「トランプとの蜜月」という幻想

 安倍が強調したがるトランプ米大統領との蜜月関係も憤慨モノだ。16年11月の大統領選に勝利した途端、安倍がトランプの元に押しかけゴルフセットを手渡して以降、どれだけムダな税金を米国に献上したことか。

 ひたすら米国製の高額兵器を爆買いし、トランプ来日時には国賓待遇で猛接待した。そこまでやっても、日米貿易協定で自動車関連の関税が撤廃されるかは不透明。このままだと日本の関税削減額は、米国の4分の1という世紀の不平等協定となりかねない。

「戦後に長期政権を築いた首相は皆、親米ポチ路線。安倍首相も政権基盤の安定のため、その路線を踏襲しているのでしょうが、度を越えています。とにかくトランプ氏に拝み倒し、国民の税金を私物化する売国政策の数々。当然、トランプ氏本人にも弱腰外交が伝わり、なまりのある英語をマネされるなどバカにされているのが実態で、『蜜月』なんて幻想に過ぎません。とことん、ナメられているからこそ、現状の4・5倍にあたる8640億円もの『おもいやり予算』の増額をふっかけられるのです」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)

 政権維持のためだけの売国政策のツケを払わされるのは国民であることを忘れてはいけない。

「外交の安倍」の無残な結末と許されない拉致被害者家族への裏切り

 米国以外との外交も無残だ。安倍はプーチン大統領ともツーカーだとアピール。9月の会談でメディアは「27回目の首脳会談」と持ち上げたが、27回の中身はスカスカ。北方領土問題で「2島返還」にカジを切りながら、交渉は進展せず、3000億円もの経済協力を約束させられただけ。
 韓国とはもっとひどい。徴用工判決を恨み、輸出規制を打ち出したところ、韓国は日本製品の不買運動で対抗。9月の日本のビールの輸出額は前月比98・8%減で、わずか58万円と惨憺たる状況だ。

 安倍は友好的でない相手とは話ができない性格なのか、文在寅大統領と積極的に向き合う姿勢はゼロ。今月4日、バンコクで文在寅と言葉を交わしただけでメディアは「11分間面談」と大げさに報じたが、正式な首脳会談につながる見通しはない。GSOMIA破棄問題も解決は難しそうだ。
 その上、北朝鮮に「無条件で金正恩委員長と会う」とラブコールを送っても、北から「面の皮が厚い」「愚か者」とこき下ろされる始末。任期中に決着をつけると豪語した拉致問題は1ミリも動かない。元家族会副代表の蓮池透氏はこう憤る。

「安倍首相に本気で拉致問題を解決する気があるなら、北に渡った民間人やアントニオ猪木氏などのチャンネルを使えばよかったのです。ところがそうした提案を『二元外交はいかがなものか』と退け、北の脅威をあおって敵対するばかり。交渉が後退しっぱなしの長期政権です。首相が拉致問題を政治利用したとしか思えません」

 それでもメディアが「外交の安倍」とヨイショするから笑ってしまう。ヘソが熱湯を噴き上げそうだ。

安倍のお里が知れるこの間辞めた官僚の資質

 スキャンダルや問題発言で辞任した閣僚は第2次政権で10人にのぼる。トップバッターは14年10月の小渕優子経産相。支援者らを東京・明治座で観劇させた公選法違反疑惑(買収)が理由だった。松島みどり法相も自身のイラスト入りうちわを選挙民に配布。小渕とセットで内閣を去った。最近では菅原一秀経産相。地元有権者の葬儀に秘書が香典を持参した。河井克行法相は妻の選挙で運動員に法定額を超える日当を払ったことが発覚し、辞任した。
 西川公也農相は15年2月、国の補助金交付が決まった企業からの献金で大臣の座を追われた。稲田朋美防衛相は17年7月、PKO部隊の日報を破棄したとしながら、実は保管されていたことが分かり、引責辞任した。

 醜聞だったのが、16年1月、総額1200万円のワイロ疑惑で辞めた甘利明経済再生相だ。辞任後、睡眠障害を理由に国会を長期欠席した。
 舌禍が記憶に残るのは桜田義孝五輪担当相。今年4月、高橋比奈子衆院議員のパーティーで「復興以上に大事なのは高橋さん」とやらかして事実上更迭された。今村雅弘復興相も17年4月、東日本大震災の被害について「まだ東北で良かった」と放言し、クビになった。

「閣僚の大量辞任は1強政権の弊害です。入閣待機組にハクをつけさせるため起用し、彼らが辞任しても安倍首相は『責任は私にある』と言うだけで、次の待機組にチャンスを与える。これを繰り返しても国民は怒らないと思っているから、やりたい放題なのです」(元衆院議員で政治学者の横山北斗氏)

 長期政権はポンコツ大臣の製造マシンだ。

疑惑まみれの首相のために犠牲になった人々の怨嗟

 疑惑まみれ首相の犠牲になったのは、拉致被害者家族だけではない。森友問題では公文書改ざんという禁じ手で、自殺者まで出た。籠池前理事長や、佐川元国税庁長官もある意味、被害者と言えるかもしれない。邪魔になったら、保身のために切り捨てる。長期政権の記録樹立は、多くの犠牲の上に成り立っている。

「収束のメドも立たない原発事故や、頻発する地震、水害の被災者もそうです。権力維持しか頭になく、国民に寄り添う気持ちが全くないから対応が遅れる。社会保障の削減など、弱者も切り捨てられてきました。国民の分断と格差は進み、ヘイトがあふれる世の中になってしまった。モラルが崩壊し、政治に対する諦めと絶望を植え付けられた多くの国民もまた政権の犠牲者です。そもそも、2期までだった総裁任期も勝手に変更しての最長記録です。こうも何でもアリだと、国民が諦め、政治に無関心になってしまうのも当然です」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
 国民には負担増を押し付け、税金を浪費して好き放題やってきたのが安倍政権だ。大企業や安倍のオトモダチといった特権階級だけがいい思いをしている。それを可視化させたのが「桜を見る会」の疑惑で、国民の怒りに火をつけたのだ。

