“国民を守る”と言うが、日本は独立しているのか…?

DT米国大統領の下、日本への米軍駐留経費の4倍増、5倍増が突きつけられているという。
米軍の存在によって被害を受けている沖縄県や神奈川県などの住民にとってはやりきれない話だ。
「外交の安倍」などと言いながら、何ら成果を上げることなく足許を見られてとてつもない要求を突きつけられるABE政権は、日韓関係などでも展望のないまま時が過ぎ、国益を損ない続けて平然としている。
われわれが失った信頼と“名誉”は計り知れないものになっている。


<社説>
駐留経費増額要求 いびつな「同盟」見直しを
2019年11月18日:琉球新報

 在日米軍の駐留経費負担(思いやり予算)を巡り、トランプ米政権が日本政府に対し、現行の5倍の増額を求めていた。トランプ氏の法外な要求をむしろ奇貨として、ゆがんだ日米の「同盟」関係を見直していくべきである。
 国家安全保障問題担当のボルトン大統領補佐官(当時)が7月に来日した際、韓国政府に在韓米軍の負担を5倍に引き上げるよう求めると説明し、日本も同様の増額を検討すべきだと迫ったという。
 増額要求は来年の大統領選に向け、貿易交渉など経済面を含めて日本の譲歩を引き出そうとするトランプ氏特有のディール(取引)との見方も強いが、今後圧力を強めるとみて間違いないだろう。
 日本側はボルトン氏に対し「日本は既に同盟国の中で最も高い割合を負担している。非現実的だ」と拒んだ。だが安倍政権は昨年もトランプ氏に言われるがまま、105機に上る最新鋭ステルス戦闘機など高額な米国製武器の大量購入を決めている。拒否の姿勢が変わらない保証は全くない。
 「同盟国の中で最も高い割合を負担」という説明はその通りだ。試算では駐留経費の負担割合は2015年度で実に86・4%に上る。韓国やドイツなどの他の米同盟国に比べ突出していることを改めて指摘しなければならない。
 日本は米軍基地の光熱費や基地従業員の給与、施設整備費なども負担している。日米地位協定上、本来は米側が出すべき分野でも解釈拡大や特別協定の締結などによって支出を拡大させてきた。
 駐留経費負担は19年度予算で約1974億円。このほかにも基地周辺対策費や米軍用地の借料、漁業補償、辺野古の新基地建設を含む米軍再編経費や日米特別行動委員会(SACO)関連経費、基地交付金など在日米軍関係経費の総額は約8千億円に達するといわれている。
 米側の求めに応じて日本国民の負担をさらに拡大させるような過ちはもう許されないことは当然だ。一方でトランプ氏はこれまで日米安保条約について「不公平な合意だ」とたびたび不満を述べている。米国による日本防衛義務が、片務的で不公平だと言いたいようだ。
 だが日本の経費負担に支えられた広大な米軍基地の自由使用によって米国がアジア太平洋地域への影響力を長年行使し、さらには世界戦略の拠点としてその機能を強化させてきた歴史をトランプ氏はどれだけ知っているのか。まして、沖縄がその犠牲となり戦後74年たった今も過重な基地を負担し続けている状況など理解していないだろう。
 日本政府はこの機会に、対米従属姿勢から脱却して健全な「同盟関係」を構築する方向にかじを切り、虚心坦懐(たんかい)に米側と協議すべきである。そしてその中で、特定地域に安全保障の負担を集中させている異常な状態の解消を優先させるべきなのは言うまでもない。



