「不自由反民主党」によって日本は崖っぷち

この国の「自由」と「民主主義」が、「自由と民主」を党名にする権力によって踏みにじられている。
この先5年を考えただけでも、心配だ。
“右翼”になるための必須条件は「考えないこと」だ。極右のABEくんは、もちろん「無知・無能の力」で首相を続けている。小心者のABEくんの「強さ」は、この「無能『力』」にある。しばらく前に「バカの壁」や「老人力」というベストセラーがあったが、このネガティブな「力」は侮れない。カレラはゆがんだ自己像を持ち、そこを基準にものごとを判断し、自分が正しいと確信して、反省はしない。この「力」を持っていれば、どんなに間違ったことでも、道徳律に反することでも、平然と行なうことができる。これが「アベ政治」の本質だ。


石垣市議会「自治基本条例廃止を」薄氷の否決
「地方の憲法」各地で逆風
広い市民の定義「外国人も含む」批判噴出
2019年12月24日:東京新聞・こちら特報部

 「地方自治の憲法」ともいわれる自治基本条例。全国の自治体の2割が制定している。その条例を廃止しようという動きが沖縄県石垣市で起きた。「制定時と時代が変わった」「市民に外国人も含むのか」。それが理由だった。市議会での採決の結果、僅差で条例は残った。しかし、こんな逆風が各地で吹きつつある。いったい、何が起きているのか。                   (石井紀代美、榊原崇仁)

 今月16日、石垣市議会の12月定例会は最終日を迎えた。約30席の傍聴席は満席。関心の的は「石垣市自治基本条例を廃止する条例案」だった。可決されれば、一度制定した自治基本条例をなくす全国初の事態となる。「条例が例えなくなったとしても、多くの住民には関係ないと思います」。自民の石垣亨氏が壇上で述べる。すぐさま「何だー」と罵声が飛んだ。
 物々しい雰囲気の中、採決を迎えた。立ち上がって賛意を示したのは10人。座ったままだったのは11人。1票差で廃止条例案は否決。傍聴席から拍手とともに「よしっ」「ありがとー」と歓声が上がった。
 この条例は2009年、県内で初めて制定された「市政運営の最高規範」だ。居住者だけでなく働く人、学ぶ人、活動する人も含めて「市民」と規定。市民と市が教育、自然保護など市政全般で協力し、まちづくりを進めていくとうたう。
 廃止の動きが表面化したのは11月5日。住民団体「自治基本条例を学ぶ会」が開いた講演会だった。講師の話は批判に終始した。中でもやり玉にされたのが、住民投票についての規定だった。参加したのは30代の男性によると、「住民投票は議会の否定につながる」「市長も議員も責任を取らない」「百害あって一利なし」「石垣市が全国初で、自治基本条例を廃止してほしい」といった話が出た。
 企画した市内の会社員山森陽平氏は「誰かから頼まれてやったのではない。この条例を『最高規範』と位置付けることに制定当時から違和感があった。似た考えを持つ仲間と話し合って企画した」と語る。講演会には自民党の市議が出席し、会の運営も手伝った。そして市議会に設置されていた自治基本条例についての調査特別委員会で議論が加速した。委員は自民など与党系が占めていた。
 何が話し合われていたのか。「こちら特報部」が入手した非公開の議事録によると、「市民の定義があまりに広すぎて外国人も含まれる」「あってもなくてもいい条例」と批判が噴出。中でも住民投票についての規定は「一定の制限が必要だ」と評判が悪かった。
 ちなみに条例では、、1/4以上の署名で「市長は所定の手続きを経て、住民投票を実施しなければならない」と定めている。「有権者の1/50以上」という地方自治法より署名集めのハードルが高い。
 ただ、同法の手続きでは、さらに議会が認めなければ投票は行われない。条例ならば、署名さえ集めれば、投票を実施するのは市長の義務ということになる。
 既に住民投票を巡ってトラブルも起きている。
 石垣市では、市民団体が18年12月、市民の1/4を超える署名を市に提出した。防衛省が配備を計画するミサイル基地について住民投票の実施を求めたのだ。しかし、市は条例にある「所定の手続き」が決まっていないと拒否。法廷で争いが続いている。
 こうした背景もあり、自民の市議が12月議会に廃止議案を提出した。

