台風15号(ファクサイ)被害、まとめ(仮)

今日は、10月1日、9月9日に台風15号が東京湾を北上し、千葉県南部に強風被害をもたらしてから、約3週間…。停電などはほぼ復旧し、ニュースでも被災報道はほとんどされなくなったが、復旧のめどが立ったいうわけではない。
特に家屋の損壊被害は修復できるのかできないのか、工事はいつになるのか、先の見通しの立たない状況だ。同じ町内の、ボクの義兄の家の屋根もブルーシートの応急措置はすぐにできたものの、修理は今年中に終わるか分からない。義兄は、F食という会社で役員も務め、地元経済界にはネットワークも持つが、それでも、屋根の修復工事がいつになるのかわからない状況だ。
今回の千葉県の台風被害は、気候変動と森田健作こと鈴木栄治千葉県知事及び、内閣改造で頭がいっぱいであった安倍晋三首相の二人のリーダーの能力が被害を深刻化させた。
森田健作こと鈴木栄治千葉県知事は「知事公舎に籠って、県庁には行かずに指示をした」と言い訳をしているが、たぶん世田谷の自宅にいたのではないかと疑っている。千葉県の初動遅れは、被害に把握を遅らせ、被災対応に大きな支障をきたした。同じように政府も内閣改造の最中で、旧大臣と新大臣との空白の間で対応が後手に回り、災害対策本部が開かれたのは10日の午後になってからだった。この時の資料を見ると、千葉県南部の被災状況など余り記載されず、政府は伊豆諸島などの被害を心配していたようだ。
政府および県の現状把握の遅れがその後の被害拡大を招く要因となったことは否定できない。


台風15号 成田空港1.4万人足止め
2019年9月10日:東京新聞

ゴルフ練習場のネットが倒れて支柱が住宅を直撃した=9日、千葉県市原市で、本社ヘリ「あさづる」から

 最強クラスの台風15号が直撃した首都圏では九日午後も、成田空港が一時「陸の孤島」になり、旅行客でごった返すなど、交通の乱れが続いた。台風は送電の鉄塔をなぎ倒し、停電も続く。けが人は各地で相次いだ。 (小沢伸介、山口登史、丸山将吾、太田理英子)
 成田空港には、台風が通過した午前九時以降、飛行機が続々と到着。だが、周辺の鉄道やバスが運休したため、孤立状態に。成田国際空港会社(NAA)によると、午後十時半時点で約一万四千人が足止めされた。
 NAAは、空港で一夜を明かす利用客らに、水やクラッカーのほか寝袋も配布。台風の影響で着陸が遅れた便などに対応するため、滑走路の運用時間を午前一時まで二時間延長するとした。
 第一旅客ターミナルビル一階には、高速バスやレンタカーのカウンター前に並ぶ人や、地下の鉄道駅に向かう長い行列が交錯。「この列は何?」と右往左往する人もいた。タイから帰国した東京都国立市の夫婦は「電車とバスが再開されたが、行列が動かず乗れそうにない。成田のホテルも全て埋まっており、もう空港に泊まっていくしかない」と途方に暮れた様子。ブルネイ帰りの東京都葛飾区の保科周さん(80)は「来年の東京五輪でこういうことになったら致命傷。アクセスの問題も考えてほしい」と嘆息した。
 台風の進路となった千葉県内の被害は大きく、市原市のゴルフ練習場では鉄製の柵とネットが民家約十軒に覆いかぶさるように倒れ、民家の住民の二十代女性が一部倒壊した家屋の下敷きに。一時間後に救助され、命に別条ないという。
 また、市原市の山倉ダムでは同日午後一時ごろ、水面に浮かぶ太陽光発電パネル約五十枚が焼けた。県警や消防によると、強風にあおられ、折り重なることでショートを起こしたとみられる。県によると、同ダムにはパネル約五万一千枚が浮かび「水上の発電設備としては日本最大」という。

配布された寝袋を使って横になる成田空港の利用客=9日夜


台風15号への対応について
2019年9月12日:千葉県HP・知事定例記者会見

知事発言

はじめに、台風15号への対応について、申し上げます。
今週、台風15号が本県を直撃し、本県では、強風と大雨の影響により、多くの方がけがをされたほか、住宅被害や停電・断水、農林水産業にも甚大な損害を及ぼしました。まずは、被災された皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。今回の台風では、特に大規模停電により、県内全域の拠点病院と、複数の水道事業者において水不足が懸念されたことから、一昨日、午前4時に自衛隊の派遣を要請いたしました。さらに、同日9時に、千葉県災害対策本部を設置し、復旧対策に力を挙げて取り組んでいるところでございます。特に東京電力には早期復旧を強く要請し、早期の停電解消の見通しが示されたものの、依然として大規模停電が継続しており、より一層の努力をお願いしたいと、そのように思っております。被災された県民の皆様は、本当につらい日々を過ごし、大変疲弊をしています。我々はこのような県民の皆様の苦境を受け止め、一刻も早くもとの生活を取り戻せるよう、力を尽くさなければなりません。そこで、昨日の災害対策本部会議では、東京電力に対し、全力での早期復旧と県民への正確な情報提供を改めて要請すること、市町村と連携を一層密にして、県民生活への深刻な影響にあらゆる対策を実施すること、農林水産業において、被害が県内全域にわたること、また、被害額が極めて大きいことから、国に対して被災者支援を速やかに要望すること、市町村、消防機関、警察、自衛隊などと連携を密にし、出先機関も含め、全庁一丸となって対応することを、私から強く指示したところでございます。千葉県で被災された県民の皆様には、大変つらく、また苦しみを与えてしまった、受けてしまったことに対して、本当に大変申しわけなく思っております。特に東京電力に対して、先ほど申したような強い要請を行ったところ、今日、2,000人増員してくれまして、1万1,000人となりました。このように東京電力、それから、自衛隊、警察、消防等、大変に必死になって県民を思い働いてくれております。県といたしましても、県民の命を守り、そして、安全・安心を一日も早く回復するということを肝に命じてこれからも頑張ります。