社説[思いやり予算5倍要求]
日本側は毅然と対応を
2019年11月18日:沖縄タイムス

 トランプ米政権が在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)の5倍増を日本政府に打診していたことが明らかになった。今年7月に当時のボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が来日した際に日本側に伝え、日本側は拒否したという。一方的で理不尽な要求である。
 日本は2019年度予算で思いやり予算約1974億円を計上している。単純計算で5倍にすると、9800億円以上の巨額に上る。
 思いやり予算について最後に公表された04年の米国防総省の報告書によると、日本は在日米軍駐留経費の74・5%、約4分の3を負担している。同じ同盟国の韓国やドイツ、英国、イタリアなどと比べても負担割合は突出して大きい。
 思いやり予算は1978年度に始まった。円高による米側の負担増に伴い、日米地位協定で本来米側が支出すべき費用も肩代わりしはじめた。
 当初は基地従業員の福利費用などにとどまっていたが、日米の特別協定を結んだ87年度以降は、日本が基地従業員の給与や光熱費、訓練移転費を支出している。
 5年間の協定は2021年3月末で期限を迎える。交渉は来春にも本格化しそうだ。
 防衛省関係者は米側の要求について「日本の反応を見たかったのだろう」と感想を述べたというが、毅(き)然(ぜん)と向き合ってもらいたい。
 トランプ大統領は来年、再選が悲願の大統領選を控えており、外交的な得点は有権者へのアピールになるからだ。
■    ■
 実際、9月から交渉が始まった韓国に対しても在韓米軍駐留経費の来年以降の負担額について、今年の5倍以上の47億ドル(約5100億円)を提示したと報じられている。
 トランプ氏は選挙中から一貫して「誰かが日本を攻撃したら、われわれは駆け付けなくてはならない。でもわれわれが攻撃を受けても日本は助けに来なくていい」などと日米安保を疑問視する発言を繰り返してきた。
 「安保ただ乗り論」で日本側をゆさぶり、さまざまな交渉を有利に運ぶ狙いがうかがえる。
 元国防長官がかつて議会で「米軍にとって日本駐留は、必要とあれば常に出動できる前方基地として使用できる。日本は米軍駐留経費の75%を負担してくれる」などと利点を強調したことがある。
 トランプ氏は日米安保への理解を欠いている。
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 トランプ氏の外交における基本姿勢はディール(取引)である。5倍増の要求をふっかけてだんだん落として決着させることを狙っているのかもしれない。
 懸念されるのは安倍晋三首相がトランプ氏の売り込みに米国製兵器の「爆買い」をのまされていることだ。日本政府は日米交渉にどう臨むべきなのか。辺野古新基地建設の見直しをはじめとする沖縄の負担軽減策と抱き合わせ、どこに着地点を見いだすのか知恵を絞るべきである。
 思いやり予算について米側と毅然と対応しながら、同時に交渉の中に沖縄側の要求を入れ込むべきだ。



GSOMIA 結束し失効回避目指せ
2019年11月19日:東京新聞

 日韓が軍事機密情報を共有する協定の失効期限が迫っている。不安定さを増す北東アジアにおいて協定は安保上の意義が大きく、韓国にとってもメリットが多い。日米は韓国の翻意に努力すべきだ。
 日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)について文在寅(ムンジェイン)大統領はエスパー米国防長官との会談で、「日本と軍事情報を共有するのは難しい」と、従来の立場を繰り返した。
 十七日の日韓防衛相会談でも、韓国側は日本側の譲歩を求め、平行線で終わった。このままでは二十三日に失効しそうだ。
 韓国政府がGSOMIAの延長を見送り、「破棄」を表明したのは、日本が行った韓国への輸出規制の強化に反発したためだ。
 元徴用工問題の解決を促す目的とはいえ、日本政府が経済を使ったのは適切ではなかった。
 しかし、韓国政府がGSOMIAの破棄という安全保障問題で対抗したのも、過剰反応だった。
 GSOMIAは、困難を乗り越えて二〇一六年にようやく締結された。それから破棄発表まで、北朝鮮の弾道ミサイル情報を中心に二十九件の秘密情報が共有されるなど、実績をあげていた。
 日本と韓国は、他の方法で十分情報共有できると主張しているが、見方が狭すぎるだろう。
 GSOMIAは、米国を挟み、日韓が協力体制を結んでいることを示す象徴的な存在だ。さらに歴史問題でギクシャクしやすい日韓関係の重しの一つでもあった。
 エスパー長官は、日韓の対立が続けば「北朝鮮と中国を利することになる」と警告を発している。米国の危機感は深い。
 韓国は現在、米国と在韓米軍の駐留経費を巡る交渉中だ。協定破棄は、米韓関係の悪化や在韓米軍の縮小にもつながりかねない。
 韓国内では破棄支持派が優勢だが、メンツにこだわらず延長を求める声にも耳を傾けるべきだ。
 一方日本政府は、GSOMIAとは次元の違う話だとして、輸出規制強化の撤回に応じていない。韓国側の対応は問題だが、日本政府が人ごとのように振る舞っているのは無責任ではないか。
 北朝鮮の非核化や日本人の拉致問題を進展させるには、韓国の協力が欠かせないはずだ。一度破棄されれば、再締結には、相当な時間と労力がかかるだろう。
 二十二日には名古屋で日韓外相が顔を合わせる。三カ国の結束を維持するため、日本は米国とともに積極的に対応すべきだ。



