靖国神社の正体

「靖国神社」とはそもそも何か?
村の鎮守や天照などの日本の神を祀った神社とは構造が違う。日本では、誰でもなんでも「神」となり得る。
戦争中に「戦死した兵隊の『御霊』は、靖国神社に祀られているのだから、家の仏壇に祀るものではない」という論文を靖国神社の宮司が書いたという。
30年ほど前に数年間、夏に「アクション九兵衛・靖国ツアー」というのをやっていた。靖国神社を見学して、その戦争加担について考え、遊就館という戦争博物館でいかに「天皇制・軍国主義」教育が行われていたかを知る半日のツアーをやっていた。一番のお楽しみは旧「軍人会館」屋上のビアホールでビールを飲むことだった。当時、学生だったKくんはいまでは市議会議員をやり、Mくんは新橋で出版社の社長をやっているらしい。医学部の学生だったOくんは横浜・寿町で地域医療と福祉の現場で頑張っているらしい。沖縄・宮古島出身のOさんは、今も元気に組合活動を頑張っているが、子連れの家族で参加していたHさん(ボクの高校の同級生のお兄さん)は病気で亡くなってしまった。
昨年夏、久しぶりで「アクション九兵衛・靖国ツアー・復活編」が行われたので、交流会だけ参加した。旧「軍人会館」は東日本大震災で被害を受け、九段会館は閉鎖され、現在、高層ビルへと建て替えられている。屋上のビアガーデンは、復活しないだろう…、たぶん。


英軍ラグビーチームの靖国神社訪問に
ネトウヨ大喜びもイギリスで大問題に!
タイムズ紙
「靖国は攻撃的ナショナリズムの培養器」
2019年9月20日:LITERA










タイムズ紙が批判した英国軍チームの靖国神社訪問

 今夜、日本で開幕を迎えたラグビーW杯。だが、そのラグビーを巡って、別の“イギリス・ラグビーチーム”が靖国神社を訪問したことが国際的な波紋を広げている。
 靖国を参拝したのは、日本の防衛省が主催する「国際防衛ラグビー競技会」に参加している英国軍チーム。この大会は、今月9日から23日までの日程で、陸上自衛隊朝霞駐屯地などでおこなわれるもので、公式サイトで〈世界各国軍のNo.1ラグビーチームが決まる!!〉と謳われているように、日本の自衛隊や韓国軍、ニュージーランド軍など計10チームが各国軍隊代表として競い合う。つまり、W杯の代表チームではないが、現役の英国軍人で構成されるイギリス軍代表チームが、あの靖国神社を訪問したわけだ。
 この事実は、少なくとも13日までに、英国軍チームの公式Twitterアカウントが靖国神社で選手が整列して撮った写真や、神職とのツーショット写真をアップしたために発覚したのだが、これに大喜びしたのが日本のネトウヨだ。〈もしやラグビーワールドカップの代表チーム? ラグビーのことは良く解っておりませんが、ご参拝ありがとうございます!まさにノーサイドの精神!さすが紳士の国!〉などと言って、写真を大拡散した。
 さらには極右政治家も反応。安倍首相の“お気に入り極右議員”のひとりでもある自民党の山田宏衆院議員は〈英国軍ラグビーチームありがとう。できれば全参加国軍のラグビーチームにも参拝していただきたいので、靖國神社のことをきちっと紹介をして働きかけてみたいと思います〉(17日)とツイート。これを高須クリニックの高須克弥院長が〈アメリカのチームにもお願いいたします〉とつけてリツイートするなど、政治の力で各国軍代表チームに靖国参拝をさせようと鼻息を荒くしていた。
 だが、当たり前ながら、この英国軍チームによる靖国参拝は、国際的に大きな問題になった。
 英有力紙「タイムズ」が18日電子版で「英国軍ラグビーチームが戦争犯罪者を祀る日本の神社を訪問」(UK military rugby team visit shrine for war criminals in Japan)と題して、強く批判する論調で報じたのだ。
 タイムズによれば、靖国を参拝した英国軍チームの軍人選手たちは「靖国ガイドツアー」をおこない、歴史修正主義の展示で知られる靖国境内の戦争博物館「遊就館」も訪れたという。記事は、靖国神社広報の話として、チームの参拝については事前に手配されたものではないが、同神社の神職が遊就館を案内したと伝えている。
 チームの靖国参拝をオーガナイズしたという英国軍の指揮官・アーティ・ショウ氏は、「認識不足でとても考えが甘かったと思う」などと話している。訪問の後、チームは在日英国大使から叱責を受け、「今後、いかなる神社をも参拝することがないように」と言われたという。現在、英国軍代表のツイッターアカウントは投稿した写真を削除している。
 記事では、「靖国神社は、日本の過去の植民地支配と侵略戦争を賛美する場所であり、とりわけ戦争犯罪者たちが祀られており、併設の博物館である「遊就館」は帝国主義的軍国主義をロマンチックに美化している」という在英韓国大使館広報の話を紹介。英国・国防省は「靖国神社への参拝は政府公式のものではなく、ホスト国の日本がオーガナイズしたものでもない。イギリス政府は靖国訪問がいかに繊細な問題であるかを完全に理解している」と同紙にコメントしている。
 とりわけ注目すべきは、タイムズが英国軍チームの靖国参拝がいかに不適切であったかを、靖国の歴史や日本の戦争犯罪を踏まえ、細かく解説していることだ。

