新宿御苑は阿房宮となるか

台風15号(ファクサイ)のドサクサのなかで誕生した安倍内閣。もう大臣が2人辞任し、「3人目は誰だ?」といわれるが、最近のABE近辺の混乱ぶりを見ると、次は安倍晋三首相が『辞任3人目』と思えてくる。まったく「これじゃダメじゃん」と国民からも呆れらるようなトンチンカンが国民の前に平然とさらけ出されている。ABEくんは「公・私」の区別がつかない公人で、権力を持つ自分は「何をやってもイイ」と確信しているようだ。それにしても、毎年、毎年、首相主催で税金を使って、酒食を伴う饗応を毎年隠れもせず続けてきた品性を疑うが、週刊文春に書かれて急に批判を始めることにも違和感がある。
それにしても、ABEくんはとっくに賞味(消費)期限切れだ。まだ4割ほどの支持があるそうだが、支持している人にはしっかり考えてもらいたいものだ。


クローズアップ
桜を見る会 私物化批判、
首相直撃 沈静化狙い中止即断
2019年11月14日:毎日新聞

 首相主催の「桜を見る会」について、政府が来年の開催を中止したのは、閣僚を巡る疑惑や大学入学共通テストの英語民間試験の活用でもみられた事態収拾策だ。ただ、桜を見る会に関しては安倍晋三首相自身が標的となっているだけに、特に「即断」を迫られた。【野口武則】

 菅義偉官房長官が中止を公表したのは午後4時過ぎからの定例記者会見だった。その約2時間前、複数の与党幹部に菅氏から電話が入った。
 「与党でご指摘いただいた趣旨に沿って基準の見直しをするので、来年は中止にします」
 桜を見る会は70年近く続く恒例行事だが、内閣府は来年度予算の概算要求で今年度予算約1766万円の3倍を超える約5728万円を計上。これが現実に即した金額であることから注目を集めることになった。
 しかも、安倍政権になってから出席者や支出額は増えており、公金で賄う事業の「私物化」「肥大化」を露呈。国会議員が後援会関係者らを招待できる「枠」のある実態が知れわたり、桜を見る会のあり方に批判の声が上がっていた。
 共産党をはじめ野党が「公的行事の私物化」と首相の後援会の関与に焦点を当てる中、政府内では12日に動きが出始めた。招待者の選定基準見直しについて、菅氏は12日午後の記者会見で「検討していく必要がある」と踏み込んだ。事務方が用意したペーパーにはない文言で、菅氏の政治判断だった。
 沈静化に向けて動き始めた直後の13日朝には、朝日新聞が、首相の地元事務所が桜を見る会を含んだ観光ツアーを案内する文書を報じ、「見直し」では事態の収拾が困難と判断した。予算計上そのものを見送ることで、来年の通常国会での予算審議で野党側の追及を少しでも和らげたい思惑もある。
 13日午前には自民、公明両党の幹事長、国対委員長は定例会談で、前日の菅氏の「見直し検討」と同様の判断で一致した。だが、この段階で与党内には中止との見方は少なかった。中止決定を受け、与党幹部は菅氏に「良い判断だった」と伝えた。
 今国会は菅原一秀前経済産業相と、河井克行前法相の妻陣営による公職選挙法違反疑惑に加え、大学入試への英語民間試験導入を巡る萩生田光一文部科学相の「身の丈」発言など問題が相次いだ。政権は菅原、河井両氏を、国会で説明させる直前に事実上の更迭とし、来年度から導入予定だった大学入学共通テストの英語民間試験も官邸主導の見直しを決めた。
 いずれも野党からの追及や世論の批判が拡大する前に迅速に火消しを図る「危機管理」で、安倍政権の常とう手段だ。だが、桜を見る会については、「今までとは質的に著しく違う本丸直撃の案件」(立憲民主党の枝野幸男代表)。政権内の危機感は比べものにならなかった。
 菅氏が会見で中止を発表していたころ、首相は官邸5階の首相執務室で鈴木宗男参院議員(日本維新の会)と会っていた。鈴木氏は橋本龍太郎、小渕恵三両内閣で閣僚や官房副長官を務めた経験を持つ。「お騒がせして申し訳なく思っている」と語る首相に対し、鈴木氏は「行事は慣例重視でやってきた。橋本、小渕内閣でもそうでしたよ」と語ったという。

酒食費「1人1200円」、記念品に升… 地元支援者「等」枠で招待

 「桜を見る会」の趣旨について、菅氏は開催中止を表明した13日午後の記者会見で「首相が各省庁からの意見を踏まえ、各界で功績、功労のあった方々などを幅広く招待し、労苦を慰労し、懇談する内閣の公的行事」と改めて説明した。
 政府が公表している開催要領によると、招待範囲は「皇族、元皇族、各国大使、衆参両院の正副議長、最高裁長官、閣僚、国会議員、事務次官及び局長の一部、都道府県知事及び議長の一部」や「その他各界の代表者等」とし、計約1万人と定めている。「各界の代表者等」として、芸能人やスポーツ選手らが招待されることも多く、首相と一緒に記念撮影するなど華やかな場面が毎年話題となる。報道機関の関係者も招待され出席している。安倍首相をはじめ自民、公明両党国会議員の地元後援会関係者らについて、政府は「代表者等」に該当するとして招待していたとみられる。
 出席者によると、公費で設営される会場では、酒や焼き鳥、おにぎりなどが振る舞われてきたという。政府高官は酒食の費用は「1人あたり1200円くらいだ」と説明した。茶と団子などの菓子を現地で購入したという議員もいる。国会議員の「後援会」と明示したのぼり旗が立っていたこともあったという。
 与党関係者の一人は「食事は会場の隅にあったが、暇がなくて食べたことはない」と語り、自民党の中堅議員は「数人を連れて行ったが、人混みで安倍首相は見えず、もう出席するのをやめた」と漏らした。記念品として出席者に升が配られたが、その一部とみられる品は、フリーマーケットアプリ「メルカリ」で出品されている。
 首相主催の桜を見る会は1952年に始まり、ほぼ毎年4月に東京・新宿御苑で開かれてきた。初回の52年は自民党結党前で、当時の吉田茂首相が出席した。毎日新聞はサンフランシスコ講和条約の「発効を記念する『観桜会』」として、米英仏や旧ソ連の陸海軍駐在武官を含む「千余人」が参加したと報じている。
 第2次安倍政権が発足後、2013~19年は毎年実施している。旧民主党政権時代は、10年に鳩山由紀夫首相主催で開催。11年は東日本大震災直後のため、12年は北朝鮮によるミサイル発射を警戒して、いずれも中止していた。
 類似の式典としては「園遊会」がある。天皇、皇后両陛下が主催で、毎年春と秋に東京・元赤坂の赤坂御苑で開かれ、国会議員、自治体の首長、各界の功労者など約2000人が出席する。今年は即位に関する儀式と重なるため、春、秋とも中止された。【宮原健太、古川宗】

「法的責任問いにくい」 岩井奉信・日本大教授(政治学)

 「桜を見る会」に安倍首相ら政治家が後援会関係者を招待する行為は法律上は問題ないのだろうか。
 「道義的責任はともかく、法的責任は問いにくいだろう」。桜を見る会に安倍首相の地元支持者らが多数招待されていた点について、政治資金に詳しい岩井奉信・日本大教授(政治学)は、そう指摘する。
 主な理由として岩井教授が挙げるのが、出席者には政府から招待状が出ている点。「形式論ではあるが、『政治家・安倍晋三による接待』とは言いにくい」とし、地元から支持者を招いたとしても、ただちに公職選挙法の禁じる寄付行為などには問えないとする。他の国会議員が地元支持者を招いた場合も同様だ。
 ただ、仮に会場まで貸し切りバスを用意して無料で乗せたり、桜を見る会以外の場所での飲食を無料で提供したりすれば、公選法違反にあたるという。
 その上で、岩井教授は「政府の公的行事に地元から(票に結びつく)支持者を多数招待するという行為は、決して良いものではない。有権者の政治不信を招いたのは間違いない」としている。【曽田拓】



首相、桜を見る会中止
 招待基準・数見直し 来春
2019年11月14日:毎日新聞

安倍事務所が出した「桜を見る会」の案内文書の写し(画像の一部を加工しています)

 菅義偉官房長官は13日の記者会見で、首相主催で毎年春に東京・新宿御苑で開かれる「桜を見る会」について、招待基準や参加者数などを見直すため、2020年の開催を中止すると発表した。21年以降は予算や招待者を削減した上で再開する方針だ。第2次安倍内閣発足後に支出や参加者が増えた上、安倍晋三首相の後援者が多数参加したことが明らかになり、「公的行事の私物化」との批判が出ていた。政府は「中止」を打ち出すことで野党の批判をかわし、早期の幕引きを図る考えだ。【秋山信一、宮原健太】
 菅氏は会見で、招待者について各省庁からの推薦以外に「内閣官房が首相や副総理、官房長官、官房副長官、与党に推薦依頼を行っていた」と明らかにし、首相や自民、公明両党の議員らが後援者を招待する余地があったことを認めた。「長年の慣行で行ってきた」と説明した上で、招待基準の不透明さや経費の増加などが批判されていることについて「真摯(しんし)に受け止め、いったん整理した上で行うのがよいとの結論に至った」と述べた。
 菅氏は、招待基準の明確化、招待プロセスの透明化、予算や招待者数の削減を中心に「全般的な見直しを行う」と述べた。
 首相は13日夕、首相官邸で記者団に「既に(菅)官房長官が説明したとおり、私の判断で中止することにした」と述べた。
 桜を見る会は1952年に始まった。大災害があった場合などを除き、毎年4~5月に新宿御苑で開かれ、会場設営や飲食の提供などは公費で賄われている。皇族や閣僚、国会議員、各国の駐日大使、中央省庁幹部のほか、「各界で功績・功労のあった人」(菅氏)を慰労する目的があるが、国会議員の後援者らも多数参加しており、招待基準の不明確さが問題視されていた。

