先が見えない、日韓関係

日本のメディアでは、「反日vs嫌韓」「『日本はイイ子』で『韓国は悪い子』」という見立て手で、ヘイト報道が垂れ流されている。政治家は何か行動を起こしたり、政策・外交を進めるときには、その結果を予想しているものだが、安倍一族にはそのような見通しや、“落としどころ”というようなものがない。国内政治と同じ手法で、外交を進めては相手国に理解をしてもらうことは不可能だ。外務省は安倍一族の理不尽を理解しているので、できるだけ距離を置いているように見える。安倍政権のやり方は狭小で偏っているので、国際社会では、ほとんど説得力をもたない。
20年以上前から言っているのだが、「東アジアの平和構築」という視点に立ち、ビジョンを持って日韓中朝+ロシア+モンゴルで話し合いのテーブルを持つことが重要だ。ABEくんの周りには、あまりにも「人」がいない。また、ABEくんは聞く耳を持たない。そして誰もいなくなる…。

悪者視 感情的 政権忖度 やめて
嫌韓報道 ファクトチェック
市民団体 活動に着手
「裏に差別感情」■友情基づく関係模索
2019年8月29日:東京新聞・こちら特報部

 日韓の対立がますます深まっている。28日には、「ホワイト国外し」に対して韓国側が世界貿易機関(WTO)へ提訴する方針を表明した。そんな情勢を受け、新聞、テレビ、週刊誌などでは、韓国に厳しい論調が目立つ。その中に誤解を招きかねない「嫌韓報道」があると、市民団体がファクトチェック(事実確認)に乗り出した。どんな報道が問題なのか。              (安藤恭子、石井紀代美)

 「日本メディアは韓国を徹底して悪者にし、感情的な解釈報道をしている。毎日テレビや週刊誌で流されれば事実に基づかなくても真実と思う。対等な判断ができる情報が必要だ。メディアがあおるなと、社会に提起しなくてはいけない」
 衆院議員会館で27日、市民団体「日韓市民交流を進める希望連帯(希望連帯)」が集会を開いた。約60人を前に、白石孝代表が過熱する日本の「嫌韓報道」を批判。この日から始めたファクトチェック運動への参加を呼びかけた。
 対象は7月以降の新聞、雑誌、テレビ番組。協力者を募り、問題と感じた内容をメールでもらう。届いた情報は専門家を交えたチームで分析し、問題ありと判断したらメディアに質問状を出して回答を公表する。
 白石氏ら希望連帯のメンバーは今月中旬、韓国を訪ずれた。貧困や格差是正に取り組む地域の政策を学ぶのが目的だったが、悪化する日韓関係の改善を求め、元市民運動家の朴元淳(パクウォンジェン)ソウル市長に面会を申し入れた。
 一行がソウル庁舎を訪れた21日には約30社の韓国メディアが殺到した。白石氏は「安倍政権は国民の嫌韓意識を煽り、メディアも政権に忖度した報道を垂れ流している。私たちは『反日・反韓』に染まらず、『反安倍』で団結しよう」と市民の連携を提案。ファクトチェックを通じた事実の発信を約束した。
 朴市長は「韓国の市民は、安倍政権の歴史否定や不当なホワイト国排除に反対する手段として不買運動をしている。日本人への敵対ではない。政治は有限だが、市民は永遠。この交流をきっかけに、友情と平和が支配する新たな関係を」と応じた。
 白石氏は、日本の過剰な文在寅大統領バッシングの裏に、戦前の植民地政策から続く社会の差別蔑視観と優越感情がある、とみる。「これは人権の闘い。あきらめず社会に問われねばならない」と、ファクトチェックへの決意を述べた。
 では具体的にどんな報道が問題なのか。集会では、テレビ出演した時の武藤正敏氏の経歴に疑問の声が出た。指摘を参考に出演番組を確認した。
 8月21日昼に放送された情報番組「ひるおび」(TBS)。武藤氏は、元駐韓国日本大使で「文在寅という災厄」の著者として登場した。「文大統領の支持層はみんな過激派なんですよね」「韓国は裁判官でも相当左がかった人が多い」と語った。
 この武藤氏の経歴は間違っていない。だが、重要な情報が抜けている。
 武藤氏は外務省を退職した後の2013~17年、三菱重工業の顧問を務め、「前職の知見、人脈に基づき、広く助言する役割」(三菱重工業)だった。同社は韓国の元徴用工裁判の被告企業だ。
 聖学院大の柴田武男講師(企業経済論)は「武藤氏は利害当事者、経歴を伝えず、あたかも中立公平な専門家と扱うのは、NHKと日本民間放送連盟が定める放送倫理基本綱領に違反する。視聴者への裏切り行為でもある」と批判する。

