地球の「がん細胞」としての自覚

ボクは、地球というのは巨大な有機コンピュータでその演算結果が現在の地球だと考えている。
授業では、「人類とは、地球にとりついたがん細胞のようなもの」「がんと共通するのは、際限なく増え、毒を出すところ」と話していた。
最近、「人新世」という呼び方がある。「人類」が特徴となる地質時代区分ということだ。人類の活動による環境変動は自然界の環境変動のスピードをはるかに上回る激変だ。その変動は今後も続き地球生命の絶滅へとつながっていく。すでに後戻りできない状態にスイッチが入っているようで、特に気候変動は過去の変動で数万年かかって起こった変動がわずか数百年で起こっている。
生物の絶滅スピードもすさまじく、その結果人類にも影響を及ぼす。がん細胞たる人類は、結局、がん細胞と同じように自らも絶滅する運命にあるのだろう。地球という有機コンピュータの演算の結果が、「人は不要」という答えを出すことになるのだろう。


過去の「大量絶滅」と現在の空恐ろしい類似点
全生物種の75%超が絶滅した過去5回を解説、
人類は6度目を起こすのか?
2019年9月30日:ナショナルジオグラフィック

 これまでに地球上に登場した生物の99%以上は、すでに絶滅している。たえず変化する環境に適応しようと新しい種が進化してくる一方で、古い種は消えてゆく。しかし、絶滅のペースは決して一定ではない。むしろ、地質学的には一瞬とも言えるような短い間に75〜90%以上の種が姿を消す「大量絶滅」が、過去5億年の間に少なくとも5回起きている。
 大量絶滅は恐ろしい現象だが、新しい形の生命に地球を明け渡すという意味合いもある。最もよく研究されているのは、白亜紀と古第三紀の境界となる約6600万年前の大量絶滅だ。非鳥類型恐竜を絶滅させ、哺乳類や鳥類が急激な進化と多様化を遂げる余地をつくった。
 白亜紀末の絶滅は、主に巨大隕石の衝突によって引き起こされたことで有名だが、これは例外的なケースだ。大量絶滅の最大の原因は、地球の炭素循環の激変だ。例えば数十万平方キロもの範囲に溶岩を吐き出すような巨大噴火は、大気中に二酸化炭素などの温室効果ガスを大量に放出し、暴走温室効果や、それに伴う海の酸性化および貧酸素化を引き起こす。
 以下に、過去に5度起きた大量絶滅とその原因、そして、現在の状況を順に解説しよう。

1. オルドビス紀—シルル紀絶滅(4億4400万年前)

 オルドビス紀(4億8500万年〜4億4400万年前)は、地球上の生命が劇的な変化を遂げた時期だったが、その終わりに、知られているかぎりで最初の大量絶滅が起きた。このとき、突然の寒冷化により、莫大な量の水が、南極付近の陸地を覆う氷冠として閉じ込められたのだ。この氷河作用は、現在の北米のアパラチア山脈が隆起したことがきっかけで起きた可能性がある。新たに隆起した岩石の大規模な風化により、大気中の二酸化炭素が岩石から水に溶け出した物質と反応して吸収され、地球の温度が大幅に下がったのだ。
 その結果、海面は数十メートルも低下した。浅瀬にすむ生物は、生息地の寒冷化と縮小により大打撃を受けた。ところが、寒冷化はすぐに終わってしまう。そしてこれが、生き延びた生物へのセカンドインパクトとなった。海面が再び上昇し、海水の酸素濃度が低下。有毒な金属が海水中に溶け出しやすくなったせいで、回復がたびたび中断させられたのだ。
 現在知られている大量絶滅のなかで2番目に大規模なこの出来事は、すべての種の85%を絶滅させたと考えられている。サンゴ、シャミセンガイのような腕足動物(2枚の殻をもつ生物)、コノドント(ヤツメウナギに似た生物)、三葉虫などの海洋生物が最も大きな影響を受けた。

2. デボン紀後期の絶滅(3億8300万年〜3億5900万年前)