イギリス・タイムズ紙「靖国神社は攻撃的ナショナリズムの培養器」

 たとえば、靖国神社が日本の右翼以外からはどう考えられているかを端的に説明し、戦争犯罪者が合祀されているという点を率直に問題視する。
〈日本の右派にとって、東京の靖国神社は愛国的に欠かせない場所だ。〔一方で、〕他の多くの日本人やアジアの人々にとっては、ジンゴイズム〔jingoism:盲信的、高圧的かつ好戦的な自民族優越主義的ナショナリズムの極北〕と嘘まやかしの神社であり、日本の植民地となった韓国や中国の人々を依然として身震いさせる攻撃的なナショナリズムの培養器である。〉
〈靖国は民間機関であり、政府の神社ではない。問題は、東京裁判で有罪判決を受け、絞首刑に処された東條英機を含む、14人のA級戦犯だ。彼らは1978年に密かに祀られた。〉(翻訳は編集部による。以下同)
 靖国神社の神職がラグビー英国軍代表を案内した遊就館が、いかに日本の戦争を美化し、史実を捻じ曲げた展示をおこなっているかについても、きちんと報じている。
〈遊就館は、特攻兵器・人間魚雷回天の潜水員などの遺物を崇敬するように展示している。パネルでは、戦争を始めた日本の責任を認めず、石油や原材料などのアメリカの制裁によって真珠湾攻撃は「追い込まれた」と主張する。
 その最も異常な主張は、南京事件と呼ばれるものについてだ。日本以外ではthe Rape of Nankingとしてよく知られている。
 遊就館のパネルには「中国軍は完全な大敗を喫して、多数の犠牲者を苦しめた」「南京市内では一般市民の生活に平和がよみがえった」というように書かれている。他方、ほとんどの外国の研究者や多くの日本の歴史家は、南京市街陥落において何万人あるいは何十万人の中国兵と女性や子どもを含む民間人が殺害されたと考えている。〉

慰安婦も731部隊の人体実験もなかったことにする
靖国の歴史修正を指摘

 さらに、遊就館が日本の戦争犯罪を完全にネグっているという事実も強調している。
〈大日本帝国軍の「慰安婦」あるいは性奴隷、生きている戦争捕虜を使って生体兵器の人体実験をおこなっていた731部隊についての言及は、ここにはない。保存状態のよい泰緬鉄道の機関車が目立つように展示されているが、この鉄道を敷設させられたおびただしい数の連合軍捕虜が耐えた苦痛、そして彼らが泰緬鉄道を「死の鉄道」と呼んでいたことには一切触れていない〉
 靖国神社の本質や遊就館の歴史修正主義的展示をめぐっては、これまでも米紙ニューヨーク・タイムズや仏紙ル・モンドなどが驚きをもって伝えてきたが、それが今回、ラグビー英国軍代表の靖国参拝によって、欧米であらためてスポットが当たったかたちだ。
 いずれにしても、日本のネトウヨや極右文化人たちは、「靖国を問題視するのは中国と韓国だけだ」「戦争で亡くなった人たちを慰霊するのはどの国でも当たり前」だのと吠えているが、イギリスのタイムズも指摘しているように、靖国は単なる追悼施設では決してない。国家神道の中心として侵略戦争を正当化した装置であり、戦後も、帝国主義や軍国主義を賛美する歴史修正主義の根源のひとつなのである。
 それが国際的認識のスタンダードだ。英・国防省が「公式訪問ではない」「英国政府は靖国訪問がいかに繊細な問題であるかを完全に理解している」とタイムズにコメントしていることからも、それは明らかだろう。
 それにしても、極右歴史修正主義をばら撒き、外国人の靖国参拝に狂喜の雄叫びをあげるネトウヨや安倍政権の政治家を見ていると、本当に心配になってくる。ラグビーW杯や東京オリンピック・パラリンピックで、これからも世界から大勢の外国人が訪日するからだ。オリンピック・パラリンピック会場への旭日旗持ち込み問題にもいえることだが、こんな国際感覚が欠如したままの状態でいいはずがない。
(編集部)