しぼむ制定気運 裏に自民
「憲法を逸脱」「国家否定」
地域課題は地域で解決 自治の具体的議論必要

 前出の石垣氏は提案理由を「社会情勢の変化や二元代表制の円滑な運用には必ずしも有用ではない」と市議会で述べた。「社会情勢の変化」とは、観光客や外国人労働者が増加し、「市民」にこういった人たちも含むということのようだ。
 ただ、採決では、自民と歩調を合わせてきた議員2人が反対に回った。その一人、特別委の委員でもあった箕底用一氏は「おかしな条文は確かにある。特別委では、時代に合った新しい条例をつくる条件で廃止に賛成した。だが、自民はそのつもりがないと後で分かった。強引に議案が提出された」と説明する。
 石垣市と同様の条例は全国に広まっている。NPO法人「公共政策研究所」によると、施行した都道府県と市区町村は1日現在、全国で390、全国自治体の21・8%になる。全国初は2001年4月の北海道ニセコ町だ。研究所の水沢雅貴理事長は「地方分権一括法が00年4月に施行され、国と地方は「対等、協力」の関係に改まった。各自治体で『自分たちのことは自分たちで決める』という意識が強まり、制定につながった」と語る。
 条例には、住民投票を盛り込むケースが多い。奈良県生駒市や川崎市のように、条例の「住民」に外国人を含めたり、その自治体への通勤者や通学者を入れたりする例が目立つ。
 滋賀県米原町(現・米原市)は02年、全国で初めて永住外国人に投票資格を付与する住民投票を行った。4年後に自治基本条例を制定。19年9月、その条例に基づいて住民投票条例を定め、永住外国人の投票権を明記した。
 ただ近年、条例には逆風が吹く。条例の年度別施行数は10年度の38自治体をピークに18年度は7に減った。条例制定の機運が立ち消えになった自治体もある。群馬県高崎市やさいたま市がそうだ。
 水沢市は「条例が広まらなくなった裏には自民党の動きがある」とみる。党のホームページで、それをうかがわせる文書が閲覧できる。「チョット待て!!“自治基本条例”」と題したパンフレットで、国会図書館の蔵書検索では12年1月の出版。自民党が下野していた時期だ。
 「自治体の裁量権拡大と住民の自治意識を強調するあまり、憲法を逸脱していないか」「国家の存在を否定している」と疑問を呈し、「住民投票はあくまで参考」とつづる。さらに「投票の有権者資格は日本国籍を持つ者」とあり、外国人への警戒もうかがわせる。自民党は14年6月にも各都道府県に対し、制定に際しては慎重な対応を求める文書を出した。
 しかし自治を軽んじていいわけがない。法政大の武田真一郎教授(行政学)は「地域の課題を一番よく知り、最も危機感を抱くのが地域住民。当事者そのものだからだ。地域で暮らす外国人も同じ。実情に沿った深い議論をするには、住民に近い場所で意思決定することが不可欠だ」と語る。
 首長や議員の選挙でも民意は集約される。武田氏は「往々にして行政や議会は地域開発や利益配分に重きを置き、生活環境や財政事情に厳しい目を向ける民意と乖離がみられる。だから住民投票でただすことが必要になる」と強調する。
 もっとも水沢氏は各地の条例を「十分に活かせず、立派な理念を記しただけというケースが少なくない」と残念がる。そして水沢氏は「掲げた目標を実現するため、どんな制度が必要か、担い手の意識をどうはぐくむか、きちんと詰めないと意味がない。重要なのは、自治はをどう具体化するかという議論。条例制定で終わらず、さらに踏み込んでほしい」と訴えた。

デスクメモ
 各地で自治基本条例ができ始めた時、まじめに取り合う気が起きなかった。実効性が感じられなかったからだ。それは今も変わらない。だからといって自治の看板を下げるという動きには賛成できない。やはり「具体的に見のある内容にすべきだ」という方向からの批判が必要だ。       (裕)


逆風の「わがまちの憲法」
 背景に自民冊子と日本会議
2019年12月30日:朝日新聞

 地方分権の夢とともに2000年代から全国約400の自治体でつくられた「自治基本条例」に逆風が吹いている。「わがまちの憲法」とも呼ばれるが、「国家の否定につながる」などと保守系が問題視。今月には沖縄県の石垣市議会で条例の廃止が提案された。研究者らによると、全国で初めての動きとみられる。
 「不要なもの。ある特定の思想信条に染まった方が市政運営にアクセスする」。16日、石垣市議会に条例の廃止案を提出した自民所属の石垣亨市議は、こう言った。
 採決では、自民と中立会派1人の計10人が賛成したが、野党会派を中心に計11人が反対に回り、1票差で否決された。野党市議は「まさか本当に提案するとは」とため息をついた。
 条例は2009年に策定された。市、市議会、市民の役割などを記した15章で構成。有権者の4分の1以上の署名で住民投票の実施を義務づけた、常設の住民投票制度を明記したことが特徴だ。
 提案した市議らは否定しているが、この住民投票の規定が条例廃止の真の狙いだったとみられている。石垣市では15年以降、陸上自衛隊の配備計画について市論が二分。住民投票による意思表示をめぐって、つばぜり合いが続いてきた経緯がある。
 住民投票を求める住民らは昨年、地方自治法の手続きで署名を集め始めた。ところが、市議会は否決。そこでこの住民らが打ち出したのが、議会の議決が不要な、条例による住民投票だった。
 署名数は条例が規定する「有権者の4分の1」を超え、住民らは投票実施を市長に要請。市長が拒否したため、投票実施を求める行政訴訟に持ち込まれている。