質疑応答

記者
よろしくお願いします。今朝、東京電力が会見を開きまして、千葉市の千葉エリアは本日中の復旧、その他のエリアは13日以降の復旧になるということを会見で話されました。先日の災害対策本部会議で、県民への正確な情報提供をしてほしいと、一刻も早い復旧、その2つを要請されるとおっしゃいましたが、本日の会見は、例えば県民の思いとかにどれほど応えたものだとお思いでしょうか。
知事
私たちの強い要請と、国からも強い要請があったと思います。だから、今日現場で2,000人の増員をしたということは、より一層、東京電力が一日も早くこれを解決しなければならないという、その気持ちのあらわれかなと、私はそのように理解しております。
記者
あと、県として今、断水や停電が続いているエリアに優先的にどういう施策をしていきたいとお考えでしょうか。
知事
まず、水、電力、これは私たち命でございますから、まず各市町村からしっかりとした情報を得て、それに適宜対応していくことがもちろん大事でございます。ですから、自衛隊にお願いしたりとか、一日も早い回復、こういうことを国からもお願いしていただくということが大事だと思います。その辺の詳細の部分を。
職員
お世話になります。危機管理課でございます。よろしくお願いいたします。今、知事からお話しさせていただきましたように、やはり国からの御支援も得ながら、自衛隊、そして東京電力の復旧という、こちらを共同しながら取り組ませていただきたいと強く思っております。
知事
今日、お国のほうから防災担当大臣が来ていただきますし、改めてこの現状を御説明いたしたいと、そのように思っています。
下線部を訂正しました。
記者
最後にもう1つですけれども、災害発生から72時間で、このままだと命の危険が出てくる可能性が高まってきているのですが、今日で4日目で、県の被災地に対する支援が具体的に見えてこないと個人的には思っています。例えば、給水以外にも自衛隊にほかの支援を要請するとか、例えば携帯電話がつながらない人が多いので、例えば携帯ラジオの配布とか、あとは野菜がとれない人にビタミンのサプリメントの配布とか、県としてそういった具体的な即効性のある施策をするお考えとかは今のところどうなのでしょうか。
知事
記者さんね、やっぱりいろんなところでいろんな意見を聞いて、御報告してくださるということは私も大変うれしゅうございます。それと、県としても各市町村からの情報というのも大事です。千葉県というのは意外と広いんですよね。その中で的確にピンポイントにやっていくということも大事です。まず、何が大事かというと、水ですね。電力ですね。そうすると、電力においても、この地区は映るんだけど、この地区はだめだというのも出てくるんですね。そういうことも私たちは把握しなければならないし、それと食べ物、県の備蓄はどうなんだと。周りの市町村の要請があれば、すぐこっちも出せると。だから、やっぱり市町村によってはちょっと報告が遅れているところもありますので、県の職員を出そうと思っておりますから。ちょっとその辺を詳しく。
職員
危機管理課でございます。よろしくお願いします。県の支援でございますけれども、今、知事からお話しさせていただきましたように、やはり市町村から御要請のありました品々、水、そして食料、ブルーシート等々の備蓄でございます。こちらを千葉県の備蓄物資の中から拠出をさせていただくということがございます。それから、自衛隊にも給水の支援のみならず、昨晩、陸上自衛隊と県とで協議をいたしまして、今朝からは陸上自衛隊が送電線の復旧作業の支障となっている倒木の重機による除去作業というようなものにも着手をしていただいているというようなこともございます。また、携帯電話等々は、携帯キャリアさんが頑張っていただいているというようなこともございまして、こちらについても常日ごろからライフライン協議会というような形を千葉県のほうで持っておりましたので、そちらでも、いざというときにはこのような支援をいただけるという情報交換をしてきたところでございます。これからも千葉県、頑張ってまいりたいと思っております。
知事
やっぱり記者さん、今回は、よく聞かれるんですけども、想定以上のものが来ちゃったというところがあるんですね。ですから、私たち、今までの想定というものも考えていかなきゃいけないと。私は今回のこともしっかりと検証して、また次はそういうことが、もちろんあっちゃいけませんけれども、あったときにも対応できるようにやっていこうと思っています。何といってもまず水が大事です。だから私は自衛隊の皆さんに、まず給水車を頼むと。そして今、自衛隊の皆さんも、大体、もう水はオーケーになっていますと。そうしたら瓦れき、倒木だとか、そういうものがあるから、今、東京電力さんも一生懸命やっているから、その辺を頼むと、今そのようにお願いしているところでございます。
記者
私からは以上です。ありがとうございました。
記者
よろしくお願いいたします。私からも台風15号の被害を中心にお伺いしたいと思います。先ほど知事もおっしゃっていましたけれども、市町村によっては報告が遅れているので、そのあたりは県の職員を出していくという話があったと思うのですけれども、もう少し早く、プッシュ型支援というか、県から情報を収集し支援を行っていくということが必要ではなかったかと思うのですけれども、そのあたりについてはどうお考えでしょうか。
知事
そうですね。それは記者さんが見て、「もうちょっと、こうやったらよかったんじゃないか」というのは確かに、そう言われればやっぱり足らなかった部分もあるかもしれません。だから、これを私たち大きな反省材料としてやっていかなければならないと、そのように思っております。
記者
関連してですけれども、やはりその原因には、情報収集体制といいますか、情報収集がなかなかうまくできていなかった部分があると思いますけれども、そのあたりについてはどうお考えでしょうか。
知事
これはより一層、市町村のほうに支援します。はい、どうぞ。
職員
危機管理課でございます。情報収集でございますけれども、特に被害の状況につきまして、防災情報システムといいます県と各市町村をネットワークでつなぎましたシステムを用いまして報告をしていただくことになっております。ただ、今回はやはり電波の状況とか電力の関係ということで、なかなか、停電があったり水の不足ということで、市町村さんもお忙しいという状況がございました。そのような中で、被害の状況を御報告していただくタイミングがやはり遅れたところはあったということも言えるとは思います。私どもといたしまして、情報をしっかり収集させていただくよう、これからしっかり考えながらやっていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
知事
そうですね。やっぱりそういう体制をつくったときは、もうこれで大丈夫だろうと、欠陥があると思ってつくる人はいないと思うんですね。大丈夫だろうと思っても、今回のような想定を超えるものが出てきた場合において、あっ、これもだめだった、こんなところにも欠陥があったと、出てきたわけでございますから、これは記者さんおっしゃっているとおり、そういうこともしっかり私たちは押さえていかなきゃならない、これを反省の材料としなければならないと、そのように思っております。
記者
先ほどの質問にもありましたけれども、東電の停電の復旧がまだできていないということがありまして、一部では、東電の見通しが甘いというような指摘もあります。実際にこのことに関して、県は東電の見通しに少し引っ張られた上での対策となってしまったのかどうかということ、つまり、県としてここまで停電が長引くというような想定を持った上での危機管理体制というのはとれていたとお考えでしょうか。
知事