英国軍ラグビーチーム、靖国神社参拝
 物議醸す 英紙報道
 「指示したことはない」と大使館報道官
2019年9月20日:産経新聞

 【ロンドン=板東和正】英紙タイムズ(電子版)は19日までに、現役の英軍人で構成されるラグビーチームが訪日中に靖国神社を参拝し、物議を醸したと報じた。第二次大戦で日本と戦った英国内では「A級戦犯が合祀(ごうし)される神社を参拝した」との批判があり、ポール・マデン駐日英国大使が注意したという。
 タイムズによると、同チームは、防衛省の主催で23日まで開かれている「国際防衛ラグビー競技会」に参加。参拝の経緯は不明だが、チーム関係者は「(参拝は)とても考えが甘い行為だった」と話している。マデン氏は念のため、今後は日本で神社の参拝を避けるよう注意したという。
 同紙などは、英国内で「靖国神社にA級戦犯が合祀されていることを理解していたのか」と指摘する声が上がる一方、「戦争に対する和解だ」と称賛する反応もあったと伝えている。

 靖国神社を参拝した英軍人で構成されるラグビーチームに、ポール・マデン駐日英国大使が日本で神社の参拝を避けるよう注意したとする英紙タイムズの報道に対し、在日英国大使館の報道官は20日、「大使はいかなる人に対しても日本の神社を訪れないよう指示したことはない」との談話を発表した。一方で「英国政府は靖国神社を訪問することの敏感さについては十分に理解する」とした。


英軍ラグビーチーム靖国参拝報道を
“ヒゲの隊長”佐藤前外務副大臣が
「韓国のフェイク」と攻撃フェイクは
ヒゲのほうだ!
2019年9月23日:LITERA

 イギリス軍のラグビーチームが靖国神社を訪れたことが、イギリスで問題になり、靖国訪問を報告したツイッター投稿を削除するなどしたことは、先日本サイトでお伝えした。
 ところがこの問題について、ヒゲの隊長こと佐藤正久・前外務副大臣がツイッターで、こう噛みついたのだ。
〈靖国神社を英国軍のラグビーチームが参拝したことを英国大使が叱責したとの韓国の報道は誤報だったようです。それにしても嫌らしいフェイクニュース〉(9月21日午前9:52)
 この佐藤の投稿は、駐日イギリス大使館公式アカウントの以下のツイートを引用リツイートする形で、ツイートしたもの。
〈「英国大使はこれまでに、神社を訪問しないようにと誰かに指示したことはありません。実際、大使は今朝、英国の国際通商大臣の明治神宮訪問に同行しましたし、これまでも多くの英国閣僚と神社を訪れてきました。英国は日本の伝統と文化を尊重しています」(英国大使館報道官)〉
 このイギリス軍ラグビーチーム靖国訪問問題については、本サイトのほかに、産経新聞と韓国の中央日報も報じていたので、佐藤副大臣が「韓国の報道は誤報」と言っているのは、おそらく中央日報のことだと思われるが、これ、誤報でもフェイクでもない。
 そもそも佐藤が「韓国の報道」だという「靖国神社を英国軍のラグビーチームが参拝したことを英国大使が叱責した」というニュースは、中央日報が独自に報じたものではなく、元はイギリス・タイムズ紙の報道である。
 タイムズ紙はこの記事で、英国大使の対応について〈Members of the UK Armed Forces rugby team have been dressed down by Paul Madden, British ambassador to Tokyo, after being given a guided tour of the Yasukuni Shrine, where the country’s war dead are honoured as Shinto gods.〉と書いた。
 そして、イギリス国防省の「イギリス軍ラグビーチームの靖国訪問は公式訪問ではない」「英国政府は靖国訪問がいかに繊細な問題であるかを完全に理解している」というコメントや、英国軍ラグビーチームのイベントマネージャーであるアーティ・ショウ氏のこんな証言を伝えていた。
〈“It was very, very naive,” Commander Arty Shaw, who organised the visit, acknowledged. “The ambassador had a word or two, so we’ve been told not to visit any more shrines, just in case.”〉
 中央日報は、これらを翻訳して以下のように紹介したにすぎない。
〈ザ・タイムズの報道によると、ポール・マデン駐日英国大使は戦犯が合祀された靖国神社のガイドツアーを行った英国陸軍ラグビーチームを非難した。〉
〈今回の訪問を主宰したアーティ・ショー中佐は「非常に不用意だった。駐日英国大使が今後はいかなる神社も訪問しないように言った」と述べた。続けて「個人的には博物館は軍の歴史から現在位置までの興味深い旅程を見せてくれたが、特に複数の国に敏感な部分だということは知らなかった」とし「今は理解している」と付け加えた。〉
 しかも、記事を見ればわかるように、この発言は靖国訪問をオーガナイズした指揮官であるアーティ・ショウ氏の実名証言なのだ。それをイギリス大使館がツイッターで否定したからといって、なぜ「誤報」ということになるのか。イギリス大使館とイギリス大使のほうが日本政府との摩擦を避けるために嘘の釈明をした可能性もあるし、イギリス大使館とアーティ・ショウ氏や軍関係者とのあいだに誤解・行きちがいがあった可能性もある。