「日本会議」連動も

 こうした混乱を背景に「条例廃止」が浮上したのだが、憲法改正などに取り組む全国組織「日本会議」との連動も見逃せない。11月には、この問題で共闘する市民団体の会長が来島。自民会派の市議らを前に「条例は百害あって一利なし」と訴えたという。
 日本会議神奈川の幹部で、条例に詳しい木上(きがみ)和高氏は石垣市議会での採決の意義をこう語る。「国防に対する住民投票など、条例制定で何が起きるのか、広く理解されるきっかけになった」
 木上氏が抱く懸念は多々ある。①「住民」の定義があいまいで、外国人や「プロ市民(活動家)」らが行政に入り込む②住民投票の尊重などを掲げ、行政・議会による地方自治が破壊される③住民投票はポピュリズムに陥りやすく、誤った行政判断に帰着しかねない④住民投票を通じて、一自治体が国防を揺るがしかねない……。
 そして、木上氏はこう結ぶ。「つまり、自治基本条例とは、議会で多数をとれない勢力が、政策決定権に直接アクセスし、行政を動かす巧妙な仕掛けだ」
 一方、条例の推進側にとっても、石垣の動きは驚きだった。自治労のシンクタンク、地方自治総合研究所の辻山幸宣(たかのぶ)前所長は「これまでは制定阻止。今ある条例を引きずり下ろそうとは、だいぶ過激になってきた」と話す。

きっかけは、自民の冊子

 地方分権一括法が施行された2000年の前後、地方では夢が語られた。「国と対等になるのだから『まちの憲法』が必要だ」。左も右もなく、山田宏参院議員(自民)が区長だった東京都杉並区などでも作られた。
 これまでに「条例」をつくった自治体は377。「まちづくり条例」「市民参画条例」「行政基本条例」「自治憲章条例」などと、名前もさまざま。どこで潮目は変わったのか。
 関係者がそろって挙げる冊子がある。11年夏、野党時代の自民党がつくった「チョット待て!! 自治基本条例」だ。「国家の否定が根底にある」と条例を非難。冊子は反対派のテキストになって、運動は広がった。最近は今年1、昨年2、一昨年5。条例施行数は極端に減った。
 時の流れに遅れまいと、議論がおろそかなまま制定した自治体もあり、もともとあった「対立の素地」が噴き出したと辻山氏は考える。「逆風だが、議論が活発な今こそ、それぞれのまちで条例の中身をとことん話し合う、よい機会を得たととらえたい」
 地方分権一括法の施行から来年で20年。「わがまちの憲法」も踏んばりどころだ。(伊藤和行、編集委員・藤生明)


安倍政治、この1年
   ほころび隠せぬ最長政権
2019年12月31日:毎日新聞

 今年、日本は令和の新しい時代を迎えた。その節目の年、政治は未来に向けた一歩を刻んだろうか。残念ながら答えはノーだ。
 夏の参院選で自民、公明両党が引き続き多数を制し、11月には安倍晋三首相の通算在任期間は史上最長となった。だが安定した基盤を生かして中長期的な課題に成果を上げたとは到底言えない。むしろ内政、外交ともに停滞感が漂ったのが実情だ。
 秋の内閣改造で入閣した閣僚2人が相次いで辞任。税金の私物化が指摘される「桜を見る会」の疑惑は広がる一方で、安倍内閣の看板政策のカジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐっては贈収賄容疑で東京地検特捜部の捜査のメスが入った。政権は今、逆風の中で、そのほころびを隠せなくなりつつある。