これね、非常に難しいんですよね。とりあえずは東京電力さんがおっしゃったこと、私ども、それ以上の知見を持っているわけでもないし、電力さんがこうだと言われれば、じゃあ、それを一日でも早くというお願いをするところしかないというのもまた事実でございます。はい、どうぞ。
職員
危機管理課でございます。やはり東京電力さんから「復旧の見込み」というような形で、ホームページ等々でも情報をアップしていただきました。それから記者会見もされたということで、その都度その都度、その情報を我々のほうとして分析し、それから聞き取りもしながら、そして県庁のほうに東京電力さんにも来ていただきながら、分析、そして対応を練ってきたところでございました。タイミングが遅れたということにつきましては、今後の反省とさせていただきたいと存じます。
記者
続いて、先ほど情報収集の話をしましたが、今度は情報発信についてお伺いします。現在、県は防災ポータルサイトをつくっていて、そこに情報が一元化されていると思います。例えば、ライフライン情報としてリンクは張ってあるのですが、断水をしている範囲だったり、給水所の情報を知りたいと思っても、クリックすると県営水道という県のページにリンクしてしまって、そこから必要な情報を得ることがなかなかできないような状況になっています。被災した市町村も各市のホームページ等で掲載はしているのですが、県としても情報を集約して、防災ポータルサイトでも伝えていく必要があると感じます。こうした点、どのようにお考えでしょうか。
知事
そうですね。いろいろな観点から私たちは対策をしていかなければならないと、そのように思っています。では、その辺は詳しく説明してください。
職員
危機管理課でございます。おっしゃられましたとおり、県からは防災ポータルサイトというホームページを活用しまして、県民の皆様に情報を提供させていただいているところでございます。その中では、本当におっしゃられましたとおり、ライフラインの状況につきまして、やはりリンク先に飛んでしまう。そして、JRさんにしましても東京電力さんにしましても、やはりトップページに飛んでしまうというところは実際にあります。私、担当としても探していくのに何回かクリックするというところもございますので、これはライフライン、インフラの事業者様ともよく協議しながら、相談しながら、どのような形が一番県民の方々に早く知りたい情報を知っていただけるのかということを研究してまいりたいと存じます。よろしくお願いします。
記者
関連して、ポータルサイトはあるのですけれども、その存在自体を知らないという県民もいると思います。県のホームページのトップページにはリンクが張られていますが。それで、千葉県はTwitterのアカウントがチーバくんのものはありますけれども、県庁の公式のアカウントというのは持っていないと思います。他県ではポータルサイトの運用とあわせて、Twitterで逐一情報を発信していくという仕組みをとっている県もありますが、今後、県としてTwitterですとかFacebookとか、SNSを活用しての災害情報の発信を強化するような考えはありますでしょうか。
知事
そうですね。やはり記者さんの言うとおりですよ。やはりそういう、あらゆるものを駆使して県民の皆様に伝えていかなければならないと思うんですよね。じゃあTwitterとかSNSでやれば十分かと思うと、それは変な話、「俺はそういうのはわからねえ」と言う人もいるわけですから、それはまさに皆さんの新聞だとか、ラジオだとか、テレビだとか、やらなければいけないですし、そういうこともしっかり県としても把握していかなければならないと、勉強していかなければならないと思うところでございます。どうぞ。
職員
危機管理課でございます。まずは防災部局といたしまして、今、知事からお話がありましたように、やはりSNSによります災害情報の御提供、発信ということ自体は非常に威力のあるものだというふうにも考えております。よくよく先進事例、先進他県の状況を研究しながら、できること、ともかく県民の皆様に知っていただけることということで、努力してまいりたいと考えております。
記者
最後にもう一問ですが、成田空港の問題についてです。台風が直撃した後に、9日の朝から成田空港が孤立状態になってしまって、JRも京成も動かなかったり、バスも動かなくて、本当に人があふれて陸の孤島のような状態になってしまいました。私も当日現場にいましたが、現場では状況に関してアナウンスが全くされていないという状況で、特に外国人観光客などは電車がとまっていることすら把握できなくて、どうしたらいいのだと途方に暮れてしまっている状態でした。来年はオリンピック・パラリンピックもあって、たくさんの人が成田空港を訪れる中で、こうした状況をまずどう受け止めていらっしゃるかということと、あと空港会社が管轄しているので、県としてできることというのは限られているかもしれないのですが、今後そうした対応の改善を要請していくようなお考えはあるかどうかということをお伺いしたく思います。
知事
どう受け止めているかということに関してですね、これは何とか改善しなければもちろんいけないことだと、そのように受け止めております。そして、それは空港会社のことだから難しいだろうというお話をされました。でも、これは記者さんが言ったように、これからオリンピック・パラリンピックを迎えるに当たって、難しいだけでは済まないわけですから、これは空港会社ともしっかりと、今回のときはこうだったけれども、これは二度とないようにこうしていこうじゃないかと、そういう協議は私はやっていくべきだと、そのように思っています。何か。どうぞ。
職員
危機管理課でございます。防災部局といたしましても、やはりオリンピック・パラリンピック大会を迎えますので、しっかりとおもてなし、そして安全をいただけるような取り組みをさせていただかなければいけないと考えております。外国語での情報発信というものも、防災ポータルサイトの多言語化という取り組みはしているのですが、今おっしゃられましたように、やはり防災ポータルサイトそのものが知られていないというような状況もあると考えております。ともかく、いろいろと工夫をして、考えて、対応を検討してまいりたいと思います。よろしくお願いします。
知事
それとアナウンスがないというのは、どうしようもないですよね。これ、空港会社に私ははっきりと言おうと思うんですけれども、まず、その場にいる人たち、特に外国人の方も多いんですから、わかるようにアナウンスする、誘導するということは大事だと思います。この辺を、なぜそういうことができなかったのか、どうだったかということを、担当部局がその辺をしっかり空港担当者と話し合って、改善するように私は指示いたします。
記者
私からは以上です。ありがとうございます。
記者
2点お願いします。各機関、物資については大体3日間備蓄をしていこうというのが通例としてあるようなのですが、4日目ということでかなり物資不足というのが出てきているようです。県として、市町村のそういった物資の支援に対するニーズはどう把握しているのか、それに対してどう対応しているのか、というのをお尋ねしたい。
知事
もちろん、市町村のほうから現状の報告があり、そして、必要とあらばもちろん備蓄に対してしっかりとやっていくのは当然でございます。
職員
危機管理課でございます。今、御質問のありました物資です。やはり県全体で、さまざまな物資が足りないというお声を市町村から伺っております。千葉県のほうでも、私ども防災部局のほうに市町村さんの方からそのような情報を上げていただきまして、そして、私どもの備蓄品で間に合うというものであればそちらを供出させていただく。そして、それが足りないようなものであれば、国のほうにお願いをしてやっていくという考え方でございます。現在のところ、全市町村さんに状況を確認させていただいておりまして、特に、先ほども少し申し上げましたが、水、そして食料、これは備蓄品でいうとアルファ化米だとか、そのような形になるのですが、それからブルーシートの御要請がとても多いという状況でございます。