 これまで最長記録を保っていた桂太郎も、陸軍や長州閥を重用し、議会を軽視する政治姿勢に批判が集まり、最後は国民のデモで退陣に追い込まれた。これが後の護憲運動につながっていく。

 果たして安倍はどうなるのか。

悪夢は続く。安倍が禅譲、後継指名という国民愚弄シナリオ

 史上まれに見る悪魔的な首相が憲政史上最長の在任記録を塗り替えたことで、ますます独裁性を強め、図に乗ることは目に見えている。


 安倍の自民党総裁任期は再来年9月まで。東京五輪直後の来年8月24日には、連続在任記録でも大叔父である佐藤栄作の2798日を抜き、トップに立つ。通算在任記録は3000日の大台も視野に入ってくる。

 それどころか、自民党内には安倍が改憲などの政治的レガシーを残せるよう、「総裁4選」の声も上がる。希代の詐欺師政権が10年以上もの長きにわたって続く可能性も捨てきれないのだ。

 安倍が政権を退いたところで悪夢は続く。憲政史上最長記録を打ち立てた安倍がおとなしくなるわけがない。キングメーカーを気取って後継指名。従来は護憲ハト派だった宏池会トップの岸田政調会長が、すでに禅譲狙いで改憲路線にカジを切ったように、自民党内はこれまで以上に安倍の顔色をうかがうようになるに違いない。この先、新たな闇将軍の誕生という国民愚弄シナリオが待ち構えているのだ。

「安倍首相は特に第2次政権以降の7年で、この国のモラルを徹底的に潰しました。桜を見る会疑惑で『ボクちゃん、悪いことしていない』とロクに証拠も出さず連日、釈明していますが、こんなみっともない国はありません。詐欺師とダブる大嘘つき首相が政治不信を高める絶望感で、国民の多くは全ての問題に無関心となり、日本の将来を諦めつつある。モラルなき首相に新記録を作らせた大マスコミの責任は、あまりにも重い」(森田実氏=前出)

 国民もモラル崩壊の8年間を冷静に振り返れば、さすがに洗脳から解放されるはずだ。



安倍内閣最長に 慎み忘れた政治を憂う
2019年11月20日:東京新聞

 政治は最高の道徳とされる。政権を担当した長さよりも、その治世の中身が問われるのは当然だ。安倍内閣は長期政権ゆえの高慢さから、慎みを忘れてはいまいか。政治への憂いは強まるばかりだ。
 安倍晋三首相の通算在職日数がきょう二千八百八十七日となり、明治大正期の桂太郎首相を抜き、歴代最長となった。自民党総裁としての任期は二〇二一年九月まであり、このまま首相を続ければ、歴代最長を更新し続けることになる。
 内閣支持率は、共同通信社が十月下旬に実施した全国世論調査では54・1%だが、支持する理由で最も多いのは「ほかに適当な人がいない」の49・6%で、政権の命脈は、消極的な支持で保たれているのが実態だ。
 官邸で首相を支える菅義偉官房長官は「さまざまな指摘や批判もいただくが、謙虚に受け止め、丁寧に説明しながら、政策を前に進めることが大事だ」と述べた。
 「謙虚に丁寧に」は安倍内閣の常套句(じょうとうく)だ。実際の政治は、言葉とは裏腹に、謙虚さや丁寧さからは程遠いと言わざるを得ない。
 例えば国会運営である。安倍政権は、それまで憲法違反とされていた「集団的自衛権の行使」を一転容認し、安全保障関連法の成立を強行した。国論を二分する法律を強引に押し通す手法は、特定秘密保護法やカジノ解禁法、「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法などでも乱用された。
 審議では、野党議員の質問に正面から答えようとせず、時には自席からやじを飛ばす。行政府による立法府形骸化の罪は重い。
 森友・加計問題は国有地売却や大学の学部新設を巡り、公平・公正であるべき行政判断が、首相らへの忖度(そんたく)で歪(ゆが)められたか否かが問われた国の根幹に関わる問題だ。
 しかし、首相は自らの関与を否定するばかりで、国民が抱く疑問に答えたとは言い難い。真相の解明は依然、途上にある。
 国民が期待する外交政策でも、政権が誇示するほどの成果が上がっているとは言い難い。成長重視の経済政策「アベノミクス」も同様だ。
 選挙は国民の意思表示には違いないが、勝てばすべて許されるという独善的な考え方が、政治から慎みや廉恥を奪い去った。長期政権の歪(ひず)みである。
 歴代最長となる直前に「桜を見る会」を巡る首相の公私混同ぶりが表面化したのも、必然だったのかもしれない。これを、政治に慎みを取り戻し、国民と真摯(しんし)に向き合う機会としなければならない。