GSOMIA 米国防長官、維持再要請
 文大統領は「継続困難」
2019年11月16日:毎日新聞

共同記者会見するエスパー米国防長官(左)と韓国の鄭景斗国防相=ソウルで15日、共同

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は15日、韓国を訪問中のエスパー米国防長官と面会した。青瓦台(大統領府)によると、文氏は23日午前0時に失効する日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)に関し、「安保上信頼できないという理由で、輸出規制措置を取った日本に対する軍事情報共有は難しい」との韓国側の原則的な立場を改めて説明した。一方、エスパー氏はGSOMIAの維持が望ましいとの考えを文氏に直接、伝えた。
 青瓦台関係者は面会の雰囲気について「(GSOMIAについても)なんとか問題を解消するために努力しようとの雰囲気が強かった」と説明。「まだ日にちが残っており、GSOMIA終了が決定したかのようにみるのも正しくない。我々も状況が良くなることを望んでいる」とも強調した。米国側から破棄の撤回を求める動きが相次ぐ中、現時点で明確な立場を表明することは避けたとみられる。
 韓国側は、日本側が輸出規制措置について前向きな対応を取れば破棄見直しもあり得るとの立場で、青瓦台関係者は「日本の立場が変わることを期待している」とも強調した。一方、エスパー氏は面会に先立つ記者会見で「GSOMIAは特に戦時の日米韓による情報共有に重要なツールだ。その失効や、ソウルと東京の摩擦で得をするのは平壌と北京だ」などと語っていた。
 また、文氏とエスパー氏は北朝鮮が反発を続ける米韓合同軍事演習についても意見交換した。エスパー氏は14日、記者会見で「外交を支援する観点で、我々は常に柔軟性を残しておかなければいけない」とコメント。エスパー氏は13日にも演習などについて「調整」する可能性に言及しており、これに対し北朝鮮国営の朝鮮中央通信は14日、「朝米対話の動力を生かそうとする米国側の肯定的な努力の一環と評価する」とする金英哲(キムヨンチョル)朝鮮労働党副委員長兼朝鮮アジア太平洋平和委員会委員長の談話を報じている。
 青瓦台によると、文氏とエスパー氏の面会は約50分間。鄭景斗国防相らとエスパー氏との会談も行われた。【ソウル渋江千春】


GSOMIA 「日米韓」安保協力の試金石だ
2019年11月16日:読売新聞

 米国の同盟国である韓国は、北朝鮮の軍事挑発の抑止に向けて、日米韓連携を維持する決意はあるのか。日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の扱いが試金石となろう。
 米国のエスパー国防長官が韓国の鄭景斗国防相と会談し、韓国政府による日韓GSOMIA破棄決定の再考を迫った。このままでは、協定は23日に失効する。
 エスパー氏は会談後の記者会見で、GSOMIAは「日米韓の効果的かつ迅速な情報共有において重要だ」と強調した。失効すれば北朝鮮と中国が利益を得るとの見解も示した。日米韓の亀裂を狙う中朝への警戒感の表れだろう。
 GSOMIAは、同盟国や友好国の間で、敵対する国に関する機密情報や分析を共有する仕組みだ。日米、米韓の2国間同盟を、3か国の連携にまで広げる象徴的な意義を持つ。米国が維持を強く要求したのは当然である。
 韓国側は、GSOMIAの継続には、日本側の譲歩が必要だとの立場を崩さなかった。失効に至った場合、韓国は米国の信頼を失い、米韓同盟が深刻な打撃を受けることを認識していないのか。
 日本が輸出管理を簡略化する優遇対象国から韓国を除外したことを、韓国は協定破棄の理由としている。だが、日本の措置は韓国の輸出管理に不備があるからだ。
 韓国がこの問題をGSOMIAと関連付けるのは筋が通らない。破棄を取り消すべきである。
 北朝鮮は核・ミサイル開発を継続している。米韓が即応能力を維持することが欠かせない。
 米韓の間で、合同軍事演習の必要性を巡り、温度差が露呈したことは問題だ。
 米国は、昨年は中止した米韓両空軍による合同訓練を近く実施すると発表した。エスパー氏は会見で、抑止力を維持する観点から、演習は必要だと力説した。
 しかし、鄭氏は、訓練の意義よりも、北朝鮮との対話に悪影響を与えることへの懸念を示した。文在寅政権は、北朝鮮への配慮が過ぎるのではないか。
 米韓間では、米国が在韓米軍駐留経費の大幅な負担増を求めていることも懸案となっている。エスパー氏は、韓国に限らず、米軍が駐留する同盟国に負担増を求める方針を明言した。
 トランプ米大統領には、同盟国が対米貿易で巨額の黒字を出す一方、自国の防衛で米国の軍事力に過度に依存しているとの不満がある。日本も米国の要求への対応策を練らねばならない。