記者
後で、全体としてどの程度の要請が来ているのかを示してもらいたいと思います。
知事
要請はどのぐらい来ているかと。
職員
失礼いたしました。市町村さんからの御要請でございますけれども、ブルーシートは約20の自治体さんのほうから御要請があり、私どもの備蓄しておりますものの中から供出をさせていただいたところでございます。また、飲料水も、現在のところでございますが、7の自治体から御要望が具体的にありまして、私どものほうから、応急給水とは別にペットボトルでの供出という形で出させていただいたところでございます。また、食料につきましても、私どもの備蓄品でアルファ化米、それからクラッカーというものを持っているのですが、こちらは今のところは御連絡、聞き取りを、通信状況の悪い自治体様も含めてさせていただいているところでございまして、その中で御要望のありましたところに御提供をさせていただいているという状況でございます。
記者
では、2点目ですが、南房総市の鋸南町といったようなところは、電話が使えないという状況で、情報通信のやりとりすら非常に難しくなっているということなのだそうです。先ほど、知事は連絡を市町村と密にという話ですが、実際のところ、それができなという状況にあるわけですね。そういう中で、職員の派遣はまだされていなかったという話ですが、本来ならもうちょっと早く人を出して、状況把握に努めるべきだと私は思うんだけれども、職員派遣については、この時期まで何もしていないと。南房総では国の職員は来たけれども、県の職員はいないんだという話もあるようですが、そういった対応の遅れというのはどういうふうにお考えなのでしょうか。
知事
これ、私どもも市町村に対してこちらから要請し、いろいろと要請には応えているところでございます。だから、鋸南町に関しては、私どもとしては、しっかりとした、やらなければいけないというもとにおいて、ところが、通信網も含めてちょっとそういうことがあったのも事実でございますので、今の段階において、そういうことをしっかりつかんだものですから、まずは県の職員を送って、より裾野の情報をとろうと、また対応しようと、そういうことでございます。
記者
だから、県全体の現状を、例えば建物の損壊については、南房総のデータが全くなかったりしているわけですよね。こういったものは、いち早く全体状況を把握するという意味では、もっとできることがあったはずだと私は思いますが、それについてどうお考えかと聞いているんです。
知事
それはもちろん、全部正確に把握できればいいんでございますけれども、一生懸命、私たちもちろん努力はしております。でも、その中において、やっぱりわからなかった、連絡がなかった部分もあったことは事実でございますが、今回のそういうことをつかめなかったことを、しっかりと精査しながら次に生かしていくべきだと。はい、何ですか。どうぞ。
職員
危機管理課でございます。やはり被害状況というものを、先ほども少しお話し申し上げましたが、防災情報システムというものでご報告をいただくという形にルールとしてはなっております。その結果、昨日までのご発表をさせていただいた被害状況の取りまとめ結果では、やはり複数の市町村さんから、被害状況がゼロ件というふうな形に結果として取りまとめはなっております。これは、皆様も御案内の、現実とはかけ離れたという状況もございます。私ども、NTT電話が通じない今回のケース等々、防災電話を、防災行政無線を活用した電話でございますが、防災電話というものを活用しながら、市町村さんと連携をして情報を伺ってきたところでございますけれども、やはりおっしゃられますように、もっともっと物資の支援だとか、そういうことを聞き取りに行くだとか、そのようなことができたのではないかとも考えておりまして、ともかく、今後、といいましても今日以降、活かしていきたいと思っています。
記者
防災電話とおっしゃるけれども、1台とか2台しかないわけですよね。そういう中で、ほかの電話も全部つぶれているわけですから、こういう状況になるというのは、早い段階でわかったと思うのですけれども、やはりこの3日間、何も鋸南町や南房総に行っていないわけですよね。これは全体像を把握できないわけですから、もうちょっと早く反応できたと思うんだけど、どうなんですか。
知事
記者さんね、それはよくわかります。現場へ行って、こうだったろう、もうちょっとこうで、できたんじゃないかと、ああじゃないかと、よく分かります。でもね、やっぱり私ども、一義的には各市町村のそういう上がってくるものをしっかり精査しながら、まず、どれを一発目にやらなければいけない、こうしなきゃ、ああしなきゃいけない。そういうことを私どもも考えていかなければならないと、そう思います。でも、あなたがおっしゃったように、まだまだ目の届くところが少なかったわけですから、これからは各市町村とも連携を密にし、今、防災電話のことも含めてですね。何か不満ですか。
記者
ちょっと違うのは、システムとか電話が通じないところのほうが被害がひどいはずなんですよ。そういうところは、つまり防災何とかシステムというものを通じないと状況が把握できないということであれば、それがつながっているところのほうが、まだ被害が軽いということになるわけじゃないですか。むしろ来ないほうが状況として危ないと考えるべきなんじゃないのかということなんです。
職員
ご心配を本当におかけしております。防災情報システムというシステムですけれども、こちらも防災行政無線のシステムと全く同じではないのですが、複数の回線を利用しまして立ち上げをしております。防災情報システムがやられてしまいますと、おっしゃられますとおり、本当に情報が伝わってこないということになります。今回は、ちょっと伝わりにくいという状況が、防災情報システムのほうですが、なかなか立ち上がらないという状況はあったのですが、何とか機能はしていたような状況に実はございます。ただ、おっしゃられましたとおり、防災行政無線を利用した防災電話、これは台数も少ないですし、それから、防災情報システムのほうも、つながりにくくて、市町村さん、忙しい中で、ずっと端末の前にいるということはできないということは私どもも承知しておりますので、今後に向けまして、何ができるのか、先進事例もしっかり検討しながら、対処を考えてみたいと思っております。よろしくお願いします。
記者
よろしくお願いします。私からは、今回の災害の初動対応についてお聞きしたいのですが、東日本大震災の際は、災害発生から1時間半後に災害対策本部の第1回の会議を開いています。台風の場合は、いつが災害発生か見極めるのは難しいのは確かなのですけれども、月曜日の昼の段階では、被害が県内全域に及んでいること、台風被害としては未曽有のレベルであることは分かっていたと思います。もっと災害対策本部を早く立ち上げることはできなかったのか、その辺のお考えについてお聞かせください。
職員
危機管理課でございます。災害対策本部会議、月曜日の夕方というふうな形になりました。やはり私ども、日曜日、台風が来る前から詰めまして、情報の収集を図っていくという考え方で実際にやってきたところでございます。そして、日曜日の真夜中から月曜日の早朝にかけまして、暴風雨に見舞われたということでございました。こちらにつきまして、情報の収集をともかく図らなければいけないということで、県庁として図ってきたところでございまして、ある程度やはり情報の収集が把握できないと、というようなところがございまして、会議の開催ですね。――失礼いたしました。火曜日ですね。火曜日に災害対策本部会議を開催させていただいたところです。申しわけありません。それで、やはり災害の状況を把握するということがとても大切だというところから、会議の開催がこのような形になったというところでございまして、今後の検討をしていきたいと思っております。