国会から逃げた首相

 この1年、一段とあらわになったのは長期政権のおごりやひずみである。国会軽視どころか、議論を封じて逃げる姿勢も際立った。
 首相は秋の臨時国会後、「国会では政策論争以外の話に多くの審議時間が割かれてしまった」と講演で語った。「桜を見る会」の問題など、取るに足らない話だと言いたげだ。
 しかし、首相が出席する衆参予算委員会の開催回数は今年、格段に減った。審議の機会そのものを閉ざしたのは首相と与党である。
 「議論封じ」を象徴したのが、金融庁の審議会が6月、夫婦の老後資金は公的年金だけでは「約2000万円不足する」と試算した報告書をまとめた一件だ。
 報告書に多くの批判があったのは確かだが、人口減少が続く中、年金や医療、介護など社会保障政策の将来像を与野党、さらには国民全体で議論する好機となったはずだ。
 ところが直後の参院選で争点になるのを恐れて、麻生太郎副総理兼財務相は報告書を受け取らず、報告書をなかったことにしてしまった。
 失政も目立った。来年度からの大学入学共通テストで予定されていた英語民間試験と国語、数学の記述式試験が見送られたのもその一つだ。
 萩生田光一文部科学相の「身の丈」発言に批判が殺到したことから大慌てで見直したものの、問題点はかねて指摘されていた。政治主導で進められた改革に文科省がブレーキをかけられなかった大失態だった。
 毎月勤労統計の不正調査も明らかになった。基本を忘れた不適切な調査を厚生労働省が長年続けてきたのは信じられないような事態だった。
 内閣人事局が創設され、官僚が人事を恐れて、首相におもねるようになったと言われて久しい。「桜を見る会」に関する情報を政府が隠すのも首相の関わりを認めたくないからだろう。だが子供だましの釈明をするたびに疑惑が広がる現状を見ていると、官僚の質も劣化してきたように思えてならない。

行き詰まる外交課題

 アベノミクスを掲げて7年。依然景気回復の実感は乏しいという国民は多い。首相は先送りしてきた消費増税に踏み切ったが、これに伴う景気対策は大盤振る舞いで、国の借金の将来世代へのつけ回しは続く。
 外交はどうか。首相とトランプ米大統領との関係は総じて良好だったと認めるが、日米貿易協定は対等な結果とはならなかった。
 韓国との関係は「戦後最悪」と言われる状態に陥った。文在寅(ムンジェイン)大統領との会談が実現したとはいえ、改善の道筋はついていない。
 ロシアとの北方領土交渉は深刻だ。首相はプーチン大統領と27回も会談を重ね「日本固有の領土」との長年の主張まで封印して譲歩したにもかかわらず解決は遠のいている。
 対北朝鮮では米朝関係の変化を受け、首相は金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談を「前提条件なしに実現したい」と突然表明したが、めどは立たない。最重要課題としてきた拉致問題も動く気配はない。
 首相は再来年秋までの自民党総裁任期の延長は考えていないと語る一方で、現在の任期中に宿願としてきた憲法改正を実現したいと言う。
 ただし、それは日程的に相当難しそうだ。ならば何を政治遺産として残したいと考えているのだろう。実は、それが見つからず、政権維持自体が目的となっていないだろうか。
 まず、首相は謙虚に7年間を総括し、負の遺産を残さぬことに力を注ぐべきだ。首相にものを言えない状態が続く自民党も変わる時だ。来年こそ、与野党挙げて国会の行政監視機能を取り戻したい。


今年は
サイコパスぶりがさらにエスカレート!
2019年・安倍首相がついた
真っ赤な嘘とインチキ総まくり
2019年12月30日:LITERA















 今年もまた、リテラ年末恒例・安倍首相による「大嘘」振り返り企画をお届けする季節がやってきた。毎年、恥も反省もなく虚言を吐きつづける安倍首相だが、今年2019年も政策・外交の失敗、あるいは私物化疑惑をごまかすために山のような嘘を平然とついてきた。
 今回は、その嘘の山から厳選の8つの嘘を振り返ろう。まず最初は、新年早々、多くの国民の度肝を抜いた、この嘘からはじめたい。

◎大嘘その1

「いま、土砂が投入されている映像がございましたが、土砂を投入していくにあたってですね、あそこのサンゴについては、移しております」

1月6日放送『日曜討論』(NHK)で
 
 今年がスタートしてたった6日目に飛ばした最初の嘘がこれ。安倍政権は前年12月14日に新基地建設のために辺野古の海への土砂投入をはじめたが、それを正当化した上、「サンゴは移した」と言い張った。しかし、映像のなかで土砂が投入されていた「埋立区域②−1」ではサンゴの移植はおこなわれていなかったのだ。
 しかも、通常国会でこの発言が問題視されると、安倍首相は「南側の海域に生息している保護対象のサンゴは移植したと(防衛省の幹部から)聞いている」と答弁。土砂が投入されている映像を指して「あそこのサンゴ」と言っていたのに、土砂が投入されているエリアの隣の区域を含む「南側海域のサンゴ」だとごまかしたのである。
 総理大臣が新年早々フェイク発言をテレビで垂れ流すという唖然とするような幕開けとなった今年。その後も安倍首相は嘘に嘘を重ねつづけたのだ。