首相事務所、ツアー案内状

 安倍首相の事務所名で桜を見る会を日程に組み込んだ観光ツアーの案内状が地元有権者らに配布されていた。地元の複数の参加者が参加し、事務所が事実上取りまとめていた実態が明らかになった。一方、政府は13日に野党4党が開いた合同追及チームの会合で、首相の事務所から招待者の推薦を受けていたことを認めた。
 毎日新聞は「安倍晋三事務所」名で「『桜を見る会』のご案内」と題した今年の案内文書の写しを入手した。前日に後援会主催で会費制の夕食会が開かれることなどが案内され、首相の地元事務所の電話番号の記載もあった。「内閣府での取りまとめ」となるため、締め切り後の追加申し込みはできないなどと記されていた。首相を支持する山口県下関市の男性は「毎年案内状が届いている」と証言した。男性は、複数回参加したが、費用は自己負担だったと説明。「招待されるのは誇らしい。何が問題なのか」と不満そうに話した。
 2015年に参加した同市の元地方議員も、地元事務所の秘書から打診があった。
 地元旅行会社は取材に「担当者不在で詳細は分からないが、参加者の宿泊代などはうちに振り込んでもらっている」と説明。【平川昌範、佐藤緑平】


桜を見る会の批判封じる「火消し」は
「本丸直撃案件」を鎮火できるのか
2019年11月13日:毎日新聞

来年度の「桜を見る会」の中止について記者団の質問に答える安倍晋三首相
=首相官邸で2019年11月13日午後6時44分、川田雅浩撮影

 菅義偉官房長官は13日の記者会見で、首相主催で毎年春に新宿御苑で開かれる「桜を見る会」について、招待基準や参加者数などを見直すため、2020年の開催を中止すると発表した。21年以降は予算や招待者を削減した上で再開する方針だ。第2次安倍内閣発足後に支出や参加者が増えた上、安倍晋三首相の後援者が多数参加したことが明らかになり、「公的行事の私物化」との批判が出ていた。政府は「見直し」を前面に出すことで野党の批判をかわし、早期の幕引きを図る考えだ。

「即断」迫られた官邸


 「桜を見る会」の開催中止は、閣僚を巡る疑惑や大学入学共通テストの英語民間試験の活用でもみられた事態収拾策だ。ただ、桜を見る会に関しては安倍晋三首相自身が標的となっているだけに、特に「即断」を迫られた。
 菅義偉官房長官が中止を公表したのは午後4時過ぎからの定例記者会見だった。その約2時間前、複数の与党幹部に菅氏から電話が入った。
 「与党でご指摘いただいた趣旨に沿って基準の見直しをするので、来年は中止にします」

記者会見で来年度の「桜を見る会」の中止を発表し、質問に答える菅義偉官房長官
=首相官邸で2019年11月13日午後4時33分、川田雅浩撮影

 桜を見る会は70年近く続く恒例行事だが、内閣府は来年度予算の概算要求で今年度予算約1766万円の3倍を超える約5728万円を計上。これが現実に即した金額であることから注目を集めることになった。
 しかも、安倍政権になってから出席者や支出額は増えており、公金で賄う事業の「私物化」「肥大化」を露呈。国会議員が後援会関係者らを招待できる「枠」のある実態が知れわたり、桜を見る会のあり方に批判の声が上がっていた。

安倍事務所が出した「桜を見る会」の案内文書の写し(画像の一部を加工しています)

 共産党をはじめ野党が「公的行事の私物化」と首相の後援会の関与に焦点を当てる中、政府内では12日に動きが出始めた。招待者の選定基準見直しについて、菅氏は12日午後の記者会見で「検討していく必要がある」と踏み込んだ。事務方が用意したペーパーにはない文言で、菅氏の政治判断だった。
 沈静化に向けて動き始めた直後の13日朝には、朝日新聞が、首相の地元事務所が桜を見る会を含んだ観光ツアーを案内する文書を報じ、「見直し」では事態の収拾が困難と判断した。予算計上そのものを見送ることで、来年の通常国会での予算審議で野党側の追及を少しでも和らげたいとの思惑もある。↵
 13日午前には自民、公明両党の幹事長、国対委員長は定例会談で、前日の菅氏の「見直し検討」と同様の判断で一致した。だが、この段階で与党内には中止との見方は少なかった。中止決定を受け、与党幹部は菅氏に「良い判断だった」と伝えた。

「桜を見る会」で招待客たちと記念撮影する安倍晋三首相夫妻(中央右)
=東京都新宿区の新宿御苑で2019年4月13日、喜屋武真之介撮影

批判拡大前に手を打つ「危機管理」

 今国会は菅原一秀前経済産業相と、河井克行前法相の妻陣営による公職選挙法違反疑惑に加え、大学入試への英語民間試験導入を巡る萩生田光一文部科学相の「身の丈」発言など問題が相次いだ。政権は菅原、河井両氏を、国会で説明させる直前に事実上の更迭とし、来年度から導入予定だった大学入学共通テストの英語民間試験も官邸主導の見直しを決めた。
 いずれも野党からの追及や世論の批判が拡大する前に迅速に火消しを図る「危機管理」で、安倍政権の常とう手段だ。だが、桜を見る会については、「今までとは質的に著しく違う本丸直撃の案件」(立憲民主党の枝野幸男代表)。政権内の危機感は比べものにならなかった。
 菅氏が会見で中止を発表していたころ、首相は官邸5階の首相執務室で鈴木宗男参院議員(日本維新の会)と会っていた。鈴木氏は橋本龍太郎、小渕恵三両内閣で閣僚や官房副長官を務めた経験を持つ。「お騒がせして申し訳なく思っている」と語る首相に対し、鈴木氏は「行事は慣例重視でやってきた。橋本、小渕内閣でもそうでしたよ」と語ったという。【野口武則】

安倍事務所が出した「桜を見る会」の案内文書の写し(画像の一部を加工しています)

「各界の代表者等」が地元後援会関係者に

 「桜を見る会」の趣旨について、菅氏は開催中止を表明した13日午後の記者会見で「首相が各省庁からの意見を踏まえ、各界で功績、功労のあった方々などを幅広く招待し、労苦を慰労し、懇談する内閣の公的行事」と改めて説明した。
 政府が公表している開催要領によると、招待範囲は「皇族、元皇族、各国大使、衆参両院の正副議長、最高裁長官、閣僚、国会議員、事務次官及び局長の一部、都道府県知事及び議長の一部」や「その他各界の代表者等」とし、計約1万人と定めている。
 「各界の代表者等」として、芸能人やスポーツ選手らが招待されることも多く、首相と一緒に記念撮影するなど華やかな場面が毎年話題となる。報道機関の関係者も招待され出席している。安倍首相をはじめ自民、公明両党国会議員の地元後援会関係者らについて、政府は「代表者等」に該当するとして招待していたとみられる。

記者会見で来年度の「桜を見る会」の中止を発表し、資料を受け取りながら質問に答える
菅義偉官房長官=首相官邸で2019年11月13日午後4時35分、川田雅浩撮影

酒、焼き鳥で接待、記念品の升はメルカリにも

 出席者によると、公費で設営される会場では、酒や焼き鳥、おにぎりなどが振る舞われてきたという。政府高官は酒食の費用は「1人あたり1200円くらいだ」と説明した。茶と団子などの菓子を現地で購入したという議員もいる。国会議員の「後援会」と明示したのぼり旗が立っていたこともあったという。
 与党関係者の一人は「食事は会場の隅にあったが、暇がなくて食べたことはない」と語り、自民党の中堅議員は「数人を連れて行ったが、人混みで安倍首相は見えず、もう出席するのをやめた」と漏らした。記念品として出席者に升が配られたが、その一部とみられる品は、フリーマーケットアプリ「メルカリ」で出品されている。

今年の「桜を見る会」で招待客の「ももいろクローバーZ」のメンバーらと記念撮影する
安倍晋三首相(中央)=東京都新宿区の新宿御苑で2019年4月13日午前9時55分、喜屋武真之介撮影

1952年は米英仏、旧ソ連陸海軍駐在武官含む「千余人」

 首相主催の桜を見る会は1952年に始まり、ほぼ毎年4月に東京・新宿御苑で開かれてきた。初回の52年は自民党結党前で、当時の吉田茂首相が出席した。毎日新聞はサンフランシスコ講和条約の「発効を記念する『観桜会』」として、米英仏や旧ソ連の陸海軍駐在武官を含む「千余人」が参加したと報じている。
 第2次安倍政権が発足後、2013~19年は毎年実施している。旧民主党政権時代は、10年に鳩山由紀夫首相主催で開催。11年は東日本大震災直後のため、12年は北朝鮮によるミサイル発射を警戒して、いずれも中止していた。
 類似の式典としては「園遊会」がある。天皇、皇后両陛下が主催で、毎年春と秋に東京・元赤坂の赤坂御苑で開かれ、国会議員、自治体の首長、各界の功労者など約2000人が出席する。今年は即位に関する儀式と重なるため、春、秋とも中止された。【宮原健太、古川宗】


安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡る問題の野党合同ヒアリングで
議員たちの質問に答える内閣府の担当者ら=国会内で2019年11月13日午後5時8分、川田雅浩撮影

公選法違反は問いにくいが「政治不信を招いたのは間違いない」

 「桜を見る会」に安倍首相ら政治家が後援会関係者を招待する行為は法律上は問題ないのだろうか。
 「道義的責任はともかく、法的責任は問いにくいだろう」。桜を見る会に安倍首相の地元支持者らが多数招待されていた点について、政治資金に詳しい岩井奉信・日本大教授(政治学)は、そう指摘する。

「桜を見る会」で招待客たちと記念撮影する安倍晋三首相夫妻(中央)
=東京都新宿区の新宿御苑で2019年4月13日、喜屋武真之介撮影

 主な理由として岩井教授が挙げるのが、出席者には政府から招待状が出ている点。「形式論ではあるが、『政治家・安倍晋三による接待』とは言いにくい」とし、地元から支持者を招いたとしても、ただちに公職選挙法の禁じる寄付行為などには問えないとする。他の国会議員が地元支持者を招いた場合も同様だ。
 ただ、仮に会場まで貸し切りバスを用意して無料で乗せたり、桜を見る会以外の場所での飲食を無料で提供したりすれば、公選法違反にあたるという。
 その上で、岩井教授は「政府の公的行事に地元から(票に結びつく)支持者を多数招待するという行為は、決して良いものではない。有権者の政治不信を招いたのは間違いない」としている。【曽田拓】