記者
今回の災害は、津波や火災がなかったことを除けば、もう震災と同じような被害が出ているわけで、さっきの記者さんもおっしゃいましたけれども、情報が上がってこないということ自体が事態の深刻さを示しているわけで、そういった反省を踏まえて、今後、次あってはいけないですが、大規模災害があったときにどういうふうに今回の反省を生かしたいと知事はお考えでしょうか。
知事
はい。これは確かに、皆さんがおっしゃっているところはそのとおりなんですよ。もっと、毛細血管じゃありませんけれども、私たち隅々まで気を配り、目を配らなきゃいけないと。今回で大変私たち反省しなければいけないのは、そういう通信網を、これがだめな場合はこれだと、これがだめな場合はこれだと、そういうことを考えながら私たち手を打たなければならないと。今、いろいろな情報等、また反省点等、いろんなことが上がってきておりますので、これをしっかりと精査して、私たちこれからの備えにしたいなと、そのように思っております。
記者
私も台風15号関連で、前の質問にもありましたように、私も初動も含めて県の動きが見えないのと、ちょっと遅いんじゃないかと思っています。それについて改めて言うと、台風が9日の午前5時前に千葉市に上陸して、成田の方面を抜けて、夕方ぐらいには県内は少なくとも台風の風が吹いているとか、雨が降っている状態はもうなくなっていたと思うのですが、その段階で対策会議を立ち上げてもいいのかなと思いましたけれども、それができなかったというのは、知事としては何かお考えはあるのでしょうか。
知事
私はまず情報収集、それから、これは絶対これから頼ることが多いですから、お国との連絡、それがまず頭に浮かんでおりまして、また、そのようにしておりまして、そして、担当部局としてみれば、それだけの情報が集まった段階において開いたのかなと、そのように思っております。でも、それは記者さんがおっしゃったとおり、こういうものは一刻も早く開くことによって、県民の皆さんへのメッセージにもなるということもまた事実だと思いますので、これもしっかりと頭に入れたいと、そのように思っております。
記者
わかりました。それに関連してなのですけれども、対策本部会議もありましたけれども、知事が9日県庁のほうに来られて、そういったことを把握されて指揮とかをされたのは大体何時ごろなのでしょうか。というのも、当初の予定だから変わっているかもしれないのですが、当初の予定では9日知事はたしか県庁終日不在で、午前は東京都内、午後は千葉市内にいるというふうな形になっていたと思うのです。当然、この未曽有の事態だったので予定はキャンセルされているとは思うのですが、県庁に来てそういった形で指揮をとられたというのは何時ごろからなんでしょうか。
知事
それはもう一度ちょっと。じゃあ、後で書面にて。わかる?
職員
知事は、当日は公舎のほうでまず待機をいただきました。これは、風雨が強いということで、外に出ること自体が危険だということがございました。そのまま予定をキャンセルいたしまして、待機をし、そしてまず情報の把握ということで、災害の対策担当課のほうから上がってくる情報、これをまとまり次第知事のほうに報告を差し上げておりました。午前中に2回、お昼ごろまでに2回ございまして、大体午後2時ぐらいまでには被害の状況が知事のほうでだんだん把握できたというところから、その状況に対してまずどう対応を打つかということ。先に停電による断水等が発生してきたという状況もございまして、これに対しましては自衛隊の要請等に対する対応、これも同時に検討し始め、国のほうとの連絡ということもございまして、そういった中で総合的に判断をされて、知事のほうでは翌日の9時に災害対策本部設置というような形をとったという状況でございます。
記者
では、公舎のほうで職員の方が随時県庁と連絡は取っていたということでよろしいですか。
職員
左様でございます。
記者
わかりました。
記者
私も台風15号の関連ですけれども、今回、電力のバックアップ態勢が少し脆弱だったのではないかと思っておりまして、1日、2日であれば大丈夫であっても、自家発電機の燃料自体も不足してしまったりとか、そもそも自家発電機が社会福祉施設とかになくて、熱中症で具合が悪くなる方などもいらっしゃいましたし、電気がないとそもそも水も出せないような状態だったかと思います。今回は千葉県に被害が集中したので、自衛隊とかがすぐに千葉県に入ることができましたけれども、これが首都圏全体だとなかなか千葉に集中するということはできないと思うので、県のほうで自助努力というか、そういうところが必要になるのではないかと思うのですけれども、その点どのようにお考えでしょうか。
知事
それはおっしゃるとおりなので、僕は今回ほど、やはり電力というのは、私たちこれがないと全てが動かない、本当に命にかかわることだということを痛感したときはございませんでした。ですから、もう一度、今回の反省も含めて、次はもっとこういうふうに連絡網も含めてやっていったら、こういうことが防げたんじゃないかと、そういうこともしっかりと精査してまいりたいと。どうぞ。
職員
危機管理課でございます。電力のバックアップの御質問でございましたけれども、まずは私ども、東京電力さんに強く申し入れをしまして、発電車という車を配備していただけるようにということで、病院さんが必要かどうかというようなことや、避難所で必要なのかどうかというニーズのマッチング等々を進めるということをやってまいりました。それから、燃料の確保というのも非常に重要でございますので、災害協定を結んでいる石油商業組合さん、それから、資源エネルギー庁さんの協力も得ながら、そちらの情報提供を、病院等々につきまして関係部局と一緒にさせていただいたというところでございます。よろしくお願いします。
知事
いずれにしても記者さんのおっしゃるとおりなんですよ。だから、今回、そういうのをしっかり私たち頭に入れてやっていかなきゃならないと、そのように思っております。
記者
よろしくお願いいたします。私も台風関連の質問なのですけれども、昨日、長南町を取材していた際に、こちらの地域も現在も停電が続いているのですけれども、東京電力から公表されていた停電のエリア情報によりますと、たしか昨日までは全く停電が発生していないというような形での報告になっておりまして、これは睦沢町も同じだったのですけれども、これによって町に取材をしたところ、町民からの苦情もかなり多数あったということと、町の職員もこの情報が出たことによって、復旧の計画を立てるのにも遅れが出たり、あるいは支援を受ける立場としても支障が出たのではないかというようなお話もありました。こうした情報のミスマッチが発生してしまったということで、県がどのように把握していたかということと、実際にこの情報によって支援のあり方に何か支障が出たのかということを教えていただけますでしょうか。
職員
危機管理課でございます。やはり停電の状況につきましては、東京電力さんの発表、ホームページ等々を活用しながら、それから、東京電力のほうに連絡調整をしながらということで把握はしてきたつもりでございます。しかしながら、今のお話等々いただきましたので、精査をして、内容の確認をして、東京電力に正確な情報を早急に出していただけるようにということで、強く申し入れをしたいと思っております。
記者
何らかの支障が出たということはないですか。
職員
停電に伴いまして、浄水場で水が作れないというようなこと等々、連鎖的な影響が多々出たと思います。こちらにつきましては、やはり県庁の専門セクションがしっかり市町村から聞き取りをしまして、その把握をして、そして自衛隊や、県内の他の水道事業体からの給水車の支援等々を行うことができたというふうに考えているところでございます。
記者
できればそこも検証のほうをよろしくお願いします。私からは以上です。