ヒゲの隊長が
「英政府が靖国訪問を問題視」を否定したかのように印象操作

 さらに重要なのは、イギリス大使館が否定しているのが「いかなる神社にも行くな」という発言だけだという点だ。タイムズ記事の中心は、駐日イギリス大使が「靖国訪問を問題視しした」というものだが、イギリス大使館はそれについては一切否定していない。
 タイムズ紙の記事には、前述したようにイギリス国防省が「イギリス軍ラグビーチームの靖国訪問は公式訪問ではない」「英国政府は靖国訪問がいかに繊細な問題であるかを完全に理解している」ともコメントしているが、このコメントについては、イギリス大使館もイギリス大使も否定していない。
 ところが佐藤は、あたかも、イギリス政府が靖国訪問を問題視したこと自体がなかったかのように印象操作したのである。
 しかも、佐藤が「誤報」の根拠として持ち出したイギリス大使館のツイートには、ネグられた部分があった。ツイートには、以下のような続きがあったのだ。
〈「私たちは、ラグビーワールドカップのために訪日する多くの英国人観光客が、神社を含む日本文化の多様な面に触れることを期待しています。英国政府は靖国神社参拝に関して様々な考えがあることを理解しています」(英国大使館報道官)〉
 このツイートからは、イギリス大使館が、靖国神社と日本の伝統文化としての一般的な神社とで、明確に扱いを分けていることがわかる。イギリス大使館の否定ツイートの真意は、「靖国訪問を問題ない」とするものではなく、「靖国は問題だが、他の神社は問題ない」というものだったと考えるべきだろう。
 しかし、佐藤は前半のツイートをリツイートしただけで、この大使館の後半のツイート完全にネグり、あたかも、イギリス政府が靖国訪問を問題視したこと自体が誤報であったと言い張ったのだ。これこそ、フェイクの典型だろう。

英タイムズの報道を「韓国の報道」とデマ攻撃したヒゲの思惑

 しかも、佐藤のフェイクがさらに悪質なのは、これらがイギリス・タイムズ紙の報道であるにもかかわらず、そのことには一切触れず、前述のように「韓国の報道は誤報」「嫌らしいフェイクニュース」などと、韓国のせいにしていたことだ。
 佐藤がこれを「フェイクニュース」「誤報」と言い張るなら、タイムズ紙やアーティ・ショウ氏に対して批判を投げかけるべきだ。ところが、佐藤はタイムズ紙にもアーティ・ショウ氏にも一切触れず、「韓国の報道は誤報」と韓国メディアだけを攻撃しているのだ。
 この背景には、「韓国の報道は誤報」と韓国のせいにすることで、昨今の韓国ヘイトの燃料にしようという下心、そして、何より靖国に対する批判を、「韓国だけのイチャモン」と矮小化しようという意図があるのは明白だ。
 しかも、佐藤のフェイクにはもっと根深い問題がある。実は、靖国については、多くのネトウヨや極右政治家が佐藤と同じように「靖国に文句を言っているのは韓国だけ」という歪曲を行なってきた。
 佐藤がネグった今回のタイムズの報道はその主張がいかにまやかしであるかを証明するものだったのだ。
 本サイトが先日報じたとおり、タイムズ紙の記事は、イギリス大使館がイギリス軍ラグビーチームの靖国訪問を問題視したという事実関係だけを表面的に伝えたものではなかった。イギリス軍チームの靖国訪問がいかに不適切であったかを、靖国の歴史や日本の戦争犯罪を踏まえ、細かく解説したものだった。あらためて、以下に紹介しよう。
 たとえば、靖国神社が日本の右翼以外からはどう考えられているかを端的に説明し、戦争犯罪者が合祀されているという点を率直に問題視する。
〈日本の右派にとって、東京の靖国神社は愛国的に欠かせない場所だ。〔一方で、〕他の多くの日本人やアジアの人々にとっては、ジンゴイズム〔jingoism:盲信的、高圧的かつ好戦的な自民族優越主義的ナショナリズムの極北〕と嘘まやかしの神社であり、日本の植民地となった韓国や中国の人々を依然として身震いさせる攻撃的なナショナリズムの培養器である。〉
〈靖国は民間機関であり、政府の神社ではない。問題は、東京裁判で有罪判決を受け、絞首刑に処された東條英機を含む、14人のA級戦犯だ。彼らは1978年に密かに祀られた。〉(翻訳は編集部による。以下同)