◎大嘘その2

「いわば『100年安心』ということはですね、確保された」

6月10日、参院決算委員会

 今年5月に金融庁の審議会が「年金に頼るな、自分で2000万円貯めておけ」という報告書案をまとめていたことで一気に国民に不安が広がった「年金2000万円」問題。国会では「100年安心は嘘だったのか」と追及を受けた安倍首相だったが、「反論させていただきたい」と大見得を切り、「マクロ経済スライドによって『100年安心』という、そういう年金制度ができたということなんです」「マクロ経済スライドも発動されましたから、いわば『100年安心』ということはですね、確保された」などと主張。しかし、安倍首相はその「100年安心」の具体的な根拠を何ひとつ示さず、だらだらと「マクロ経済スライド」の説明をつづけ、「今年度の年金額は0.1%プラス改定になった」と強調しただけだった。
 だが、このプラス改定というのは年金を満額で受け取っている人の場合でたったの月67円の増額でしかない。しかも、安倍首相がその正当性を説きつづけている「マクロ経済スライド」によって、年金は「増えた」どころか実質的には「減って」いる。
 そもそも、年金は物価や賃金の上昇に合わせて上昇率分増えるが、マクロ経済スライドの実施は物価の上昇による年金支給額の上昇を抑制するもの。そして、年金の0.1%の増額改定に対し、今年1月に総務省が発表した消費者物価指数によると、物価上昇率は1%。つまり、安倍首相が誇る「年金額を増やした」という話は、実質的には0.9%のマイナスであって、年金が月10万円だったら月900円が減らされたというのが実態なのだ。
 その上、姑息にも参院選後まで公表をずらした財政検証の結果では、現実に近いケース5では39年後には所得代替率は44.5%となり、現実の経済状況とも一部重なるケース6では2052年には国民年金の積立金は枯渇。つまり、いまのような経済状況だと「100年安心」どころか、公的年金制度は約30年程度で破綻するという結果が出た。
 しかし、安倍首相はこうした現実を直視せず、さらにはこんな嘘まで国会で吐いたのだ。

◎大嘘その3

「たいへん残念なのは、先程の党首の議論でですね、年金の、いわば積立金が枯渇すると言ったとき、拍手が起こったことであります」

6月19日、党首討論

 年金問題がクローズアップされた党首討論では、当然、野党党首から厳しい追及がおこなわれ、国民民主党党の玉木雄一郎代表は2017年の全要素生産性では政府のシミュレーションでも「36年後に積立金が枯渇する」と指摘し、共産党の志位和夫委員長もマクロ経済スライドをやめて富裕層の保険料増額で「減らない年金」にすることを提案。だが、安倍首相は志位委員長の質問に答える番になったとき、前の質問者だった玉木代表の話を持ち出して「拍手が起こった」などと言い出した。ようするに、“年金積立金が枯渇することを喜ぶなんて、政府を批判したいだけだ、なんと卑しい”と印象付けようとしたのだ。
 しかし、これはとんだ「でっちあげ」だった。
 国会中継を確認すると、玉木代表が「いま総理がやるべきなのは、国民に、どういう年金の姿になっているのかを、正直に語る政治を実現することじゃないですか」などと語ったときに拍手が起きていたが、「積立金の枯渇」について言及したときは小さなどよめきが起きただけで、拍手の音は聞こえてこないのだ。
 起きてもない拍手をでっちあげて、野党に対して印象操作をおこない、年金制度追及をごまかす……。卑劣というか、これではデマで野党を攻撃しているネトウヨサイト以下と言ってもいいだろう。もし安倍首相が「嘘」という自覚がないとしたら、自分の都合のいいように事実をねじ曲げるサイコパスと言うほかない。

◎大嘘その4

「まるで私たちがですね、統計をいじってアベノミクスをよくしようとしている、そんなことできるはずないじゃないですか。そんなことできるはずがないんですよ」

2月4日、衆院予算委員会

 昨年末、「毎月勤労統計」の不正調査問題が発覚したことで、2018年の統計調査手法の変更によって賃金伸び率を上振れさせた“アベノミクス偽装”疑惑が浮上。しかも、調査変更をめぐっては、中江元哉首相秘書官(現・財務省関税局長)や菅義偉官房長官が厚労省に圧力をかけるなど暗躍していたことまで判明したが、安倍首相は統計調査変更による“アベノミクス偽装”を否定し、こう逆ギレしてみせたのだ。
 しかし、「できるはずがない」と言うものの、実際に2018年の実質賃金伸び率は1〜11月で5カ月がプラスとなっていたものが、実態に近づけた野党側の試算ではプラスになったのは1カ月だけ。厚労省もこの結果を「(厚労省が試算した場合も)同じような数字が出ると予想される」と認めている。いや、そもそも安倍政権は2016年12月にGDPの計算方法を変更し、それによって名目GDPを大幅にかさ上げするという“前科”まである。そして、安倍首相はその恣意的な数字を強調し、「名目GDP過去最高」などとアピールに使ってきたのだ。
 統計をいじってアベノミクスの効果を演出する。これは国民を欺く詐欺的行為だが、安倍首相は「そんなこと」までしてしまっているということの重大性を、いま一度考えるべきだろう。
 