台風停電、千葉・国の初動遅れる
 「手足もがれた状態」
2019年9月16日:朝日新聞

 台風15号による被害への対応で、停電が長期化する千葉県や国の初動の遅れが目立っている。県内では通信の不通により被災した自治体との情報共有が後手に。職員派遣や被害の把握にも遅れが生じた。関係省庁の対策本部の設置は数日後で、専門家は「深刻な被害を長期化させた」と指摘する。
 千葉県では、停電や通信障害で一部自治体の機能がまひ寸前になったが、県の初動対応は鈍かった。
 南房総市では発災翌日の10日、停電で市役所の全固定電話が不通になった。携帯電話やインターネットもつながらず、11日午後には防災行政無線も使えなくなった。被害の状況も把握できず、市民に避難所や支援物資の受取場所を伝えられなくなった。市幹部は「手足がもがれた状態だった」。
 固定電話が不通の場合、各市町村は1、2台ずつ配備されている防災電話と防災情報システムで県と情報共有を図るが、停電でシステムがダウンし、防災電話もつながりにくくなった。県へ状況報告すらできなかった。
 市町村が被災状況を報告できない場合、県の地域防災計画では職員を派遣すると定めている。だが、県が職員を派遣したのは12日夜、いすみ市に1人。南房総市には13日になって1人を派遣した。この間、熱中症の疑いがある被災者が増え続けており、被災地の環境は厳しさを増していた。県の担当者は「医療機関の停電や断水への対応、自衛隊への災害派遣要請で手いっぱいだった」ともらす。
 県は10日に災害対策本部を設置。森田健作知事が初めて被災現場を視察したのは14日だった。森田知事は「やみくもにやるのではなく、土台をしっかりしてから来た」と釈明した。
 被害の全容把握も難航している。県が15日夕に発表した資料には、大きな被害を受けたとみられる南房総市や鋸南町の人的、物的被害の報告は記されていない。
 国の対応も後手に回った。発災後に関係省庁災害対策会議を開いたのは10日になってから。電力事業を所管する経済産業省が、菅原一秀経産相を本部長とする停電被害対策本部を設置したのは13日だった。
 同省の担当者は「停電被害が広範囲に及び、人員を確保するため」と説明し、「発災直後から情報収集や物資の調整などは続けている」と話した。
 千葉県内を15日に視察した菅原経産相は「政府全体として、やることはすべて可及的速やかにやってきている」と述べた。
 2016年の熊本地震や昨年7月の西日本豪雨の際には、政府は防災担当相を本部長とする非常災害対策本部を設置したが、今回は設置していない。内閣府によると、明確な設置基準はないという。
 室崎益輝・兵庫県立大大学院教授(防災計画学)は「初動の遅れが深刻な被害の長期化をもたらした」と指摘する。発災直後に対策本部を立ち上げ、現地へ人員を派遣することは危機管理の原則とした上で、「被害の見通しが甘かったのではないか」と話している。


グレタさん
「我々を失望させる道、許さない」語気強める
2019年9月24日:朝日新聞

 あなたたちは私の夢を奪った――。23日、米ニューヨークで開かれた国連気候行動サミットの壇上で、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)が演説した。「将来世代の目はあなた方を見ている。もし我々を失望させる道を選べば、絶対に許さない」と強い口調で、十分な温暖化対策を取ってこなかった各国政府代表に訴えかけた。
 グレタさんは温暖化対策を促すための「学校ストライキ」を1年前に1人で始め、運動は世界に広まった。今月20日には、日本を含む160カ国以上で400万人以上の若者が参加し、早急な温暖化対策を求める声は大きなうねりとなっている。
 グレタさんは各国政府代表を前に「私はここにいるべきではない。学校に戻るべきなんだ。あなたたちは私の夢を、子ども時代を、空っぽな言葉で奪った」と批判。「なんてことをしてくれたんだ」と声を震わせた。
 過去数十年にわたり、科学が明確に指摘していたにもかかわらず「お金と永遠の経済成長というおとぎ話」を追い求め、対策を怠ってきたと主張した。結果が降りかかるのは自分たちの世代だとし、「子どもたちはあなた方の裏切りに気づき始めている。将来世代の目はあなた方を見ている。もし我々を失望させる道を選べば、絶対に許さない」と語気を強めた。
 そして、「この問題から逃がさない。あなた方が好むと好まざるとに関わらず、世界は目覚め、変化はやってくる」と述べた。(ニューヨーク=香取啓介)