桜を見る会 「ヒラ議員枠」は1議員4人
 閣僚は「10~40人」枠
2019年11月13日:毎日新聞

「桜を見る会」で招待客たちと記念撮影する安倍晋三首相夫妻(中央右)
=東京都新宿区の新宿御苑で2019年4月13日、喜屋武真之介撮影

 「桜を見る会」の招待者に関し、菅義偉官房長官は13日の記者会見で、内閣官房が与党や首相官邸内から推薦を求めていたと明かした。自民党関係者への取材では、要職に就いていない「ヒラ議員」は1議員4人の「枠」がある一方、閣僚は「10~40人」の枠が用意されるなど役職の軽重で人数に差があった。事務所間で「枠」の貸し借りもあったという。
 この実態について菅氏は会見で「慣行だったので、それが自然なことかなとずっと思っていた」と語った。参加人数が今年は1万8000人に膨らんだことへの「慣行」の影響を問われ、「数多くあることは事実だと思う」と認めた。自民幹部は「増えたのは長期政権だからだ。1回呼んだ人は『また来たい』となる。1年交代の政権ならこうはならない」と解説した。
 閣僚経験者の秘書は「枠」を示された経緯を明かす。閣僚就任後に秘書から党本部に相談すると、「そちらの先生の『枠』は10人。招待したい人の住所・氏名を名簿にして幹事長室に送ってほしい」と言われ、ファクスで送信。後日、支援者らの自宅に招待状が届いたという。政府は招待者を「各界で功績、功労のあった方々」とするが、秘書は「功績、功労は全く聞かれなかった」とも証言した。
 別の閣僚経験者は「『枠』は10~20(通分)だったと思う。1通で本人と配偶者を呼べるから、20~40人は呼べる」と説明した。
 「ヒラ議員」の秘書は「貸し借り」もあったと話す。「来年は地元から100人招待するつもりだった。他の事務所の枠を確保するのが大変だったが、中止でホッとした」
 別の秘書は、地元支援者の招待には旅行会社を使うと説明。「会社の企画の中で議員が登場する場面を作ってもらう。お金の出入りは旅行会社で、出納に事務所は関わらず、政治資金の問題にしないようにした」と話した。安倍晋三首相の支援者の「ツアー」も同様に企画されていたとみられるが、ある与党議員は「800人という規模はちょっと考えつかない。本来の趣旨に戻って、会を見直すべきだ」と指摘した。
 国民民主党は13日、民主党政権下の2010年2月に、内閣官房と内閣府の連名で議員事務所に配布された資料を記者団に提供した。資料は「招待者の推薦名簿のご提出をお願いします」とし、別途メールで送付するエクセルファイルに氏名を記入して内閣府のアドレスに送り返す段取りが記載されていた。「各省庁には、原則として同一人物が連続して招待を受けることのないよう配慮を依頼しており、これを踏まえて推薦を」「国民から疑惑を持たれないよう十分考慮して」などの注意書きもあった。関係者によるとこの時も1議員の「枠」は4人だった。【吉井理記、大場伸也、村尾哲】



安倍政権「3アウト交代」はいつだ
 辞任ドミノ「3人目」の候補は?
2019年11月14日:AERA

 安倍首相が内閣を改造して2カ月、早くも2人の閣僚が辞任した。3人目はいるのか。それは誰なのか。長期政権が崩れ落ちる音が聞こえ始めた。AERA 2019年11月18日号に掲載された記事を紹介する。
*  *  *
「1人であればいい、2人ならいい、3人ならダメということでなく、もとより1人の辞任もあってはならない思いで臨みたい」

 内閣改造から2カ月も経たないうちに菅原一秀経済産業大臣(当時)が自身の公職選挙法違反疑惑で、河井克行法務大臣(同)が妻の同法違反疑惑で辞任。「辞任ドミノ」の気配が漂う中、衆議院予算委員会で国民民主党の渡辺周議員から「安倍政権はツーアウトと言われている。3人目は断じてないとお約束いただきたい」と詰め寄られた安倍首相は、冒頭の言葉を述べ「国民のみなさんにおわび申し上げたい」と陳謝した。

 野党が「3人目」候補の最右翼と狙いを定めているのが、英語民間試験の利用は住む地域や家庭の経済状況により不公平が生じるという懸念に対し、「身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」などと発言した萩生田光一・文部科学大臣だ。

 政権はその後、民間試験導入の延期を決断。民間試験の導入を推進してきた、いわゆる“文教族”と呼ばれる自民党関係者はこういぶかった。

「官邸は事前の相談も全くないまま、ただお友達である萩生田氏を守るためだけに導入を延期した。首相本人は適材適所の人事と豪語しているが、あの人は表では立ち回らせてはいけない人。何と言っても加計学園の問題では疑惑の渦中にいる人ですよ。裏の仕事をやってきた人が、表に回るとろくなことがない」

 ある野党幹部も「萩生田」を落とせば、安倍政権の寿命は確実に縮まると追及の手を緩めない方針だ。

「この改造内閣では安倍首相と萩生田氏は一心同体ですよ。安倍首相にしてみれば、民間試験の導入延期で下がる支持率よりも、萩生田氏が辞任するリスクの方があらゆる意味で痛手だと計算したのでしょう。ただ、萩生田氏は文科大臣ですから、真正面から加計問題を国会で追及できる。安倍首相は萩生田氏のことになるとあからさまに落ち着きがなくなり高圧的な態度に出る。本当にわかりやすい」

 6日の衆院予算委員会では、無所属の今井雅人議員が萩生田氏の加計問題への関与をうかがわせる文書を示して「これは文科省の方が書いた文章か」と質問。すると安倍首相は自席から今井氏に対し、指をさしながらヤジを飛ばした。安倍首相は自席から発言した点については謝罪したが、発言そのものは撤回しなかった。

 一方、自民党の党内には「誰にとってのツーアウトか」と、次期衆院選後の「ポスト安倍」の行方に言及する声も聞こえる。「誰」とは、言うまでもなく菅義偉官房長官のことだ。

 辞任した2大臣は安倍首相に近いことは間違いないが、最後の最後に大臣ポストに推したのは菅氏だと言われている。とくに河井前法務大臣が辞任する直接の引き金となった妻の河井案里議員は、今年7月の参議院選挙で菅氏が、「ポスト安倍」の一人である岸田文雄・政調会長の腹心、溝手顕正前議員に対して送り込んだ「刺客」だったとされる。河井氏をよく知る広島市議会の自民党関係者がこう打ち明けた。

「案里氏の問題が週刊誌に出るぞ、となった時、話題になったのは誰がリークしたのかということでした。選挙期間中の運動員への報酬が事実であるならば、受け取った側が口を割るとは思えない。それができるとすれば同じ党内の敵対していた陣営ですよ。誰が犯人なのか。やたらそのことを『上』(菅氏周辺)が気にしてましたね」

 このところ、話題にも上がらなくなった小泉進次郎・環境大臣もやはり菅氏が後ろ盾だ。派閥を持たない菅氏の求心力は人事にある。そこでしくじると一気に党内人気も減速しかねない。

 名指しはされていないまでも辞任ドミノの「3人目」候補は複数いる──。それが与野党の議員に共通する見方だ。(編集部・中原一歩)

※AERA 2019年11月18日号



安倍首相「桜を見る会」中止で私物化問題の
幕引き図るも新証拠続々!
安倍事務所がツアー案内、
萩生田文科相も貸切バスで大量招待
2019年11月13日:LITERA

2019年の「桜を見る会」(首相官邸HPより)

 国民が払った税金を総理大臣が地元選挙区の何百人という後援会員の接待のために使っていたという、前代未聞の背信行為として波紋を広げている「桜を見る会」問題。本日、菅義偉官房長官は午前の定例記者会見で招待者について国会議員からの推薦や働きかけがあったことを認め、さらに夕方の会見では午前の会見で否定していた「総理枠」の存在を一転して認め、首相や副総理、官房長官、官房副長官らにも招待者の推薦依頼をおこなっていたと公表。来年の「桜を見る会」開催を中止すると発表した。
 さらにその後、安倍首相は官邸で記者団の前に姿を現すと、こう述べた。
「来年の『桜を見る会』については、すでに官房長官が説明したとおり、私の判断で中止にすることにしました」
 時間にしてたったの十数秒。なぜ中止にすることを決めたかや追及を受けている後援会員らの招待問題についての言及は一切なし。だいたい、自分が問題を引き起こしたというのに、「私の判断で中止を決めた」って、いかにも自分が英断を下したかのようなこの言い草はなんなんだ。
 だが、これで安倍首相は決着をつけたと思っているのだろう。菅官房長官が会見で「こうした手続きは、長年の慣行でおこなってきているもの」と強調したように、安倍官邸は、招待者の推薦をしていたことを認めることで「民主党政権時代も同じだった」と問題をすり替え、開催中止によって幕引きとする算段なのだ。
 しかし、いま問題になっているのは、政府の「開催要領」では招待者数は1万人が目安とされているにもかかわらず、安倍政権になって参加人数が増加してゆき、今年は約1万8200人にまで膨れ上がっていること、そして安倍首相が数百人規模とみられる地元の有権者である後援会関係者を招待していた、という事実だ。
 しかも、大人数の地元の関係者を招待してもてなしていたのは、安倍首相だけではない。実際、自民党の馳浩・元文科相は、自身のブログでこう綴っている。
〈国会議員仲間にも、あちこちでご挨拶。
萩生田光一代議士など、地元の皆さんと一緒に、バスを借り切ってお見えであったし。〉(「はせ日記」2013年4月20日)
 安倍首相の側近中の側近である萩生田光一氏も、バスを借り切って地元関係者を招待していた──。このように、「開催要領」を逸脱する参加者数の増加、それによって予算を3倍以上まで増やしたことは、安倍政権での問題なのである。本日おこなわれた衆院厚労委員会でも会計検査院が「検査していく」と明言したが、「民主党もやっていた」だの開催中止の決定だので幕引きできるような話ではないのだ。
 しかも、ここにきて、安倍首相の公職選挙法や政治資金規制法違反疑惑が濃厚になり、さらには「虚偽答弁」をおこなっていたことまでわかってきた。
 たとえば、日本テレビは昨日、安倍首相の地元後援会関係者から入手したという資料を公表。それは安倍首相の事務所から送られていた「内閣府主催「桜を見る会」参加申し込み 平成31年4月13日(土)」と書かれたもので、そこには参加者の名前を記入する欄とともに、〈後日郵送で内閣府より招待状が届きますので、必ず、現住所をご記入ください〉とも注意書きがなされていた。
さらに、本日の朝日新聞朝刊は、2018年4月に「あべ晋三事務所」が送付していたという「『桜を見る会』あべ事務所ツアースケジュール」という資料の存在を報道。「桜を見る会」に参加を希望する後援会関係者に対してツアープランを案内したもので、Aコースは葛飾柴又散策で6万9000円、Bコースは目黒雅叙園の有形文化財・百段階段で7万4000円、Cコースは野球殿堂博物館見学、Dコースは屋形船乗船となっており、いずれも一泊二日で1日目には観光と「安倍晋三後援会夕食会」、翌朝の「桜を見る会」(首相夫妻と写真撮影付き)がセットされている。

安倍首相の虚偽答弁、
「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」にさらなる追及を!

