被告は森田健作こと鈴木栄治

ボクも何度か傍聴に行った「談合裁判」の記事が毎日新聞・千葉版(9月4日)に載っていた。短報でなく、今までの経過も記載されたよくまとまった記事だ。
千葉県の談合体質と行政の傲慢が良く表れている事件で、森田健作こと鈴木栄治千葉県知事と建設業者とのなれ合いで、本来、県が受け取れるはずの賠償金を減額した事件だ。
この住民訴訟は、千葉県オンブズのメンバーが中心になって起こされた訴訟だが、県の言い分はいいかげんで不正なものだ。
千葉県行政の体質が県民に大きな損害を与えた事件なのだが、県当局及び知事にはその自覚がない。


深掘りちば
談合に甘い千葉県
古い体質/崩れた緊張関係/過剰な配慮 
「業者とのなれ合い」指摘も/千葉
2019年9月4日:毎日新聞・千葉版

賠償金減額・住民訴訟口頭弁論

 県発注工事で談合を繰り返した山武地域の建設業者への損害賠償金を県が不当に減額したとして、市民団体が減額分の約6億円を森田健作知事に請求するよう求めた住民訴訟の口頭弁論が3日、千葉地裁で開かれ、県側は減額に至るまでの決裁文書を作成していなかったことを明らかにした。昨年には県発注工事の入札で、業者への過剰とも思える県側の配慮があった。「談合は必要悪」と話す県幹部もいるといい、県議からは「県と業者のなれ合いは県政の大きな弊害だ」という声が上がっている。【町野幸】

決裁文書存在せず

 3日の第13回口頭弁論で、県側は「知事等と庁内協議し調停対応にかかる方針等を決定または確認していたが、決裁や稟議(りんぎ)という形ではなされていないため、存在しない」とする準備書面を陳述した。地裁は、県が談合を認定しつつ「業者の厳しい経営環境などを考慮した」として賠償金を規定の額より減額した調停案を2016年10月に受け入れるに至るまでの方針決定の決裁文書や稟議書の提出を求めていた。
 県県土整備部建設・不動産業課は取材に「知事らへのレクという形で協議した。職員のメモはあると思うが、公文書ではなく、正式な決裁文書や稟議書はない」と釈明した。
 原告の「県市民オンブズマン連絡会議」の黒須俊隆幹事は「県民の税金に関わる重大な意思決定なのに、会議をせず公文書もないのは大きな問題だ」と指摘した。
 賠償金減額を巡っては、県建設業協会が16年の2月県議会に軽減を求める請願を提出し、自民党などの賛成多数で採択された。県は「業者の厳しい経営環境や災害復旧などの役割、破産した場合の地域の経済や雇用に与える影響などを考慮し、請願が採択されたことも含めて総合的に判断した」として、同12月議会で調停に応じて賠償金を5億8000万円減額する議案を提出。自民などの賛成多数で可決された。
 こうした経緯を問題視した連絡会議は17年8月に提訴。請願では「業者はほとんどが苦しい経営で賠償金で倒産・廃業に至る可能性がある」と訴えていた。だが、県が15年に調査を依頼した公認会計士は「賠償金を減額しなくとも全ての業者に支払い能力がある」と県に報告。黒須幹事も「談合した業者はその後も自民の国会議員や県議らが代表を務める政党支部に継続的に献金している」と憤る。

業者聞き取りなし

 昨年には業者への県の甘い対応もみられた。
 「あくまでも非は県にありますので……」。昨年6月、県安房土木事務所長らが指名競争入札をいったん中止し、特定の業者を指名に加えて入札に参加できるようにするために工事の内容を変更しようとしたことについて、県県土整備部の担当課長は記者会見でこう繰り返して、頭を下げた。
 同部の説明によると、入札参加資格のない建設業者の社長が昨年5月に同事務所を訪れ、入札参加業者が既に決まっていた同事務所発注の工事で自社を指名するよう要請。対応した所長らは同月、この業者を指名に加えられるよう設計の変更を職員に指示したという。
 だが、県は会見で、業者名を非公表とし、当初は業者の所在地が南房総市であることすら明かさず、所長らの非をことさら強調した。さらに問題発覚後、業者への聞き取り調査も行っていないといい、記者たちから調査するよう求められても応じなかった。最後まで「業者から違法や不当な要求があったわけではない。所長らの判断が誤り」などと主張し、所長らを懲戒処分などとする一方、業者に対しては指名停止処分などにもしなかった。

「仲介者」が存在?

 毎日新聞の取材では、県の発表に先立つ昨年5月、ある県議のもとに「業者が仲介者に入札を中止させるよう依頼した」という情報が寄せられていた。業者や仲介者は実名で内容も詳細だった。県議はこの情報をすぐに県土整備部に伝え、調査するよう要請。この際、同部は「同じ内容の情報提供メールが県にも来ており、把握している」と県議に明かしたという。
 同部は取材に「ある県議から入札中止の件で問い合わせがあった」ことは認めたものの、その内容や県にも同じ情報が寄せられていたかという点については「公益通報の内容にかかわる」として説明を拒んだ。
 「仲介者」がいたのであれば、所長らに圧力をかけた可能性もある。だが、県は県職員以外に聞き取り調査を行っていないとしており、この「仲介者」への聞き取り調査も行っていなかった。

働きかけは「ゼロ」

 17年11月に摘発された県東葛飾土木事務所発注工事を巡る官製談合事件で県職員が逮捕されるなどしたため、県は昨年8月、「再発防止対策」を発表した。対策には「外部からの違法、不当な働きかけを記録・検証する仕組み」も盛り込まれたが、業者や議員からの働きかけを対象から外し、県職員OBからの働きかけのみ記録するようにした。今年4月から、働きかけがあった場合は各職員が記録を取ることになったが、県総務課によると、8月26日時点で1件もないという。
 県のこうした姿勢について、県議会で質問を繰り返している網中肇県議(立憲民主党)は「いまだに『地元業者育成のため談合は必要悪だ』と会合の場で本音を明かす県幹部もいる。業者や業界団体への天下りなどで、職員と業者の間の緊張関係は失われてしまっているのではないか。徹底した入札改革をし、県と業者の癒着を断ち切らない限り、こうした古い体質は変わらない」と指摘する。

 ■ことば
山武地域談合

 公正取引委員会は2014年2月、山武地域の建設業者35社が県発注の土木工事で09~13年に談合を繰り返し、東日本大震災の復旧工事を含む約300件(総額約80億円)の入札で談合を行ったとして独禁法違反(不当な取引制限)を認定した。うち20社には計約2億2000万円の課徴金納付命令を出した。これを受けて、県は解散した1社を除く19社に「談合が行われた場合に契約金額の20%を賠償金として請求する」という県の規定に基づき計約11億円を請求。同8月に17社が賠償金計9億7000万円の減額を求めて千葉簡裁に民事調停を申し立て、県は調停に応じて賠償金を5億8000万円減額した。また、県は排除措置命令を受けた30社について、県の措置要領で通常1年とされる入札の指名停止期間を6カ月にした。

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