水説 安倍家の勝ち越しで=古賀攻
2019年11月20日:毎日新聞

 <sui-setsu>
 「桂太郎超え」だという。
 大命降下の戦前と、議院内閣制の戦後とでは首相の意味が違うから、比べるなら今年8月の「佐藤栄作超え」こそ大事な記録だった。とはいえこれからは政治家・安倍晋三に「憲政史上最長」の枕ことばがついて回る。
 ここで思い出すのは2012年5月、父晋太郎さんを「偲(しの)ぶ会」での安倍さんのあいさつだ。
 父が自民党総裁に2度挑んでかなわなかったことを踏まえ「安倍家としては1勝(自分)2敗ですが、これを何とか引き分けに持っていきたい」。遠回しに、復活を期して同年9月予定の総裁選に出るという決意表明だった。
 まだ野党の頃の話だ。それでも話半分、まさかという受け止め方が多かった。後に、迷う安倍さんの背中を菅義偉官房長官が押したという解説が出回るが、本人の腹は固まっていたと思う。
 あれから7年半。結果的に10年代の日本政治の大半を安倍さんが担うことになった。
 世界的に見れば、10年代はグローバル化の副作用が噴き出した時代である。所得格差の拡大。自国エゴへの回帰。多様性の収縮。そして米国の変質と中国の挑戦によって国際秩序は揺らいでいる。
 米ハーバード大のダニ・ロドリック教授は、現代の国家が民主主義と国家主権、グローバル化の三つを同時には追求できない「トリレンマ」を抱えると指摘した。実際、10年代に多くの国は主権優先にかじを切り、民主主義や国際協調にしわ寄せが来た。
 安倍政治もこの流れにある。資源小国としてグローバル化に配慮はするものの、主権優先で猛然と経済成長を求め、憲法より安保という「マッチョ路線」を進めた。
 そもそも日本の選択肢はそう多くない。多弱野党が安倍1強を支えてきた面はあるが、分配政策で左にウイングを広げてがむしゃらに政権の衰弱を防いだ。どん底からここまできた執念の非凡さは認めなければならない。
 ただし、国粋的な安倍カラーを右派がもてはやし、左派は毛嫌いする「好悪くっきり」の傾向は一貫している。スマホの普及で似た者同士が結びつき、社会が断片化していることの反映だろう。
 問題は、身内を偏重する政権中枢で同じ声を響かせ合うエコーチェンバー状態が生まれがちなことだ。意見の割れる課題について辛抱強く議論を重ね、より広い合意に仕上げる政治のモラルは、安倍印の政策ほど低下する。
 安倍家は確かに勝ち越した。だが、民主主義の星取表はかんばしくない。(専門編集委員)



今年の「桜を見る会」は
安倍自民党の参院選事前運動だった!
参院改選議員に招待枠、
安倍首相の「前夜祭」も大会場で開催
2019年11月20日:LITERA

 安倍首相「桜を見る会」問題をめぐって、想像以上の私物化、悪質な選挙利用の証拠が出てきた。
 自民党が、今年4月の「桜を見る会」に、7月の参院選で改選を迎えた党所属の参院議員に、後援会関係者らを「4組までご招待いただけます」と記載した案内状を1月に送っていたことがわかったのだ。
 一報を報じた共同通信の入手した案内状の写しによると、案内状は〈平成31年改選議員各位〉〈「桜を見る会」のお知らせ〉の下に、こう書かれていた。
〈内閣主催による「桜を見る会」が、下記の通り開催されることになり、一般の方(友人、知人、後援会等)を、4組までご招待いただけます。〉
 また、案内状の一番上には、〈参・自由民主党(内部資料)〉〈参・自由民主党事務局 総務部(平成31年1月31日発信)〉とあり、参院・自民党総務部が参院・自民党が公式に送ったものであることがわかる。
 ちなみに案内状には〈なお、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」に基づいて名簿全体を公開されることもあります〉との注意書きもあった。安倍首相は招待者の詳細について「個人情報」を理由に説明を拒むというあり得ない答弁をしていたが、こんな但し書きがあるのだから即刻公開にすべきだろう。
 それはともかく、この案内状によって、「桜を見る会」はたんに議員の支援者を接待するというだけでなく、もっと直接的な選挙運動に利用されていたことが決定的になった。
 共同通信の取材に対し、自民党関係者は案内状の送付を認め「引退や落選で(後援者らを招待できるのが)最後になる可能性もあるため、改選議員を対象にした」と説明したというが、そんな言い逃れが通用するはずはない。
 7月に参院選を控えている議員に「関係者の招待」枠を与えたというのは、安倍自民党が、税金を使った「桜を見る会」という公的イベントを、組織的に選挙運動に利用していたという、公職選挙法違反にあたる事前運動の決定的な証拠だ。
 安倍応援団は自分の金ではなく税金だから公選法に抵触しないなどと主張しているが、この行為は自分の金を使っている以上に悪質ではないか。安倍首相は自民党総裁としてどう責任を取るつもりなのか。
 いや、それどころではない。「桜を見る会」前夜に行われた「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」についても、同様に参院選対策の疑惑が浮上している。「前夜祭」については、地元後援会関係者を5000円の会費で最低1万1000円以上の飲み食いさせていたことが発覚、公選法や政治資金規正法違反の指摘がなされているが、新たに今年の会場が例年に比べて大規模だったことがわかった。ちなみに、これまでの前夜祭会場とキャパシティ(立食形式の場合)をあげてみよう。

・2013年 ANAインターコンチネンタル東京 部屋不明
・2014年 ANA インターコンチネンタル東京 プロミネンス 立食2200名
・2015年 ニューオータニ 鳳凰の間 立食500名
・2016年 ANAインターコンチネンタル東京 ギャラクシー 立食550名
・2017年 ニューオータニ 鳳凰の間 立食500名
・2018年 ニューオータニ 鳳凰の間 立食500名
・2019年 ニューオータニ 鶴の間 立食2500名

参院改選議員への招待枠割り振り発覚で、事前運動疑惑は決定的に

 2015年から2018年までの4年間は、「前夜祭」はいずれも500名がキャパシティの会場で行われているのだが、今年はいきなり最大2500名の会場「鶴の間」になっているのだ。「前夜祭」は「鶴の間」を半分に仕切って借りたようだが、それでもキャパ1100〜1400名の広さになる。
 安倍首相は参加者が「約800人」と説明していたが、本当はもっといたのではないか(実際、当日の写真では満員だったように見える)。
 また、800名だったとしても、例年よりは多いし、そもそも、こんな巨大会場を用意したことから見ても、今年はいつも以上に動員をかけ、ツアー募集を拡大させていた可能性は高い。ようするに、自民党だけではなく、安倍首相も参院選を間近に控えて、この会を選挙の事前運動に利用しようと、規模を大きくしたのではないか。
 いずれにしても、参院改選議員への招待枠割り振り発覚で、「桜を見る会」が安倍自民党のたんなる支持者接待にとどまらず、具体的な選挙事前運動にまで利用されていたことはもはや隠しようがない。安倍応援団は、「桜を見る会」問題など“瑣末なこと”と矮小化に躍起だが、これは明らかに税金の不正使用であり、政治資金規正法や公職選挙法、財政法違反に関わる問題なのだ。メディアは政権や応援団の圧力に屈することなく、徹底した追及を続ける必要があるだろう。
(編集部)