◎大嘘その5

「(トウモロコシを)買うのは民間、政府ではない」

8月25日、日米首脳会談後の記者発表で

「中国がやると言ったことをやらなかったから、国中でトウモロコシが余っている。代わりに日本の安倍総理が、すべてのトウモロコシを買うことになった」。首脳会談後にわざわざ予定になかった記者発表を開くと、トランプ大統領がごきげんな様子で切り出したこの話題。しかも、トランプ大統領は安倍首相にも「トウモロコシについても発言を」と催促し、対する安倍首相は、まずいと思ったのか「買うのは民間、政府ではない」とやんわり訂正したのだった。
 まるで民間企業が買うのであって政府は関係ないと言わんばかりだが、実際は違う。農水省は飼料用トウモロコシの前倒し購入を決めた企業に対して保管料や購入代金の金利分の補助をおこない、この補助には最大32億円の税金が投入されるのだ。
 しかも、ひどかったのは、この“トウモロコシ爆買い”を正当化するために安倍政権が「害虫被害のため」などとさらなる嘘をついたこと。これには農家からも「それほど被害は出ていない」「影響はあまりない」という声があがっていたが、それを裏付けるように、米国産トウモロコシ購入の補助制度は9月に募集を開始したのに、3カ月ものあいだ申請はゼロ。今月中旬にようやく初めての申請があったという。
 最終合意した日米貿易交渉も安倍首相は「両国にとってウィンウィンの合意」などと言ったが、それも大嘘で、日本がアメリカに売り渡す農産物市場はなんと約72億ドル(約7800億円)。トランプのために際限なく国益を差し出す“ケツ舐め外交”を、恥もなく安倍首相は来年もつづけるのだろう。

◎大嘘その6

「『令和』というのは、いままで中国の漢籍を典拠としたものと違ってですね、自然のひとつの情景が目に浮かびますね」

4月1日、『ニュースウオッチ9』出演時に

 新元号の発表を政治利用し、平成のときになかった会見まで開いて、勝手な解釈で自分の政策との関連をアピール。テレビ番組に出演して、まるで自分が元号を決めたかのような発言を繰り返した安倍首相だったが、なかでも失笑を買ったのはこの“日本スゴイ”アピールだ。
 そもそも日本の古典文学は基本的に中国や朝鮮の影響下でつくられているものであり、いくら「国書典拠」を強調したところで、日本固有の文化、中国排除などできるはずがない。現に、「令和」の典拠は『万葉集』の梅花の歌の序文だが、それも中国由来の漢文調で書かれたものだ。しかも、「令和」の大元には張衡(78〜139)という後漢の役人・学者が残した「帰田賦」があると専門家らが指摘。安倍首相は「自然のひとつの情景が目に浮かびますね」などと言うが、じつは「帰田賦」そのものが自然の情景を描いているのである。
 漢文の教養なんて何もないくせに知ったかぶりをして恥をさらすとは、この総理大臣は救い難いものだが、ネット上ではこの「帰田賦」の作者である張衡が“権力の腐敗に嫌気がさして田舎に引っ込んだ役人”であったことが話題に。本サイトが調べたところ、張衡は〈法を遵守する者が災難に遭うご時世〉(明治書院『新釈漢文体系』81巻 通釈より)などと憂い、腐敗と忖度にまみれた政治を批判していた(詳しくは既報参照)。
 ようするに、「おれは国書を典拠とする元号をつけた初めての総理だ」と悦に入るものの、実際は自らの政権とそっくりな不正と忖度官僚の跋扈を嘆いた中国の役人の言葉を元ネタとする元号をつけてしまっていた、という大オチがついたのだった。


◎大嘘その7

「私が言っていること、嘘だって言っているんでしょう? それは非常に無礼な話ですよ。嘘だって言っているんでしょ、あなたは。本当だったら、どうするんです、これ。あなた、嘘だって言ってるんだから!」
「私が嘘を言うわけないじゃないですか!」