熱血!与良政談
官邸対応「問題なし」とは!?=与良正男
2019年9月25日:毎日新聞

 「こんな現場を見たのは初めてでした」。台風15号の影響による停電がなお続く千葉県で、連日取材を続ける在京民放の女性リポーターは私にこう話した。
 彼女は東日本大震災をはじめ数々の被災地に足を運んできた。「初めて」と言うのは、当初現場で千葉県や地元自治体職員の姿をほとんど見かけなかった点を指す。
 屋根が吹き飛ばされたまま時間が止まっているような光景。被害を受けた人々は報道陣の姿を見て「見捨てられてはいない」と少しほっとしたかもしれない。
 千葉県などの初動対応が遅れたことはもう指摘するまでもないだろう。もちろん私たち新聞・テレビも台風直後は東京都内を中心とする鉄道網の大混乱ばかりに報道が集中してしまったのは紛れもない事実だ。大きな反省がある。
 では、日ごろ危機管理に力を注いでいると自賛する首相官邸はどうだったか。
 菅義偉官房長官は「台風上陸前から適切に対応している」と記者会見で語り、「問題はなかった」との考えを繰り返し示している。
 しかし検証取材によれば、官邸は一時、関係閣僚会議を開く検討をしたものの、人的被害は限定的だとみる一方、停電も「早期に復旧」という東京電力の甘い見通しを真に受けて楽観論が支配し、会議開催を見送ったという。
 そして台風上陸の2日後、安倍晋三首相は予定通り内閣を改造した。首相は人事をどうするかで頭がいっぱいだったに違いない。
 誰の方を向いて仕事をするのか。それも危機管理の要だ。「現地の深刻な状況を考えれば改造日程を遅らすべきだった」との批判が出たのは当然で、決して結果論で言っているのではないと思う。
 昨年9月の北海道地震直後、首相はテレビカメラを入れた関係閣僚会議の冒頭で警察庁や地元自治体に先んじて犠牲者数を自ら発表した。その結果、「安倍首相によると死者は……」と何度も報道されることとなった。
 「首相主導の対応をアピールしたいのだろうが、度が過ぎた演出だ」と感じたものだ。実は今回は初動対応が抜かったと思っているからだろう。官邸は一転して東電と地元の責任に転嫁している。
 自らの非はどんなことがあっても認めない安倍首相のスタイルが政府全体に広がっている。これで今後に向けた教訓を残せるはずがない。(専門編集委員)


伊勢湾台風から60年
 語り続けて、いつまでも
2019年9月26日:東京新聞

 東海地方などで五千人以上が犠牲になった伊勢湾台風の上陸から、二十六日で六十年。体験を語り続けることが悪夢を繰り返さない方策の一つでもある。
 <ちょろちょろどろ水が入ってきたとたん、タタミがふわっとうきだしてきました。おとうさんが、みんなをかかえて、台所へ行きました。その時、妹の節ちゃんが「おとうちゃん、こわい」とさけびました。その声が終わりになるとは思いませんでした>
◆涙、涙の作文
 名古屋市南区柴田町の元学習塾経営加古美恵子さん(70)は、小学校四年生で伊勢湾台風に遭い、一家六人のうち両親と妹ら五人を失った。引用させていただいたのは、濁流の記憶と、自分だけが奇跡的に助かったいきさつを被災直後に「涙、涙で一気に書いた」(加古さん)という作文である。
 <おとうさんは、私たちをだきかかえて、何もつかまらずに、ながれていきました。ふと気がつくとおかあさんがいません。私は「おかあちゃんがいない。材木の下になった」とさけびましたが、どうしようもありません>
 伊勢湾台風では、最高三・八九メートルの高潮が押し寄せて、堤防が決壊。名古屋港の貯木場三カ所から数十万トンの木材が流出し、洪水とともに住宅街を襲って被害を増した。当時の新聞には「木材は、水車のように縦に回って家々を襲った」とある。
 <私は、二度しずみました。二度目に、思わず妹につかまっていた手をはなしてしまいました。しばらく流されていってそばを流れていた材木にしがみつきました。それから「おとうちゃーん、おかあちゃーん」と父母をよびましたが、何も返事がありません>
 十五年ほど前から、毎年九月二十六日に母校の同市立白水(はくすい)小学校に招かれ、台風の体験を話している。「家族を失い、思い出したくない一夜です。でも、誰かが語り継がねば、の思いで」。作文にはないが、流されるとき濁流は大きな渦を巻いていたという。
 <ふと気がつくと、私がつかまっている材木にもうひとり男の子もつかまっていました。(一キロほど一緒に流された後)北の方にトラックがあり、のっている人がかいちゅう電とうでてらしていました。「助けてー」とさけびトラックにとびのると、おとうさん、おかあさん、妹たちの事が思い出されてなけてきました>
 男の子とは、トラックにたどり着いた際に、はぐれた。「私は、運が良かったのでしょうか」と加古さんは自問自答する。「みんなの分も頑張らないと、と一生懸命生きてきた」。きょう二十六日も、白水小で体験を語る。
◆スーパー伊勢湾台風
 これを「社会が未発達だった六十年前の出来事。今はそんなことは起きない」と見なすことはできるのだろうか。答えは「否」のようである。
 国土交通省中部地方整備局は、日本で最大規模の台風(一九三四年室戸台風、上陸時九一〇ヘクトパスカル)が伊勢湾台風と似た経路をたどる「スーパー伊勢湾台風」が来襲しうると想定。同局などによる「東海ネーデルランド高潮・洪水地域協議会」(TNT)は、死者最大二千四百人、被害額は二十兆円にのぼると予想する。
 被害は伊勢湾台風と同じく、海抜ゼロメートル地帯が中心になる。伊勢湾岸で三百三十六平方キロあり、九十万人が住んでいる。東京湾岸に百十六平方キロ(百七十六万人)、大阪湾岸にも百二十四平方キロ(百三十八万人)あり、東京圏や大阪圏にスーパー伊勢湾規模の台風が来れば、甚大な被害が予想される。
 伊勢湾台風を契機に名古屋港には沖合の高潮防波堤などが整備された。大同大の鷲見哲也教授(流域水文学)は「伊勢湾並みなら高潮は何とかガードできそう。しかしスーパー伊勢湾では守り切れない」と話す。「貯木場は移設されたが、路上や駐車場、港で輸出を待つ自動車が濁流に乗り“凶器”になり得る」と危惧する。
◆行政は早めの手を打て
 避難が大切。しかし、六十年前の加古さんたちに、適切な避難勧告・指示は出なかった。もっと早く避難できれば、犠牲者は減らせただろう。名古屋南部の惨状を把握できていなかった行政の初動の遅れである。実際、愛知県碧南市の碧南干拓地では、日没までに全住民四百五十五人が避難し犠牲者はなかった。TNTはスーパー伊勢湾の場合「上陸九~十二時間前に避難指示」を求めている。
 今月、千葉県などを襲った台風15号による強風では、大規模な停電や行政の初動の遅れなどで、住民の不自由な生活が長期化している。水害が猛威をふるった伊勢湾台風との対比は難しいが、六十年たっても課題は同じに見える。早め、早めの手を打つことだ。