官邸幹部と自民推薦で5割以上
 今年の桜を見る会招待者
2019年11月20日:朝日新聞

 国の税金を使い、首相が主催する「桜を見る会」について、安倍晋三首相は20日の参院本会議で、「私自身も事務所から相談を受ければ推薦者についての意見を言うこともあった」と述べ、招待者の選定過程に自身が関与していたことを認めた。また、この日の国会では首相の妻・昭恵氏も推薦を出していたことや、今年の招待者の5割以上が官邸幹部と自民党による推薦だったことも明らかになった。
 首相は8日の参院予算委員会で「私は、招待者の取りまとめ等には関与していない」と述べていた。20日は「私は、内閣官房や内閣府が行う最終的な取りまとめプロセスには一切関与していない」と軌道修正。「先日の答弁が虚偽だったとの指摘はあたらない」とも述べた。
 また、桜を見る会には「後援会の関係者を含め」、参加希望者を募ったと説明。安倍晋三後援会の主催で2013年以降、会の前日に夕食会を開催していたことも認めた。会の段取りは安倍事務所の職員が会場のホテル側と相談したが、見積書などの発行はなかったとしている。
 20日の国会の質疑などでは、約1万5千人いた今年の招待者の内訳も明らかになった。大西証史内閣審議官は「(昭恵)夫人からのご推薦もあった」と答弁。菅義偉官房長官は、昭恵氏を含む首相の推薦者は計約1千人、自民党関係者の推薦は約6千人いたと説明した。
 政府は、森友学園問題などで追及を受けていた17年3月、昭恵氏は「公人ではなく私人であると認識している」とする答弁書を閣議決定している。私人が、「内閣の公的行事」と位置づける桜を見る会の招待者の選定過程に関与していたことになるが、菅氏は20日の記者会見で「最終的に決めるのは内閣官房、内閣府の中で取りまとめている」と語り、問題ないとの認識を示した。また、これまで推薦したのは数十人と述べていた菅氏自身の推薦人数について、数百人だったと修正した。(安倍龍太郎)

おかしな事実次々、首相は進んで説明を

 安倍晋三首相が20日の国会で強調したのは、桜を見る会は「長年の慣行の中で行われてきた」ことだった。自分だけの問題ではないと言いたいのだろう。
 しかし、公的行事である桜を見る会の招待客は首相の就任後に大幅に増えた。首相の事務所名で、この会を日程に含んだツアーを地元有権者に案内していた。「慣行」で納得する人はどれほどいるのか。
 これまでの説明もほころびを見せる。首相は8日の国会で「招待者の取りまとめ等には関与していない」と述べていた。しかし、20日には「最終的な取りまとめプロセスには一切関与していないが」と断りつつも、「私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった」と認めた。
 「招待者の取りまとめ」と「推薦者について意見」を使い分け、過去の答弁とつじつまを合わせようとしているが、会を主催しているのは首相自身。首相が推薦して、招待されなかった人などいたのだろうか。
 安倍内閣で「私人」と閣議決定したはずの妻昭恵氏が推薦に関わっていたことや、共産党議員が資料要求した日に招待者名簿が廃棄されたことなど、おかしな事実が次々と出てくる。野党側は首相に予算委員会での説明を求めている。首相は逃げることなく答弁に立つべきではないか。これで幕引きは許されない。(首相官邸取材キャップ・東岡徹)

「桜を見る会」で、新たに判明した主な内容
○招待者の選定過程に、安倍晋三首相は自ら関与したことを認める
○首相の妻昭恵氏も推薦を出した
○首相夫妻が出席した会前夜の夕食会の主催者は首相の後援会



昭恵枠、「明細書ない」の嘘、即位晩餐会発注…
安倍首相「桜を見る会」疑惑が止まらない! 
元検事の若狭勝は贈収賄の可能性指摘
2019年11月20日:LITERA