日韓の軍事情報協定
 失効させぬ努力最後まで
2019年11月19日:毎日新聞

 日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が今週末に失効する恐れが出ている。両国の安全保障協力が損なわれかねない。
 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は、エスパー米国防長官に「安保上、信頼できないという理由で輸出規制をした日本と軍事情報を共有するのは難しい」との見解を示した。原因は、日本にあると強調したものだ。
 韓国の各種世論調査によると、GSOMIAの破棄決定は賛成が反対を上回っている。日本による輸出規制は「不当」であり、対抗措置を取るのは当然だという考えが強い。
 輸出規制とGSOMIAは別の問題だとの日本の立場とは相いれない。文政権は破棄しても国民の理解は得られると判断しているようだ。
 だが、このまま失効させては損失が大きい。
 日本や米国は、維持するよう強く求めている。GSOMIAは、軍事当局者間の協力をスムーズにするだけではなく、日米韓3カ国が北朝鮮問題で一致して対応する姿を内外にアピールする枠組みだからだ。
 文政権は、北朝鮮との緊張緩和を通じて朝鮮半島に平和をもたらすことを目指す政策をとる。ただ、北朝鮮は非核化に向けた具体的な措置をとっておらず、韓国の融和姿勢は今のところ功を奏していない。
 にもかかわらず、韓国が協定を破棄してしまえば、日米韓の足並みが乱れているというメッセージを北朝鮮に送ることになってしまう。3カ国の連携を弱めたい中国を利することにもなろう。
 日本との安全保障協力に慎重だった韓国が、数年かけてようやく署名に至った協定である。失効した場合、再び締結するのは容易ではない。
 韓国の外交や安全保障の専門家らは、米韓同盟に悪影響を及ぼしてはならないと破棄決定の取り下げを訴えている。協定の維持に向け、最後まで努力を尽くすべきだ。
 菅義偉官房長官は、GSOMIAを通じて韓国から得られる情報は補完的だと説明する。とはいえ、北朝鮮の挑発行為に迅速に対応したり、深い分析をしたりするのに隣国の情報はプラスだろう。
 両国の間には、元徴用工問題をはじめ難題が山積している。解決のためには、対話を続けるほかない。



【主張】
軍事情報協定 韓国は不当な破棄撤回を
2019年11月15日:産経新聞

 エスパー米国防長官がソウルで韓国の文在寅大統領や鄭景斗国防相らと会談し、韓国が破棄を決めた日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の維持を求めたが、韓国側が首を縦に振ることはなかった。
 GSOMIAの失効は23日午前零時だ。維持を求める米国は、米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長やスティルウェル国務次官補らも派遣し、説得に努めてきた。
 鄭国防相は会談後の記者会見でGSOMIA維持が望ましいとの見解を示した。だが、日本が対韓輸出管理の厳格化をやめなければ、GSOMIAの破棄は見直さないという従来の立場を崩すことはなかった。文大統領も輸出管理を強化した日本とは軍事情報共有は困難との考えを伝えた。
 極めて残念な態度である。輸出管理の問題を絡めるのは筋が通らない。韓国は前提条件なしにGSOMIA維持を表明すべきだ。
 GSOMIA失効は日米韓による安全保障協力の関係を大きく後退させ、北東アジアの安保環境を悪化させる愚挙だ。エイブラムス在韓米軍司令官が12日、破棄をめぐり、「われわれがそれだけ強くないかもしれないという誤ったメッセージを送る恐れがある」と韓国に警告したのはもっともだ。
 日韓で軍事上の機密情報を共有するGSOMIAは、日米、米韓という2つの同盟を結び付けてきた。それを破棄すれば、地域の脅威である北朝鮮や中国、ロシアに対してにらみをきかせてきた日米韓の協力が後退してしまう。
 すでに、韓国が今年8月、日本に破棄を通告して以来、北朝鮮による短距離弾道ミサイル発射は拍車がかかった。非核化をめぐる米朝協議でも、米韓合同軍事演習の廃止や経済制裁解除を狙っての揺さぶりが露骨さを増している。中露両国は、9月に大規模な合同軍事演習を実施した。
 米国のボルトン前大統領補佐官は破棄の通告について、「米国が同盟諸国と連携する能力に明白な打撃を与えた」と指摘した。
 GSOMIAがなくなれば、朝鮮半島をはじめとする北東アジア地域の有事への米国の即応態勢に大きな支障が出る。米韓同盟には深刻な亀裂が生まれる。地域から米国を追い出したい中国は喜び、米韓同盟を消滅させるべく、韓国に硬軟両様の働きかけを強めるに違いない。