 3億8300万年前に始まったこの大量絶滅では、2500万年ほどの間に地球上の生物種の約75%が姿を消した。
 デボン紀には海の酸素濃度が急激に低下する「海洋無酸素事変」が何度も起きていて、コノドントやゴニアタイト(アンモナイトの仲間)に打撃を与えた。なかでも深刻だったのは3億7200万年前のケルワッサー事変だった。ドイツで採取された事変当時の岩石は、酸素濃度の急激な低下に伴い、カイメンの仲間である層孔虫などの造礁生物が死滅したことを示している。
 デボン紀後期に繰り返された海洋無酸素事変の原因を特定するのは困難だが、火山活動がきっかけだった可能性がある。ケルワッサー事変の約200万年前には、今日のシベリアで100万立方キロの溶岩を吐き出す火山噴火が起きて、ビリュイ・トラップという巨大火成岩岩石区が形成されている。この噴火は、温室効果ガスのほか、酸性雨の原因となる二酸化硫黄も撒き散らしたはずだ。
 また、隕石も関与していたかもしれない。直径52キロに及ぶ地球上で最大級の衝突クレーターであるスウェーデンのシリヤン・クレーターは、3億7700万年前に形成されている。
 意外に思われるかもしれないが、陸上の植物が加担していた可能性もある。植物はデボン紀に画期的な適応を遂げた。茎を堅くするリグニンという化合物や、水分や養分の通路となる維管束(いかんそく)を完成させたのだ。これまでになく大型化し、深く根をはるようになった植物は、岩石の風化のペースを速めただろう。
 岩石の風化のペースが速くなると、陸から海に過剰な栄養分が流れ込むようになり、藻類が大発生する。これらの藻類が死んで分解される際に、海から大量の酸素が奪われ、デッドゾーンと呼ばれる貧酸素海域ができる。また、樹木の広がりにより大気中の二酸化炭素の多くが失われ、地球寒冷化を招いたかもしれない。
 不思議なことに、デボン紀後期には一部の生物が絶滅しただけでなく、種の多様化の減速も起こっている。その原因は侵入生物の世界的な広まりにあるのかもしれない。海面の上昇により、それまで孤立していた海の生息地がつながり、世界中の生態系が均質化したのだ。

3. ペルム紀—三畳紀絶滅(2億5200万年前)

 2億5200万年前、生命は地球史上最大の「大絶滅(Great Dying)」に直面していた。ペルム紀—三畳紀絶滅だ。6万年ほどの間に、海にすむ生物種の96 %、陸にすむ生物種の4分の3が死に絶えた。世界の森は消滅し、再生には1000万年もかかった。また、5回の大量絶滅のなかで唯一、多数の昆虫が絶滅している。海洋生態系の回復には400万〜800万年を要した。(参考記事:「ペルム紀大絶滅、わずか20万年で」)
 大絶滅の最大の原因は、シベリア・トラップという巨大火山の噴火だった。今日のシベリア一帯に300万立方キロもの溶岩を流出させたこの噴火で、少なくとも14.5兆トンの炭素が放出された。これは、地球に残っているすべての化石燃料を採掘して燃やした場合に放出される炭素の2.5倍の量である。さらに、これではまだ足りないとばかりに、シベリア・トラップのマグマは地表に出てくる途中で石炭盆地の地層と相互作用を起こし、メタンなどの温室効果ガスを余計に発生させたと考えられている。
 こうして起きた地球温暖化は、まさに地獄だった。噴火から100万年後には、海水と土壌の温度は14〜18℃上昇していた。2億5050万年前には赤道の海水の表面温度は40℃もあったため、赤道付近には魚はほとんど生息していなかった。
 温度が上昇すると、陸上の岩石が風化するスピードが速くなり、火山からの硫黄による酸性雨がそれをさらに加速した。デボン紀後期の絶滅のときと同じように、速くなった風化は海の酸素濃度を低下させた。当時の海が76%の酸素を失っていたことと、ほとんどの種の絶滅は温暖化と貧酸素化により説明できることを、気候モデルは示唆している。

4. 三畳紀—ジュラ紀絶滅(2億100万年前)