 口を開けば出てくるのは嘘、嘘、嘘──。本日、参院本会議に出席した安倍首相だが、そこでまたも嘘を塗り重ねた。
 まず、きょうは衆院内閣委員会で驚きの数字が判明した。菅義偉官房長官が、招待者の「総理枠」が約1000人だったほか、麻生太郎副総理や菅官房長官、副長官の推薦枠が約1000人、自民党関係者の推薦枠が約6000人だったと答弁したのだ。しかも、大西証史内閣官房内閣審議官は安倍事務所がとりまとめた招待者のなかには昭恵氏の推薦もあったことを認めた。
「桜を見る会」には昭恵氏が名誉会長を務めたスキーイベントの実行委員や、昭恵氏の農業仲間、昭恵氏と日本酒をつくる女性のグループなどが招待されており、以前から「昭恵枠」が存在するのではないかということが囁かれてきたが、やはり噂どおりだったのだ。だいたい、安倍首相は森友問題の国会追及では「妻は私人」だと言い張り、ついには「首相夫人は公人ではなく私人」という答弁書を閣議決定までしたのに、公的イベントの招待者推薦までおこなっていたとは、「どこが私人?」と言うほかない。
 しかも、「総理枠」「昭恵枠」を含め自民党枠がトータル8000人って……。招待者数の目安は1万人とされながら今年の同会では招待者が1万5400人、参加者数は約1万8000人にも膨れ上がったが、その大幅増分はやはり安倍首相や自民党のオトモダチ、支援者枠だったのだ。その上、安倍自民党は今年の同会で7月の参院選で改選した議員に後援会関係者などを4人まで招待できる枠まで設けていたことが判明しており、党をあげて「桜を見る会」を有権者接待の選挙活動の場にしていたことは明々白々。これは公職選挙法違反にあたる事前運動であり、財政法違反の税金の目的外支出だ。
 こんな実態があったにもかかわらず、安倍首相は8日の参院予算委員会では、招待客の選定を「適正だった」と答弁。国会でまったくのデタラメを主張していたのである。
 しかも、安倍首相はこの参院予算委で「私は招待者のとりまとめ等には関与していない」と語っていたが、実際は前述したように1000人の「総理枠」があった。これは完全に8日の答弁が虚偽答弁だったということではないか。
 安倍首相はきょうの本会議では「私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった」などと軌道修正していたが、1000人も枠を取らせておいて、何が「意見を言うこともあった」だ。
 だが、きょうの安倍首相の主張でもっとも唖然としたのは、「桜を見る会」の前日夜におこなわれてきた「前夜祭」についての答弁だ。
 きょうの答弁で安倍首相は「前夜祭」の主催者が「安倍晋三後援会」であったことを認めた上で、こう述べた。
 夕食会の各種段取りについては、私の事務所の職員が、会場であるホテル側と相談をおこなっております。事務所に確認をおこなった結果、その過程において、ホテル側から見積書等の発行はなかったとのことであります」
 主催者は安倍後援会なのに、ホテル側から明細書は発行されていない……!? 安倍首相が「前夜祭」を開催したのは、2013、2014、2016年がANAインターコンチネンタルホテル東京、2015年と2017〜2019年がホテルニューオータニという日本を代表する一流ホテルだ。なのに、そんな一流ホテルが、主催者に対して明細書を発行していないと、安倍首相はそう主張したのだ。
 しかし、この答弁も大嘘だ。実際、NHKが昨日配信した記事では、NHKが「前夜祭」が開かれたニューオータニやANAインターコンチネンタルをはじめ、帝国ホテルやホテルオークラといった都内の5大ホテルを取材。すべての5大ホテルから、こんな回答を得ているのだ。
〈5つのホテルはいずれも「パーティーについては原則として主催者側に明細書を発行します」と答えました。そして主催者側が明細書を紛失した場合もいずれも「再発行は可能です」と回答しました。〉
 あまりにも当然すぎる回答だが、その上、ANNインターコンチネンタルはこうも回答している。
「明細書の保存期限は社内規定で7年程度となっていて履歴も残っているので、ご要望があれば過去にさかのぼって発行することが可能です」

安倍は「明細なし」、でもニューオータニも
ANAインターコンチも「明細書は発行する」

 つまり、ニューオータニにしてもANAインターコンチネンタルにしても、主催者に明細書は発行しており、かつ、ANAインターコンチネンタルにいたってはいまからでも再発行できるのである。安倍首相は「発行してもらっていない」とすっとぼける時間があるなら、いますぐに安倍後援会をとおして明細書をホテルに発行してもらい、国民に対し即急に開示すべきだ。
 だが、安倍首相がついた嘘はこれだけではない。ニューオータニが「1人あたり最低1万1000円以上」と述べている立食パーティの費用について、安倍首相は先週15日のぶら下がり取材で「参加者1人5000円という可否については、まさに大多数が当該ホテルの宿泊者である、という事情等を踏まえホテル側が設定した価格」と説明したが、これも嘘だったことが判明している。
 というのも、2015年の「前夜祭」はニューオータニの「鳳凰の間」で開催されたが、その年の「桜を見る会」ツアー参加者に配られた文書では、〈宿泊先ホテル(全日空ホテルもしくはホテルオークラ東京)〉と書かれており、この事実を報じた共同通信の記事では、ツアー参加者のひとりが「桜を見る会のツアーバスは計十台ほどで、オークラ発が二、三台、残りはANAだった」と証言しているのだ。
 つまり、安倍首相は「(参加者の)ほとんどの方が宿泊をされているというのが事実」「かなり多くの人数」だと強調し、「前夜祭」の費用5000円はそうした事情を「ホテルが勘案して決めた」と主張していたが、2015年の場合は、ツアー参加者の宿泊先は全日空ホテルかホテルオークラで、「前夜祭」が開かれたニューオータニではなかったのである。ちなみに、安倍首相は「大多数が当該ホテルの宿泊者だったから」という理由だけではなく、「例えば毎年使っているとか」と述べていたが、ニューオータニで「前夜祭」が開催されたのは、この2015年が最初だ。
 だが、自分がついた嘘が暴かれてしまった安倍首相は、きょうの本会議では、しれっとこんな言い訳をはじめたのだ。
「2015年は、当初、夕食(前夜祭)会場であり、かつ多くの参加者が宿泊することが予定されていたホテルにおいて、事務的な手違いにより、夕食会場が確保できないことが判明し、急遽別のホテルに夕食会場を変更したとの事情があったと聞いています。このため、2015年にかぎっては結果として大多数の宿泊先が夕食会場と同一ではなくなりましたが、ホテル側と相談をおこなった結果、提供するサービスの内容や参加者の規模等を勘案し、1人あたり5000円という価格設定になったと承知しております」
 ものの5日前には会費5000円の理由をドヤ顔で「大多数が宿泊したから」と言っていたのに、嘘がバレると「サービスの内容・参加者の規模等を勘案した結果」だと主張する──。呆れるほどの後出しジャンケンだが、今後はこれで通すつもりなのだろう。