社説
[日韓軍事情報協定]両国が歩み寄ってこそ
2019年11月19日:沖縄タイムス

 日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)は、韓国側が協定破棄の通告を取り下げない限り、23日午前0時に失効する。
 両国に歩み寄りの気配は感じられない。継続を強く求めてきた日本国内にも「破棄やむなし」の空気が広がりつつある。折り合えない事情が両国に存在し、それが複雑に絡み合っているからだ。
 協定は機密性の高い軍事情報の共有を可能にするもので、日韓は2016年11月、北朝鮮のミサイル開発への対応を主目的にGSOMIAを締結した。
 韓国の破棄決定は、日本政府が輸出管理の優遇対象国から韓国を除外することを決めたのが引き金だ。
 「輸出規制を撤回すれば破棄通告を見直す」という韓国側の申し入れに対し、日本側は「次元が異なる問題」と位置付ける。
 失効で懸念されるのは、1965年の日韓基本条約・請求権協定締結以来、最悪の状態に陥った関係のさらなる悪化だ。
 歴史問題(徴用工判決)に端を発した不信感は、経済問題(輸出規制措置)に飛び火し、安全保障の分野(GSOMIA)にまで広がる。
 これ以上亀裂が深まるのを日本も韓国も望んでいないはずだ。国内の反日感情、嫌韓感情によりかかって強硬路線を貫くだけでは、事態を改善することはできない。
 関係改善こそが東アジアに安定をもたらし、両国の利益にもなる、ということを首脳同士があらためて確認する必要がある。
■    ■
 一挙に解決するのは無理かもしれない。しかし解決への道筋を合意することは可能である。
 その前提となるのは何か。韓国側がGSOMIAの維持を何らかの形で明らかにすること。これを受けて日本側が輸出規制措置の撤回に向け協議を開始する意思を示すこと、などが必要だと思われる。
 徴用工問題については、日本企業が保有する韓国内の資産の現金化を当分凍結し、韓国政府による支払いを制度化するような何らかの措置を講じ、日本側はあらためて過去の植民地支配に言及する、という方法もあるのではないか。
 両国が満足するような100点満点の解決策は確かに難しい。だが一方で世代交代や文化・経済交流の深まりによって相互理解に裏づけられた日韓関係が芽生えているのも確かである。この芽を大切にしなければならない。
■    ■
 韓国の李洛淵(イナギョン)首相は、先月訪日した際、文在寅(ムンジェイン)大統領からの親書を安倍晋三首相に手渡した。
 対日強硬姿勢が目立った文大統領が、ここにきて対話による解決を模索しているのは間違いない。四面楚歌(そか)に陥りつつあることを感じ始めたのかもしれない。
 日本政府は、改善の兆しを大切にすべきである。日韓双方が相手のことを「誠実な対話相手」として認めるよう歩み寄って、関係改善を図っていくべきだ。
 今こそ外交力を発揮する時である。



(社説)
日韓情報協定 文政権は破棄の撤回を
2019年11月16日:朝日新聞

 日本と韓国の両政府とも、国民の安全の確保に役立つと考えている。その大切な防衛協力をなぜ、捨て去るのか。韓国の文在寅(ムンジェイン)政権は、破棄の決定を撤回すべきである。
 軍事情報をめぐる包括保護協定(GSOMIA〈ジーソミア〉)のことだ。3年前に結ばれて以来、北朝鮮のミサイル発射など、さまざまな情報の交換に役だった。
 しかし文政権が決定を覆さない限り、23日午前0時に失効する。そうなれば日韓関係のみならず、米国・韓国・日本の3国間の連携にも打撃となる。
 ソウルできのう開かれた米韓安保協議では、エスパー米国防長官が翻意を促した。記者会見で、協定の破棄や日韓関係の悪化で「利益を得るのは中国や北朝鮮だけだ」と述べた。
 米国にとって、この協定は世界に広がる米軍展開のネットワークの一部を担う取り決めだ。中国との覇権争いという大きな戦略のなかでも悪影響になることを懸念しているようだ。
 だが、韓国大統領府の幹部は日本の態度に変化がなければ、変更は困難との認識を示した。徴用工問題への日本側の事実上の報復措置である、輸出規制強化の撤回を求めている。
 協定の破棄決定は、輸出規制への対抗策として出されたが、この間、北朝鮮はミサイル発射を活発化させた。韓国国内でも協定を維持するほうが賢明だと専門家らが指摘している。
 協定維持が国益にかなうことは、文政権もわかっているはずだ。残る1週間内に、賢明な判断を下してもらいたい。そのためには日本政府も、かたくなな態度を緩める必要がある。
 見解の隔たりが大きい問題の即時解決は難しい。だがたとえば、互いの関心事を取り上げられる高官の対話枠組みを設けるなどして、歩み寄りのジェスチャーを発することで、ひとまず協定の継続を図れないか。
 いま双方に求められるのは、自己主張への頑迷な固執ではなく、安保・経済両面での不毛な傷つけ合いを止めるための良識ある外交である。
 米長官はきのう、在韓米軍駐留経費の増額にも言及した。韓国側は今年負担を増やしたが、米国は来年分として現行額の5倍を要求したとされる。
 連携の重要性を唱えながら、費用負担などでは「米国第一」の要求を突きつける。そんなトランプ政権の同盟軽視こそが、米国主導の国際秩序を脅かす要因になっている。
 駐留経費をめぐっては、日本も来年以降に対米協議に臨む。不当な米国の態度は本来、日韓が肩を並べて対処していい問題だ。日米韓のいずれもが、冷静さを取り戻さねばならない。