被害情報収集に遅れ?
台風上陸から10日後に千葉県ヘリ出動要請
2019年9月27日:毎日新聞

千葉県庁=千葉市中央区で2019年2月22日、町野幸撮影

 台風15号の影響で2万棟超の建物被害が判明している千葉県で、ヘリコプターによる上空調査を県が県警などに要請したのは台風上陸から10日後だったことが、県への取材で明らかになった。被害状況や被災地のニーズに関する情報収集が遅れた可能性がある。
 台風15号が千葉市付近に上陸したのは今月9日未明。県によると、防災ヘリを所有していない県は19日、県警と千葉市消防局にヘリ出動を要請した。県警のヘリは同日、被害が大きい県南部の建物被害を調査。市消防局のヘリは翌20日、倒木の状況や孤立集落がないかを調べた。それぞれのヘリの撮影映像は県に提供された。
 県はヘリ出動要請の理由について、屋根が損壊した住宅が多数に上ることからブルーシートを張る作業を自衛隊に要請し、損壊の規模や程度の把握が必要になったためと説明している。ただ、台風通過後速やかにヘリを要請して上空から調査すれば、より早くブルーシートなどのニーズを調べられた可能性がある。県の担当者は「初動でヘリを飛ばして建物被害の情報を収集するという考えには至らなかった」と話している。
 建物被害の状況は原則、市町村が県に報告する仕組みだ。ただ、今回は長期化する停電に伴う被災者への対応や通信障害があり、市町村による調査が遅れている。県のまとめでは、26日午後4時現在での建物被害は2万944棟に上るが、ヘリ要請前日の18日の時点ではその3分の1程度しか判明していなかった。まだ調査が進んでいない自治体もあり、建物被害は今後、さらに増えるとみられる。
 台風15号への県の対応を巡っては、災害対策本部の設置が台風上陸から丸1日たった10日で、市町村への職員派遣も台風上陸の3日後になるなど遅れが目立っている。【町野幸】


台風15号被害 知事、対応遅れ否定
 対策本部の翌日設置 県議会で質疑
2019年9月28日:毎日新聞・千葉版

 県議会で27日、会派による代表質問が行われ、台風15号の被害への県の対応などについて質疑が行われた。災害対策本部の設置のタイミングなど県の対応の遅れの指摘に対し、森田健作知事は「設置が台風通過の翌日になったことは対応の遅れにつながったとは考えていない」と否定した。台風15号の被害に対する県の対応を巡っては、台風が上陸した9日未明から丸1日たった10日午前9時に災害対策本部が設置されたことや、市町村への県職員の派遣が12日夕方になったことが問題視されている。【町野幸、秋丸生帆】

 代表質問は当初20日から予定されていたが、被害対応のため1週間延期された。9日の台風被害の発生以降、本会議で質疑が行われたのは初めて。
 斉藤守県議(自民)は「初動体制や災害対策本部の設置が遅れたと言われているが、どのように考えているのか」とただした。森田知事は、8日の昼から関係部局で情報収集にあたり、9日未明の大規模停電発生後は情報収集と、特に断水や拠点病院での水と電力供給不足について応急対策の検討を進めたとして「対策本部の設置が台風通過の翌日になったことは応急対応の遅れにつながったとは考えていない」と答弁し、初動対応の遅れを否定。その上で、「県、市町村ともに停電対応に追われる中で情報伝達や連携がどうだったのか今後しっかりと検証していく」と述べた。だが、県からの応援職員の派遣は災害対策本部の所管事項とされており、対策本部を即時に設置しなかったことが職員派遣のタイミングなどに影響を及ぼした可能性がある。
 質疑ではまた、停電によって鋸南、多古、酒々井、睦沢の4町で、県と市町村が非常時に連絡をとる防災行政無線が使えない状態が長期間続いたことが明らかになった。
 河野俊紀県議(立憲)が「約70億円かけて整備した非常用の通信回線である防災無線がつながらない時間帯があった」と指摘し、原因と今後の対策を尋ねた。これに対し、森田知事は防災無線は回線を二重化し、自家発電装置を備えていたものの、暴風による通信アンテナの故障、停電による光専用回線の途絶、市町村庁舎の発電機の故障によって無線が使えなかったと答弁。「事業者などと協議してより信頼性の高いものとなるようにしていく」と述べた。
 県通信課によると、このうち復旧までに最も時間がかかった多古町では、10日午後5時ごろ~12日午前10時ごろまでつながらなかった。
 代表質問は30日にも予定されている。

コメント

こん

お知らせ
今回の台風被害について、地理教育研究会の会報に報告させていただいた。災害の概略は報道されているが、さまざまな要因が被害を拡大させ、対応の悪さが追い打ちをかけたと考えている。
多くは、ボクの私見だが、読んでいただきご批判いただきたい。
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