産経新聞がホテルの匿名コメント
「会費5千円あり得る」で必死の援護も、無理がありすぎ

 実際、御用メディアである産経新聞は昨晩、「首相夕食会「会費5千円、個別領収書あり得る」ホテル関係者」という記事を配信。そこでは、〈会場となったホテルの関係者〉が「安くても受けることがあり得る」「例えば『総額でこれくらいで収めてほしい』という相談があれば、応じざるを得ない」などと証言し、こう語っている。
「注文を断れば収入はゼロになり、別の日への変更も不可能だ。スケールメリットなどを総合的に考える」
「参加人数で割れば、いろいろな金額になることはある」
 この記事をもってネット上ではネトウヨが「これが実態」などと吹き上がっているが、まったく何を言っているんだか。予約が入りにくい閑散期や空きがあるときの直前予約などでは値引きすることもあるだろうが、たとえば安倍事務所が設定した今年の「桜を見る会」参加申し込みの締切が2月20日だったように、直前予約はありえない。また、「前夜祭」は毎年、平日のなかでも予約の入りやすい金曜日の夜におこなわれており、それでなくても4月は歓迎会も多い。つまり、「前夜祭」は閑散期でもなければ直前予約でもなく、「注文を断れば収入はゼロ」になるような割引案件ではないのだ。
 さらに、17日放送の『サンデーステーション』(テレビ朝日)では、ニューオータニに22年間勤務し、営業や宣伝を担当した経歴をもつプリンシプル・ホテルコンサルティング所長の中山晴史氏が“ホテルのパーティは第一義的に食事で売り上げを立てようと考えるもので、5000円でメニュー構成しようとすれば、調理部門に突き返される”と証言。“どういう内容なら5000円であり得るか”という問いに対し、「若干の乾き物とおつまみ程度で、飲み物もビールひとり1本くらいで構わないというようなお話であれば」と答えている。
 ようするに、5000円でそれなりの食事と飲み放題を用意することはホテル側にとっては常識はずれの大出血サービスであり、いくら宿泊者が多いからといって引き受けられるようなものではないのだ。
 だいたい、「会費5000円あり得る」と主張するこの産経は、証言者も〈会場となったホテルの関係者〉となっており、ホテルの名前さえあかされていない。既報のとおり、安倍官邸はすでにニューオータニ幹部と“口裏合わせ”を済ませていると思われるが、この産経記事も、そうした流れのなかでつくられたのではないかと疑わずにはいられない。

安倍首相の「安倍晋三後援会としての
収入・支出は一切ない」があり得ない理由

 とにかくいくら詐術を弄しても、安倍首相や応援団の主張は無理がありすぎて、何の説得力もない。それどころか、逆に疑念を膨らませるだけなのだ。
 それは、きょうの本会議における安倍首相の「安倍晋三後援会としての収入・支出は一切ない」という答弁も同じだ。
 安倍首相は、15日のぶら下がりでも「夕食会費用は会場の入り口の受付で安倍事務所職員が1人5000円を集金をし、ホテル名義の領収書をその場で手交、受付終了後に集金したすべての現金をその場でホテル側に渡した」と述べ、「参加者からホテル側への支払いがなされた」と主張。つまり、安倍事務所の職員が受付係として集金しただけで、主催者である「安倍晋三後援会」は精算もせず、その金はそっくりそのままホテルに渡した、と言い張っている。
 しかし、これもまずありえない。本サイトでは繰り返し指摘してきたが、いくら前もって参加者を募っていても、これほど大規模なパーティなら事情があってドタキャンする人は必ず出てくるものだ。その当日キャンセル分の補填は誰がおこなったというのだろうか。あるいは万が一多すぎた場合の余剰分は誰の懐に入るのか。
 そして、さらに言うと、食事代や会場設営・音響費用などは当日変更さえなければ事前に金額を確定できるが、飲み物代はそうではない。実際、立憲民主党の石川大我議員がニューオータニで取った見積もりでは、飲み物代として「ビール・ソフトドリンク」が1人につき1800円で計算されているが、注記として〈当日ご来館人数様分を保証として計上させていただきます〉とある。当日の参加人数の変動によって金額が変わってくるのだ。
 また、本サイトがニューオータニに問い合わせをした際には、飲み物代はおおよそ1人4000円程度としながらも、基本的には「実数計上」になると説明を受けている。
 つまり、事前に飲み物代は確定することはできず、通常でいえば宴会終了後に精算作業がおこなわれるはずなのだ。そして、その精算主体は「安倍晋三後援会」であり、何らかの収支が発生していると考えるのが当然だ。
 それでも収支がない、明細はないと安倍首相が言い張っているのは、やはり、「安倍晋三後援会」が本来は参加者1人につき1万1000円以上の費用がかかっているのに、参加者からは5000円だけ徴収し、差額の補填(=有権者への寄附)をおこなっていたからではないのか。この場合、公選法199条の2(公職の候補者の寄附の禁止)、同法199条の5の2(後援団体に関する寄附等の禁止)違反にあたるため、明細を出したくても出せない、そう考えたほうが自然だろう。

ニューオータニが便宜図っていたら「巨額の違法献金」、
「贈収賄の可能性」も

 もちろん、一方では、先日の記事で指摘した、安倍夫妻とホテルニューオータニ代表取締役・総支配人と安倍夫妻の関係から、こうした政治資金収支報告書に記載しなければならない手続きを全部すっ飛ばして、それなりの料理にビール・ソフトドリンク飲み放題で5000円という、一流ホテルではあり得ない大出血サービスをしてもらった可能性もなくはない。
 しかし、だとしたら、そのサービス分は「物品やサービスの無償提供」にあたり、政治資金規正法違反だ。
 総務省の資料では、こうした無償提供の収支報告書での取り扱いについて、〈金額に換算して「寄附」として収入に計上。備考欄に「無償提供」と記載〉することとしている。つまり、本来は参加者1人につき1万1000円以上の費用にもかかわらず、ホテル側が値引きをおこなっていた場合は、それが「安倍晋三後援会」への寄附に当たる。寄附がありながら収支報告書に記載していないことは政治資金規正法12条(報告書の記載義務)違反だ。いや、そもそも「安倍晋三後援会」は政治団体で、企業が政治団体に寄附(企業献金)することは一切禁じられており、政治資金規正法21条(会社等の寄附の制限)違反になる。しかも、これは半額以上という高額の値引きであり、上脇博之・神戸学院大学教授も「社会通念上認められる程度の値引きではない。夕食会は数年続いており、かなり額の大きい違法献金となる」(東京新聞20日付)と指摘している。
 まさに違法疑惑だらけなのだが、安倍首相にはもっと重大な指摘もおこなわれている。前出の東京新聞記事では、元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士がこう語っているのだ。
「割引を受けたのが、仮に政治団体でも首相の職務権限は強く幅広いので、首相に利益がもたらされるなら贈収賄が成立するだろう。首相の個人事務所であれば当然だ」
「ホテル側も首相を相手に『損して得する』と、宴会代を値引きしたのかもしれない。ホテルが政治家以外にも財界関係者のパーティーなどで値引きをする話はよく聞く。だが、民間企業を相手にするのと公職者の政治家を相手にするのでは次元が違う」