韓国で日本政府相手取り慰安婦裁判、
両国に新たな波紋
2019年11月14日:朝鮮日報

 韓日関係にさらなる波紋を広げかねない「歴史裁判」が13日に始まった。2016年に日本軍による慰安婦被害者11人と遺族らが1人当たり慰謝料2億ウォン(約1900万円)の支払いを求め、日本政府を相手取り韓国の裁判所に起こした損害賠償訴訟だ。提訴から3年たち、審理が始まった。
 ソウル中央地裁民事15部で開かれた審理では、原告側のイ・サンヒ弁護士(民主社会のための弁護士会=民弁所属)が「金銭的賠償が目的ではなく、日本の人倫に反する犯罪行為を司法に確認してもらうための訴訟だ」と述べた。慰安婦被害者のイ・ヨンスさんはひざまずき、「自分たちには何の罪もない。日本に罪がある」と泣いて訴えた。日本側は出廷しなかった。ソウル中央地裁は原告側に来年2月5日の次回審理までに立証資料を提出するよう求め、審理は約20分で終了した。
 慰安婦裁判は日本で既に原告が敗訴している点で徴用工裁判と共通している。2003年には慰安婦被害女性が「日本政府の不法行為で被害を受けた」と訴えた国家賠償訴訟で、日本の最高裁が原告敗訴の判決を下した。韓国の裁判所が原告勝訴の判決を下せば、徴用工の判決のように両国の裁判所による判断が衝突し、再び外交紛争に発展しかねない。個別企業を相手にした徴用工裁判とは異なり、日本政府を相手取った訴訟という点でさらに大きな波紋を呼ぶことになる。3・1運動、関東大地震当時の虐殺行為、穀物・鉱産物の収奪、創氏改名など日帝の不法・強制的行為の大半について、被害者とその子孫が日本政府を相手取り訴訟を起こせば、勝訴する可能性があるためだ。
 今回の訴訟は被害者が他国政府を相手取り、自国の裁判所に提訴できるかが争点の全てだと言える。韓国政府に裁判の管轄権があるかどうかから判断することになる。日本政府は「主権免除」を掲げ、訴訟は成立しないと主張している。主権免除とは、国家の公権力行使は他国の裁判対象にはならないという国際法原則だ。国家間の平等の原則を考慮し、外交など他の方式で解決すべきだとの趣旨だ。この原則が適用されれば、裁判所は訴えを却下しなければならない。裁判長を務めるユ・ソクトン部長判事も同日、「主権免除という大きな障壁がある。説得力ある方法を準備しなければならないだろう」と述べた。
 主権免除は国際法の原則として通用してきた。代表的事例がいわゆる「フェリーニ事件」の裁判だ。イタリア最高裁は2004年、第2次世界大戦当時のドイツで強制労働をさせられらルイキ・フェリーニさんがドイツ政府を提訴した裁判で、管轄権を認め賠償判決を下した。これについて、国際司法裁判所は12年、「主権免除を認めないことは国際法違反だ」とする判決を下した。米国は「主権免除法」を制定し、他国の公権力行使を訴訟の対象にできないようにしている。ただ、慰安婦裁判で原告側は「慰安婦訴訟のように反人道的行為が問題になった事件では主権免除の原則は適用されない」との立場だ。一部の国際人権法学者も同様の立場を示している。
 韓国の裁判所がそうした主張を受け入れ、訴訟を進行すれば、勝訴は確実だ。慰安婦動員の不法性は1993年の日本政府の「河野談話」で確認された。日本の最高裁も慰安婦被害者に敗訴判決を下す一方で、慰安婦動員の不法性を事実として確認した。従って、訴訟が進められれば、韓国の裁判所が異なる判断を示す可能性はない。そうなれば、大きな波紋が予想される。釜山大ロースクールのチュ・ジンヨル教授は「国内にある日本政府の資産が強制執行の対象となり、その場合は取り返しのつかない外交紛争に発展しかねない」と指摘する。
 昨年の大法院による徴用工判決で「消滅時効」を事実上排除したことまで考えると、訴訟対象は拡大しそうだ。民法上の訴訟で賠償を受けることができる期間である消滅時効は最長10年だ。しかし、大法院は徴用工判決で「消滅時効が経過した」との日本企業の主張を「被害者はこれまで権利を行使できると考えられない状況だった」という理由で退けた。主権免除も認めず、消滅時効まで排除すれば、理論的には3・1運動、創氏改名など日本が韓国人に対して犯したあらゆる行為に対し、賠償を請求できるというのが法曹界の見解だ。
 梨花女子大ロースクールの崔源穆(チェ・ウォンモク)教授は「少なくとも裁判所は事件が韓日関係に与える影響を考慮し、主権免除の是非をもっと検討すべきだが、公示送達により被告人なく裁判を行うとしたことは性急な決定だ」と指摘した。
ヤン・ウンギョン記者