 つまり、これらの「物証」によってはっきりしたのは、安倍首相の事務所が地元有権者である後援会関係者に「桜を見る会」の参加を募り、ツアープランまで用意して、参加者をとりまとめて招待者として案内を送るよう内閣府に伝達していた、ということだ。
 だが、安倍首相は8日の参院予算委員会で追及を受けた際、こう答弁した。
「『桜を見る会』についてはですね、各界において功績・功労のあった方々をですね、各省庁からの意見等を踏まえ、幅広く招待をしております。招待者については、内閣官房および内閣府において最終的にとりまとめをしているものと承知をしております。私は主催者としての挨拶や招待者の接遇はおこなうのでありますが、招待者のとりまとめ等には関与していないわけであります」
実態は「功績・功労のあった方々」ではなく自分の地元支援者である有権者を「幅広く招待」していたことは明々白々だが、その招待者のとりまとめは安倍事務所がおこなっていたのである。にもかかわらず、安倍首相は「招待者のとりまとめには関与していない」と断言し、シラを切っていたのだ。
 案の定、安倍首相は国会で嘘をついていたわけだが、さらに今後の追及が必要なのは、「前夜祭」問題だ。
 昨日の記事でもふれたが(https://lite-ra.com/2019/11/post-5086.html)、「桜を見る会」の前日の夜には安倍首相夫妻が参加する「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」なる催しが都内の高級ホテルであるANAインターコンチネンタルホテル東京やホテルニューオータニで開催されているのだが、今年はこの会に地元の「桜を見る会」ツアー参加者を含む約850人もの人数が参加したといわれている。だが、この会費はツアー料金には含まれておらず、朝日新聞が報じた2018年の「『桜を見る会』について(ご連絡)」という資料でも、〈会費 5000円(18歳以上お一人様)※当日、受付でお支払下さい〉と記述されている。
 しかし、参加者の会費5000円だけでこの盛大な「前夜祭」が実施できたのか、甚だ疑問だ。
銀座久兵衛の寿司も出たのに会費5000円は安すぎ!? 公選法違反の寄付に当たる可能性も
 実際、ホテルニューオータニHPにある「パーティープラン」を見ても、いちばん安い「立食プラン」でも1名につき1万1000円からの料金となっている。しかも、昨日おこなわれた野党4党による合同ヒアリングでは、オバマ大統領来日の際に訪れた高級店「銀座久兵衛」の寿司までふるまわれていたことが指摘された。ちなみに「銀座久兵衛」のHPによると、ケータリングの場合、料理代は1名につき1万5000円。200人分を用意したとしてもこれだけで300万円もかかる。ニューオータニには久兵衛の支店が入っているため、このケータリングのサービスを利用したかは不明だが、上記ニューオータニの「立食プラン」には久兵衛の寿司は含まれていない。
このように、「前夜祭」はとてもじゃないが5000円の会費だけで賄われたとは思えないのだが、もし参加費で賄えていなければこれは公選法違反ということになる。たとえば、きょう放送の『ひるおび!』(TBS)では、政治資金にくわしい岩井奉信・日本大学法学部教授が「5000円(の会費)でニューオータニは無理だろう。私のゼミの催しで利用したときも最低で1万円だった。久兵衛のお寿司なんかが出れば、当然もっと高い」とした上で、こう指摘していた。
「(会費では)足りない部分を安倍事務所なり何なりが補填をしたとなってくると、これは昔、小渕優子(元経産相)さんの問題が出たように、当然、(公選法で禁止されている)地元の有権者に対する寄附行為にあたると。これは大問題にあたるわけですよね」
「差額はどうなっているのかというのが、いちばん問題になりますよね」
 しかも、安倍首相が代表の政党支部や関係する政治団体の収支報告書には、この「前夜祭」にかんする収支の記載がない。政治資金規正法では「対価を徴収して行われる催物」は政治資金パーティーと規定されており、その収入や経費などは収支報告書に記載しなければならず、政治資金規正法違反の疑いがあるのだ。

安倍首相は「桜を見る会」大量招待問題を国会で追及された夜も、
公邸に支援者を招き入れ…

 いくら安倍官邸が幕引きをしようとしても、これら安倍首相に持ち上がっている違法疑惑について自ら国会の場で説明しなくては、納税者である国民は納得のしようがないだろう。
 だが、この税金で自分の支持者に接待をおこなっていたという大問題に対し、安倍首相は事の重大さ、いや、そもそも自分がやってきたことが「国民に対する背信行為」なのだということを、まったく理解できていないのではないか。
 じつは、この問題に一気に火をつけた8日の参院予算委員会での追及のあと、安倍首相は信じがたい行動に出ていた。同日の首相動静には、こうある。
「6時40分、公邸着。41分から42分、支援者と写真撮影。8時52分、全員出る」
 ついさっきまで地元の支持者への公金を使った接待を指摘されて追及を受けたていたというのに、誰もが入れるわけでもない公的な場所である公邸に自分の支援者を招いて、写真撮影のサービスをおこなっていた──。しかも、この動静の記述からは、支援者が公邸を出たのは写真撮影から2時間後のこと。時間帯を考えれば、夕食が振る舞われていた可能性もある。
 ようするに、いま一体、何が問題になっているのか、安倍首相はわかっていないのではないか。いや、森友・加計問題と同じで、「自分を支持してくれる人を大事にするのは当然だ」「税金をどう使おうが総理大臣である俺の勝手だ」とさえ考えているのではないか。そうとしか思えないのだ。
 はっきり言って、安倍首相によるこの国民を舐めきった態度が改まることはけっしてないだろう。ならば辞めてもらう。それしか答えはない
(編集部)


「桜を見る会」公金不正に新疑惑!
ケータリング業者は
安倍首相と昭恵夫人のお友達だった
 不自然な入札、価格も倍以上に
2019年11月12日:LITERA

 これは安倍首相の税金を使った支持者接待、公的イベントの私物化ではないのか──。先週金曜に参院予算委員会で追及がおこなわれて以降、怒りが広がっている「桜を見る会」疑惑だが、きょうになって多くのワイドショーが「桜を見る会」疑惑を取り上げたことから、一気に政権を揺るがす問題へと発展しつつある。
 こうした流れに、安倍自民党も相当焦っているのだろう。たとえば、自民党の議員や関係者らは「桜を見る会」に参加した際に、安倍首相をはじめ自民党議員による後援会員の接待の場になっていることをブログなどで無邪気に「証言」していたが、ここにきてそうした投稿を削除する動きが加速。党から号令がかかったのだろうが、いまごろ削除しても時すでに遅し。むしろ「怪しい」ことを実証しているに過ぎない。
 そして、これまで“問題ない”という立場を崩さなかった菅義偉官房長官も、ついに本日夕方の定例記者会見で、招待客の選定基準の明確化について「検討する必要がある」と言い出したのだ。
 だが、今後の開催での見直しだけではなく、必要なのはこれまでの検証だ。安倍首相が数百人規模で地元後援会関係者を招待し、接待を繰り広げてきたとなれば、それは公費を利用した有権者の買収、つまり選挙法">公職選挙法違反にあたる可能性があるからだ。
 さらに、今後の焦点となってくるのは、安倍首相による政治資金規正法違反疑惑だ。
 本サイトでは以前にいち早くお伝えしたが、「桜を見る会」の前日の夜には毎年、「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」なる催しが都内の高級ホテルであるANAインターコンチネンタルホテル東京やホテルニューオータニで開催されており、ここに安倍首相も参加。この「前夜祭」参加者によると、会は立食式のパーティで、安倍首相や昭恵氏と記念写真を撮ったり、歌手が登場するなどの盛大なものであるらしい。実際、今年、出演した歌手はブログで〈シャンソン、ラテンに交えてオリジナル新曲も歌わせていただきました〉〈1000人程のお客様〉〈ハードスケジュールの中お一人おひとりに笑顔で丁寧に握手をされる安倍首相と昭恵夫人のお姿に感動致しました〉と、安倍首相と昭恵氏とのスリーショット写真付きで報告している。
 しかし、ここで問題になってくるのは、この「前夜祭」では複数の参加者が「しんぶん赤旗日曜版」の取材に対し、「5000円の会費を払った」と証言していることだ。政治資金規正法では「対価を徴収して行われる催物」は政治資金パーティーと規定されており、その収入や経費などは収支報告書に記載しなければならない。だが、安倍首相が代表の政党支部や関係する政治団体の収支報告書には、この前夜祭にかんする収支の記載がない。つまり、政治資金規正法違反の疑いがあるのだ。
 さらに、豪華絢爛な「前夜祭」の様子をみると、一人5000円の参加費だけで賄えているのか甚だ疑問であり、参加費で賄えていなければこれは供応にあたり、公選法違反ということになる。
「桜を見る会」という公的イベントを私物化し、税金を使って自分や妻の支持者やお友だち数百人規模で接待する一方、「桜を見る会」を利用するかたちで開催したパーティには違法の疑いまで──。まったく腐りきっているとしか言いようがないが、重大な疑惑は、さらにもうひとつある。

「桜を見る会」のケータリング代金が
安倍政権の8年間で2倍以上に!