予算1億7200万円の即位式典
「総理大臣夫妻主催晩餐会」が入札なしでニューオータニに

 贈収賄の可能性──。たしかに若狭弁護士が言うように、安倍首相の職務権限は「強く幅広い」。実際、今年10月22日におこなわれた「即位礼正殿の儀」の翌日23日には、4月の「前夜祭」と同じホテルニューオータニの「鶴の間」で「内閣総理大臣夫妻主催晩餐会」を開催。海外要人など602人が参加し、その予算総額は予算1億7200万円にものぼっている。
 ちなみに、同じ即位にまつわる祝宴で、皇居で行われた「饗宴の儀」の料理は、8月に一般競争入札方式で最低価格だったグランドプリンスホテル新高輪が落札したが(落札価格約8400万円)、「内閣総理大臣夫妻主催晩餐会」の会場選定のほうはなぜか、そうした入札なしでニューオータニに決められていた。
 内閣府に設置された「皇位継承式典事務局」によれば、「舞台スペース(平成度の実績:220席分)を除いて約900名の正餐が行える宴会場を有する」「元首など各国要人をもてなすため、非常に高いレベルの接客及び充実した設備・ノウハウを兼ね備えている」「前日も使用可能」「23日に大きなイベントがないこと」の4点が選定理由だという。これくらいの条件ならば、帝国ホテルの「孔雀の間」やホテルオ−クラの「平安の間」は「鶴の間」と同規模の宴会場であるし、いろいろ候補にあがりそうなものだが、しかし〈事務局において調査した結果、選定のポイント1〜4までの全ての項目をクリアしたホテルは、「ホテルニューオータニ」のみ〉と結論づけたのだ。
 このように不可解な決定をみると、ニューオータニと安倍首相の“裏取引”を訝しむ向きが出てくるのも当然だろう。実際、刑法が専門の園田寿・甲南大学教授は晩餐会の問題を取り上げて、「不当な値引きの背景には、こうした国発注の行事もあるのではないか」(共同通信19日付)と言及している。
 どんどんと疑惑が濃く、さらに大きくなってゆく「前夜祭」問題。前述した若狭弁護士は「後援会による補てんでも、ホテル側による割引でも、違法の疑いがある。宴会費だけでなく会場代などでも新たな利益供与が分かってくれば金額は増える。数年分をまとめれば立件できるかもしれない」とも語っているが、ともかく安倍首相は、ここまで国民に疑念を抱かせていることを反省し、嘘をつくのもいい加減にすべきだ。そして、その嘘は必ずバレるということを、肝に銘じてほしい。
(編集部)



「桜を見る会」首相答弁
 予算委での説明が不可欠
2019年11月21日:毎日新聞

 「桜を見る会」をめぐり安倍晋三首相が参院本会議で答弁に立った。「私物化」が指摘される実態を国会でどう説明するかが注目された。
 問題は2点に分けられる。
 一つは、なぜ招待客と経費が年々急増したのかだ。首相は「長年の慣行ではあるが、選定基準が曖昧であり、結果として招待者の数が膨れ上がってしまった」と答弁した。
 第2次安倍政権以降に生じた事態なのに、長年の慣行や選定基準などの一般論にすり替えており、これでは説明になっていない。
 政府は今年の招待者約1万5000人のうち首相の推薦が約1000人、菅義偉官房長官ら官邸幹部が約1000人、自民党関係が約6000人に上ることを明らかにした。
 各界の功労者などを招待する本来の趣旨からかけ離れ、自民党支持者の接待に使っていたと言われても仕方ない状況だ。7月参院選の改選議員にも招待枠を割り振っていた。事実上の選挙運動ではないか。
 中でも首相の事務所が突出している。妻昭恵氏の推薦者も含まれる。首相は「私自身も事務所から相談を受ければ推薦者について意見を言うこともあった」と関与を認めた。
 「招待者の取りまとめには関与していない」とした従来答弁からの明らかな修正だ。首相の地元は優遇して当然だという甘えの意識も感じられる。権力者として公私混同を疑われたことを重く受け止めるべきだ。
 もう一つの問題は高級ホテルで開かれた「前夜祭」の経費処理だ。
 首相は「主催者は安倍晋三後援会だ」と認める一方、「後援会としての収入、支出は一切ない」と繰り返した。主催と経理は別だというなら、もっと丁寧な説明が必要だ。
 今年の場合、会費5000円で約850人が参加したとされ、単純計算で400万円を超える。実際の総額はいくらだったのか。
 ホテル側とやり取りした明細書などを示さないのは不自然だ。かえって不適切な処理がなされたのではないかとの疑念を生んでいる。
 首相は「国会から求められれば説明責任を果たす」と言いながら、一問一答形式で追及を受ける予算委員会集中審議は与党が拒否している。
 首相自らが招いた疑惑であり、予算委での説明なしに解決しない。