イギリスタイムズ紙は、靖国神社の歴史修正と戦争美化を批判

 靖国神社の神職がラグビー英国軍代表を案内した遊就館が、いかに日本の戦争を美化し、史実を捻じ曲げた展示をおこなっているかについても、きちんと報じている。
〈遊就館は、特攻兵器・人間魚雷回天の潜水員などの遺物を崇敬するように展示している。パネルでは、戦争を始めた日本の責任を認めず、石油や原材料などのアメリカの制裁によって真珠湾攻撃は「追い込まれた」と主張する。
 その最も異常な主張は、南京事件と呼ばれるものについてだ。日本以外ではthe Rape of Nankingとしてよく知られている。
 遊就館のパネルには「中国軍は完全な大敗を喫して、多数の犠牲者を苦しめた」「南京市内では一般市民の生活に平和がよみがえった」というように書かれている。他方、ほとんどの外国の研究者や多くの日本の歴史家は、南京市街陥落において何万人あるいは何十万人の中国兵と女性や子どもを含む民間人が殺害されたと考えている。〉
 さらに、遊就館が日本の戦争犯罪を完全にネグっているという事実も強調している。
〈大日本帝国軍の「慰安婦」あるいは性奴隷、生きている戦争捕虜を使って生体兵器の人体実験をおこなっていた731部隊についての言及は、ここにはない。保存状態のよい泰緬鉄道の機関車が目立つように展示されているが、この鉄道を敷設させられたおびただしい数の連合軍捕虜が耐えた苦痛、そして彼らが泰緬鉄道を「死の鉄道」と呼んでいたことには一切触れていない〉
 日本のネトウヨや極右文化人たちは、「靖国を問題視するのは中国と韓国だけだ」「戦争で亡くなった人たちを慰霊するのはどの国でも当たり前」だのと吠えているが、イギリスのタイムズも指摘しているように、靖国は単なる追悼施設では決してない。国家神道の中心として侵略戦争を正当化した装置であり、戦後も、帝国主義や軍国主義を賛美する歴史修正主義の根源のひとつなのである。
 これが国際的認識のスタンダードだし、イギリス大使館もイギリス大使もこの認識は明らかに共有している。
 大日本帝国の侵略戦争正当化の装置である靖国神社と、日本の伝統文化としての一般的な神社との違いを明確に理解しており、だからこそ靖国とそれ以外の神社をいっしょくたに扱う「すべての神社に行かないようにとの指示」を否定したのである。
 しかし、佐藤外務副大臣は、「靖国神社=侵略戦争正当化の装置」という世界共通の認識をあえて無視し、イギリス政府およびイギリス大使館の声明を歪曲し、韓国メディアをフェイク攻撃。韓国ヘイトを煽動した。
 しかも、重要なのは、こんな人物が自衛隊出身で防衛省に影響力をもち、安倍政権下で「外務副大臣」という職をつい先日の内閣改造まで2年以上にわたり務め続けていたということだ。
 現在日本を覆う嫌韓の空気が、いかに官製ヘイト、官製フェイクによるものかが、よくわかるだろう。
(編集部)


靖国神社訪問の英国軍ラグビーチーム
 大使から叱責受ける=英紙
2019年9月20日:朝鮮日報

【ロンドン聯合ニュース】英紙タイムズは19日、日本で開催中の大会に参加した英国軍のラグビーチームが靖国神社を訪れ、駐日英国大使から叱責(しっせき)を受けたと報じた。