「日本よ、後ろめたいところなければ
堂々と出てこい」
法廷で叫ぶ慰安婦被害女性
2019年11月14日:ハンギョレ新聞

日本政府相手に損害賠償訴訟、初の口頭弁論 
がらんとした被告席…「責任回避」糾弾

損害賠償請求訴訟の初弁論日の13日午後、日本軍慰安婦被害者のイ・ヨンスさん(一番左)が
ソウル瑞草区の民主社会のための弁護士会(民弁)事務所で行われた記者会見で発言している
=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 「私には何の罪もありません。14歳で日本に連れて行かれ、あらゆる拷問を受けて帰って来ました。裁判長、日本に後ろめたいところがなければ、この裁判に出てくるべきなのに、出てこない日本にこそ罪があります」
 日本軍「慰安婦」被害者のイ・ヨンスさんは法廷の床にひざまずいた。13日、日本政府を提訴してから3年、ようやく開かれた初の口頭弁論で、イさんの泣きながらの訴えがソウル中央地裁558号法廷に響いた。「イスに座って話してください」という裁判長の引き止めも、イさんをを支えようとする法廷警備員と弁護士の手も振りはらって、イさんは言葉を続けた。「雨の日も雪の日も、30年間日本大使館の前で叫んできました。真相究明、謝罪、賠償…。90を過ぎてもこのように叫んで生きてきました。裁判長、賢明な裁判長、お察しください」。
 この日、ソウル中央地裁民事15部(ユ・ソクトン裁判長)の審理で、日本軍「慰安婦」被害者たちが日本政府を提訴した損害賠償請求訴訟の初の口頭弁論が開かれた。日本政府が座るべき被告席は空だった。日本政府は裁判を拒否している。この日、日本軍「慰安婦」被害者のイ・ヨンスさん、キル・ウォノクさん、イ・オクソンさんは、車椅子に乗って、杖をついて出廷した。イさんらは責任を回避する日本政府を糾弾し、日本軍「慰安婦」問題に対する法的責任を問うてほしいと裁判所に訴えた。
 イさんら日本軍「慰安婦」被害者と遺族21人は、韓日日本軍「慰安婦」合意1年後の2016年12月、日本政府に対して損害賠償請求訴訟を起こした。しかし、これまで裁判は一度も開かれなかった。日本の裁判所に訴状が届かなければ訴訟は開始されないが、日本の外務省が2017年4月から3回にわたって書類の受け取りを拒否したためだ。日本政府が裁判を拒否している間に、訴訟に参加した11人の生存被害者のうち、キム・ボクトンさん、クァク・イェナムさんら6人が世を去った。結局、今年3月に裁判所が日本政府に公示送達(裁判所の掲示板に公示して書類が届いたものとみなす制度)を決定し、5月にその効力が発生したことで、この日の初の口頭弁論が開かれることになった。日本政府を韓国の裁判所に提訴した訴訟のうち、弁論期日が指定されたのは今回が初めてだ。
 日本政府が掲げる裁判拒否の名分は「主権侵害」だ。5月に日本は「国際法上の主権免除(国家免除)原則に則り、日本政府が韓国の裁判権に服することは認められない」として、訴訟は却下されるべきとの立場を韓国政府に伝えてきた。主権免除は、国内の裁判所は他国を相手にした訴訟において民事裁判権を行使できないという国際法上の原則だ。この日の裁判で、日本軍「慰安婦」問題対応TF所属のイ・サンヒ弁護士は「重大な人権侵害に対する国家免除を認めた国際慣習法は憲法的価値を損なうとした国際判例がある」と指摘し、「日本軍『慰安婦』被害者の実体的な権利を判断しないのは賠償権実現を妨げ、憲法秩序に反する。被害者の年齢を考えれば、事実上最後の訴訟だろう。日本の反人権的犯罪があったことを司法が公式に確認してくれることを望む」と語った。
 裁判は20分あまりで終わった。被害者側は、日本軍「慰安婦」被害者の証言を記録した専門家と主権免除理論などを論駁する日本の法学者などを証人に申請することを明らかにした。次の口頭弁論は来年2月5日に開かれる。
コ・ハンソル、チャン・イェジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