(社説)
桜を見る会 首相の説明、信を置けぬ
2019年11月21日:朝日新聞

 首相主催の「桜を見る会」の招待者選考について、安倍首相がきのうの国会で自らの関与を認める答弁をした。従来の説明と食い違っており、これでは首相の言葉をどこまで信用していいのかわからなくなる。
 この会をめぐっては、連日のように新たな疑問や不審点が明らかになっている。首相は野党の求める予算委員会の集中審議に応じ、真相を包み隠さず、語らなければいけない。
 首相はこれまで「招待者のとりまとめには関与していない」と明言してきたが、きのうの参院本会議では、自らの事務所が幅広く参加者を募っていたことを知っていただけでなく、「私自身も相談を受ければ、意見を言うこともあった」と述べた。
 先の説明は、内閣府などが行う招待者の最終的なとりまとめには関与していないという趣旨だったとして、野党が批判する「虚偽答弁」には当たらないと弁明したが、その言葉を誰が素直に受け止めよう。
 「関与せず」答弁の後、首相の事務所が、この会を含む観光ツアーの案内を地元有権者に配っていたことが発覚したため、答弁の修正を迫られたのではないか。追い込まれないと、本当のことを語らない。真相を小出しにする。安倍政権でこれまでも繰り返されてきた、不誠実きわまる対応だ。
 きのうは菅官房長官が、招待客の推薦者別の内訳を明らかにした。首相は約1千人、自民党関係者は約6千人だった。首相の妻の昭恵氏からの推薦もあったという。森友問題で昭恵氏の関与が取りざたされた際、首相は「妻は私人」とかばった。私人である夫人の関与で、首相による会の私物化の疑念は、一層強まったと言わざるを得ない。
 会の前夜に都内の高級ホテルで開かれた後援会の懇親会をめぐる首相の説明も、額面通りには受け取れない。野党が安すぎると批判する1人5千円の会費はホテル側が設定したというが、それを証明する明細書などは一切示されていない。
 後援会主催の行事と認めながら、参加者が直接、ホテルに会費を支払ったとして、政治資金収支報告書に記載しないのは、政治資金の流れを透明にするという政治資金規正法の趣旨を骨抜きにする行為ではないか。
 招待をめぐっては、自民党が今年1月、夏の参院選で改選を迎える所属議員に対し、後援会関係者らを4組まで招けるとした案内状を送っていたことが判明した。首相の地元の山口県下関市では、自民系の市議だけを対象に、友人・知人を含む誘いがあったとされる。会が事実上の選挙対策に利用されていたとしたら、悪質というほかない。



<社説>安倍首相が在職最長
 強権の弊害計り知れない
2019年11月21日:琉球新報

 民意をことごとく無視し、強引に地域社会の分断を促す。民主主義をないがしろにする最長政権と言っていい。
 安倍晋三首相の在職日数が20日、第1次内閣を含め通算で2887日となった。戦前の桂太郎を抜いて憲政史上歴代1位という。
 復帰後の歴代政権で沖縄に対し最も強硬で冷淡な姿勢をとってきたのが安倍内閣だ。政権の長期化が、県民に苦難と試練をもたらしたことは疑いない。名護市辺野古の新基地建設が安倍政権の性格を如実に示している。
 県内の主要な選挙結果からも反対の民意は揺るぎない。新基地建設反対を掲げた候補者が立て続けに当選した。昨年9月の県知事選で玉城デニー氏、今年4月の衆院3区補欠選で屋良朝博氏、7月の参院選で高良鉄美氏が勝利している。
 それ以前にも政権が推す候補に対し、新基地建設反対を掲げるオール沖縄陣営がほぼ連勝した。あらゆる選挙で全国とは対照的な結果を示したのが沖縄だった。
 にもかかわらず基地建設は続いている。正当な手続きを経た民意が行き場を失う。民主主義の根幹が崩れる事態が起きている。
 2月の県民投票では投票率が5割を超え、7割超が埋め立てに反対した。
 民意を一顧だにせず、異論を排除する安倍首相の姿勢から、意に沿わない者を敵視する発想がうかがえる。こうした態度は地域社会の分断を加速させる。看過できない。
 そのスタンスは沖縄関係予算にも表れている。本年度は3010億円と、前年度と同額になった。しかし特徴的なのは国直轄の比率が60%から63%に増えたことだ。
 自由度が高い一括交付金を大幅に減らし、その上で「沖縄振興特定事業推進費」を新設している。県を通さずに国が直接市町村へ交付できる仕組みである。
 名目上は「一括交付金の補完」だ。しかし国から市町村へ直接交付できるため、国の関与の度合いが強まった。国の施策に沿う自治体を優遇する新たな「アメ」として使われる懸念はぬぐえない。
 北部振興事業費、離島活性化推進事業費なども合わせると政府が直接関与する予算の比重は高まった。予算を使い懐柔をもくろんでいるとしか思えない。県と市町村の関係を含め県民同士の分断を誘発する底意も透けて見える。
 江戸幕府が直轄地を設け、財源とした天領をほうふつとさせる。権力分立といった近代国家の統治の在り方を江戸時代に巻き戻したいのかと、疑いたくなる。
 地方自治をゆがめかねないことを平然とやってのけたのも最長となった一強政権のなせる業だ。
 長期政権で培われた強権の弊害は計り知れない。安倍首相に求められるのは民主主義の本旨に立ち返ること。その一点に尽きる。

[大弦小弦]新宿御苑と名護で見る桜
2019年11月21日:沖縄タイムス

 名護城一帯の桜は毎年1月に満開になり、県内外から多くの人が「日本一早い春」を楽しみに訪れる。桜が咲き誇るまちづくりを目指す「名護さくらの会」は、ボランティアで肥料を与え、雑草の除去などの育樹活動を実施。儀保充会長は「きれいな桜で歓迎したい」と話す
▼一方、今話題の「桜を見る会」は、税金を使って新宿御苑で開催される首相主催の公式行事。各界で功績のあった人を慰労する目的で、酒や食事が無料で振る舞われる
▼今年4月にあった会の出席者は約1万8千人だった。その内、安倍晋三首相の推薦は約千人、自民党関係者の推薦も約6千人。テレビに映る招待客は、まるでアイドルのファンの集いのように悦に入っているように見える
▼招待客は年々増加し、今年の支出は約5500万円に上る。首相官邸のホームページにある桜を見る会での首相あいさつは、まるで選挙演説だ
▼安倍首相の通算首相在職日数が憲政史上最長となった20日、市民団体が公職選挙法と政治資金規正法違反の疑いで、首相に対する告発状を東京地検に提出した
▼支持者を堂々と接待する会は私物化であり、長期政権のおごりとしか言えない。災害や消費増税で庶民は切り詰めた生活をする中、税金を使うべきところは他にある。桜を楽しむなら、身近な人と見る名護城の方が断然いい。(吉川毅)

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