根源に日本経済悪化?
「専門家」元大使「三菱重工」の経歴に触れず
GSOMIA破棄 日本の無視に言及せず
日韓請求権協定 歴史事実に疑問符の記事

 コメントを報道する時、コメントの切り取り方によって、受け手に伝わる印象が変わることがある。前出の白石氏は「韓国が日本に破棄を通告した日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の報道でそれが起きた」と指摘する。
 白石氏らは、韓国大統領府の金鉉宗(キムヒョンチョン)・国家安保室第二次長が、破棄の理由を説明した記者会見全文を翻訳した。それによれば、韓国側は元徴用工問題を外交的に解決するため、日本に何度も対話を呼び掛けていた。内容を紹介する。
 韓国は特使や駐日韓国大使を通じ、日本との協議を模索した。実務者レベルでも対話を提案した。日本は一切応じようとしなかった。日本の植民地支配からの解放を祝う「光復説」では、文大統領が日本に対話の手を伸ばす祝辞を述べ、その内容を事前に日本に伝えてもいた。
 ところが、その後に北京で開かれた日韓外相会談でも、日本は従来の立場を繰り返すだけ。韓国の議員団が訪日しても効果がなかった。見かねた米国が話し合いで解決するよう勧告。それも日本は拒否をした。さらに金氏は「日本の対応は単なる拒否を超え、私たちの国家的自尊心まで毀損するほどの無視で一貫しており、外交的欠礼を犯した」とコメントした。
 この詳細な内容は、本紙も含め国内ではほとんど取り上げられていない。白石氏は「『経済問題を軍事問題にすり替えている』という日本政府の見解に沿うような報道ばかりが目立った」と批判する。結果として「韓国が感情的になって暴走した」という印象付けがされたと憂慮する。
 露骨に「嫌韓」をあおっていると問題視する報道もある。
 雑誌には「韓国崩壊寸前」「文在寅大統領が一切聞く耳持たない」といった見出しが並ぶ。月刊誌「Hanada」最新号では、「韓国という病」のテーマで特集。世耕弘成経産相が保守系ジャーナリストと対談し、輸出規制問題を巡る韓国の対応を真っ向から批判している。
 中には歴史事実に疑問符が付くものがある。前出の柴田氏は「週刊エコノミスト」最新号に掲載された記事を例に挙げる。
 執筆したのは、日韓関係を専門とする大学教授。記事は、日本が韓国に5億㌦の経済支援をする一方で、韓国側は戦時中に起きたことに基づく請求権問題を主張しない「日韓請求権協定」に言及。「一括して資金を受け取った朴大統領は、それを浦項(ポハン)製鉄(現POSCO)の建設などインフラ整備に投入し、韓国国民の補償にはほとんど用いなかった」とある。
 柴田氏は「支援は10年の分割払いで、しかも日本の生産物や日本人の労務を供与する条件となっている。使途は韓国が勝手に決定できない仕組み。仮に国民の補償に使いたくても使えなかった」と指摘する。

「コンプレックスの裏返しも」

 ジャーナリストの田原総一朗氏は、嫌韓を煽る報道の根源にあるのは、日本経済の悪化と指摘する。「ジャパン・アズ・ナンバー・ワンの時代と違い、日本人は自信を無くしてしまった。コンプレックスの裏返しが韓国や中国批判となって表れる。特にテレビは、視聴率を下げたくないから、国民に迎合する番組を作ろうとする」
 ソウル特派員の経験もあるジャーナリストの青木理氏は「多くの日本人が日韓情勢を客観視できなくなっている。ファクトベースで状況を捉えられず、損得勘定も働かない。関係が悪化して心に余裕がない時だからこそ、正確な情報が重要だ。すでに75年前の日本が敗戦で学んでいるはずなのに…」と語る。

デスクメモ
 お隣さんは選べない。賃貸なら引越しできても、買った家だと無理。意見が合わなくても、折り合いをつけた方が日々の暮らしは豊かになる。そのためには相手がどんな人で、どんな考えなのか正しく知ることが大切だ。そうしないと議論すらできない。国同士も同じでしょう。            (裕)