【主張】慰安婦訴訟 国際法無視の暴挙である
2019年11月17日:産経新聞

 これは国際法の原則をないがしろにする、韓国司法の暴挙である。
 韓国の元慰安婦やその遺族らが日本政府を被告として損害賠償を求めた訴訟が、ソウル中央地裁で始まった。
 日本政府は、国家は外国の裁判権に服さないとされる国際法上の「主権免除の原則」に基づき、出廷しなかった。訴状の受け取りも拒否している。
 菅義偉官房長官は「日本政府が韓国の裁判権に服すことは認められず、本件訴訟は却下されなければならない」と述べた。
 当然である。
 原告側は主権免除の原則について「慰安婦問題は反人道的な犯罪行為であり、適用すべきでない」としている。裁判所は主権免除についての判断を示さず、欠席した日本政府に対し、訴訟の中で意見を主張することが望ましいとして出席を求めた。
 主権免除の原則とは、外国政府が他国の裁判から免除されることであり、その是非について出廷して意見を述べよとは、大いなる矛盾である。
 訴訟を静観している、韓国政府の姿勢もおかしい。一連の「徴用工」訴訟で、「政府が介入することではない」として司法に責任転嫁した構図と同様である。
 そもそも慰安婦問題は、1965年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決済みである。その上で、2015年の日韓合意で両国政府が「最終的かつ不可逆的に解決」することを確認している。
 日韓合意に基づき韓国で設立された元慰安婦のための「和解・癒やし財団」を一方的に解散したのは文在寅政権である。
 日韓合意について、韓国政府は「合意には法的拘束力がない」(康京和(カン・ギョンファ)外相)とする立場だ。国家間の信義など、どうでもいいということなのだろう。
 請求権協定で日本は韓国に無償3億ドル、有償2億ドルを支払った。韓国側は個人補償は韓国政府の責任で行うと明言している。
 例えば「徴用工」訴訟で賠償を求められている日本企業が、請求権協定に基づき韓国政府の不作為を国内の裁判所に訴えればどうなるか。韓国政府は主権免除の原則によらず、日本の裁判所に出頭して自らの意見を主張するか。
 あり得まい。司法、通商、外交などあらゆる場面で、韓国側の理不尽が際立っている。



防衛装備の総合見本市を開催
 国内初、陸自戦車も展示
2019年11月18日:毎日新聞

防衛装備庁が展示した陸上自衛隊の10式戦車=18日午前、千葉市

 国内初となる総合的な防衛装備品の見本市「DSEI Japan」が18日、千葉市の幕張メッセで開かれた。日本企業約50社、海外企業約100社が出展。日英両政府が支援し、防衛分野での日本企業の国際競争力強化や、海外企業のアジア市場開拓につなげる狙いがある。20日まで。

来場者でにぎわう「DSEI Japan」出展企業のブース=18日午前、千葉市

 DSEIは英国で2年に1回開かれる世界最大級の見本市で、陸海空の装備に加え、テロやサイバー攻撃など安全保障に関わる全ての分野を扱う。英国外での開催は今回が初めてとなる。防衛装備庁は陸上自衛隊の10式戦車などを展示した。(共同)



離島防衛 自衛隊の統合運用を着実に
2019年11月18日:読売新聞

 陸海空の3自衛隊が、離島防衛を想定した大規模な訓練を鹿児島県・種子島などで実施した。中国の独善的な行動を牽制けんせいする狙いがあろう。
 沖縄県の尖閣諸島周辺では、中国公船による領海侵入が繰り返されている。政府は昨年1年間で、延べ70隻の侵入を確認した。今年は既に100隻を超えている。威圧的な活動は看過できない。
 九州・沖縄地方には2500超の島がある。防衛省は、領土を守る態勢を整え、抑止力の向上に努める必要がある。
 重要なのは、3自衛隊の統合運用を着実に進めていくことだ。
 訓練には、自衛隊員1500人が参加した。離島に他国の軍や武装集団が上陸した、との設定で行われた。海自最大の護衛艦「かが」が指揮を執り、陸自の隊員は水陸両用車などで島に上陸した。空自の任務は警戒である。
 離島防衛には、海路や空路による隊員の輸送や物資の補給が欠かせない。上陸した部隊を、空と海から援護する必要もある。各部隊は指揮系統を整理し、迅速な情報共有を図らねばならない。
 安全保障関連法の施行により、自衛隊と米軍は、平時から実戦的な訓練を行うようになった。引き続き練度の向上に努め、南西諸島防衛での日米協力を深化させることが欠かせない。
 中国軍の艦艇は、沖縄本島と宮古島間の約300キロにわたる海域で頻繁に活動している。米軍の太平洋での作戦行動を阻止するための「接近阻止・領域拒否(A2AD)」戦略の一環だろう。
 南西諸島は、沖縄本島と与那国島にしか陸自部隊がなく、安全保障上の「空白地帯」と呼ばれてきた。計画的に自衛隊を配備し、即応性を高めることが重要だ。
 陸自は、奄美大島と宮古島に駐屯地を開設した。警備隊やミサイル部隊を常駐させる方針だ。南西諸島の重要な拠点となる。
 宮古島では、ミサイルに必要な火薬庫を整備する方針だが、地元には反発がある。安全性を確保し、整備の必要性を丁寧に説明していくことが求められる。
 離島奪還作戦を担うため、長崎県の駐屯地に設置された水陸機動団は、部隊の移動手段と想定する輸送機オスプレイの配備地が決まっていない。防衛省は、配備に向けた調整を急ぐべきだ。
 中国は、人工知能を搭載した無人機を開発している。攻撃の様相が変わるとの指摘がある。自衛隊は、兵器の進化にも的確に対処しなければならない。

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