 それは、「桜を見る会」における飲食物の提供業務を内閣府と契約してきた企業をめぐる問題だ。
 じつは、安倍政権下での「桜を見る会」での飲食物の提供業務は「JCコムサ」という企業と契約。つまり、この7年間、1社の独占状態にあるのだ。
 5月24日の衆院内閣委員会での立憲民主党・初鹿明博議員の追及によると、この契約は一般競争入札ではなく企画競争入札という、企業が金額も含めて提案するというかたちによって結ばれているというが、その契約金額もうなぎのぼりになっているのだ。以下に示そう。

2013年  972万2000円
2014年 1349万8000円 
2015年 1349万8000円
2016年 1922万2208円
2017年 1920万円
2018年 2135万5312円
2019年 2191万3232円

 数字を見てもらえればわかるように、2015年度と2017年度は前年の据え置きあるいは微減しているが、この年はJCコムサのほかに別の会社も入札に参加していたという。つまり、別の会社が入札に参加したときはほぼ据え置き金額を提示しながらも、JCコムサだけが名乗りをあげた年はどんどん契約金額が上がっていっているのだ。
 たしかに「桜を見る会」の参加者数は2014年の約1万3700人から2018年には約1万7500人、2019年には約1万8200人にまで膨れ上がっているのだが、立食パーティの場合、通常は参加者の数が増えれば飲食費は安く抑えられるはずだ。しかし、「桜を見る会」の飲食費は跳ね上がりつづけ、参加者ひとり当たりに換算すると、2013年は810円が、2018年には1204円にまで値上がりしているのである。内閣府は企業の「言い値」を黙認してきたとしか思えない。

「桜を見る会」飲食提供会社社長の実弟と
安倍首相・昭恵夫人のただならぬ関係

 だが、本題はここからだ。じつはこのJCコムサは、安倍首相・昭恵氏と深い関係にある企業なのだ。
 このJCコムサは、おもにピザの製造や「上海エクスプレス」などの宅配・外食事業などを展開する企業で、代表取締役社長である大河原愛子氏は厚労省の「女性の活躍推進委員会」や経産省の「男女共同参画研究会」、内閣府の「男女共同参画推進連携会議」の委員などを歴任してきた人物なのだが、安倍昭恵氏とも繋がりをもつ。
 たとえば、大河原愛子社長が代表をつとめる「食品業界女性経営者ネットワーク」が今年10月11日に帝国ホテルで開催した設立15周年記念会のパーティでは、昭恵氏が出席して祝辞を述べている。
 さらに、JCコムサの代表取締役CEOは愛子社長の夫である大河原毅氏が務めているのだが、毅氏は安倍首相と親交がある。安倍首相は2018年にリトアニアを訪問した際、日本の元外交官・杉原千畝の記念館を視察し、視察後に記者団に「杉原さんの勇気ある人道的行動は高く評価されています。同じ日本人として、本当に誇りに思います」などと述べたが、じつは、大河原毅CEOはこの杉浦記念館の修復活動に携わっており、この日、記念館で安倍首相を案内したのも大河原毅CEOだったという。
 しかし、この大河原夫妻以上に安倍夫妻と深い関係にあるのが、大河原愛子社長の弟で、JCコムサの取締役であるアーネスト・M・比嘉氏だ。
 比嘉氏は1952年生まれのアメリカ国籍の日系3世で、1985年にアメリカのドミノ・ピザの営業権を得て日本で事業を展開。2011年には日本を撤退したウェンディーズを再上陸させている起業家なのだが、じつは比嘉氏は安倍夫妻とは「友人」関係にある。
 事実、比嘉氏は昭恵氏のFacebookにもたびたび登場。たとえば、2014年2月23日に昭恵氏は〈今日は東京に戻り手話ダンスの練習 そして友人たちと楽しく美味しい夕食を楽しみました…〉と投稿し、1枚の写真をアップ。そこには安倍夫妻とにっこりと笑う4人の男女が写っているのだが、そのうちのひとりが比嘉氏なのだ。
 さらに、同年12月30日にも昭恵氏は〈友人たちと夕食〉と綴って写真を投稿しているが、そこでも安倍夫妻と比嘉氏の姿がある。昭恵氏が「友人」と綴っているとおり、投稿されたこれらの写真は皆が肩を寄せ合い、いかにも“気の置けない仲間”といった雰囲気で、その親密さが伺える。
 ちなみに、この2つの投稿をもとに首相動静欄を確認すると、〈5時58分、東京都渋谷区のレストラン「ビストロ・シロ」。昭恵夫人や友人と食事〉(2014年2月23日)、〈6時33分、ホテル内のすし店「六緑」で昭恵夫人や友人と食事。同ホテルに宿泊〉(同年12月30日)と、比嘉氏ら会食メンバーは「友人」とだけ記載されている。つまり、これら以外にも、安倍首相が比嘉氏と会食している可能性があるのだ。

安倍首相・昭恵夫人と「桜を見る会」
飲食提供会社社長の実弟が写った写真にあの人物が

 実際、安倍首相がこの比嘉氏と会食したのではないかと疑われている日がある。それは、2015年4月1日。そう、愛媛県・今治市の職員と加計学園関係者が官邸で柳瀬唯夫首相秘書官(当時)と面会した、その前日だ。
 この4月1日の動静では〈7時16分、東京・元代々木町のピザ店「エンボカ東京」。友人と食事。10時、東京・富ケ谷の自宅〉とある。この「友人」というのが加計理事長で、官邸での面会を翌日に控えて念押しのために会食していたのではないか。そんな臆測が広がっていたのだ。
 そのため、昨年4月11日の衆院予算委員会では「この日、誰と会食したのか」と野党側が追及。安倍首相は、こう答えていた。
「これは、元代々木のピザ店で友人と食事をしたわけでございますが、加計氏は入っておりません」
「これは、私のやはり古くからの友人の、日系のアメリカ人のご夫婦等々と食事をしたということでございます」
 つまり、安倍首相は「日系のアメリカ人ご夫婦等々」と食事したのであって、加計理事長とは会っていないと主張したわけだが、この「日系のアメリカ人ご夫婦」の「友人」というのが比嘉氏と妻ではないかとみられるのだ。
 安倍首相としては、「悪巧み」仲間ではなく、日系アメリカ人の友人たちと会食していたと言い張ることで、加計理事長がいなかったと証明したかったのだろう。しかし、これはさらに疑惑を深めるだけの答弁だ。
 というのも、じつは前述した2014年2月23日および12月30日の昭恵氏が投稿した写真に、安倍夫妻、比嘉氏とその妻と見られる人物とともに写っているのは、鉄鋼ビルディング専務の増岡聡一郎氏とその妻と見られる人物なのだ。
 増岡氏といえば、問題の2015年のクリスマスイブに昭恵氏がFacebookに投稿した「男たちの悪巧み」写真で、安倍首相や加計理事長らとともに写っていた人物である。その増岡氏も参加するかたちで、安倍夫妻は比嘉氏と交流をもってきたのである。こうなると、比嘉氏は増岡氏だけではなく加計理事長とも関係をもつ安倍首相の「友人」だった可能性も出てくるだろう。
 安倍首相は疑惑の2015年4月1日に、はたして比嘉氏と会食していたのか。そしてそこに加計理事長はいなかったのか──。疑惑は尽きないが、ともかくはっきりと言えることは、安倍首相が主催する「桜を見る会」で飲食提供事業を独占し、契約価格が約1200万円も吊り上げられてきたのは、安倍首相と深い関係をもつ「お友だち」企業であるということだ。
 安倍後援会が催してきた「桜を見る会前夜祭」の金の流れはもちろん、この独占企業の「お友だち」優遇疑惑についても、徹底した追及が必要だ。
(編集部)



「桜を見る会」波紋…
野党は“ブーメラン直撃”覚悟で徹底追及 
予算急増、安倍首相夫妻を囲む
「前夜祭」も標的
2019年11月13日:夕刊フジ

 安倍晋三首相が主催する「桜を見る会」について、立憲民主党や国民民主党、共産党などの左派野党が批判を強めている。首相の地元支援者が多数、招待されていた「国費私物化」疑惑があるとして、12日には合同追及チームを立ち上げた。桜を見る会は旧民主党政権でも開催されており、夕刊フジは「地元支援者らを招待していた」という元政策秘書の証言を得た。左派野党は「ブーメラン直撃」覚悟で、徹底追及するようだ。

 「安倍首相本人が強く疑われることを公然と進めてきた。今までとは質的に違う本丸直撃の案件だ」
 立憲民主党の枝野幸男代表は12日、国会内での党会合でこう語った。
 桜を見る会は例年春、政界や財界、官界、外国大使館関係者、スポーツ選手、芸能人らを、東京・新宿御苑に招いて開催される。吉田茂元首相時代の67年前に始まり、今年度は約1万8200人が来場した。
 安倍首相は8日の参院予算委員会で、地元支援者が含まれていることについて、「各界で功績のあった方々を招いている。自治会などの役員の方と、後援会に入っている方が重複することもある」と答弁した。
 新聞やテレビが連日、このニュースを取り上げるなか、左派野党は今後、来年度の予算概算要求額が2019年度予算の約3倍の約5700万円に増えた理由や、都内のホテルで開かれた安倍首相夫妻を囲む後援会員らの「前夜祭」なども徹底追及する方針だ。
 これに対し、自民党の二階俊博幹事長は12日の記者会見で「議員が選挙区の皆さんに配慮するのは当然だ」と語った。公明党の山口那津男代表も「野党も政権を取ったときは、そういう行事を主催する場があった」と述べた。
 確かに、民主党政権時代の10年4月、鳩山由紀夫首相主催で桜を見る会が開かれた。当時の招待客選定はどうだったのか。
 民主党議員の政策秘書だったA氏は「党本部から『後援会とつながりを深める良い機会。必ず招待客リストを出せ』と、会の案内とエクセルの表がメールで届いた。全議員に連絡があったはず。表の空欄に、地元の有力後援者らの名前と住所を10人分ほど書き、党に提出した。後日、政府から招待状が来た。旅費は自腹で、基本的に今と同じスタイルだ」と語った。
 立憲民主党の福山哲郎幹事長は12日の記者会見で、鳩山政権下での名簿の管理状況を問われ、「承知しない。われわれは立憲民主党だ。普通は把握しない」と語った。
 政府は、招待客の選定基準を見直すというが、会の開催自体をゼロベースで考えた方がいい。