「大絶滅」から生命が回復するには長い時間を要したが、ひとたび回復すると、みるみるうちに多様化していった。さまざまな造礁生物が繁栄し、陸地には植物が生い茂り、鳥類、ワニ、翼竜、非鳥類型恐竜の祖先にあたる主竜類が登場する舞台が整った。しかし約2億100万年前、生命は再び大きな打撃を被った。陸と海にすむ生物種の80%が突然、失われたのだ。
 三畳紀の終わりに、大気中の二酸化炭素濃度は4倍に上昇し、平均温度は3〜6℃上昇した。原因はおそらく、中央大西洋マグマ分布域から大量の温室効果ガスが放出されたことだった。中央大西洋マグマ分布域は、当時の超大陸パンゲアの中央部にあたる広大な火成岩岩石区で、その活動によって超大陸が分裂したため、現在は南米東部、北米東部、西アフリカにある。その溶岩の量は、米国本土を厚さ400メートルの岩石で覆い尽くせるほどだったと考えられている。
 二酸化炭素濃度の上昇は三畳紀の海を酸性化させ、海洋生物が炭酸カルシウムから殻を作るのを難しくした。陸上では、最も優勢な脊椎動物はワニ類だった。今日より大型で、はるかに多様だったワニ類の多くが絶滅し、その後、初期の恐竜が急速に多様化していった。

5. 白亜紀—古第三紀絶滅(6600万年前)

 白亜紀—古第三紀絶滅は最も新しい時代に起きた大量絶滅で、確実に巨大隕石の衝突によるとされる唯一の絶滅である。すべての非鳥類型恐竜を含め、地球上の生物種の約76%が絶滅した。
 6600万年前のある日、直径約12キロの隕石が時速7万2000キロの猛スピードで、今のメキシコのユカタン半島沖に落下した。この衝突で、海底に直径約200キロのクレーターができ、大気中に大量の塵や岩石片や硫黄が撒き散らされた結果、深刻な寒冷化が起こった。衝突地点から1500キロ以内の陸地は炎に包まれ、海には津波が広がった。非鳥類型恐竜を支えていた生態系は、一夜にして崩壊に向かった。
 同じ頃にインドのデカン高原で発生した激しい火山噴火による地球温暖化が、事態を悪化させた可能性がある。一部の科学者は、デカン高原での火山噴火は隕石の衝突によって誘発されたと主張している。

6? 現代の絶滅

 今日の地球は生物多様性の危機にひんしている。最近の見積もりによると、主として人間による森林破壊、狩猟、乱獲により、100万種の動植物が絶滅の危機にあるという。また、人間の交易による侵略的外来種や病気の広がりのほか、環境汚染や、人為的原因による気候変動も深刻な脅威となっている。
 現代の絶滅は、自然に起こる絶滅の数百倍の速さで進んでいる。もし現時点で近絶滅種、絶滅危惧種、危急種に指定されているすべての種が次の世紀に絶滅し、そのペースが続けば、今後240〜540年で大量絶滅のレベルに達することになる。
 気候変動は長期的な脅威だ。人間による化石燃料の燃焼は、巨大噴火を化学的に模倣しているのと同じだ。毎年数十億トンの二酸化炭素やその他のガスを地球の大気に送り込んでいるのだから。
 総量で言えば、過去の火山噴火が放出した温室効果ガスは、今日の人間による排出量よりはるかに多い。例えばシベリア・トラップは、2018年に人間が化石燃料の燃焼により排出した量の1400倍以上の二酸化炭素を放出している。しかし放出のペースで言えば、人間はシベリア・トラップと同等か、それ以上の速さで温室効果ガスを排出していて、その結果、地球の気候は急激に変化している。
 過去の大量絶滅が教えているように、急激な気候変動は破壊的な影響を及ぼすおそれがある。人類がもたらした絶滅は、大量絶滅の定義である「全生物種の75%」という数字をまだ超えていないが、それなら良いというものではない。この恐ろしい数字に到達するよりずっと前に、私たちが暮らす生態系はカオス状態になり、世界中の生物種が危険にさらされることになる。そこにはもちろん、私たち自身も含まれている。
文=Michael Greshko and National Geographic Staff/訳=三枝小夜子