2月13日、衆院予算委員会
「お父さんは違憲なの?」という話は本当かと問われて
 安倍首相が9条に自衛隊明記する改憲の理由としてしきりに持ち出していた、「自衛官が息子に『お父さんは違憲なの?』と目に涙を浮かべながら言われた」というエピソード。国会では、小中学校と自衛隊駐屯地のそばで育ったという立憲民主党の本多平直議員が「こんな話が出たことがない」と質疑のなかで述べると、安倍首相は血相を変えてこうまくし立て、「資料を出せと言うんであれば出させていただく」と大見得を切ったのだった。
 これまでさんざん国民に嘘をついてきた安倍首相が「私が嘘を言うわけないじゃないですか!」と言っても何の説得力もないが、じつはこの話題でも安倍首相は嘘をついていたことがわかった。というのも、その後の衆院予算委で、出すと言っていた資料も出さず、「防衛省担当の総理秘書官を通じて、航空自衛隊の幹部自衛官から伺った話」と答弁したからだ。
 「自衛隊の幹部から聞いた」「ある自衛官から聞いた」と語ってきたのに、実際には又聞きだった……。しかも、本サイトが調べたところ、「お父さん違憲なの?」のネタ元だと思われる元自衛官の話が「正論」(産経新聞社)に掲載された2017年6月と同時期に、同じような話が極右界隈で語られはじめていた。ちなみに安倍首相が9条に自衛隊を明記する改憲案をぶちあげたのは同年5月。つまり、改憲案を正当化するために改憲勢力や自衛隊出身の右派論客などが古いエピソードを持ち出した疑いがあるのだ(過去記事参照)。
 安倍首相は同じように「自治体の6割以上が自衛官募集の協力を拒否している」という話を喧伝していたが、これも本当は9割が協力していたことがわかっている(https://lite-ra.com/2019/02/post-4546.html)。来年、安倍首相が改憲に向けて猛突進することは間違いないが、こうした嘘に騙されてはいけない。

◎大嘘その8

「私は招待者のとりまとめ等には関与していない」
11月9日、参院予算委員会

 やはり今年の安倍首相がついた嘘の大トリを飾るのは、「桜を見る会」問題しかあるまい。問題に一気に火がついた11月8日の参院予算委では、「後援会や支援者の招待枠を自民党内で割り振っているのでは」という共産党・田村智子議員の追及に対し、「私は主催者として挨拶や招待者の接遇はおこなうのでありますが、招待者のとりまとめ等には関与していないわけであります」と答弁した安倍首相だったが、次々と証拠や証言が出てくると、約1週間後の16日に不意打ちでおこなった記者団のぶら下がり取材で「私、そして官房長官、官房副長官からの推薦を長年の慣行で受けていた」と発言。同月20日の参院本会議では「私の事務所が内閣官房からの推薦依頼を受け、幅広く参加希望者を募ってきたと承知している。私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった」などと、しれっと推薦に関与していたことを認めたのだ。
 どうしてこうも簡単にバレるような嘘をついてごまかそうとするのか──。しかも、ここにきて招待区分「60」が総理枠であることを示す公文書が公開され、悪徳マルチ商法のジャパンライフ山口隆祥会長(当時)を招待したのが安倍首相であることは確定的となった。安倍首相は「山口氏と1対1のようなかたちで会ったことはなく、個人的な関係は一切ない」と答弁しているが、なぜ個人的関係が一切ない人物を安倍首相は招待したのか。またも虚偽答弁の可能性が出てきたのである。
 「桜を見る会」問題はこれにとどまらず、「前夜祭」や招待者名簿破棄問題をめぐってもあきらかに嘘としか思えない説明をおこなってきた安倍首相。来年の通常国会では、安倍首相がついた嘘をすべて徹底的に暴くほかない。
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 安倍首相の嘘を振り返ったこの企画、いかがだったろうか。しかし、安倍首相の発言で問題なのは、嘘だけではない。詭弁に驕り、そしてアホ丸出しのバカ発言については、あらためてまとめて紹介するので、そちらもご期待いただきたい。
(編集部)


消費増税10%の悪影響がヤバすぎる。
新春から本格的に景気後退か
2019年12月27日:日刊SPA!

 令和もいよいよ2年目へ。おそらく、新春ムードに浮かれている人も多いことだろう。だが、少々残念なお知らせが……。’20年の景気は一層冷え込む可能性が高いのだ。なぜか大きく報道されていないのだが、10月に実施された消費増税の影響がデカすぎた。

軽減税率・キャッシュレス還元効果むなしく消費大増減!