【主張】韓国の難癖 旭日旗批判を突っぱねよ
2019年8月31日:産経新聞

 九州を襲った豪雨は猛威をふるい、佐賀県では孤立した病院へは自衛隊のボートが物資を運び、職員らを脱出させた。船尾には自衛艦旗が立てられていた。
 旭日旗である。救助を待つ人々には、さぞ心強く映ったはずだ。その旭日旗が、またぞろ韓国の難癖にさらされている。うんざりである。厳然と突っぱねてもらいたい。
 韓国国会の文化体育観光委員会は、来年の東京五輪・パラリンピックの際に、旭日旗や、これをあしらったユニホームなどの競技場への持ち込みを禁止する措置を国際オリンピック委員会(IOC)や大会組織委員会に求める決議を採択した。
 決議は「侵略と戦争の象徴である旭日旗が競技場に持ち込まれ、応援の道具として使われることがないよう求める」としている。
 また障害者スポーツの団体である大韓障害人体育会はパラリンピックのメダルのデザインが「旭日旗に似ている」として国際パラリンピック委員会(IPC)と組織委に抗議する意向という。
 メダルは扇をデザインしたもので、人種や国境を超えて人々の心を束ねるアスリートを「要」ととらえたものだ。言いがかりも甚だしく、放射状のデザインは全て認めないということらしい。
 太陽を意匠化した旭日旗は大漁旗などにも用いられ、帝国海軍、海上自衛隊とも一貫して軍艦旗、自衛艦旗として採用してきた。国際的に認知、尊重されてきた「外部標識」であり、これを「戦犯旗」として批判の対象にしているのは韓国と北朝鮮のみである。
 過去の韓国の反日デモでも、旭日旗や日の丸が焼かれる暴挙が度々みられた。
 「徴用工」訴訟や「GSOMIA」破棄をめぐる関係の悪化から韓国側は「福島産食材」や放射線レベルをめぐって五輪準備に疑義を呈している。旭日旗の問題視もその一環なのだろう。
 韓国で開催中の野球の18歳以下ワールドカップでは、日本選手団が国旗のマークがないポロシャツで韓国入りしたことに批判の声があった。開催国が隣国の旗に敬意を払わない以上、選手の安全を第一に考えた判断も仕方あるまい。選手らは胸に日の丸のユニホームでスペインとの初戦に逆転勝ちした。グラウンドで堂々と戦えば、それでいい。

[社説]
対話を拒否し、
結局「ホワイト国」からの除外を強行した日本
2019年8月29日:ハンギョレ新聞

 日本の安倍政権が28日、通関手続きの簡素化の恩恵を与える「ホワイト国」(グループA)から韓国を除外する改正輸出貿易管理令を強行した。韓国政府は直ちに外交部報道官声明を通じて「深い遺憾と強い抗議の意を表すると共に、直ちに撤回すること」を求めた。キム・ヒョンジョン大統領府国家安保室2次長も同日午後、定例会見で「強い遺憾の意を表する」と述べた。今後、両国の“経済戦争”が長期化するのは必至だ。
 日本の今回の処置は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の光復節記念式典での演説と韓日外相会談を通じた韓国側の対話提案を拒否したという点で、両国関係を深刻に損ねる行為だ。過去の侵略の歴史を反省するどころか、力で自分の過ちを正当化しようとする安倍政府の態度に慨嘆を禁じ得ない。
 7月4日の第一次報復処置(3大品目の輸出規制)の後、数回指摘したように、日本の輸出規制は歴史問題と結びついている点で不当であり、国際規範にも反する。「輸出管理方式の変更に過ぎない」という安倍政府の主張とは違って、「強制徴用判決に対する報復」というのは、日本のマスコミですら既成事実として捉えている。日本政府の報道官である菅義偉官房長官が同日の記者会見で、「適正な輸出管理のため」としながらも、韓国に徴用問題の解決を求めたことで、これはより明白になった。
 韓国の戦略物資の統制がずさんだという日本側の主張が偽りであることも、早くも明らかになっている。今年5月、米国の非営利研究機関の科学国際安全保障研究所(ISIS)が世界200カ国の(戦略物資の)統制の実態を評価した結果、韓国(17位)が日本(36位)より優秀だと発表したのが一例だ。
 ホワイト国からの除外処置により、韓国に戦略物資を輸出する日本企業は、3年単位で一度だけ審査を受けてきた体制から、今後は個別の許可を取る形ではるかに複雑な手続きを踏まなければならない。両国企業ともに大きな不便と困難を強いられ、韓国はもとより日本社会でも懸念の声があがっている。朝日新聞が「民間の経済活動では両国が共に傷つく不毛な事態となりつつある」として、両国首脳間会談を促したのもそのためだ。安倍政府はこのような声に耳を傾けなければならない。
 韓国政府は、事態が長期戦になる可能性があるという前提のもと、対策を講じ、施行しなければならない。当面は企業の不安を解消する対応策が急がれる。また、大統領府と政府与党の会議でまとめた材料・部品・装備産業の育成対策をしっかりと進めなければならない。材料をはじめとする基礎産業環境を革新することは、今回の事態にかかわらず、必ず成し遂げるべき課題だ。
(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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