熱血!与良政談
民間試験と桜の会の共通点=与良正男
2019年11月13日:毎日新聞

衆院予算委員会の集中審議で、閣僚席での自らの発言で質疑が止まり、
委員長席に集まった与野党の議員たちの協議を待つ安倍晋三首相(中央)
=国会内で2019年11月6日午後4時15分、川田雅浩撮影

 6日間で2人の閣僚が辞任した異常事態を受けて先週、ようやく開かれた衆参の予算委員会は、両日ともに安倍晋三首相が下劣なヤジを飛ばす、一段と異様な質疑となった。すぐにこらえ性がなくなって強がってみせるリーダーの姿に、私も「この国は大丈夫か」と不安になったほどだ。
 そんな中でも注目すべきやり取りがあった。延期された大学入学共通テストの英語民間検定試験に関して首相はこう言った。
 「私には民間はよこしまな考えを持っているとの考え方はない」
 質問した大串博志氏(立憲)は「民間はよこしまだ」とは一言も言っていない。「民間活力は大事だが、利益誘導のような形で国民に疑念を持たれてはならない」とただしたのである。
 相手の話をねじ曲げ、論点をそらすのは首相の常とう手段だが、民間試験をめぐる問題の本質の一端がここに表れていると思う。
 予定していた試験の一つは、ベネッセコーポレーションが運営する。国語、数学の記述式試験の採点も同社の子会社が受注した。このため高校生の間でも早くから「得をするのはベネッセだけか」との疑念が出ていた。
 一方、民間試験を熱心に進めた下村博文元文部科学相は、かねて同社に近いと言われる。下村氏は「ためにする議論だ」と関連を強く否定しているが、今後の検証の大きな焦点となるだろう。
 私も民間のやる気を行政がそいではいけないと思う。だが政治家も行政機関も民間と関わる際、絶対に守らないといけないのは手続きの公正さと透明性の確保だ。
 加計学園問題も問われたのはそれだ。理事長と親しい安倍首相は「えこひいきしたと疑われるのは互いにマイナスだから私の首相在任中は獣医学部新設を申請しない方がいい」と伝えるべきだったと、今でも私は考えている。
 首相主催の「桜を見る会」に安倍首相の地元後援会関係者が多数招待されている問題(共産党のスクープ!)も同じだ。例によって首相は人選等々について「私は関与していない」の一点張りだが、税金の私物化が疑われる話だ。首相は節度がまるでなくなっているというほかない。
 長期政権のおごり? いや、そもそも首相はなぜ、批判されるかが理解できないのではないかと思い始めた。だから深刻で危機的なのである。(専門編集委員)



桜を見る会 「私物化」は許されない
2019年11月13日

 安倍晋三首相が、自ら主催する「桜を見る会」に、後援会関係者らを多数招いていた。公金を使った便宜供与なら、違法性を問われかねない。あいまいな説明やごまかしは許されない。
 毎年四月、東京・新宿御苑で行われる桜を見る会は、各界で功績のある人や著名人を首相が慰労する趣旨で開催され、無料で酒や食事、土産物が振る舞われる。
 首相がこの場で選挙区の有権者を接待したのなら、公職選挙法が禁じる寄付行為や税金の目的外支出という財政法違反などに当たる可能性が出てくる。
 八日の参院予算委員会で共産党の田村智子氏は、第二次安倍内閣以降、会の参加者と支出は伸び続け今年は参加者一万八千二百人、支出約五千五百万円と二〇一四年から五年間でそれぞれ一・三、一・八倍になっていると追及した。
 内閣府の開催要領は、招待範囲として皇族や各国大使、最高裁長官、都道府県知事らに加え「その他各界の代表者等」を示す。この枠を使い、首相ら与党議員が後援者らを招いているとみられる。
 首相の地元、山口県内の県議や市長、ライオンズクラブ会員などはたびたびブログや会報で会への参加を報告。今年はバス十七台に分乗して新宿御苑に向かったとの記述もあり、首相の後援者らの参加は数百人に上ったようだ。
 このほか、萩生田光一文部科学相や稲田朋美元防衛相も、後援者が会に参加したことをネットなどで記している。
 会が与党議員の後援会活動の場と化しているとしたら、公的行事の「私物化」であり、言語道断である。
 首相は予算委で招待者を選ぶ基準を問われたが明確に答えられず、名簿公表も「個人情報」を理由に拒否した。会への参加が記念写真と共に公表されているのに、全く理屈に合わない。内閣府が招待者名簿を終了直後に廃棄したとしているのも極めて不自然だ。
 首相の後援者には会の前日、都内のホテルで「前夜祭」が催されそこでも飲食が提供されたという。五千円の会費制で行ったとの証言もあるが、会場費などについての記載が首相側の政治資金収支報告書にはなく、政治資金規正法違反の疑いも指摘される。
 安倍内閣では、後援者を観劇に招待し閣僚を辞任した例がある。首相の違法行為は内閣総辞職に値する。首相自身が説明を尽くさなくては疑いは一切晴れない。重い責任を感じるべきだ。



(社説)桜を見る会 首相の私物化許されぬ
2019年11月13日:朝日新聞

 税金で賄われる内閣の公的な行事を私物化していると批判されても仕方あるまい。安倍首相にはきちんと疑問に答えてもらわねばならない。
 毎春、東京・新宿御苑で行われる首相主催の「桜を見る会」の出席者が、第2次安倍政権発足以降、年々増え続け、首相の後援会関係者が大勢招待されていることが明らかになった。
 「開催要領」には計約1万人と明記されているにもかかわらず、今年の参加者は5年前より4千人以上多い約1万8200人。予算は毎年一律の約1767万円だったが、実際の支出は膨らみ続け、今年は3倍以上の5519万円となった。ずさんな予算管理に驚く。
 なぜ、これほど参加者が増えたのか。先週の参院予算委員会で、共産党議員が問題視したのが、首相や閣僚、自民党国会議員の後援会関係者の招待だった。とりわけ、首相について、都内のホテルで開かれた前夜祭に850人が出席し、当日はバス17台に分乗して会場に向かったという、今年の参加者からの情報を示し、「後援会活動そのものではないか」と追及した。
 1952年に当時の吉田茂首相が始めたこの会は、各界で「功績・功労」のあった人たちを慰労し親睦を深めるのが目的とされる。開催要領は、招待の対象を皇族や各国大使、国会議員、都道府県知事らのほか、「その他各界の代表者等」と定める。この「その他」に後援会関係者が含まれるとみられるが、個々の議員の活動を支える支援者を、国全体にとって「功績・功労」があったと認めるのは筋が違うだろう。
 ところが首相は予算委で、「個人情報」を口実に、招待に関する具体的な説明を拒んだ。また、内閣府の担当者は、招待者名簿などの資料は会の終了後、「遅滞なく廃棄」したと述べた。翌年の準備のために保管しておくのが当然ではないのか。天皇、皇后両陛下が主催する園遊会の招待者名簿は公表されており、不透明きわまる。
 首相は「招待者のとりまとめには関与していない」とも述べた。しかし、朝日新聞の調べで、首相の事務所名義で、桜を見る会を含む都内の観光ツアーを案内する文書の存在が明らかになった。
 首相は13年以降、会の前夜に開かれる後援会との懇親会に欠かさず出席もしている。一連の経緯を承知していないはずはなかろう。
 首相に近しい者が特別な便宜を受けたのではないか。森友・加計問題でも指摘された、政治の公平・公正に関わる問題であると、首相は深刻に受け止めるべきだ。



「桜を見る会」の支出増
 公金私物化の疑問が募る
2019年11月13日:毎日新聞

 これも長期政権のおごりや緩みの表れなのか。首相が主催して毎春、東京・新宿御苑で開いている「桜を見る会」をめぐる運営実態の不透明さが浮き彫りになってきた。
 安倍晋三首相の地元後援会関係者が多数招待されていることに対し、公的行事の私物化ではないかと批判が出るのは当然だ。政府はあわてて今後、招待者を絞る検討を始めたというが、これまでの経緯をきちんと首相自身が説明する必要がある。
 首相が出席し、酒や菓子もふるまわれる桜を見る会への参加は無料で、費用は税金でまかなわれる。戦後間もなく始まり、旧民主党政権時にも1度開かれた恒例行事だ。
 ただし見逃せないのは2012年の第2次安倍政権発足後、招待者数や支出が急増している点だ。
 今春の参加者は、14年度と比較すると約4500人増えて約1万8000人。費用も来年度予算の概算要求額は14年度の2倍近い約5700万円となっている。
 共産党の調査によると、最近目立つのは安倍首相をはじめ、自民党議員の後援会関係者だ。首相の場合、上京した地元関係者は前夜、東京都内のホテルで約850人規模のパーティーを開いており、桜を見る会と事実上セットになっていたという。
 そもそも招待者の人選基準はあいまいだ。安倍首相は国会で「各界で功績、功労のあった方々を招いている。地元には自治会やPTAなどの役員をしている方々もいるので後援会と重複することもある」と答弁したが、招待者が急増した説明とはなっていない。
 人選を取りまとめているという内閣府は「関係書類は廃棄した」の一点張りだ。
 支出増の理由は「テロ対策の強化や混雑緩和」と言うが、ならばより詳しい内訳を早急に公表すべきだ。
 政治家が自分のカネで地元有権者に酒食をふるまえば公職選挙法違反となる。一方、公的行事を政治家が利用するのは税金を使った選挙対策とさえ言える。公私混同は政治権力を持つ首相が最もしてはならないことの一つのはずだ。
 自民党議員にも「招待枠」が割り当てられているとの指摘もある。政権与党全体が、こうした問題に鈍感になっているのも否定はできまい。



安倍政権で費用2倍
「桜を見る会」は税金で何をしているのか
2019年11月12日:毎日新聞

 首相主催で毎年春に開かれる「桜を見る会」について、野党が批判を強めている。第2次安倍内閣発足後、同会への支出額は2倍近く、参加者数は1・3倍まで増えた。野党は安倍晋三首相の後援会関係者が会に多数参加したと指摘し「公費を私物化した」と問題視している。