「12月6日に発表された総務省の家計調査によると、10月の消費支出は物価変動を除いた実質ベースで前年同月比5.1%減と大きく下落しました。大型台風の影響があったとはいえ、’14年の5%から8%への引き上げ時よりも大きな下落率。軽減税率の導入やキャッシュレス決済時のポイント還元制度を導入することで、駆け込み需要からの反動減を抑制しておきながら、この水準です。  さらに内閣府が発表した景気動向指数では、景気の現状を示す一致指数が前月比5.6ポイントも下落と、8年7か月ぶりの大きさを記録している。消費増税の悪影響が想像以上のものだったと言わざるをえません」

 こう話すのは国内外の経済動向をウォッチし続ける闇株新聞氏。足元では日経平均株価が2万4000円の大台に乗せて年初来高値を更新したが、「株価の好調に反して景気はここ数年で最悪」という。元大蔵官僚で嘉悦大学教授の高橋洋一氏も次のように話す。 「経産省が11月末に発表した10月の商業動態統計では小売・卸売業が悲惨な状況にあることも明らかになっています。10月の小売業販売額は前年同月比7.1%減で、’14年増税時(4.3%減)のマイナス幅を大きく上回ったのです。  財務省が毎月発表している貿易統計でも、10月の輸出が前年同月比9.2%減、輸入が同14.8%減と大きく低下。11月の速報値でも輸出が7.9%減で輸入が15.7%減と大幅なマイナスです。特に、2か月連続で2桁減を記録している輸入額からは国内需要が大きく低下していることがうかがえる。  経産省が発表した10月の鉱工業生産指数も前月比4.2%減で、3年5か月ぶりの低水準。10月の台風被害で操業停止に追い込まれた工場があった影響もあるでしょうが、日本も含めて世界的に需要が落ち込んでいることを如実に示しています。前回増税は3%分で今回は2%分のため、単純計算で景気の落ち込みは前回の3分2程度にとどまるだろうと予想する人もいましたが、実際には前回増税時を上回る落ち込みをみせているのです」

















問題はロクな対策を講じていない点

 もちろん、前回と単純比較はできない。’14年4月の増税は、アベノミクスが始まった直後のこと。これに対して、今回は米中貿易戦争などで世界的に先行き不透明感が強まった。 「いまだ日本は景気の基調判断を『緩やかに回復している』として、’12年12月から始まった戦後最長の景気回復は継続中であるとの判断を維持していますが、多くの景気指標を見ると’18年10月にピークをつけていたことがわかります。実際、この12月に内閣府から発表された’18年度GDP確報値は、速報値の0.7%から0.3%に大幅に下方修正されている。さらに、多くの人が見落としているのがGNI(国民総所得)。こちらは速報値の0.2%から一転してマイナス0.2%に下方修正されているのです。  GNIは文字どおり、国民が1年間に得た所得の合計を示す数値。つまり、’18年度には早くも日本の所得水準は低下に転じて、そこに世界的な景気減速が重なるという最悪のタイミングで増税が実施されてしまったのです。’20年度の新卒求人倍率は8年ぶりに低下しており、安倍政権がアピールし続けた雇用環境の改善も頭打ちの状況。もはや、『緩やかに回復している』と言える材料は尽きているといっていいでしょう」(第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏)  問題なのは、そんな経済環境にありながらロクな対策を講じていない点にあるという。 「12月13日に’19年度補正予算案を臨時閣議決定しましたが、『安心と成長の未来を拓く総合経済対策』と名づけながら、経済の下振れリスクに対処するための重点支援策への投入資金は9000億円どまり。10 月の消費増税では軽減税率や教育無償化に伴う財源を差し引いて、恒久的に2.5兆円の家計負担増になると試算できるのに、まったくその穴埋めができていません」(同)  高橋氏は「そもそも補正を打つのが遅すぎる」と指摘する。 「増税に伴う景気減速が目に見えていたにもかかわらず、10~12月の臨時国会での補正予算成立を目指さず、政府は1月20日に召集される通常国会での早期成立を目指す姿勢です。仮に1月中に補正予算が成立しても、実際に予算が執行されるのは年度末の3月になってしまうでしょう。つまり、増税から半年も追加対策を打てぬまま時間が過ぎてしまうわけです。おそらく、来年度(’20年度)の補正もすぐさま打たないと景気の下支えは難しい。政府の対策が後手に回っているのは明らかです」
 ’20年はオリンピックイヤー。東京五輪直前にテレビをはじめ、家電の駆け込み需要が発生する可能性もあるが、「6月にはキャッシュレス決済のポイント還元制度が終了して消費の落ち込みが一層激しくなり、五輪後にはインバウンド需要が急速に萎む」(永濱氏)という。  そして、本格的な景気後退局面入りへ……。果たして、いつまで安倍政権は「緩やかに回復している」と言い続けるのか? 令和2年の日本経済がヤバイことになることを覚悟しておきたい。 <取材・文/週刊SPA!編集部 写真/時事通信社> ※週刊SPA!12月24日発売号「今週の顔」より

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