津波で感染症拡大も、
東日本大震災による新たな流行を懸念
=米研究
2019年10月2日:BBC

東日本大震災の津波が到達した地域で、今後、新たな感染症が流行するかもしれない――。クリプトコッカス症などの病原菌が、大地震による津波で世界各地に拡散されていたとする学説が1日、科学ジャーナルで発表された。
米メリーランド州ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院の研究チームと、非営利の米遺伝子研究所「Translational Genomics Research Institute」が、オープンアクセス科学ジャーナル「mBio」で発表した学説によると、1964年に米アラスカ州で発生した大地震による津波で、熱帯地域に分布する病原菌が北米大陸北西部沿岸に打ち上がったという。
研究者は、こうした真菌が同地域の沿岸や森林で生き延びるために進化を遂げたと考えている。
同地域では、これまでに300人以上が肺炎に似たクリプトコックス症にかかっている。症例が最初に確認されたのは1999年で、死亡率は約10%だという。
この学説が正しければ、これまでに津波被害を受けたほかの地域にも影響があるとみられる。
クリプトコックス症の原因菌クリプトコッカス・ガッティー(Cryptococcus gattii)は、オーストラリアやパプアニューギニアといったより温暖な地域を中心に、欧州やアフリカ、ブラジルの一部地域にも分布している。
研究チームは、この真菌が船舶のバラスト水(船底に積む重しとして用いられる水)を介して、世界各地に運ばれたとの学説を立てた。
研究によると、カナダのブリティッシュコロンビア州や米ワシントン州沿岸部で見つかった菌の分子時計(進化過程で分岐した年代を推定したもの)が、南米からの船による輸送が始まった時期と一致しているという。同地域からは1914年にパナマ運河が開通して以降、盛んに輸送が行われていた。
さらに興味深いことに、この菌の人への感染が初めて確認されたのは1999年と、空白の時期が存在することだ。
研究チームは、どのように人へ感染したのか疑問に思った。通常の感染ルートであれば、胞子を吸い込むことで菌が肺に入り込む。
今回の最新の研究では、北米大陸北西部の沿岸近くの森林の中で、菌がどのように広く拡散したのかについて、2人の科学者が斬新なアイデアをあげている。
それは、1964年に米アラスカ州で発生したマグニチュード9.2の大地震が重要な役割を果たしていたというものだ。
同州南東部プリンス・ウィリアム湾を震源とするアラスカ地震は、北半球で観測された最大クラスの地震のひとつ。
この地震による津波は、ヴァンクーヴァー島や米ワシントン州、オレゴン州を含む同地域沿岸部に達した。
この津波によって、菌は砂地や木々が広がる陸地へと運ばれた。そして、生物学的および物理的に優れた菌が残り、感染力や病原性が増したと考えられるという。
「クリプトコッカス・ガッティーは、海水にさらされている間に、人への感染能力のほとんどを失ったのかもしれないという説を提唱する」と、研究の共同著者の、ジョンズ・ホプキンス大学のアルトゥロ・カサデヴァル博士は述べた。
「しかし菌が陸地へ到達すると、アメーバや土壌生物が作用し、生物や人へのより強い病原性を持つクリプトコッカス・ガッティー変異体が誕生した」
研究チームは津波について、危険性のある真菌株を運び、生存者の肌の炎症や肺感染症を引き起こすことで知られていると主張。今後数年の間に、2004年のスマトラ島沖地震や2011年の東日本大震災による津波の影響で、別の感染症が出現するのではないかと懸念している。
カサデヴァル博士は、「津波が、病原体が海や河口から陸地へ到達し、やがて野生生物や人へ感染するという重要なメカニズムかもしれないというのが、重大な新しい考えだ」と述べた。
「この仮説が正しければ、2004年のスマトラ地震の津波や2011年の東日本大震災の津波が到達した地域でもいずれ、クリプトコッカス・ガッティーなどによる同様の大流行が起きるかもしれない」
(英語記事 Tsunamis linked to deadly fungal disease )

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