 タイムズによると、同チームは日本で23日まで開催されている防衛省主催の「国際防衛ラグビー競技会」に出場。同大会には韓国軍のチームも含め、計10チームが参加している。
 英国軍ラグビーチームは靖国神社と境内の戦争博物館「遊就館」を訪れた。記念に撮影した写真をチームのツイッターに掲載し、ポール・マデン駐日英国大使から厳しく叱責されたという。これを受け、同チームはツイッターから関連写真などを急いで削除した。
 チーム関係者は「非常に不注意だった。大使から今後は神社を訪れないよう指示された。(靖国神社が)特定国にとって非常に敏感な場所だということを知らなかった」と話している。
 在英韓国大使館の報道官はタイムズに「靖国神社は過去の日本の帝国主義と侵略戦争を美化する場所。戦犯が合祀(ごうし)されている上、植民地支配と軍国主義を美化する博物館の遊就館もある」と述べた。


【主張】
英紙の靖国「誤報」 戦没者追悼を傷つけるな
2019年9月25日:産経新聞

 英タイムズ紙が、英軍人で作るラグビーチームによる靖国神社参拝に対して、ポール・マデン駐日英大使が注意したと報じた。これに対して英大使館は公式ツイッターで「大使は、神社を訪れないようにと誰かに指示したことはありません」と否定した。
 靖国神社は日本の戦没者慰霊の中心的施設である。日本の246万余柱の英霊に加え、境内の鎮霊社に空襲などで亡くなった国民や、外国の戦没者の霊が祀(まつ)られている。
 英軍ラグビーチームは、防衛省が主催した「国際防衛ラグビー競技会」参加のため来日した。戦没者の追悼は世界中の国々で行われている。第二次世界大戦で戦った英軍のチームの参拝を知った多くの日本国民が感謝している。
 ところがタイムズ紙は「戦争犯罪者の神社を訪問した」と伝え、英大使からチームのリーダーが「いかなる神社にも訪問しないように言われた」と報じた。
 英軍チームは、靖国神社の鳥居前での写真をツイッターに投稿していたが、批判的なコメントが寄せられ、削除してしまった。
 一方、英大使館は公式ツイッターで「英国政府は靖国神社参拝に関して様々(さまざま)な考えがあることを理解しています」としつつ、どの神社であれ訪問しないよう大使が指示したことはないと説明した。
 タイムズ紙が、靖国神社を軍国主義とアジア侵略のシンボルと否定的に捉え、さらに英大使の発言を誤って報じたとすれば、フェイクニュースといわれても仕方あるまい。
 日本人が靖国神社に寄せる思いを踏みにじる心ない報道であり、残念というほかない。良好な日英関係に水を差すことにもなりかねない。英大使館が誤解を解こうとしたのは妥当だろう。
 タイムズ紙の報道は本紙も転電したが、日本や英国だけでなく、その他の国へも広がった。
 韓国の新聞、通信社なども取り上げた。韓国有力紙の中央日報(日本語版)は、「駐日英国大使が叱責」などの見出しで、タイムズ紙の報道を引用した。
 そのうえで、中央日報は「歴史に対する無知が露呈する姿を見せた」と、参拝した英軍チームを厳しく非難したのである。
 事実と異なる反日的な報道が内外を独り歩きすることが繰り返されてはならない。