「10メートル歩けば山口の人に会う」

 立憲民主、国民民主、共産、社民の野党4党は11日、追及チームの設置を決めた。12日に国会内で初会合を開く。共産党の小池晃書記局長は11日の記者会見で「首相本人に関わる極めて重要な事案だ」と語った。
 この問題は8日の参院予算委員会で、共産党の田村智子氏が取り上げて批判が強まった。首相らの後援会関係者が多数参加していたことを挙げ、不透明な招待者の推薦基準をただした。田村氏は質問で関係者のブログなどを引用。2014年に首相の地元の山口県議が後援会の女性らと出席。18年にも別の県議が会に出席し、参加者から「10メートル歩けば山口県の人に出会う」と伝えられたとの記述を紹介した。

前夜祭に850人、本番に1万8200人、5518万円

 今年は会の前日に首相が出席し、東京都内のホテルで開かれた「前夜祭」に約850人が参加。翌朝に貸し切りバスで会場に移動したことも指摘し、「首相後援会の一大行事ではないか」と追及した。首相は具体的な参加者については「個人に関する情報だ」などと答弁を避けた。「前夜祭」については「各個人がそれぞれの費用で上京し、ホテルに直接払い込みをしている」と後援会との関係を否定した。田村氏は11日、前夜祭の会場費について「首相の政治団体に収支の記載はなかった」として、政治資金規正法違反の疑いを指摘した。
 会の参加者と規模は年々増大する。支出額は14年度の3005万円から今年度は5518万円、参加者も14年度の約1万3700人から今年度は約1万8200人となった。内閣府は来年度予算案の概算要求で5728万円を要求し、14年度の支出と比べ2倍近くになる。内閣府は8日の予算委で、増額理由は「テロ対策強化、混雑緩和の措置で、実態に合わせて積算した」としている。

自民大物「元々首相の地元の人が多い」

 桜を見る会の招待者は皇族や最高裁判所長官、国会議員、各府省が推薦する各界の代表者などで、約1万人と定める。ただし共産党によると、安倍政権で「各界代表者」の参加が大幅に増え、政治家の後援会関係者が含まれるという。1990年代から参加する自民党閣僚経験者は「当時も首相の地元の人が多い印象があり、元々そういう性格のものではないか」との見方を示した。【堀和彦、浜中慎哉】



公費使う「桜を見る会」、
首相が後援会慰労? 野党追及
2019年11月12日:朝日新聞

 国の予算を使って首相が毎年4月に開く「桜を見る会」の是非が、国会審議の焦点に浮上した。野党は安倍政権下で右肩上がりとなっている支出や、運用のあり方を問題視。12日に調査チームを発足させ、後半国会で追及を強める。識者にも会の透明性などを疑問視する声があり、政府の説明責任が問われる。
 「大変な問題だ。国民につまびらかにするために腹をくくって挑んでいく」。立憲民主党の黒岩宇洋(たかひろ)衆院議員は11日、国会内で開いた記者会見でそう語った。
 黒岩氏は、立憲など野党統一会派と共産党で「桜を見る会」の追及チームを立ち上げ、12日に初会合を開くと発表。共産の田村智子参院議員は「安倍晋三首相に説明を求めていかなければならない」と強調した。
 桜を見る会は東日本大震災後の2011年などを除き、毎年春に首相が催してきた。政府によると、始まったのは1952年。「首相が各界で功績・功労のあった方々を招き、日頃のご労苦を慰労し、親しく懇談する内閣の公的行事」(菅義偉官房長官)という。
 公費で催され今年度は当初予算で約1767万円を計上。ただ、15年以降の実際の支出は予算額の2倍以上で推移する。内閣府などは来年度当初予算の概算要求で、今年度の3倍以上の約5700万円を求めた。
 今年の「開催要領」によると、招待範囲は、皇族や各国大使、衆参両院議長のほか、閣僚や国会議員、都道府県知事の一部、その他各界の代表者など。「計約1万人」となっているが、実際には同伴者を合わせ約1万8200人が出席した。アイドルグループ「ももいろクローバーZ」など芸能人も目立った。
 出席者は2014年以降、毎年500~1千人規模で増加。19年は5年前と比べて約4500人増えた。首相の地元後援会関係者も含め政治家の支援者らが多数出席したと、国会で指摘されている。官邸幹部の一人は「招待の基準はない。(会場の)新宿御苑は広いから、いくらでも呼べる」と話す。
 8日の参院予算委員会では、田村氏が首相らに同会をめぐる疑問をただした。
 田村氏は、関係者のブログなどから、首相や萩生田光一文部科学相らの後援会関係者の多くが同会に出席していると指摘。功績・功労の有無にかかわらず、「後援会の招待枠を自民党の中で割り振っているのではないか」と問うた。
 首相は「招待者の取りまとめなどには関与していない」と説明。田村氏が「首相も地元後援会から多数招待しているのでは」と重ねてただすと、首相は、地元の自治会やPTAの役員などが「(自らの)後援会の方々と重複することもある」と述べた。

前夜祭についても追及

 さらに田村氏は、首相が同会の前日に「前夜祭を開催している」とも指摘。今年は約850人が参加し、翌日、バス17台で新宿御苑に移動したとの情報をもとに「桜を見る会は前夜祭とセットで、首相が後援会や支援者のご苦労を慰労し親睦を深めるものになっているのでは」と追及した。
 首相は出席者について「個人情報であるため回答を控える」。どの府省が誰を推薦したのか、内閣府の担当者は「(関係資料は)保存期間1年未満の文書として、終了後、遅滞なく廃棄する取り扱い」と、明らかにしなかった。
 国会の論点に急浮上した同会について、与党内からも懸念が上がる。
 自民党の二階俊博幹事長は11日の記者会見で「党は特別な関与はしていない」と述べたが、同党幹部は「首相以外にも、後援会関係者が多数出席している党幹部がいるとの話もある。大きな問題になるかもしれない」。公明党幹部も「もし旅費などを政治家の事務所が出していたらアウト。そもそも公的な催しに地元からそんなに大勢を招待したのか。信じられない」と漏らした。
 政治倫理の問題などに詳しい神戸学院大の上脇博之(ひろし)教授(憲法学)は、「桜を見る会」の現状について「本来の招待基準とは別に有力な国会議員の後援者枠があるとすれば、目的外の支出となり財政法違反にあたる。公金を使って後援会を接待する『公金の私物化』だ」と指摘。「公金の扱いに疑問が生じた以上、積極的に情報公開して疑惑を払拭(ふっしょく)することが主催者である首相のあるべき姿だ」と語る。(小林豪、安倍龍太郎、西村圭史)



首相主催の桜を見る会、予算3倍要求
 「招待者は検討」
2019年11月11日:朝日新聞

 国の予算で首相が主催してきた「桜を見る会」について、菅義偉官房長官は11日午前の記者会見で「招待者数は内閣官房、内閣府でこれからも検討していくと思っている」と述べた。
 桜を見る会は、各界の功績者らの慰労を目的に毎春開いている。今春は会場の新宿御苑に芸能人やスポーツ選手ら約1万8200人を招いたが、招待者の数や選定基準が不透明との批判が上がっている。
 8日の参院予算委員会では共産党の田村智子氏が、首相の後援会関係者が参加しており首相との親睦に利用されているのではないか、と指摘した。
 会の予算は過去5年間はいずれも約1766万円だった。来年度当初予算の概算要求では3倍以上の約5700万円に増えている。
 その理由について菅氏は「テロ対策の強化や混雑緩和のための措置」と説明。「内閣府で実態に合わせた要求を行っている」と述べた。



安倍政権で費用2倍
「桜を見る会」は税金で何をしているのか
2019年11月12日:毎日新聞


 首相主催で毎年春に開かれる「桜を見る会」について、野党が批判を強めている。第2次安倍内閣発足後、同会への支出額は2倍近く、参加者数は1・3倍まで増えた。野党は安倍晋三首相の後援会関係者が会に多数参加したと指摘し「公費を私物化した」と問題視している。

「10メートル歩けば山口の人に会う」

 立憲民主、国民民主、共産、社民の野党4党は11日、追及チームの設置を決めた。12日に国会内で初会合を開く。共産党の小池晃書記局長は11日の記者会見で「首相本人に関わる極めて重要な事案だ」と語った。
 この問題は8日の参院予算委員会で、共産党の田村智子氏が取り上げて批判が強まった。首相らの後援会関係者が多数参加していたことを挙げ、不透明な招待者の推薦基準をただした。田村氏は質問で関係者のブログなどを引用。2014年に首相の地元の山口県議が後援会の女性らと出席。18年にも別の県議が会に出席し、参加者から「10メートル歩けば山口県の人に出会う」と伝えられたとの記述を紹介した。

前夜祭に850人、本番に1万8200人、5518万円

 今年は会の前日に首相が出席し、東京都内のホテルで開かれた「前夜祭」に約850人が参加。翌朝に貸し切りバスで会場に移動したことも指摘し、「首相後援会の一大行事ではないか」と追及した。首相は具体的な参加者については「個人に関する情報だ」などと答弁を避けた。「前夜祭」については「各個人がそれぞれの費用で上京し、ホテルに直接払い込みをしている」と後援会との関係を否定した。田村氏は11日、前夜祭の会場費について「首相の政治団体に収支の記載はなかった」として、政治資金規正法違反の疑いを指摘した。
 会の参加者と規模は年々増大する。支出額は14年度の3005万円から今年度は5518万円、参加者も14年度の約1万3700人から今年度は約1万8200人となった。内閣府は来年度予算案の概算要求で5728万円を要求し、14年度の支出と比べ2倍近くになる。内閣府は8日の予算委で、増額理由は「テロ対策強化、混雑緩和の措置で、実態に合わせて積算した」としている。

自民大物「元々首相の地元の人が多い」

 桜を見る会の招待者は皇族や最高裁判所長官、国会議員、各府省が推薦する各界の代表者などで、約1万人と定める。ただし共産党によると、安倍政権で「各界代表者」の参加が大幅に増え、政治家の後援会関係者が含まれるという。1990年代から参加する自民党閣僚経験者は「当時も首相の地元の人が多い印象があり、元々そういう性格のものではないか」との見方を示した。【堀和彦、浜中慎哉】