五輪と旭日旗 持ち込み許容の再考を
2019年9月25日:東京新聞

 来年の東京五輪で、競技会場への旭日(きょくじつ)旗の持ち込みが認められる見通しだ。しかし、この旗は、歴史的な経緯もあり、周辺国からの反発を生みかねない。大会の成功のためにも再考を求めたい。
 韓国政府は、旭日旗について「周辺国家に過去の軍国主義と帝国主義の象徴と認識されている。ナチスのハーケンクロイツ(かぎ十字)のような戦犯旗」と主張、国際オリンピック委員会(IOC)に持ち込み禁止を要請した。
 これに対して日本政府は、旭日旗のデザインは、大漁旗など民間で広く使われており、「政治的宣伝にはならない」として、問題ないとの立場だ。橋本聖子五輪担当相も同じ考えを表明している。
 旭日旗は、ドイツのかぎ十字のように法律で利用が禁止されているわけでなく、自衛艦旗として使用もされている。
 しかし、大漁旗、社旗などに使われているのは、太陽の光を象徴する一部のデザインにすぎず、民間に普及しているという日本政府の説明には、無理がある。
 過去、旧日本軍の軍旗などとして使われていたのは歴史の事実だ。さらに日本国内では、今も軍国主義やナショナリズムのシンボルとしてしばしば登場している。
 この問題は、サッカーに前例がある。二〇一七年に韓国京畿道の水原で行われた韓国チームとの試合で、川崎フロンターレの一部サポーターが、旭日旗を掲げた。
 アジア・サッカー連盟(AFC)は旭日旗を、「攻撃的、挑発的な内容を含んだ横断幕や旗」であると認定し、フロンターレに罰金などの制裁を科している。
 中国でも問題が起きている。〇一年、人気女優が雑誌のグラビアで、旭日旗をあしらった服を着用したところ、「国賊」などと激しい非難を浴び、謝罪した。
 〇八年の北京五輪では、現地の日本大使館が日本人観客に対し、競技場へ旭日旗を持ち込まないよう文書で呼びかけている。海外の試合はだめだが、自国開催の五輪なら問題はないのか。日本政府の姿勢は矛盾している。
 IOCは、「競技会場は、あらゆる政治活動と無縁であるべきだ」とし、推移を見守っている。懸念には個別対応する方針だ。
 そもそも五輪は、「人間の尊厳を保つことに重きを置く平和な社会の推進」を、目標としてうたっている。競技に集中できる穏やかな環境を準備することも、主催国の大切な役割だろう。


靖国神社参道で抗議活動 香港活動家ら拘束10カ月
微罪で長期拘留なぜ
賛同立ち入りに「建造物侵入罪」
2019年9月24日:東京新聞・こちら特報部

 靖国神社(東京都千代田区)の参道で、旧日本軍の戦争犯罪に抗議した香港の運動家ら2人の身柄拘束が、逮捕から10カ月も続いている。誰でも立ち入り可能な場所で抗議活動しただけなのに大罪のような扱い。面会した記者に拘置所生活のつらさを訴えた。検察は2人を建造物侵入罪で起訴し、懲役1年と同10カ月をそれぞれ求刑した。専門家は「微罪を思想犯弾圧の道具とする傾向が一層強まっている」と警告する。                                     (佐藤直子)

 「私がなぜ靖国神社抗議行動をしたのか。戦争中に日本軍が中国で何をしたのかを知っていたら、理由は理解してもらえると思う」。8月に東京拘置所で面会した郭紹傑(グオシウキ)被告(55)は、アクリル板越しにこう訴えた。昨年12月に逮捕された。拘置所暮らしで少しやせたと言う。
 「香港のことばかり考えて夢にうなされる。屋上で体を動かす時間を与えられるがいうも一人、孤独だ」。
郭被告の言葉は標準語の北京語ではなく、方言の広東語。「刑務官と意思疎通できない。独房の壁を見つめてばかりいると苦しくなる」と表情をゆがめた。
 郭被告は靖国神社で何をしたのか。
 昨年12月12日午前7時、外苑の神門と第二鳥居の間の参道に立ち、「南京大虐殺を忘れるな 日本の虐殺の責任を追及する」と中国語で書いた横断幕を広げ、「打倒軍国主義」などとカメラの前で叫んだ。足元には「甲級(A級の意味)戦犯 東条英機」と書いた高さ30㌢ほどの縦長の紙箱を置き、燃やした。
 翌13日は、中国の人々にとって忘れらない日だ。81年前、1937年のこの日、旧日本軍は中国の当時の首都・南京を占領した。靖国神社で抗議するのは、A旧戦犯とされたかつての戦争指導者たちが合祀されているからだ。
 香港で市民運動にかかわる郭被告は抗議の動画をネットで流すために11日に来日。12日に抗議行動し、靖国神社の警備員がその場で郭被告を取り押さえた。行動の動画は、同行した香港の民間ラジオ局「民間電台」の記者、厳敏華(インマンフ)被告(27)が撮影して香港の仲間に送信した。
 この日から2人の身柄拘束が続き、26日に建造物侵入罪で起訴された。計7回の保釈請求は「決まった住所のない外国人で証拠を隠す恐れがある」などの理由で、いずれも認められなかった。
 弁護人の一瀬敬一郎弁護士は「2人は誰でも立ち入れる参道に立ち入っただけで、建造物に入ったわけではない。郭さんの行為は日本政府と靖国神社に抗議し、厳さんの行為は記者として取材報道するのが目的だった。正当な理由があった」と無罪を主張する。
 今年3月に始まった裁判では、公安事件として毎回厳重な警備が敷かれた。証拠調べが終わり、8月下旬の第7回公判で検察側が求刑した。郭被告は懲役1年、共犯とされた厳被告は同10月だった。
 その直後の同月、記者が東京拘置所で厳被告に面会した。「私は記者として2分間、カメラを回しただけ。懲役10月の求刑はショックだ」と語った。郭被告との共謀を否定し、「日本の自由と民主主義を信じたい」と話した。

市民運動弾圧のにおい
検察裁量で刑罰適用拡大?「立川テント村」「政党ビラ事件」
「古今で取り締まる」先例づくりか

 靖国神社の参道で不穏なことをした2人を批判する声はある。しかし郭被告がこのような抗議行動に出た背景もある。
 「中国各地から人が流入した香港は、戦争被害の記憶が幾重にも重なる土地柄。抗議にはやむにやまれぬ事情があった」。香港事情に詳しいジャーナリスト和仁廉夫(わにひろお)さんが説明する。和仁さんは弁護側の証人にもなった。
 米国と開戦した日本が最初に占領したのが、イギリス領だった香港だ。1941年12月25日から3年8カ月、軍政下においた。殺りくや略奪も多発したという。厳被告も、香港で暮らしていた祖母が日本兵にレイプされないよう、泥濘を顔に塗って男の子のように装い、難を逃れたという経験を聞いて育った。
 「72年に日中の国交は正常化した。その後、日本社会は加害の歴史に目を背けてきた。最初はその傾向が強まっていると、謝罪も償いも受けられなかった人々に不満が高まっている」と和仁さんは語る。
 「近年、香港の日本総領事館が市民の抗議行動を受けつけなくなったことも影響している。靖国神社はアジアの人びとにとって先の戦争の象徴だから、日本社会が戦争責任に向き合わない限り、同様の抗議は繰り返されるだろう」
 さらに2人の裁判には大きな疑問がある。建造物侵入罪というが、そもそも「建造物」に侵入したのかどうかだ。
 この罪は刑法130条にあり、3年以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられる。建造物といえば普通、建物をイメージするだろう。しかし、抗議活動をしたのは建物外の外苑の参道。屋外で道路から簡単に入れる場所だった。
 検察側は判例を引用しながら「参道のように建造物に付随して鉄柵などで囲まれた場所は、建造物と同等に平穏が守られるべきだ」と主張する。参道は観光客らも通るが、靖国神社側は「参拝目的以外の立ち入りを認めておらず、観光客は黙認しているだけ」という趣旨の証言をしている。
 立命館大学法科大学院の松宮孝明教授(刑法)は検察側の解釈に疑問を持つ。
 「建造物内部に侵入したのと同じ程度に建物内の平穏が乱されたのでなければ、建造物侵入罪を適用すべきではない」。そして「建造物侵入を唯一の罪として、検察官の裁量で適用が拡大されるなら、市民運動の弾圧にも使える」と問題点を指摘する。
 すでに弾圧のにおいがする事件も起きている。
 一つは「立川テント村事件」。東京・立川の自衛隊官舎の集合ポストに反戦ビラを投函した市民グループの3人が住居侵入罪に問われた。もう一つが「政党ビラ事件」。こちらは葛飾区のマンションのドアポストに日本共産党の議会報告ビラなどを入れていた男性が同罪に問われた。いずれも2004年に起きた。
 松宮氏は「立川の事件では日中に平穏のうちに行われたビラまきが住居侵入だとして逮捕され、長期間、拘束された。住居でも建造物でも、付随した土地での管理者の意に反する行動はすべて侵入罪に問われかねない。特に政治色を帯びた活動が狙われ、思想弾圧の道具にも使われるようになる」と批判する。
 さらに松宮氏は香港の2人の拘留が長期に及んでいることにも疑問の目を向ける。「建造物侵入しか罪状がなくても、ここまで取り締まれるという先例をつくるための裁判ではないか」
 「日本の市民社会を委縮させる可能性を持つ、大変危険な裁判だ」。松宮氏はこう警告し、10月10日に東京地裁で言い渡される予定の判決を見守っている。

デスクメモ
 2人とも市民活動に絡んで香港で拘束されたことがある。「処遇は日本のほうがまし」というが、香港では1泊2日から長くて数日。求刑すら10月なのに、日本での身柄拘束は間もなく10カ月に達する。何かおかしくないか。「人質司法」という言葉すら生易しい異様さを感じる。           (裕)

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