急転直下、桜を見る会散る
 首相周辺「こうするしか」
2019年11月14日:朝日新聞

 政府は国の予算で開いてきた首相主催の「桜を見る会」を来年度は取りやめると発表した。予算や出席者の膨張が批判され、安倍晋三首相の後援者らが大勢出席していると指摘され始めた直後の中止判断だ。野党は「公的行事の私物化だ」と事実関係を明確にするよう要求。だが、政府は詳細な説明には応じていない。
 「読み上げが1件あります」。13日午後の菅義偉官房長官の定例会見。予定よりも20分ほど遅れて会見場に入った菅氏は、手元のファイルを開くと用意したメモを読み上げ、「桜を見る会」の来年度の中止を発表した。会見場の記者団からはどよめきが起こった。
 菅氏は、わずか約5時間前の午前の会見で「首相枠という特別なものはない」と否定していたが、午後には一転して具体的に存在を認めた。「徳俵に足がかかりっぱなしになった。こうするしかなかった」。首相周辺は、急転直下の判断についてそう語った。
 政府は10月半ば、税金を使った同会の取りやめなどを求めた野党の質問主意書に「公的行事であり、意義あるものと考えている」との答弁書を決定したばかり。今月8日の参院予算委員会で野党がこの問題を取り上げ、11日に立憲など野党統一会派と共産党が調査チームの立ち上げを決めても、政府高官は「桜というがもう冬だ。いつの時期の話だ」と笑っていた。
 菅氏は同会について、各界で功績、功労があった人たちを招くのが趣旨だと会見で説明。自民党の二階俊博幹事長も会見で、党の支援者を招くことについて「配慮するのは当然のこと」などと、問題視するそぶりはうかがえなかった。
 だが、同会と首相との関わりへの批判が強まり始めると、首相官邸の対応も変わる。
 首相の後援会関係者らが多数同会に出席しているとの情報をもとに、野党は12日の調査チームの会合で「首相が公的行事を私物化したのか事実を解明していく」(立憲民主党の黒岩宇洋〈たかひろ〉氏)と宣言。有識者らからも、場合によっては「公職選挙法で禁止された選挙区に対する寄付行為に当たる恐れがある」といった指摘が上がった。
 菅氏は12日午後の会見で、会の運営方法の見直しや開催規模の縮小に触れる形で「政府として検討していく。必要があるとも思っている」と、会のあり方の見直しをにおわせた。
 13日朝には、首相の事務所が地元有権者を対象に「桜を見る会」を日程に含んだ観光ツアーを実施していたと朝日新聞が報道。SNSなどネットでは「招待基準があいまいだ」「首相が公私混同している」といった批判の声が拡大した。
 2閣僚の辞任や英語の民間試験導入延期の影響も引きずる中、首相と菅氏が相談した上で13日午後に来年度の中止を決定。菅氏は与党幹部らに電話で「招待者の範囲や基準が明確になるまで中止する」と伝えた。
 だが、菅氏は中止を発表した13日午後の会見で、同会と首相の関わりについては「首相は招待者の取りまとめには関与していないと国会で答弁している」などと繰り返し、明確な説明を避けた。(安倍龍太郎)

「長期政権だから出席者増えた」

 70年近く続いてきた首相主催の行事の突然の中止判断に、与党内では驚きの声が広がった。閣僚経験者は「官邸は、首相本人の問題になりつつあったことを気にしたのだろう」。公明党幹部も「首相に批判の矛先が向かった。引きずれば支持率が下がる」と語った。
 同会の招待者をめぐり、菅氏は政治家による推薦を認めた。それは自民党内でどう振り分けられていたのか。複数の議員や議員秘書は、役職ごとに「招待枠」があったと証言する。
 その一人は「たとえば『党三役に100枚』といった感じで配られる。それが下々の枝葉に分け与えられる」と説明。別の秘書は「10枚単位の招待状が必要な議員は、幹事長や国対委員長にお願いし、それでも確保できない場合は首相官邸に泣きつく」と話した。閣僚経験者は「誰を招くか議員が名前を挙げる。その結果、後援会関係者ばかりになる」と、自身の支援者を招いたことを認めた。
 安倍政権下では会への出席者が右肩上がりに増えた。首相に近い党幹部は「1回呼んだ人は次の年に断れない。増えたのは長期政権だから」と話す。
 その中でも、首相の関係者の出席者数は飛び抜けているとされる。首相周辺は「安倍さんは850人招いていると言われたが、正直増えすぎていると思った」。首相の地元山口県の藤井律子周南市長も一時、自身のブログで、片山さつき参院議員から「10メートル歩いたら、山口県の人に出会う」と伝えられたと書き込んでいた。(鬼原民幸)

野党「非を認めたということだ」

 中止発表直後にあった野党の調査チームの会合では、首相の責任を問う意見が噴き出した。立憲民主党の黒岩宇洋氏は「70年近くの歴史ある会を中止せざるを得ないくらい、首相自身が答えきれなかったための結果だ」。
 観光ツアーを案内する、安倍事務所名の文書の存在が報じられたことを受け、「招待者の取りまとめなどには関与していない」との首相の国会答弁に絡めた質問が続いた。
 内閣官房の担当者が招待者推薦の際、事務所が最終的に確認していたと説明すると、「(首相の)虚偽答弁じゃないか」との声も。担当者が「事務的に推薦を受けているが、首相自身が知らなかった可能性はある」と続けると、「さすがに通らない」とクギを刺された。
 野党が求めるのは首相自身による説明。午前の野党国会対策委員長会談では、首相が出席する衆参予算委員会での集中審議を求める方針を確認した。立憲の安住淳国対委員長は中止について「消しゴムで消せるようなものではなく、むしろ非を認めたということだ」と言及したうえで、こう意気込んだ。「首相自ら国会に来てちゃんと答えない限り、この話はエンドレスだ」(井上昇)

菅官房長官会見の主な内容

 「桜を見る会」をめぐる菅義偉官房長官の13日午後の記者会見の主な内容は次の通り。

 【冒頭発言】
 内閣官房のとりまとめにあたっては、官邸内や与党にも推薦依頼を行っており、官邸内は首相、副総理、官房長官、官房副長官に対して、事務的に推薦依頼を行った上で提出をされた推薦者につき、とりまとめを行っている。様々なご意見を踏まえ、政府として招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討したい。来年度の桜を見る会は中止をすることにした。

 【質疑応答】
 ――首相や自民党幹部による私物化が問題視されたが、中止はこういった問題を認めたということか?
 「今のまま進めることについて、一昨日(11日)に検討したいと申し上げた。検討してきた結果だ」
 ――首相の判断か?
 「首相の判断だ」
 ――官邸や与党に推薦依頼があった理由は?
 「慣例で続いてきていた」
 ――推薦依頼はいつからか?
 「ずっとじゃないか。私が官房長官になってから、ずっとだった」
 ――今年の参加者は1万8千人だが、(推薦は)かなりの規模なのか?
 「数多くあることは事実だ」
 ――「各界における功績、功労のあった方々」という基準に該当しない後援会関係者が含まれていたのか?
 「この人は功労があるとか、ないとかは、なかなか……。自治会やPTAの人だとか色々いらっしゃるから、幅広く招待した」
 ――規模の縮小も念頭にあるのか?
 「それは当然だ」
 ――(首相の事務所によるツアーについて)首相は説明責任を果たす必要はないのか?
 「国会で答弁をされた通りだ」
 ――首相の事務所は、(桜を見る会が日程に含まれた)ツアーを募っていたことが明らかになっている。
 「主催者としてのあいさつや招待者の接遇は行うが、招待者の取りまとめには関与していないと答弁している」



桜を見る会中止
 疑念の払拭へ政府は襟を正せ
2019年11月14日:読売新聞

 疑念を招き、開催基準を見直すことになった以上、来年度の中止はやむを得まい。安倍内閣は襟を正さねばならない。
 政府は首相主催の「桜を見る会」について、来春の開催を見送ると表明した。菅官房長官は記者会見で、「招待基準の明確化やプロセスの透明化を検討したい」と語った。
 桜を見る会は、各界で功績や功労のあった人々を招いて慰労するのが目的である。
 開催要領によると、皇族、各国大使、衆参両院議長、国会議員、知事らに加え、「その他各界の代表者等」を対象者としている。経費は国の予算から支出される。
 安倍内閣の下で、規模は拡大してきた。5年前に約1万3700人だったのが、今年は約1万8200人が参加した。支出額も約3000万円から約5500万円に増えた。「代表者等」の名目での招待者が膨らんだのだろう。
 野党は、安倍首相が地元後援会員らを多数招待していると指摘し、「公的行事の私物化だ」と批判を強めている。
 首相は人選への関与を否定したうえで、「地元の自治会やPTAなどで役員をしている方と、後援会に入っている方が重複することもある」と説明している。
 公私の区別が曖昧になっていたとすれば問題だ。節度を欠いていたとの批判は免れまい。長期政権ゆえの緩みが背景にあるのではないか。首相は自らを律し、政権運営にあたるべきだ。
 内閣府は、今年の招待者の名簿を廃棄したと答えた。公文書管理の観点から手続きが適正だったかどうか検証する必要がある。
 首相の後援会は、桜を見る会の前日夜に会合を開いてきた。野党は、首相が代表を務める政治団体の政治資金収支報告書に記載がないとして問題視している。首相側には説明責任が生じよう。
 桜を見る会は、皇室主催の観桜会が前身である。戦後は首相が招待する形式に変更され、1952年に始まった。東日本大震災直後の2011年などを除き、毎年春に開かれてきた。10年には民主党の鳩山政権下で行われた。
 政財界に限らず、その時々に文化やスポーツなどで活躍した人をたたえる意義はあろう。
 政府は、招待者の人選にあたっては、首相、正副官房長官のほか、与党にも推薦枠を設けている。
 長年の慣行にとらわれずに、招待者の範囲や人数、予算規模などを抜本的に見直し、不信感を払拭ふっしょくすることが求められる。

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